ザブングルの後番組であり、富野作品であり、また初期の和製ファンタジーアニメであり、ガンダムの枠のロボットアニメ。
今までのSFっぽい路線からファンタジーに突入、地上と海のはざまにあるバイストン・ウェルという異世界でやや小ぶりの人の持つオーラ力で動くロボ、オーラバトラーが戦うという内容。しかしやはりファンタジーは早すぎたか、最終的に地上界にすべてのオーラマシンが召喚されることになる。
バイストン・ウェルは中盤までしかいれないため、いささかどんな世界かわからない部分があり、地上(地球)と違い空に海があり、またオーラマシンの力もあり結構狭くも感じるため、ある種の閉じた世界なのかもしれない。バイストン・ウェルは本来魂の転生としてのみ地上と繋がっている。
ナレーターは若本であり、その他脇役やモブでも結構登場しており、さらにネームドキャラも複数担当している、声に癖があるだけにすごく印象に残る。若本声のキャラは出番が少ないか死亡フラグかのどっちか。
単独でのゲーム化はそれほど多くないものの、スパロボにはよく出てくる、そしてビルバインはよけまくるためスパロボ界隈では最強ユニットとして知られている。
ファンタジーとしてみると83年というのは非常に早かったといわれており、あまり視聴者に受け入れられなかったといわれている…のですが、とりあえず少し検証を。
ということで私が確認可能な資料だと、ピグマリオ(78年〜)の後書きではファンタジーは企画が通らず(他に少女漫画で少年主人公がネックだったらしいが)短期間で打ち切り(のちに再開、完結済み)、そこから少なくともアルスラーン戦記(86年〜)まではファンタジーは売れないからダメ(アルスラーンの場合小説ということでカタカナタイトルもダメ)ということだった。
ちなみにアルスラーンの同年86年にドラクエ1発売で大ヒット(同年ゼルダも発売)、翌年FF87年FF発売で完全に問題なくなったらしく、88年くらいからは色々そういったのは増えている。
こうしてみると86年がターニングポイントだったようで、ダンバインは3年早く展開したことになるみたいです。ただ86年のDQらのブームを支えたのは所謂当時のファミコンキッズ層であり、そのためその後出てきたファンタジー系のロボットアニメもリューナイトはワタル等対象年齢は低めの作品が多かったので、世代的には一段違う感じ。
登場メカオーラマシンと呼ばれる、人の持つオーラ力を使って動く。開発は地上人のショット・ウェポンらがバイストンウェルに飛ばされて行った。
もともとバイストンウェルには機械はなく、このオーラマシンが開発されたことにより状況は一変してしまい、戦争は拡大していくことになる。
オーラマシンは材料をバイストンウェルの生物の素材を使っており、その生物が乱獲される原因にもなっているらしい。
基本的に元々騎兵を使った戦争をしていたようなレベルの世界だったため、機械であるオーラバトラーの性能は圧倒的だったが、バイストンウェルではオーラバトラーの性能は控えめになり、逆にすでに機会が多数ある地上に上がるとオーラバリアーが張られたり運動性が上がる等一気にパワーアップするという設定がある。
反ドレイク陣営主にギブン家から始まった、地上人の兵器開発者ショットを擁して最初からオーラマシンを大量開発していたドレイク軍には後手後手に回っており、基本的に逃げながら転戦することが多かった。
反ドレイク陣営オーラバトラーダンバイン:ショウ・ザマ、マーベル・フローズン
元々はドレイク軍の試作型オーラバトラー、高いオーラ力を持つ地上人が使用することを前提としており、召喚された地上人の3人が搭乗した。
最初は3機いるが、結局ジョウのダンバイン以外はすぐに退場である。それぞれカラーがあり、要するにショウの水色(ダンバインカラーはこれ)とトッドの青とトカマクの緑。
3機のうち2機は聖戦士が不慣れなこともありあっさりと失われ、ショウの1機のみが残ることになる。そのショウのダンバインがドレイクから離反したために、ドレイク軍のダンバインはすべて失われることになる。
本来試作型にすぎず、本来そこまでの性能ではないようだが、オーラ力に依存してパワーアップするために本来の想定以上の力を出している模様。
ビルバイン登場後はマーベルが引き継ぐことになる。最終的にマーベルのダンバインは最終回にて撃墜される。
ビルバイン:ショウ・ザマ
後半の主役メカ。シーラ女王がひそかに開発していたオーラバトラー。ショウ専用の1機のみ。フォイゾン王が戦死し、ラウの軍が潰滅していく中で援軍として派遣されてくる。
性能的にはダンバインを上回り大体のオーラマシンを上回り、ブルべガーやドラムロくらいは瞬殺できるが、すぐにズウァースが登場したため、圧倒的な性能だった時期はほとんどない。
ウィングキャリバーに変形でき、ダンバインを乗っけることが可能。最初は赤だったが、最終的に藍色に塗装される。
経営危機だったスポンサーの要求で急遽登場したものの肝心のスポンサーのクローバーは倒産して玩具の発売はトミーが行うことになった。
スパロボ界隈ではたぶん原作よりはるかに強い。ダーナ・オシー:マーベル・フローズン、リムル・ルフト
ゲドをベースにギブン家で独自開発されたオーラバトラー、開発はショットの元にいたらしい技師ドルプル・ギロン。性能はゲドよりマシ程度のものであり、ダンバインやドラムロが開発されていた1話の段階で旧式扱いだった。
ギブン家の規模もあってか生産数は少なく、特にギブン家のものはゼラーナに配備されているのは一機だけ、しかもゼラーナですら旧式扱いで、狭いハンガーに置いておけないとバラされるなどあまり戦力として見られていないような描写もあり。
その他ミ国にも一機だけ配備されていたが、ドレイク軍の圧倒的物量の前に一機だけでは大した抵抗もできず撃墜された。
ドレイクの娘のリムルが一時的にゼラーナにいた時もこのダーナに乗っていた。
ボゾン:マーベル・フローズン、キーン・キッス、フォイゾン王、トルストール・チェシレンコ
ラウの国で開発された新型オーラバトラー、とはいえ性能は物足りない感じであり、ダーナよりはマシ程度のもの。活躍はそこまで期待できず、ドロやドラムロ程度ならともかくビランビーなどの高性能機相手ではロクに対抗できずに落とされっぱなしだった、兵士の言動的にも性能不足っぽい。10機がエルフ城の援軍として派遣されたが全滅、その後も概ね背景メカっぽい扱いが多め。
ゼラーナでも運用され、マーベルらも搭乗する、一応ぶっつけ本番のトルストールもそれなり程度には動かせていた。
ボチューン:マーベル・フローズン、ニー・ギブン、キーン・キッス、フォイゾン王、トルストール・チェシレンコ
ラウの国が開発したボゾンの改良型、1号機はゼラーナに配備される。その後はゴラオン、グランガランの主力として配備されていった。
ダンバイン乗り換え以前のマーベルや、ニーやキーン、他ラウの国の王であるフォイゾン王らも搭乗した。逆関節が特徴。
ゲド
旧型のオーラバトラー、一応ダンバインの原型みたいなオーラバトラー。性能はドラムロ以下どころかダーナ・オシー以下らしい。
アの国の国王フラオン・エルフがある程度まとまった数をドレイクから購入していたが、旧型もいいところなのでいないよりマシ程度で、謀反を起こしたドレイクの攻撃でどんどん落とされていった。
反ドレイク陣営他フォウ:キーン・キッス
オーラバトラーを支援するウィングキャリバー、ギブン家の独自開発であり、本来ダンバイン用ではなかったが、ダンバイン用に運用されている。主にキーンが搭乗した。
基本的に有人だが、無人での操縦も可能に改造される。ゼラーナの先端部にくっついている。
グナン
ラウの国で作られたオーラボム、ラウ版ドロ、基本的に背景メカ。
反ドレイク陣営オーラシップゼラーナ:ニー・ギブン、ドワ・グロウ、ドルプル・ギロン
ギブン家がドレイクに対抗して独自開発したオーラシップ。ナムワンをベースにしており形状は似ている。ギブン家が壊滅して以降は各地を転戦しドレイク軍に対抗し続けた。一応3〜4機程度のオーラバトラーと先端部にフォウを搭載できる。ナムワンやブル・ベガーと比べやや細身なせいか格納庫は手狭であり、2機搭載でも結構狭かったらしく、ダーナオシーが邪魔だからと解体されていたりする。また格納庫がむき出しなせいでよく人が落ちるなど問題あり。
最終的にショットのスプリガンに対して奇襲をするも失敗し、撃沈。
ナムワン:ピネガン・ハンム
15隻程度が建造され、軍資金を得るために各国に売り払われた旧型オーラシップ。一応オーラマシンを搭載できるが、母艦としての活躍はほぼない。
ミの国には2隻が購入されている、一応母艦として設計されているが、ミの国にいはダーナ・オシー一機しかオーラバトラーがないうえそれもすでに落ちていたため、単に対空砲を撃つだけ、王はナムワン2に搭乗していたが、撃沈される。
アの国のエルフ城には少なくとも2隻が配備されていたらしいが、それよりも多く見える、ただ状況が不明瞭なので何とも言えない。その他ナ、ラウの国でも使用されている。15隻建造の割によく出てくるため、各国でも建造したのかもしれない。
グリムリー:エイブ・タマリ
ラウの国が建造したオーラシップ。オーラマシンの搭載能力に特化している。ナムワンやブルベガーと違いグリムリーが出てきたころはもうオーラバトルシップが出てきてたので空気気味。
ゴラオン:フォイゾン王、エレ・ハンム、エイブ・タマリ
ラウの国がドレイクに対抗して建造したオーラバトルシップ。中途半端な状態で急遽戦闘に参加した挙句、フォイゾン王は次の戦いで戦死、その後はエレが引き継ぐもののすぐに地上に飛ばされてそロシアのほうに出てしまう。
火力が売りだがあまり火力を活かす機会もそれほど訪れず、最終的にエレが死亡後はケア・ガリングに特攻して墜落、爆散した。
OPに登場して地球の大気圏外に出ているが、実際にそんなに高く飛んでいない。
グラン・ガラン:シーラ・ラパーナ、カワッセ・グー
大国であるナの国が国力に任せて建造したオーラバトルシップ(シーラ談)。外見は城のような外見をしており、戦艦ぽさはあまりない。
あまりにもほかの部分から突出した艦橋があり、その艦橋の防御が脆弱らしく何かとダメージを受けている。
ドレイク陣営地上人のショット・ウェポンらにより強力なオーラマシンと大量に開発している。元々機械の存在しなかったバイストンウェルにてこれらのオーラマシンの開発されたことにより、本来アの国の一領主にすぎなかったドレイクがバイストンウェルの征服を企てられるだけの戦力を擁するに至った。
ドレイク陣営オーラバトラーダンバイン:トッド・ギネス、トカマク・ロブスキー
元々はドレイク軍のオーラバトラーである。3機が試作されたが2機はあっけなく撃墜されており、残り一機はショウとともにドレイクのもとを去った。
ドラムロ:トッド・ギネス
ドレイク軍の量産型オーラバトラー。一般兵でも操縦できるように比較的低いオーラ力でも安定して動かせるようになっており、性能もゲド程度なら圧倒する等主力としての性能は問題ない、というか「中途半端に強い」くらいの性能。
ダンバインを失ったトッドが一時期これに載っていた。
ビランビー:バーン・バニングス、アレン・ブレディ
試作型のオーラバトラーとして、ドラムロから乗り換えたバーンが使用、前半の強敵枠としてよく出てくる。その後は量産されてあっちこっちに出てくるようになった。
バストール:ガラリア・ニャムヒー
試作型オーラバトラー、ショウとともども地上に出てしまう、その後暴れた挙げく地上に大量の死者を出す、その後ダンバインともどもバイストンウェル帰還を試みるも失敗して海に墜落。ガラリア以外も乗ってはいるものの、半ばガラリアのオーラバトラーといった感じ。
レプラカーン:バーン・バニングス、ジェリル・クチビ、フェイ・チェンカ
赤くて強そうなオーラバトラー、ショットが極秘に開発していた新型であり、ビランビーに続きバーンのオーラバトラーとなるほか、地上人のジェリルらもこれに乗った。ジェリルはこれでハイパー化している。
ビアレス:ガラミティ、ダー、ニェット、トッド・ギネス
クの国で開発されたオーラバトラー。クの国の主力であり、クの国の赤い三騎士という黒い三連星っぽいチームが使用し、トリプラーというジェットストリームアタックを披露した。
ズウァース:黒騎士
突如現れた謎(ではない)の黒騎士が搭乗したオーラバトラー、これの登場であっさりビルバイン無双は終わりを告げたが、ズウァース自体はあまり出番がなく、黒騎士も早いうちにガラバに乗り換えている。割と空気だが、外見だけは強敵っぽい。
ライネック:トッド・ギネス
緑色のオーラバトラー、トッドが搭乗してハイパー化したが結局戦死した。一応最新型かつ量産型なのだが、地上に出てしまった上にその後ガラバなどが出てきてしまったため立ち位置としては微妙なポジション。
ドレイク陣営オーラボンバー、オーラファイターブブリィ:ミュージィ・ポゥ
オーラボンバーと呼ばれる兵器。所謂モビルアーマー的な立ち位置の兵器であり、大きさはオーラシップに近く、小型の高速艦といった感じで多数の武器を搭載し、複数人で操縦する。デカ過ぎて1機しか生産されず、さらに乗ってたのも主にミュージィだったせいか戦闘より暗躍に使われた感じが強い。
ガラバ:黒騎士、ゼット・ライト
オーラファイターというくくりの兵器、ブブリィよりは小型だが、やはりモビルアーマー的な立ち位置の兵器。開発はゼット、終盤に黒騎士(バーン)の搭乗機としての出番がほとんど、一応程度には量産されて編隊を組んでいる。
ドレイク陣営他ドロ:キブツ・キッス
オーラボムと呼ばれる対地目的に開発された旧型の兵器。大体これが完成したあたりからまともに戦えるオーラマシンがバイストンウェルに搭乗した。オーラコンバーターが積んでおらず性能は低い。前半はドラムロすら開発完了直後で数が出なかったためよく出てきたが、終盤はほぼ空気。クラゲのような外見である。
タンギー:ジェリル・クチビ
新型のオーラボム、オーラボムでありながらかなり高性能であり、数気がかりならダンバインも圧倒できる。足にはアンカーがついておりアンカーを巻き付けて攻撃する。
バラウ:ガラリア・ニャムヒー
ドレイク軍のウィングキャリバー、初期は高級機という扱いだったが最終的に量産される。
ズロン
ドレイク軍の新型のウィングキャリバー。バラウより大型でパワーがあり、後半はこれがメインになった。基本的に無人でのサポートメカというポジション。
ドレイク陣営オーラシップブル・ベガー:ミズル・ズロム、ショット・ウェポン、ドレイク・ルフト
ドレイク軍の主力オーラシップ、ナムワンより高性能。ゼラーナよりやや太く、積載量は多い。一応ダンバインの攻撃ではあっさり落ちることが多いが、ラウへの侵攻時にはかなりの数がそろっていた模様。
スプリガン:ショット・ウェポン
ショットが自分用に作っていたオーラクルーザーと呼ばれるオーラシップの高速版。地上に上がったのちドレイクを出し抜こうとして独自行動をとり始めたショットの旗艦となった。ゼラーナを沈めているほか、機動力を生かしてオーラバトルシップに対しても打撃を与えるなど性能は高い模様。
ウィル・ウィプス:ドレイク・ルフト
ドレイク軍の旗艦であり、ショットが設計したオーラバトルシップ。これの登場によりもはやナムワンサイズのオーラシップどころの話ではなく戦争は拡大していった。
巨大なため艦内にはオーラバトラー以外にもブルベガーも格納できる。
ゲア・ガリング:ビショット・ハッタ、ルーザ・ルフト
クの国で建造されたオーラバトルシップ。非常に大型であり、大をさかさまにしたような形をしている。建造は中盤のためバイストンウェルでの使用は少ない。
地上では米軍の攻撃で羽の1枚を失い、ゴラオンの特攻により沈んだ。
その他もろもろほかにも戦闘用ではないオーラマシンもある、基本的にショットらによる開発の模様。
グライウィング
メーヴェ。小型の飛行メカ、脱出用や連絡用に使われる。
ピグシー:ホン・ワン
2足歩行メカ、単なる移動用。
感想等数年おきに別々の環境で3週しました。ファンタジーとしては早かったといわれていますが、ロボットアニメとしてはむしろ微妙に遅かった、そんな作品だと思う。
基本的に非常に面白い反面、思うのは「ものすごく惜しい」作品。パーツもいいし話も引き込まれる反面、所々惜しい。