2018年06月29日
【6/29速報・所感あり】maneoマーケットがGIレンディングを切り離したようです
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事実関係の整理
さて、GIレンディング(&JCサービスとJC証券)の問題と、それにmaneoマーケットが巻き込まれた問題。
簡単に問題点を整理すると、以下の通りです。
なお、JCサービスはGIレンディングの経営母体(社長は同じ)、JC証券はJCサービスの関係会社ですが、
営業実態がほとんどない、おそらくハコ物です。
@GIレンディングが募集していた資金の一部が、本来の投資目的外に使用された疑いがある。
AGIレンディングが募集していた資金の一部が、JCサービス中久保社長の口座に入った疑いがある。
BJCサービスからJC証券に流れた資金の一部が、細野氏への貸付に用いられた。
CGIレンディングが一時、親会社のJCサービスの株式を購入していた(会社法違反、今は売却済)。
Dmaneoマーケットは金商二種でファンドの募集をしているので、責任は逃れ得ない。
@とAはあくまでも「疑い」。
B〜Dは事実、もしくは事実の可能性が高いもの、です。
このあたりをごっちゃにすると、議論が良く分からないところへ旅立つので、重要な区分けです。
JCサービスの発表
渦中の当事者の一つであるJCサービスは、28日に発表をしていました。
・グリーンインフラレンディングについて
株式会社グリーンインフラレンディングは、maneoマーケット株式会社より、募集中のファンドにおける「開発資金」として募集された資金が最終貸付先企業における募集対象案件に対して、募集に先行して自己資金により支出を済ませた資金に充当されており、このままファンドの募集を継続することが適切でないとの指導を受けましたので、かかる指導に基づき、対象ファンドに関しては募集を停止するとともに、他のファンドについても資金の使途に関する同社の確認が完了するまでの間、新規の募集を一時見合わせることとさせて頂きました。
重要なのは赤字の部分でしょう。
GIレンディングで「開発資金」として募集されていたファンドの一部は、実のところ「既に支出されていた
資金の借り換え」に使われていた、ということです。
このあたりは「開発資金」の定義にもよります。GIレンディングの主張の通り、開発資金を
「開発着手から開発完了に至る一切の資金、支出済みの資金を指す」
と定義しても、それを間違いとは断定することはできません。要は解釈だけの問題ですね。
となると、好意に解釈すると
「募集に先行して支出済だった資金をGIレンディングが集め、それを充当した。
その際、GIレンディングと中久保社長の口座が分別管理されていなかったため、疑惑を呼んだ」
と言えるのかもしれません(ちょっと好意的すぎるかもしれませんが)。
29日の動き
さて、これ以降は29日の動きです。
GIレンディングに関して、maneoマーケットより発表がありました。
・ファンドの募集停止等のお知らせ
最終資金需要者において上記説明とは異なる使途に一部資金が使用された疑いがあることが判明いたしました。これを受けて、弊社は、かかる疑いのある対象ファンドの新規募集を停止した上で、最終資金需要者の認識や見解について説明を受け、事実関係の確認を実施いたしました。
その結果、大変遺憾ながらグリーンインフラレンディング社から弊社が説明を受け、投資家の皆様にご説明申し上げていた使途とは異なる使途に一部資金が使用されたものと評価せざるを得ないとの判断に至りました。
「グリーンインフラレンディング」における今後のファンドの募集は停止させて頂きます。また、新規の投資家登録も停止させていただきます。
ファンドの運用状況等につきましては、「グリーンインフラレンディングからのお知らせ」欄に適宜公表される情報をご確認頂きたくお願い申し上げます。
赤字部。第一印象は、「あっさりと切り離したな」でした。
まあ、NHKその他既存マスコミにおいてこの件が報道された際、GIレンディングの名前はほとんど出ずに
maneoマーケットが大きく公表されていました。
それに加えて細野氏への資金貸付問題。正確にはこれら2つの問題は別物なのですが、報道を見聞きした
人としては、当然そのようには受け取らないでしょう。
となれば、maneoマーケット自体を守るためにはGIレンディングを切り離すという選択肢が最善ではあった
のでしょうが、それにしてもあっさりとしたものです。
今のところは素直に、maneoマーケットが正しい決断をしたと受け取っておきましょう。
次の発表は7/4。
さて、問題は金融庁がどう動くか、そしてGIレンディング案件が償還されるか否か、ですね。
(加えて、maneoがこれまでGIレンディングの扱っていた案件を取り扱うのか、でしょうか)
関連記事
以下、関連記事です。併せてご覧下さい(時系列順)
・NHKの報道に関してmaneoからのコメントがありました。現時点では特記する情報無し。
・NHKでGIレンディング+maneo問題が報じられた件について、当事者の反応
・これはびっくり。GIレンディングの一件は政治資金絡み?
・GIレンディング:JC証券が細野氏に5,000万円を貸し付けた理由とその原資
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posted by SALLOW at 20:20
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これはあくまでも私の想像なのですが、maneoが自分のプラットフォームを他社に貸し出してロイヤリティを儲けることができる、というビジネスに傾倒しすぎたのかな、と思っています。
瀧本社長はそういうチャリンチャリンビジネスは大好きですし。
LCやガイア、プレリート、(一応クラウドリースやスマートレンドも?)あたりまでは良かったのでしょうが、儲けに走って色々なところに貸してしまい、maneoファミリーの質の低下を招いたのではないでしょうか。
所詮別会社、maneoマーケットが相手を完全に管理下におけるわけでもなし、そのリスクの認識が甘かったのだと思っています。太陽光が出てきたのは、おそらくmaneoでJCサービスの案件を引き取ったのではないかと考えます(これは少し、検証の必要がありそうですが)。
らいら 様
お褒めいただき、ありがとうございます。
2018年はSLにとって岐路になる年かも知れない、と数ヶ月前から記事に書いていたのですが、本当にそうなりそうで少し不安です。
とはいえ、SL(広義で言えばCF)そのものがなくなる事はないと思い、これからも投資は続けます。
金融庁の制御下に入るのは、私としては賛成です。
各社、特に中小の事業者では旨味が無くなり、中には撤退するところも出てくるかと思いますが、それはそれで健全な姿でしょう。
金融庁の統制下というのは、利回り低下等旨味はなくなるかもしれませんが、業界が安定していくのでそんなに悪くないのではないかと思います。
GIの口座の今までの分の運用予定は特に何も変化が無いように見えます。
GIがmaneoファミリーとしてどういう位置付けや運営だったのか、今の案件の運用は本当はどこがやっているんだろうとか、色々と疑問に思いました。
まさに、コメントいただいた通りです。私も同じ考えです。
ぬるま湯から脱するには、熱湯か氷水が必要です。
それで損害があったとしても、それはぬるま湯に浸っていた怠慢の応報でしょう。
これが契機となり、maneoの、ひいてはソーシャルレンディングの正しい姿(それが、金融庁により制御された姿としても)となることを期待したいと思います。
他のマネオファミリーの気が引き締まることを期待したいですね。
健全化するにはある程度の劇薬が必要ですからね。