2010年12月18日
何故か火がついた様にクレームが殺到した番組
12/16にフジテレビの「知りたがり!」という番組に法社会学者で体感治安の悪化の嘘などを暴いてこられた河合幹雄氏が登場。
東京都の青少年健全育成条例改正の解説を行った。
これは極めて公正な報道で、出版及び書店の実情やこれまでの経緯の問題点を見事にあぶり出していた。
悪書追放運動など、漫画文化への憎悪の歴史にまで触れている。
短時間でよくここまで説明できたものだと、非常に感心した。
http://blog.fujitv.co.jp/shiritagari_gimon/D20101216.html
番組HPへの反響も凄まじく、この問題について真面目に考えている人々の真摯な意見が垣間見える。
しかし、「偏向報道!」と電話クレームが殺到したらしい。
感情論的規制論の域を出ない協議会が答申を出し、東京都青少年健全育成条例改正案が今年3月に提出された。
協議会では「宗教の考えを取り込みたい」、「反対者は認知症という認識を主流化したい」など極めて不穏当な発言が連発され、「科学的根拠は要らない」、「憲法違反の検証は必要ない」というものまであった。
表現規制に踏み込んだ上、思想統制になりかねない極めて危険な条文が問題となり、3月末の継続審議を経て6月に否決。
しかし、若干の手直しと規制範囲を広げた条文が11/22に再び提出され、多くの反対意見を無視して可決された。
3月提出と同じ答申を元にした条例である。
石原都知事は緊急の必要性を主張したが、出てくるのは差別に満ち溢れた暴言のみ。
青少年審議会のメンバーでさえない猪瀬副知事が「火の鳥は規制されない」と無責任な発言をするなど、都側には誠実さが全く感じられない。
「良いこと」だと思っていた一般人が疑問に思うのは当然だろう。
それに対する回答として、これほど的を射た番組は初めてだったと思う。
それこそ、なぜ可決前にこれがで出来なかったのかと思うほど。
この抗議電話殺到の話をきいて、思い出すものがある。
春の都条例審議の頃、ドラマ「ゲゲゲの女房」で悪書追放運動が取り上げられた。
それは表現規制の危険性とモラルの暴走が如何なるものか、如実に表している内容だったが、東京では放送後に不気味な出来事が始まった。
東京では書店付近を中心に、この番組に対する中傷ビラが統一教会信者によってばら蒔かれた。
公正な報道、ドラマの中の歴史観。
こういったものにヒステリックになる層はごく限られている。
東京都小学校PTA協会でさえ、中枢を除くと都条例賛成ではなかった(そもそもこの政治団体は東京都のPTAの代表ではない)。
「過激な」という枕詞でボヤかされていた都条例の問題点が明瞭になるのはむしろこれからでは無いだろうか。
その都度、劣化のごとく怒りながら電話を掛ける人々は増えるかもしれない。
とまぁ、立て続けに都条例の話でもし訳ないです。
次は多分Don Luis Oscroシリーズのレビューをやると思います。
東京都の青少年健全育成条例改正の解説を行った。
これは極めて公正な報道で、出版及び書店の実情やこれまでの経緯の問題点を見事にあぶり出していた。
悪書追放運動など、漫画文化への憎悪の歴史にまで触れている。
短時間でよくここまで説明できたものだと、非常に感心した。
http://blog.fujitv.co.jp/shiritagari_gimon/D20101216.html
番組HPへの反響も凄まじく、この問題について真面目に考えている人々の真摯な意見が垣間見える。
しかし、「偏向報道!」と電話クレームが殺到したらしい。
感情論的規制論の域を出ない協議会が答申を出し、東京都青少年健全育成条例改正案が今年3月に提出された。
協議会では「宗教の考えを取り込みたい」、「反対者は認知症という認識を主流化したい」など極めて不穏当な発言が連発され、「科学的根拠は要らない」、「憲法違反の検証は必要ない」というものまであった。
表現規制に踏み込んだ上、思想統制になりかねない極めて危険な条文が問題となり、3月末の継続審議を経て6月に否決。
しかし、若干の手直しと規制範囲を広げた条文が11/22に再び提出され、多くの反対意見を無視して可決された。
3月提出と同じ答申を元にした条例である。
石原都知事は緊急の必要性を主張したが、出てくるのは差別に満ち溢れた暴言のみ。
青少年審議会のメンバーでさえない猪瀬副知事が「火の鳥は規制されない」と無責任な発言をするなど、都側には誠実さが全く感じられない。
「良いこと」だと思っていた一般人が疑問に思うのは当然だろう。
それに対する回答として、これほど的を射た番組は初めてだったと思う。
それこそ、なぜ可決前にこれがで出来なかったのかと思うほど。
この抗議電話殺到の話をきいて、思い出すものがある。
春の都条例審議の頃、ドラマ「ゲゲゲの女房」で悪書追放運動が取り上げられた。
それは表現規制の危険性とモラルの暴走が如何なるものか、如実に表している内容だったが、東京では放送後に不気味な出来事が始まった。
東京では書店付近を中心に、この番組に対する中傷ビラが統一教会信者によってばら蒔かれた。
公正な報道、ドラマの中の歴史観。
こういったものにヒステリックになる層はごく限られている。
東京都小学校PTA協会でさえ、中枢を除くと都条例賛成ではなかった(そもそもこの政治団体は東京都のPTAの代表ではない)。
「過激な」という枕詞でボヤかされていた都条例の問題点が明瞭になるのはむしろこれからでは無いだろうか。
その都度、劣化のごとく怒りながら電話を掛ける人々は増えるかもしれない。
とまぁ、立て続けに都条例の話でもし訳ないです。
次は多分Don Luis Oscroシリーズのレビューをやると思います。
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