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2018年01月16日

罪咎オペレッタ レビュー感想 言うほどクズか?

▼スラムに住み着くルンペンの少年。




糞を食べ尿を飲み、人間とはいえないような生活をしている、まさに打ち捨てられた



ある時この世のものとは思えない、美味い食べ物を口にする



これは金持ちの食べ物なのかと感動する少年




だがそれは、捨てられてカビの生えたパンだった

















大金持ちの家に生まれたお嬢様。


美しい豪邸で美しい物のみを見て美しく育てられた







ある時街で迷子になってしまい、迷い込んだスラムで少年を発見。



あのわんちゃんが欲しい!
と親にせがむ












という圧倒的に掴みのいいオープニングにいきなり引き込まれる。








▼犬はお嬢様に飼われながらも飼い慣らされず、虎視眈々と家を乗っ取るために自分を鍛え上げる



お嬢様は悪意を向けられたことがないので、犬の本質に気づきつつも反応が出来ない







そして館の住人が犬とお嬢様以外毒死して…


館は火の手に包まれる






▼うーん、非常にスピーディかつハードな展開で、最初から最後までずっと面白い。




オープニングとリンクした「めでたし、めでたし」なラストシーンといい、実に痛快。





15分程度の短いプレイタイムだが、全く無駄がないのは凄い(掌編ゲームでも、結構無駄なシーンを入れがちだし)。




超展開気味だが、作風が作風だけに違和感はない。







▼ただ、クズを売りにしたゲームだが、主人公コンビがクズはクズだが、根っからのクズではなく環境によるクズであって根本的な悪人かが不明なので、言うほどクズのパレードではなかったかな



いかにもなベタ悪党も登場せず、性悪ヤンキーと純粋悪って感じのコンビだし









▼折角絵の枚数も多いのに、メッセージウィンドウが不透明で巨大なため、1/3くらいが埋もれているので大変見づらい。




絵によっては重要なポイントが隠れてしまってるし、描いたからには、見えないとはもったいないね(一応スペースキーで消せます。面倒だったが私は逐一消しました)。






たとえば少年が「犬」になって残飯を食わされるシーン。ウィンドウが邪魔をして汚い餌皿が見えないので、一瞬のインパクトが弱くなってしまう

無題_mini.jpg







こんなに違う。当然最初にこれが映ったほうがインパクトは強い

無題2_mini.jpg







実写画像も綺麗だけど、一部明らかに世界観と違う日本のものが混じってたのも残念。舞台は海外なのに。











▼評価B
 70点



後書きのキャラ紹介と、作者もクズという自虐オチにも笑った

面白かった、おすすめです。

リバース・ゲーム レビュー感想 「このゲームには必勝法がある(キリッ)」(ネタバレ)

■プレイ時間
一週目・・・6時間
二週目以降(既読スキップし、全エンディング回収)・・・5時間

※プレイ時間は目安です。これ以上時間がかかることがあります。


■ゲーム紹介文
 主人公「加藤智紀」は夏休み初日に交通事故で命を落とす。
 次に目を開けた彼は、怪しげな仮面を付けた天使――バースに「リバース・ゲーム」に参加しないかと招待される。
 ゲームをクリアすれば、死んだという事実は消え、現世に生き返ることが出来るとバースは言うが……。
 生き返りについて半信半疑のまま、主人公はサポート役の天使、相原はるかと共にゲームクリアを目指す。様々な仲間との出会いが、後ろ向きな彼の性格を徐々に変えていく。
 果たして五日間のゲームを無事乗り切ることが出来るのか、それとも……?

 ――あなたは、他人(ひと)のために死ねますか?




















▼よくあるデスゲームものだけど、対戦相手を蹴落とす頭脳戦ではなく、敵も味方もいないっていうシステムがやや新しいかも。


76人が一斉に参加して、条件を満たせた人間のみ生き返れるというシステム。



1度死んだ人間が生き返るためにデスゲームをやるって設定は「僕らはみんな死んでいる」っぽい





女性キャラが多いのでギャルゲー風だが、好感度があるのはメインヒロインだけで、それも変わるのは生死の分岐だけで、恋愛要素はありません。



ヒロインは3人いるが、固有エンディングもなし。



というか寧ろ、親友キャラとヒロインが付き合うエンディングがあるくらい(ネタバレ後述)











▼作画は、キャラクターの顔が全員同じで描き分けが微妙だったり、首が長すぎる事が気になる。体が小さいのに頭がでかすぎるし(頭と胴体がほぼ同じ横幅)、ちょっと癖のある絵。




このシーンも、主人公の視点からするとテーブルの高さと距離がおかしい気が…

yasashiisekai_No-0000_mini.jpg









▼生き返りを賭けたデスゲームをすることになるが、正直伏線を使った知略ゲームモノとしてはイマイチかなあ…




余りにも矛盾やご都合主義が多すぎるし、納得よりツッコミのほうが多かった。




まず10項目ルールがあるが、そのうち必須になっているルールがせいぜい2,3で、他の設定が生かされていない。







かつ、ルールの抜け穴として天使は自分以外の参加者なら助けられるというオチだが、76人も参加者がいて(全員に天使がついてるならその2倍もいて)誰もこの単純な抜け道に気づかないってのは、ちょっと無理あるよなあ…。他の参加者と会った時点でもう生き残り確定だし





主人公はたった5日で2人もの参加者と出会ってるし、リバースゲームは地域ごとに行われてるようなので、他の参加者同士も接触してただろうし、普通は気づきそうなものだが、生き残れたのは主人公一派のみ



なのでカイジ、ライアーゲーム的な読み合いや二転三転する展開を期待していると裏切られるかも











▼バースの正体が兄というのもベタで読めてしまうし、もっと意外性のある展開が欲しかった。




そもそもバースやマナはリバース・ゲームなんて極悪ゲームを開催して人をブチ殺しまくってるのに、ラストが美談っぽいこと自体が無理あるんだよなあこのエンディング…



失敗した人間に、同じかそれ以上の痛み苦しみを与えるとかマジキチ。




バース「うえーん、悲しいよお。だから仮面つけたよお。血の涙を流してるよお」



…って…




「おっと被害者面はよくないぜ」



「お前がそのお題目でやったことは……」




「到底相殺しきれない」







というTOSのゼロスの名台詞を教えてあげたい















▼パートナーとなる天使はるかが、実は天使といいつつも死んだ人間ってのは面白いオチだった。


1人だけ紫色の髪の毛で現実離れしたキャラデザだし、本当に天使だと思ってた。アニメカラーな髪の毛の色は、ファンタジーの象徴として描かれることが多いからね




お互いを守って、守られて、主人公が生き返るためのパートナーとして最後まで尽力してくれて、なかなかいいヒロインだった









守りたい、この笑顔


yasashiisekai_No-0016_mini.jpg
















アレッ!?!?


yasashiisekai_No-0011_mini.jpg








だがバッドエンドでは自分もかつては死んだ人間で、生き返れると知って本性を出したはるかに惨殺されてしまう。まあこれがなかなかえげつねぇな…






作者の性別は分からないが、ちょっと機嫌を損ねただけで掌を返す、女のリアル感が怖い(笑)。








しかも生き返ったはるかは彼氏とクリスマスにラブラブデート。両親にも紹介することになってて、関係は結婚に近いところまで進んでいる雰囲気







更に彼氏の正体は物語序盤に登場した、主人公の親友(金持ち、イケメン、175cm高身長、バスケ部のエースというハイスペックマン)でいわゆるNTR





しかも親友、女は苦手で、はるかとは仲がよくなかったのにこの結末…




親友は、主人公が何者かに殺されてしまった事を今でも悔やんでいる。




自分が主人公を殺したことは勿論黙っているはるか…










女の描写がリアル過ぎる…
((((;゜Д゜)))















もう一つのバッドエンドでは生き返ったはるかが通り魔に襲われ脚をノコギリで切断され、精神崩壊してしまう



自業自得だがグロ怖い。






1度皆が幸せになって終わるトゥルーエンドを見ていると、ギャップがありすぎて痛いエンディングだ…







▼キャラは善人が多いが、幼馴染の女の子は、バッドエンドの引き金にも、グッドエンドの引き金にもなるし、毒にも薬にもなる。そして主人公に好意がないという珍しいキャラだったね。普通こういうキャラってヒロインその2になるから。思ったより出番が少なくて驚いた。


同様に大五郎も余り活躍シーンがなかったな…


投げっ放しの伏線もあるので、まだバージョンアップするのかなあ。













▼評価C 65点




バッドエンドコミで面白かったです。



プレイタイムはかなり長く記載されてるが、実際には1周目3時間、2周目1時間程度と中編なので手軽に遊べた(あと2個あるEDを見ても、1時間とかからないだろうし)



後々EDコンプします。












【当日追記】

▼後日追記になるかと思えば、思ったよりも短くて30分程度でコンプ。





これ以上のプレイはプレイヤーに何があっても保証しないという警告画面になり、強制的にゲームがシャットダウン。フリゲでたまにある演出ですね。



その後立ち上げて再スタート。




すると冒頭が全く違うものとなる





ヒロインはるかも登場せず、代わりに来たのは謎の天使イオ





まあ結論から言っちゃうと、メリーバッドエンドは、ゲームキャラクターがプレイヤーを殺しに来るといったもの。




どうやら後付けらしく、本編と比べると伏線もないし微妙な感じが…



強いて言うならリバース・ゲームそのものを仮想現実といってたことがメタフィクションっていうオチの伏線だけど、それをいうなら主人公たちは仮想現実だけじゃなくて現実世界にも帰ったので、何か変だしなあ…




でもフリーゲーム、フリーゲーム配布サイト、川澄シンヤ(作者名)、なんて言葉が出てきたり、ここまで露骨なメタネタは余りないかも

yasashiisekai_No-0004_mini.jpg



イオはキャラクターの集まった思念体という設定だが、キャラデザも合成獣っぽい(髪型は夏澄、髪の色はレイナってな感じで。でも実際のところ髪型は初音ミクっぽい)






主人公…というか現実世界のプレイヤーが何故か女性固定なので、名前だけじゃなく性別も入力できればよかったなあ…










▼これにて本作のプレイは終了。




開発3年らしいけど、川澄シンヤ氏にはまた短編でADVを作って欲しいですね。




もともと小説家志望だったらしいが、リバース・ゲームの仕掛けはゲームならではのゲームシナリオなので、間違いなく一つの形にはなったんじゃないかと。







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