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2020年03月10日

モノノ怪―のっぺらぼう―

モノノ怪の謎多き「のっぺらぼう」を紹介。
個人的に初回、「化け猫」と同じぐらい好きな話です。


モノノ怪とは2006年1月に放映された「化け猫」の人気を皮切りに、2007年の7月〜9月27日の間まで、ノイタミナ系のアニメとして人気を博した作品です。全体的な作風としては、浮世絵のようなタッチと独特の色使いとストーリ冒頭に薬売りの名乗り口上や、背景や小道具などに考察の余地のある小ネタがちりばめられた作品で、イタミナ15周年企画、「〜あなたが選ぶ思い出の3作品〜」の2005〜2009年度内の発表作品の中で、1位に選ばれました。しかし残念なことに、公式がトークショーや上演会を企画されていたのですが、コロナウィルスによって開催が中止されています。おのれぇ……。

モノノ怪の作品における時代設定は基本的に江戸時代ですが、最終話にあたる化け猫は大正、もしくは昭和時代が舞台設定となっています。恐らくこれは現代でも、主人公である薬売りなる男性が現代でもモノノ怪退治をしている事を示唆していることを意味しているのかもしれません。


【登場人物】


薬売り「お聞かせ願いたく候」
主人公である、正体不明・住所不定の薬箱を背負ったキャラクター。炭治郎。
薬箱の他に隈取の化粧と頭巾、蛾をイメージした女性物の着物を身にまとい、穏やかな物腰のミステリアスな男性。変身後を含め本名はおろか、どういった過去・経緯でモノノ怪を退治しているのか明らかになっていません。主に「薬売り」と呼ばれています。やたら間を置いた喋り方が特徴。
自己申告ながらも、本人曰く「人間」らしいですが、変身するなど明らかに普通の人間とは異なります。
しかし海坊主回では海座頭に「本当に恐ろしいものは何か」と尋ねられた時、「モノノ怪が尽きない世の中(意訳)」と答え、自分の身体が徐々に消え、衣服のみが取り残される幻影を見、肉体が消える恐ろしさにあまり動じないながらも、一応、人間らしく恐怖を感じることはあるようです。恐怖心の他に本人いわく「うっかり」で毒である夾竹桃を煎じる他、初対面の女性(加世)に春画を見せようとするなどセクハラ未遂。咄嗟に「年で物忘れが多いだけだ」という言葉を聞いた時は、「物忘れに効く薬は…」と言い薬箱を漁るなど、結構お茶目な面があります(一応、名誉のためセクハラについて断っておくと、春画に処方箋を包んで渡すなどの文化があったそうな)。

・商売道具
ご存じの通り、身の丈ほどの薬箱。中身は先ほどもふれた春画、普通の薬や火薬が入っています。中でも特徴的なのは、モノノ怪の距離や位置を測る白い天秤が無数に出てくることから、普通の木製の箱ではないかもしれません。なお、天秤は無数にあるだけでなく、「加世さんのこと、気に入ったみたいだよ」と言った発言から、意思があると推測されます。
その他に大きさを変える事が可能な円形の鏡の他、結界を張れることが可能な札を所持しモノノ怪の気配を察知すると顔のような赤い模様が浮かび上がります。札の中心部にあたる部位には、目とも唇とも付かない特徴的な見た目をしていることから、経が書かれた普通のお札とは違うのでしょう。

・ハイパー(一応「薬売り」名義だが、制作スタッフが呼んでいたことから)
モノノ怪退治の武器として、鬼のような顔が付いた退魔の剣を所持していますが、探偵のように真相(形と真と理)を本人が明らかにしない限り、柄から抜くことはできません。薬売りに向けて一直線に飛んできたこともあります。
話が『噛み合う』と金属音を立て「ト キ ハ ナ ツ」の号令で卍解ようやく抜刀可能になり、変身可能、本格的なモノノ怪退治を行います。
なお、退魔の剣を抜いた時の隈取が消えた顔は無表情で不気味であり、ハイパーは本人の分身なのか別人なのか不明です。ハイパー時、頭巾を被った薬売りは消え、色黒で金色の模様が浮き出た姿になります。基本的に入れ替わる形で出てきますが、本記事の紹介になる「のっぺらぼう」で同じ場面に出てきたことがあり、益々不明。


本題の「のっぺらぼう」について


「のっぺらぼう」は、とある武家屋敷に嫁いだ女性・お蝶さんが、牢獄に入ったところから始まります。
お蝶さんは突如、モノノ怪退治の薬売りと対面するのですが、突如「のっぺらぼう」最大の謎である、「誰を殺したのか」と問われます。嫁入りした先の家族を皆殺しにして梅の木に吊るしたのかなどの質問を受けますが、お蝶さんは要領を得ない曖昧な返事をするばかり。

そんな中、薬売りはお蝶さんに対して「ほら、あるじゃないですか。本来人には纏うべき顔が」といった発言のように、この回では仮面(外を含めて)を被った様々な人物が登場します。
誰を殺したのか……そんな押し問答の中、キセルを持ち紫煙を燻ぶらせながら金色の狐面の男性が登場し、仮面の男の姿を見た瞬間、これまで無気力だったお蝶さんが「あの人は大丈夫」といい男の元へ向かおうとしますが、薬売りは「ここは(お蝶さんの気持ち次第で)出ようと思えば檻に、出たくなければ城になる」と言って、檻(脱出可能)である牢獄の中に押しとどめますが、狐面の男に「自分の顔を忘れてさまようが良い」と言われ、薬売りは「へのへのもへじの面」を被って、倒れ伏します。

場面は切り替わって、桜や梅の木が入り混じった外に出ます。狐面の男は「あなたが元のところに戻らないと打ち首獄門に処される」と言い、お蝶さんにとって地獄である武家屋敷に戻るように勧めますが、本人はこの提案を拒否。
そして「このままならば死んだ方がいい」と悲嘆に暮れるお蝶さんに、男は「じゃあ俺の女房になってくれ」といい、それから婚約の儀を行います。その時、四角い部屋の壁に沢山のお面が出てきて、お蝶さんとの結婚を祝福しますが、そこで「ハイ…ハイ」との拍手と共に逆さまになったパグの上に座り、薬売りが乱入。狐面の男は再起不能にさせたはずの薬売りの早過ぎる復活に狼狽を隠せませんが、「おもてと書いて面。自分が認めれば、己の顔になる」と言い、確固たる自分を持っている薬売りとしては顔を失ったとしてもさして問題ではなかったのでしょう。

そこでまたしてもシーンが切り替わり、またしても四角四隅の赤いお札に包まれた場面に変わります。

それから後の展開は、台所と囚人が癒しを求めるように眺める窓、お蝶さんが幼い頃稽古部屋、お蝶さんの母親が武家屋敷に嫁入りを頼む場面、子供が楽しみだと言いながら立ち去る母親など、台所・窓・和室・浮世絵などにしても、とにかく四角いところが目立ちます。
個人的に、薬売りが冒頭で「ここは(お蝶さんの気持ち次第で)出ようと思えば檻に、出たくなければ城になる」と言っていったように、お蝶さんが何らかの気持ちに囚われていることを意味しているように受け取れました。
推測ですが、檻が出られる理由は罪を負いながらも自由の身になれるから、檻なら出られる。逆に城ならば、立場や役目などの問題があるので例え脱出したとしても引き戻されるなどといった意味があるのかもしれません。

そしてお蝶さんは四角い囲いがなされた赤い札の結界の中、薬売りによって辛い過去が暴かれる中、子供の頃から本心を押し殺して仮面を被って来た彼女は、「母上のことが好きでした」と、過去形で述べています。非常に何気ない発言ですが、時々、お蝶さんの名前が匿名を意味した「お嬢さん」の発音に聞こえる事から、彼女の本心において非常に重要な発言だったのではないかと、思えるのです。

さて、お蝶さんの本心が明らかになっていく中で、薬売りが「狐面の男にモノノ怪がとり憑きあなたを縛る城になった。本物ののっぺらぼうは、お蝶さんあなたです」と言い、手鏡を見せ、狐面の素顔を見せます。鏡面に映されているのは、お蝶さん顔。彼女が真相を自覚した瞬間、素顔であるお蝶さんは絶叫をあげます。

それからまたしても場面が切り替わって、桜や梅の木も、畳も青い空もない、白無地の空間になります。

罪人の証である白い衣を着たお蝶さんは、背後から退魔の剣を差し向けられていました。まさに死刑を受ける前の罪人のような様子ですが、お蝶さんの態度はモノノ怪として退治されるにも関わらず、非常に落ち着いたものです。

そんな中、お蝶さんは背後の退魔の剣を持ったハイパーに「どうしてのっぺらぼうは、私を助けてくれたのですか」と話しかけるのですが、少々厳しい声で「救われたなどと思っているのか」と答えます。
そうして、ハイパーじゃない方の薬売りが、お蝶さんの正面で背中を向けながら、穏やかな口調で「強いていうなら恋でもしたんじゃないんですかね。叶うはずがないのに哀れなモノノ怪だ」と答え、紙吹雪(化け猫を退治した際にも降って来たことから、のっぺらぼうを退治した証かもしれません)が降る中、お蝶さんは「ありがとう」と涙ながらに礼を言います。

ラストでは、お蝶さんが台所で散々聞いて来た、罵倒の声が響きます。これまで同じ言葉しか繰り返されていなかったのですが、新しいセリフも出てきています。物事が進展したということでしょうか?
罵倒が飛び通う台所で薬売りはキセルで白い煙を吐きながら、「しかし……ここには誰もいない」という言葉で締められ、外の風景が映し出されるのですが、ラストシーン出てくる、まるで首吊りでもしたかのような梅の木と思わしき、下を向いた枝が映り込みます。

総論として、色々な説や解釈のある謎の深い「のっぺらぼう」ですが、一般的に多い解説としては全てお蝶さんの心の中の出来事であり、武家屋敷の人間を殺していたのはストレス解消法であった……というものです。
その他にハイパーと狐面の男が似ているといったもの(この件だけ冒頭の名乗りがお蝶さんと一緒なのも要因なのでしょうか)や、母親の悲願を叶えるためお蝶さんは実は首を吊って死んだ武家屋敷の前妻を殺したのではないかなどといった、様々な説があります。

正直「のっぺらぼう」回は色々な考察が可能な作品で、考えれば考えるほど面白い作品です。常に閉じ込められた空間にいることから、夢野久作の「ドグラ・マグラ」のように、読み手によって作品の考えが違うように作られ、明確な回答というものはないのかもしれません。

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