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2021年07月26日

トミノの地獄



「トミノの地獄」とは西條八十が、詩集「砂金」により発表した作品である。
よく「口にすると死ぬ」詩として、無関係な首の長い女性と共に紹介されがちであるが、三回見たら死ぬ画像のように音読しても特に問題はない。
何なら、死の欲張りセットとして死ぬ画像を幾度となく眺めるように読んでもらっても結構なのだが、噂が噂を呼んだというよりも、作られた都市伝説に近い感慨を抱く。


【内容】



トミノの詩


 姉は血を吐く 妹は火吐く
 可愛いトミノは宝玉を吐く
 ひとり地獄に落ちゆくトミノ
 地獄くらやみ花も無き

 鞭で叩くはトミノの姉か
 鞭の朱総が気にかかる
 叩けや叩きやれ叩かずとも
 無間地獄はひとつみち

 暗い地獄へあないを頼む
 金の羊に、鶯に
 皮の嚢にやいくらほど入れよ
 無間地獄の旅支度

 春が来て候林谿に
 暗い地獄谷七曲がり
 籠にや鶯、車にや羊
 可愛いトミノの眼にや涙

 啼けよ、鶯、林の雨に
 妹恋しと声かぎり
 啼けば反響が地獄にひびき
 狐牡丹の花が咲く

 地獄七山七谿めぐる
 可愛いトミノのひとり旅
 地獄ござらばもて来てたもれ
 針の御山の留針を
 赤い留針だてにはささぬ
 可愛いトミノのめじるしに


都市伝説


都市伝説では大まかに

「心の中で読む分には問題ないのだが、声に出して読むと凶事が起こる。
 寺山修司(1935〜1983)はこの詩を声に出して読んで
 暫く経ってから亡くなった」

とある。
都市伝説のバージョンによっては「とある女子学生が音読して不幸な事故死をした」というパターンがあるが、寺山氏に限って述べるならトミノの詩を音読して約30年あまり生存していたのである。
生存していたのである。

生存していたのである。


詩を読んで、様々な怪奇現象に出くわしただとか、直接的な死因になっただとか、話の付け加えがあるならば、多少分かる。身も蓋もない言い方をすれば、トミノの地獄に全く関係なく死没しただけに思えない。
まるで、三回見たら死ぬ画像を毎日見てたらその内死ぬような……もしくはカップラーメンを百年間毎日食べていたら死ぬので健康に悪いと言っているような、当たり前の事象が都市伝説としてまかり通っているようにしか思えない。つまり、子供だましも良いところだろう。
本気で信じるか信じないかはあなた次第――と言いたいところは山々だが、トミノの地獄にはそれだけ言わせる不思議で不気味な魅力があるように見受けられる。

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感想(1件)


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