去年(2015年)の山行になりますが、妙義山は、ここ何年(もっと前から)ずーっと気になっていた山でした。今回ついにその計画(日帰り単独)を立てることができました。妙義神社から入り白雲山、金洞山の尾根を縦走するルートです。滑落と言うか、墜落事故の多い山なので最大限の注意と総意をもって登ることになります。天候は晴れ。ただし北風が強く吹いているので北側の岸壁と尾根は要注意でした。
道の駅「みょうぎ」に車中泊しました。正式な登山者駐車場はかなり下なので、すぐ右手の1段高い駐車場にてお世話になりました。 この鳥居からスタートです。
登り口に地図がありました(写真左)。山と高原地図より分かり易いですね!(写真右:1/20000)危険マークだらけの白雲山と金洞山を縦走します。ちなみに妙義山は、全部で3本の性格の違う道が通っています。一番下に舗装路があり、車の通行路となります。その上に中間道という山道が通っていて、割と安全に山歩きできるように配慮されています。一番標高の高い尾根を縦走する道が今回のルートとなりますが、一般の登山道ではなく難路(点線)として記述されているようです。
写真左の中央奥が「大の字」です。鎖が3段ほどかけてあり、最初の度胸試しになっているようです。写真右が、その注意書きです。天気は良いのに何故か重苦しい雰囲気が始まります。
ここが最初の関門:「奥の院」です。山と高原地図に「4連30mの鎖で滑落死亡事故数件有り」と書いてありますので冷静に行きましょう。 登り始めると(写真右)、確かに相当な高度感がありますね。しかしよく見ると途中テラスのような場所があるので休みながら登れます。あまり鎖に頼ると腕が上がるので、やはり下半身をベースにバランスを取った方が良いと思いました。
これも結構やばいです(写真左)。濡れて足がかりの悪い箇所を通過していきます。 おやっ! 先行者を発見(写真右)。若手男女のペアの方でした。この先の「見晴」というところで少しお話し、先に行かせていただくことになりました。
これがたぶん「ビビリ岩」(写真左)だと思いますが、亀裂の幅が肩幅より狭いので縫うように通過していきます。 おー! 尾根に出ると景色良し!(写真右)下界が良く見渡せますね。
これって、ここ登るの?って感じです。「背びれ岩」(写真左)らしいですが、風が強く早々に通過しました。 そして順調に「大のぞき」を無事に通過しました。
大のぞきの先で巨大な岩盤を垂直降下していきます。以外と足がかりになる場所がないので、下りは良いですが、登るのは少し腕力を使いそうですね。まあ、今回ここを登ることは考えていないので、先に進むことにします。
タルワキ沢の分岐に出ました(写真左)。ここは北側の斜面で日当たりがなく、雪も出てきて超重苦しい雰囲気でした。いろんな霊がいるのかもしれませんね。肩がずっしり重くなりましたので。 少し行くとこんな看板が出てきました(写真右)。「自信のない人は、引き返して下さい!」と言われても、困っちゃいますね。進むも地獄、戻るも地獄のような場所なので、進むことにします。
白雲山の最高峰「相馬岳」登頂しました! 標高1104mしかないのに、絶大な達成感です。先には、核心部の岩峰が見渡せます。あそこまで行きましょう! っと言っても、だれかいる訳ではないので一人言です。
核心部は、どこがどのピークなのか? さっぱりわかりません。まあ、行けるとこまで行きましょう。 帰宅後、地図で確認すると、このような位置関係になっていました(写真右)。もしかしたら精度の低い部分があるかもしれませんが、ご容赦を。
相馬岳の先も気が抜けません。ミスをしないような行動をとるしかないです。 茨尾根にでました(写真右)。ただ風が強く尾根上はなかなか落ち着けませんでした。
「鷹戻し」の標識が出てきていよいよ核心部突入です。 目指すのはあの岩峰です!
星穴岳らしきも見えてきました。確かに星穴に見えます。
何度となく標識が出てきます(写真右)。ザイルはないけど、なんとか通してください!と進みます。なんか、ゲームのような錯覚に陥りますが、リセットは効かないので神経を最大限集中し進んでいきます。
かなりキテますね(写真左)。
ここからハシゴと鎖の60mの難関です。飛んでる鷹も近寄らない「鷹戻し」に突入です(写真右)。
また看板です。了解です。鎖は放しません。 ただ連続する鎖で握力がなくなってくるので、その状態でも鎖を放すな!ってことだと思います。特に今日は、北からの突風でアオられることがあるので気が抜けません。 写真右は、鷹戻しで撮った貴重なショットです。鎖にぶら下がりながらカメラを操りなんとか撮った1枚です。強風だったので、ちと本気モードでした。
ここがたぶん「鷹戻しの頭」だと思います(写真左)。少しだけ平坦な場所になっていますが、先に進むことにしました。写真右よりルンゼ内の下りになります。長さが長いのとオーバーハングしている場所があり、なるべく岩盤から体を離し足元の状態を見ながら降りていきます。
途中鎖の本数が増える箇所があるのと、鎖自体の位置をずらせる場所があります。支点のしっかりした鎖を使うことと、ルートを少しでも修正し手がかり、足がかりを確認しながら降りないといけません。不用意に降りると足を踏み外してバタバタしないといけなくなります。 あそこを下ってきました(写真右)。
雪の浅間は綺麗だけど、あまり落ち着けない雰囲気の場所に来ています。 眼下に駐車場も見えるけど、あんまりリアリティーを感じない場所ですね! 無事に下山してナンボですよね。
ここは東岳からの下りだと思われます。なんの標識もなく、ただ鎖だけが黙って崖下に伸びているのです。 ここも鎖が「ここを降りよ!」と言っています(写真右)。
わかったわかったから、鎖さん切れないでね。 おおっ!ここが中ノ岳かな?(写真右) 石の祠があるのでそうかもしれない。いよいよ最終局面まで到達したか?
傾斜が緩やかになり、少しするとこの標識が(写真左)。もともと一般道ではないのに、どういうことかな?と思いながら先まで行ってみると、わかりました。ここから登山禁止の「西岳」への尾根が始まるようです。その先が「星穴岳」だと思われます。 先への好奇心はあるものの、ここまで無事に歩けたので、ここから下山ルートに入ります。 最後まで気が抜けません(写真右)。この下りは足元が凍結していて危なかったです。
やっとこ、石門分岐にたどり着きました!ここまでくれば安心です。 ここから先の中間道は、ほとんどピクニックロードです。るんるん気分で妙義神社まで戻ります。
神社下でおねーさんが露店を出していました。思わず「下仁田ネギ」をゲットです。 いつも食べてるネギとはルックスが違いますね!
やったぜー! 無事に生還です!! 恐るべし!「妙義山縦走!」。。。
時間的には、鷹戻しの入り口まで4時間かかりました。とにかく水と行動食に気を使って、エネルギー切れによる集中力低下に注意してました。鷹戻しから石門分岐までは、集中していて時計を一度も見ませんでしたが、帰宅後、カメラの時計で確認すると1時間ほどかかったようです。中間道の戻りは1時間半くらいで、トータル6時間半の緊張が途切れない山行となりました。 山は標高だけではないことを改めて再認識いたしました。
ありがとうございました。