中世の時代から漁業の町として、近代に入ってからは風光明媚な保養地として人気となりました。ヘブリディーズ諸島など、島しょ部をつなぐ玄関口ともなっています。
街は弓型の海外線に沿って形成され、高台からは美しい町並みを見ることができます。
上写真の奥、海外線のメインストリート(ガナバン・ロード)にみえるのは街のシンボル。どすりと構える聖コルンバ大聖堂です。
この教会は1930年ころから建設が計画され、教区の住民、篤志家から資金が募られました。第二次世界大戦による中断があり、1950年に完成しています。
太い煙突のような重厚な塔の形状が特徴。設計はリバプール大聖堂の設計者としても知られるジャイルズ・ギルバート・スコット(Giles Gilbert Scott)で、フォルムなどリバプール大聖堂との共通点がみられます。
海岸線を歩きながら島々を眺め、陸側に進みますと、急な坂道。その中腹にホテルや飲食店などが集まっています。
なかでもぜひ見学したいのが、オーバンの街を国内外に有名にしたモルトウィスキーその名も『オーバン』の蒸留所。
1794年に設立され、日本でも人気のブランド。蒸留所では資料館や売店、日本語にも対応した見学ツアーも用意されています。
オーバン蒸留所からさらに丘を登っていくと、不思議な形をした建物の残骸に到着しました。まるでコロッセオのよう。
『マッケイグ・タワー』です
その見た目から相当古い建築なのではないか、と思わせますが・・
実はこのマッケイグ・タワーは、1900年に銀行家のマッケイグス氏が築造したもので、それほど古いものではありません。
建てられた経緯を調べるとなかなか面白い
資産家で街の有力者であるマッケイグが、街の失業対策、雇用創出のために建築をはじめたとのこと。
しかし、塔の一部を作っただけで未完成のままで放置されてしまいました。遺跡のような廃墟のような見た目はそのためなのです
いったいこのあとどのような建物にしたかったか気になるところですね。
その後、取り壊す計画が何度も持ち上がったものの、なんだかんだで街の名所の一つとして残されているとのこと。
さて、廃墟つながりでもう一つ見どころを紹介します。
オーバン市街から北に外れると、同じように古い建造物があります。
こちらは本物(といってはなんですが)の旧跡です。
13世紀にスコットランド北部(ハイランド)で力を誇った領主、マクドゥーガル(MacDougall)一族が住んだドノリー城(Dunollie Castle)の跡。
14世紀ごろに建てられた塔と城壁の一部を残しています。丘の上から、ドノリー城と一緒に海と島々を眺めます。
一日でいろんな名所を周ることができ、さまざまな場所から海岸や島々が見渡せます。景色を見ながらのんびり散歩する街としておすすめです。
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