最近、下ノ廊下、読売新道、餓鬼岳、涸沢岳とハードな山行が続いていたので、少しリラックスした山行でもと思い「農鳥岳」をのんびりと歩く計画を立てました。ルートは前日に奈良田の駐車場まで車で入り、朝一のバスで広河原に移動し、北岳、間ノ岳を通り西農鳥岳、農鳥岳を縦走し奈良田に下山するものです。宿泊はテント泊で北岳山荘キャンプサイトと大門沢キャンプサイトを使わせていただきました。10月の半ばで天候にも恵まれ自炊を楽しみながら良い山行になりました。
実施日:2016年10月13日〜15日
広河原から大樺沢を登り二俣に抜けるルートをとります。北岳バットレスが見え隠れするので楽しめますね。
二俣までは沢沿いの歩きやすい登山道を進みますが、二俣から八本歯のコルまではガレ場とハシゴを使っての急登となります。標高がすでに高いので、息を切らさないように酸欠に注意してゆっくりしたペースを保ちながらクリアしていきます。
尾根上の八本歯のコルを通過し北岳山荘を目指します。今回は頂上に向かう分岐で直接北岳山荘につながるトラバース道にしました。過去に何度か頂上を踏んでいるので余裕といえば余裕ですが、早く北岳山荘でビールが飲みたいというのが本音ですね〜
トラバース道とはいえ結構な高度感のあるセクションを通過すると眼下に北岳山荘が見えてきます。
北岳山荘の下のハイマツの窪地にテントを張ることにしました。天気は良いのですが時より強い風が吹くので、ハイマツの影がベストな場所です。テントは北岳の山頂が見える方向にセットアップします。これで風が吹いても北岳を眺めながら落ち着いて食事ができます。
時間はまだ早いのですがビールを飲んで落ち着いたところで食事の準備に取り掛かります。今回の1泊目のメニューは「野菜たっぷり味噌煮込み」です。事前に自宅で必要な準備をしてきました。パックに小分けしてありますが、レンジで加熱して持ち込んだ「大根、人参、ごぼう」や「白菜」「油揚げ」。山行の馬力をつけるために「ニンニク、生姜」のみじん切り。調味料に「ゴマ油、塩、だしの素、唐辛子」などです。2泊目用に「キャベツ、ネギ」パックもあります。2日分の食料全てで1.5kgでした。まあ少し重いけど食べてしまえば軽くなるのでガンガン食います。
たっぷりの「大根、人参、ごぼう」と「白菜」を入れます。「大根、人参、ごぼう」は事前にレンジで加熱してあるので時間をかけて煮込む必要はありません。
JETBOILの1Lのカップに500ccの水を入れて具を全部入れるとちょうど良い分量になります。最後に味噌や調味料を入れて味を調整します。
いや〜最高です。ニンニクや生姜の香りと野菜の味わいがなんとも言えません。1L分ペロッと食ってしまいました。テント場からの富士山の眺めも最高です。山荘の横のテント場には3組ほどの登山者がいましたが、1段降りたハイマツ帯には誰もいないのです。いや〜「くつろぐなあ〜」 テン泊の醍醐味を味わいました。
翌日はゆっくりと起きて間ノ岳に登ります。この広い頂上をグルグルと歩き回り景色を確認します。北岳や仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳や鳳凰三山などなどが綺麗に見えます。
向きを変えると「富士山」や「塩見岳」「荒川三山」などが見事に見えますね。
間ノ岳を後にしてガレ場の急坂を下り農鳥小屋に向かいます。農鳥小屋はネットの書き込みなどでは散々に叩かれたりしていますが、少し癖のあるご主人なのでしょう。ご挨拶に伺いましたが小屋締めの準備をしているのか?人の気配がなくシンとしていました。ただ小屋の周りは小綺麗に整頓されているので、ちゃんとした方なのだと推測されます。
農鳥小屋からのガレ場を登ると「西農鳥岳(3051m)」です。前後に人の気配はなく気分良いですね。
ガレ場をトラバースしながら「農鳥岳(3025m)」に向かいます。写真左のフラット部の中央が山頂です。やったぜ〜
農鳥岳から先は広河内岳への尾根が続いていきますが「下降点」と呼ばれる目印で大門沢に降りていきます。この「下降点」の標識は、昭和43年に遭難されたご子息を弔うためにご両親が建立されたもののようです。鐘をついてから大門沢に下降します。
大門沢の下りは結構な斜度があります。ガレ場の滑りやすいセクションを通過し、岩と木の根の段差の大きい斜面をしばらく下ります。途中壊れた橋の通過や渡渉を何度かして行きます。
大門沢小屋に到着です。小屋の下が整地された場所になっていて快適なテント場でした。サイトから富士山が見えるし、サイトのすぐ脇に水場もありました。いや〜 「ここも落ち着くなあ〜」
今宵は最近のマイブームである「ほたてバター風味ラーメン」に野菜とネギをふんだんに入れたラーメンです。野菜類を持ち込むと大分食事の雰囲気が変わるものですね。
やれやれ今回の山行もいよいよ明日の下山を残すのみとなりました。ゆっくりしたペースでの縦走ができたことと、自炊を楽しめたことが収穫ですね。 あと少し意識していたことですが、「西農鳥岳」と「農鳥岳」を登ったことで3000m峰(21座26峰:以前の投稿あり)を全て登ったことにもなりました。ちょっとした区切りにもなった気がします。
ではではまた