2017年08月11日
ノベルゲームの制作メモ
◆ノベルゲームの制作メモ
ラノベツクールがリリースされたり、書籍化の話が自作ゲーム界隈にも広がる昨今。
物書き視点で意識していることや、お役立ち情報を整理してみました。
近い課題を感じている方の参考になれば幸いです。
■ライトノベル1冊辺りの文字数
ライトノベルの1冊辺りの文字数、原稿用紙換算の枚数が気になり調べてみました。
MF文庫の応募規定によると『1ページ40文字×34行の書式で80〜150枚。』とのこと。
改行等を考慮して原稿用紙1枚=700文字で計算するとこの通りとなります。
・原稿用紙80枚:56,000文字
・原稿用紙160枚:112,000文字
実際のライトノベルを調べた例です。
ライトノベルなどの文庫本は一冊辺り大体何文字くらいかかれているんですか?
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1470658089
301ページ、124,561文字
ライトノベルは大体何文字くらいでしょう?
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12170152547
300ページ、約130,000文字
MF文庫 応募規定
http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/rookie/entryrule
■ノベルゲームとライトノベルの違い
ここからはノベルゲームを意識した話です。
ツクールMVでノベルゲームを制作する場合とライトノベルとでは主に次の部分で演出方法が異なります。
・ライトノベル:挿絵
・ノベルゲーム:文章のウェイト、ピクチャ、アニメーション、BGMの切り替え、色調の変更、背景の変更
ライトノベルの挿絵は強く印象づける場面で活用されますが、ノベルゲームはワンアクセントごとに多用されます。
キャラクターの容姿から性格から想像を強化することができたり、台詞ごとにネームプレートを表示することで単純接触効果的な親しみやすさを覚えることにも繋がりそうです。
また登場人物や場面の切り替わりの激しさを文章以外で説明できます。
この辺りをいかに強みとして活かせるかが、ゲームをメディアとして選択したノベルゲームの強みであると感じました。
うみくん王子と私の7日間 - UMI KUUN
http://umi-kuun.com/blueocean/
※本作のゲーム部分を担当させて頂きました
上記の作品はノベルプラグインが公開される前に制作していたこともあり、デフォルト機能とピクチャを中心に演出をしていました。
演出を入れ過ぎて、文字の読みやすさ(飛ばしやすさ)、テンポ感がプレイ性の良し悪しに繋がらないように制作していた思い出があります。
僕の妹はバケモノです【体験版】
https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm573
一方、私が参考にさせて頂いているのがこちら。
フォーラムモデレーターでもあるterunonさんがゲーム制作を担当したノベル作品です。
文章のウェイトの入れ方、色調変更のウェイト間隔、BGMの挿入(フェードイン/アウト)、素材の加工、探すほど気付きがあります。
ノベル作品を制作する方には強くオススメしたい作品です。
企画編81「ノベルゲームのプレイ時間、文字数、テキストのデータ量(キロバイト)の話」 第143回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた
https://goo.gl/tZZHwG
また上記のサイト様ではノベルゲームの実際の文字数、プレイ時間をデータとして提示されていました。
参考にしてみると良いかもしれません。
■文章制作のお役立ちサイト&ツール
次に実用系のサイトのご紹介です。
□know-how系
・小説原稿を1日2万文字書くには、どうすれば良いのか
http://tokimaki.hatenablog.com/entry/2016/03/09/122707
□文体チェック
・文体診断ロゴーン
http://logoon.org/
文体が近い作家さんや、特徴点を抽出してくれます
・小説形態素解析CGI
http://www.ennach.sakura.ne.jp/
文体傾向の解析が優れています
特にページ末の解説はわかりやすいです
・User Local テキストマイニングツール
https://textmining.userlocal.jp/
単語単位の出現傾向をグラフィカルに表示します
直感的にわかりやすいのがポイントです
□語彙・単語補助
・連想類語辞典
http://renso-ruigo.com/
文章が単調にならないために類語辞典は役立ちます
・コロケーション辞典
http://collocation.hyogen.info/
品詞単位で分別し、ほかの品詞との結びつきを一覧で表示します
□文章作成支援
・タロットプロット
https://tarot-plot.com/
小説、漫画、脚本等の物語作成を支援するツール
会話文抽出機、文章推敲支援ツールは早い段階で試しておくといいと思います
□エディタ
・TATEditor
縦書き対応の小説特化タイプのテキストエディタ
※ゲーム制作ツールとの親和性は未知数
■その他
□ドキュメントはGoogleドキュメントでクラウド管理
私はスマートフォンとPCでドキュメントを共有化するため、Googleドキュメントを利用しています。
PC上では該当ドキュメントをお気に入りにすることで、GoogleChromeからアクセスもしやすくなります。
専用エディタのような特化した機能はありませんが、私はこれが性にあっていました。
□ドキュメントは章単位で保管
ドキュメントは1章単位で分けておくと、先の文章解析ツールを章単位でチェックするのに便利です。
(Ctrl+Aで全体選択してコピペ→貼り付けだけ)
章ごとに意図しないテイストの違いが生じていないか、作品全体の統一感や流れがコントロールできているか、これらも気を配ると良いと思います。
□こまめな成果確認
自分の気持ちを保つうえで、作業成果を可視化するのもテクニックの1つです。
文字数カウント
http://www1.odn.ne.jp/megukuma/count.htm
これはシンプルな文字数カウンター。
先に挙げた多機能なツールでも同じことはできますので、気が散りそうなときは使い分けると良いと思います。
□好きな作家さんの作品と比較する
これを書いている2017年8月現在の私の手法です。
自分の文体で1日分書いたら、参考にしている作品の近い部分を読み、表現や文体のバランスを比較しています。
この2作品はライトノベルと一般小説の良いところをとっていて、とても惹き込まれました。
ライトノベルではありませんがメディア化に近い作品として、この2作品も欠かせません。
文章で、文章以外(音や映像)を表現することに長けた名作です。
こちらは無料で読むことができるようです。
身近に触れることができるのは有難いことですね。
取り上げられた分、作者さんにも還元されてほしいなと思います。
研究と実践を、自分の比率で繰り返す事は大切と考えています。
影響を受けている自分を客観的に受け容れると、吸収が早い気がしました。
気になった方は「メタ認知」というキーワードで調べてみてください。
□創作は何かの代償に成り立つものとは限らない
とある作家さんの本で、作家志望の方は他の趣味・職業に比べて不健康になりがちと書かれていました。
(本当はもっと過激な表現なのですが、血が苦手な私は自主規制)
私は心身の健康や安定した生活基盤のうえで、創作活動を展開する人で在りたいと考えています。
自己実現のために着実に物事を進めて、その先には豊かな人生や幸せを先に見据えていたいなとか、ですね。
生活に追われ過ぎない範囲で創作をすることは、生きることに真摯な証でもあります。
先のない無理をしないこと、そして健康であることを望みながらでも良い作品はできるということ。
この考えはできるだけ多くの方に受け入れられて欲しいと思います。
そしてご覧の方にとって、少しでも良い影響になれば、書いたかいがあります。
良い創作日和に繋げてくださいませ。
ラノベツクールがリリースされたり、書籍化の話が自作ゲーム界隈にも広がる昨今。
物書き視点で意識していることや、お役立ち情報を整理してみました。
近い課題を感じている方の参考になれば幸いです。
■ライトノベル1冊辺りの文字数
ライトノベルの1冊辺りの文字数、原稿用紙換算の枚数が気になり調べてみました。
MF文庫の応募規定によると『1ページ40文字×34行の書式で80〜150枚。』とのこと。
改行等を考慮して原稿用紙1枚=700文字で計算するとこの通りとなります。
・原稿用紙80枚:56,000文字
・原稿用紙160枚:112,000文字
実際のライトノベルを調べた例です。
ライトノベルなどの文庫本は一冊辺り大体何文字くらいかかれているんですか?
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1470658089
301ページ、124,561文字
ライトノベルは大体何文字くらいでしょう?
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12170152547
300ページ、約130,000文字
MF文庫 応募規定
http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/rookie/entryrule
■ノベルゲームとライトノベルの違い
ここからはノベルゲームを意識した話です。
ツクールMVでノベルゲームを制作する場合とライトノベルとでは主に次の部分で演出方法が異なります。
・ライトノベル:挿絵
・ノベルゲーム:文章のウェイト、ピクチャ、アニメーション、BGMの切り替え、色調の変更、背景の変更
ライトノベルの挿絵は強く印象づける場面で活用されますが、ノベルゲームはワンアクセントごとに多用されます。
キャラクターの容姿から性格から想像を強化することができたり、台詞ごとにネームプレートを表示することで単純接触効果的な親しみやすさを覚えることにも繋がりそうです。
また登場人物や場面の切り替わりの激しさを文章以外で説明できます。
この辺りをいかに強みとして活かせるかが、ゲームをメディアとして選択したノベルゲームの強みであると感じました。
うみくん王子と私の7日間 - UMI KUUN
http://umi-kuun.com/blueocean/
※本作のゲーム部分を担当させて頂きました
上記の作品はノベルプラグインが公開される前に制作していたこともあり、デフォルト機能とピクチャを中心に演出をしていました。
演出を入れ過ぎて、文字の読みやすさ(飛ばしやすさ)、テンポ感がプレイ性の良し悪しに繋がらないように制作していた思い出があります。
僕の妹はバケモノです【体験版】
https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm573
一方、私が参考にさせて頂いているのがこちら。
フォーラムモデレーターでもあるterunonさんがゲーム制作を担当したノベル作品です。
文章のウェイトの入れ方、色調変更のウェイト間隔、BGMの挿入(フェードイン/アウト)、素材の加工、探すほど気付きがあります。
ノベル作品を制作する方には強くオススメしたい作品です。
企画編81「ノベルゲームのプレイ時間、文字数、テキストのデータ量(キロバイト)の話」 第143回ウォーターフェニックス的「ノベルゲーム」のつくりかた
https://goo.gl/tZZHwG
また上記のサイト様ではノベルゲームの実際の文字数、プレイ時間をデータとして提示されていました。
参考にしてみると良いかもしれません。
■文章制作のお役立ちサイト&ツール
次に実用系のサイトのご紹介です。
□know-how系
・小説原稿を1日2万文字書くには、どうすれば良いのか
http://tokimaki.hatenablog.com/entry/2016/03/09/122707
□文体チェック
・文体診断ロゴーン
http://logoon.org/
文体が近い作家さんや、特徴点を抽出してくれます
・小説形態素解析CGI
http://www.ennach.sakura.ne.jp/
文体傾向の解析が優れています
特にページ末の解説はわかりやすいです
・User Local テキストマイニングツール
https://textmining.userlocal.jp/
単語単位の出現傾向をグラフィカルに表示します
直感的にわかりやすいのがポイントです
□語彙・単語補助
・連想類語辞典
http://renso-ruigo.com/
文章が単調にならないために類語辞典は役立ちます
・コロケーション辞典
http://collocation.hyogen.info/
品詞単位で分別し、ほかの品詞との結びつきを一覧で表示します
□文章作成支援
・タロットプロット
https://tarot-plot.com/
小説、漫画、脚本等の物語作成を支援するツール
会話文抽出機、文章推敲支援ツールは早い段階で試しておくといいと思います
□エディタ
・TATEditor
縦書き対応の小説特化タイプのテキストエディタ
※ゲーム制作ツールとの親和性は未知数
■その他
□ドキュメントはGoogleドキュメントでクラウド管理
私はスマートフォンとPCでドキュメントを共有化するため、Googleドキュメントを利用しています。
PC上では該当ドキュメントをお気に入りにすることで、GoogleChromeからアクセスもしやすくなります。
専用エディタのような特化した機能はありませんが、私はこれが性にあっていました。
□ドキュメントは章単位で保管
ドキュメントは1章単位で分けておくと、先の文章解析ツールを章単位でチェックするのに便利です。
(Ctrl+Aで全体選択してコピペ→貼り付けだけ)
章ごとに意図しないテイストの違いが生じていないか、作品全体の統一感や流れがコントロールできているか、これらも気を配ると良いと思います。
□こまめな成果確認
自分の気持ちを保つうえで、作業成果を可視化するのもテクニックの1つです。
文字数カウント
http://www1.odn.ne.jp/megukuma/count.htm
これはシンプルな文字数カウンター。
先に挙げた多機能なツールでも同じことはできますので、気が散りそうなときは使い分けると良いと思います。
□好きな作家さんの作品と比較する
これを書いている2017年8月現在の私の手法です。
自分の文体で1日分書いたら、参考にしている作品の近い部分を読み、表現や文体のバランスを比較しています。
この2作品はライトノベルと一般小説の良いところをとっていて、とても惹き込まれました。
ライトノベルではありませんがメディア化に近い作品として、この2作品も欠かせません。
文章で、文章以外(音や映像)を表現することに長けた名作です。
こちらは無料で読むことができるようです。
身近に触れることができるのは有難いことですね。
取り上げられた分、作者さんにも還元されてほしいなと思います。
研究と実践を、自分の比率で繰り返す事は大切と考えています。
影響を受けている自分を客観的に受け容れると、吸収が早い気がしました。
気になった方は「メタ認知」というキーワードで調べてみてください。
□創作は何かの代償に成り立つものとは限らない
とある作家さんの本で、作家志望の方は他の趣味・職業に比べて不健康になりがちと書かれていました。
(本当はもっと過激な表現なのですが、血が苦手な私は自主規制)
私は心身の健康や安定した生活基盤のうえで、創作活動を展開する人で在りたいと考えています。
自己実現のために着実に物事を進めて、その先には豊かな人生や幸せを先に見据えていたいなとか、ですね。
生活に追われ過ぎない範囲で創作をすることは、生きることに真摯な証でもあります。
先のない無理をしないこと、そして健康であることを望みながらでも良い作品はできるということ。
この考えはできるだけ多くの方に受け入れられて欲しいと思います。
そしてご覧の方にとって、少しでも良い影響になれば、書いたかいがあります。
良い創作日和に繋げてくださいませ。
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