アメリカ風の街並みで、ネゴシエーターの男が操る重量級のロボットが敵とどつきあうというのが基本的な内容。
企画途中に何度も規模が縮小され、結局2クールから1クールに短縮、結果打ち切りエンドになったのだが、その後カートゥーンネットワークで放送されて北米で大ヒットしたため、結果的に1クール追加で完結することができたという歴史を持つ。
OPが映画フラッシュゴードンの音楽に酷似していた(フラッシュゴードンっぽくと発注した結果)ために、後期OPも謎の円盤UFOっぽかったために放映時には使われたものの再放送時はお蔵入りして別のOPに差し替えられたという話がある。
特撮や古いロボ漫画、洋画などをイメージした独特な世界観を持つ作品。ロボットのデザインは基本的に特撮風のデザインであり、70年代以降のデザインとは一線を画したデザインとなっている。
また特撮風なので「ビル街でもっさり殴り合う」というロボアニメではステレオタイプとされながら実際にはあまり見かけないシチュエーションが高頻度で発生する。
世界観として、パラダイムシティと呼ばれる街が存在し、その閉じた世界、空は常に雲に曇っており、ドームの中では人口太陽によってある程度まともな生活が可能であり、富裕層が暮らす。このパラダイムシティは記憶喪失になっており、40年前にすべての記憶が失われている、そのため40以上の年齢を持っているものはそれ以前の記憶がない。またメモリーと呼ばれる40年以上前の記憶のようなものが存在し、突然人はそれを思い出すことがある、そのメモリーには多くのテクノロジーが含まれており、それによって発明のようなことが行われることになる。
世界自体は基本的に閉じた世界のような雰囲気であり、パラダイム社が支配するパラダイムシティ以外に何があるかも不明、しかし異国という概念もあり、海の向こうには異国があるような表現もあり、またドイツ人という表現も出てくる、また発言に町の外の住民みたいな表現や異国のスパイなどの表現もあるなど、いろいろと謎。終盤の発言を聞くとほとんどの国が壊滅しており、まともな街はパラダイムくらいしか残っていないらしく、パラダイムシティ外の社会は小規模なものである模様。また過去にザ・ビッグによって破壊されるパらダイムシティと思われる映像や、光が差すパラダイムシティのようなものも存在する。最終的にパラダイムシティは何者かによって作られた「舞台」であることが判明するが、それが何なのかは不明。
あらすじ
40年前に記憶を失った街、パラダイムシティ。パラダイム社という企業が支配し、もはや太陽が昇ることはないこの街で、ロジャー・スミスはネゴシエイターの仕事をしていた。そこであるチンピラにさらわれた令嬢「ドロシー」を救出する依頼を受けるが、そこで救出したドロシーはアンドロイドだった。結局ドロシー捜索は軍警察が行うことに、ところが帰ったロジャーのところにアンドロイドドロシーが現れる、そして依頼人にはそもそも娘などいないことが判明したのだった。不審に思ったロジャーは依頼人の工場へ向かうが、依頼人は撃たれて虫の息であった、そこに敵が出現、ロジャーはそのアンドロイド「ドロシー2」の活躍もあり何とか窮地をしのぐ。
そこに今度はドロシー2とともに建造されたメガデウス、ドロシー1が暴れだしていた、ロジャーとドロシーは街に向かうが、車である老人とすれ違う、そこでドロシーはその老人にお父様という言葉を発したのであった。ドロシー1はロジャーによりメガデウス、「ビッグオー」の力で破壊、ドロシー1は機能を停止するのだった。その後今度はドロシーの作り主であるウェンライト博士がチンピラのベックにつかまり、さらに殺されてしまう、その後ドロシーはロジャーの家に住み着くことになるのだった。その後ロジャーは依頼を解決していくが、その中で謎の女エンジェルや、真実を追い求める怪人シュバルツバルトなどがロジャーの前に現れる、さらにパラダイムシティの地下は地下鉄よりさらに下により新しい空間があり、そこには恐怖があり、またメガデウスが封印されていることがわかる、またその中で幾度となく「メモリー」と呼ばれる過去の記憶たちが話にかかわってくることになる。
依頼を解決していく中で、異国のメガデウスとの戦いの中で、ある時ロジャーは太陽が差す別のパラダイムシティに迷い込んでしまう、そこでロジャーは自分の中にある恐怖と向き合うことになるのだった。
登場メカ
基本的にメガデウスと呼ばれる。メガデウスはザ・ビッグと呼ばれる最強クラスのメガデウスと、それ以外のタイプのメガデウスが存在する。
一部の例外を除き飛行能力はなく、また基本的に鈍足重量級。
ザ・ビッグ
メガデウスの中でも最上位の存在がこのザ・ビッグ。かつての映像として炎の中でザ・ビッグが暴れている映像が何度も流されているが詳細は不明。デザインとしては前腕が太いという共通点がある。
ビッグオー:ロジャー・スミス、R・ドロシー
ネゴシエイターのロジャーが交渉の最終手段として用いている黒いメガデウス。腕は上腕が非常に細く、前腕が非常に太いという構造。腕の装甲は非常に厚く、ガードをするとだいたいの攻撃ははじける模様。武装は格闘武器、飛び道具ともに基本的なものはそろっており、格闘武器のサドンインパクト、レーザーであるアークラインおよび大火力レーザークロムバスター、実弾のミサイルパーティーおよびキャノンパーティー、ビームガトリングのOサンダー、アンカーのモビーディックアンカー、最強技のファイナルステージとだいたい基本は揃えている。飛行能力はもたず、また重量級ゆえに基本歩行、歩くときは特撮っぽい独特の歩行音がする。移動は地下鉄の跡地によって行われ、行動範囲がパラダイムシティ内という狭い範囲のためだいたいどこでも出現可能。
軍警察をやめた後ロジャーがドーム外の銀行に住み着こうとした際に、ノーマンが現れてビッグオーをロジャーに提供、さらにノーマンもロジャーに押し掛け執事になったらしいことが語られている。整備はビッグオーのメモリーを持つノーマンが行う。
召喚はロジャーの声でビッグオーショータイムと叫ぶ必要が有るのだが、ベックに偽ロジャーを作られておびき出されたこともあった。
ビッグデュオ:シュバルツバルト、アラン・ゲイブリエル
シュバルツがどこからか発見したメガデウスの一体。ビッグオーと同じく上腕が大型という体形をしているが、肘の部分はジェットになっており飛行能力がある。手はプロペラ兼クローになっておりドリルのように回転させることも可能。一度ビッグオーと戦うも敗れ、ビッグデュオもシュバルツの意思を無視してドロシーの方へ向かうという動きを見せる。二度目はパラダイム社により回収されビッグデュオインフェルノに改造され、正規のドミュナスではないアラン・ゲイブリエルを無理やり乗っけてビッグオーと戦うも、シュバルツの意思が復活し、ドミュナスではないアランのコントロールを離れそのまま飛び去る。
ビッグファウ:アレックス・ローズウォーター
3機目のザ・ビッグ。初登場時は凱旋門が割れて下から湧き出てくる形で登場し、暴れているボナパルトを圧倒したものの、すぐに機能停止してしまう。そのためドロシーのメモリを搭載することにより再び起動し、パラダイムシティを破壊した。
ビッグヴィヌス
最終段階で登場した最後のビッグ。ロジャーの声にこたえてパラダイムシティを復活させる。
その他メガデウス
ザ・ビッグと比べ割とまんま特撮風の外見をしていることが多い。
ドロシー1:ベック
ドロシー2とともに建造されたメガデウス。ドロシー2と違い巨大である、銀行を襲撃したがビッグオーによりぶっ壊されたが、ドロシー2を組み込み無理やり再起動させるも再びやられて完全に再起不能に。
ペダルで足を動かす方式で操作性は最悪である。
コンスタンツェ:R・インストル
アンドロイドであるインストルと直結することで起動するメガデウス。
ロベスピエール、カルノー、フーシェ→ボナパルト
異国のメガデウスと称された3体のメガデウス、すべて大破後しばらくして再び登場し、今度は合体してボナパルトとなる。ボナパルトになったのちは暴れまわるもビッグオーにボコられ、ビッグオーが機能停止して再び暴れだしたと思ったら今度はビッグファウにボコられ完全破壊される。
ベックビクトリーデラックス:ジェイソン・ベック、ダウ、Tボーン
ベック一味が使用したメガデウス、特撮っぽい外見とポーズが特徴の金色メガデウス、上半身が回転して逃走したながら攻撃が可能、ただしどの攻撃もビッグオーには通じずあっさりやられた。
ベック・ザ・グレート・RX3:ジェイソン・ベック、ダウ、Tボーン
ベックが設計し、ヨシフラ・ヤカモト工業を騙して作らせたメガデウス。合体メガデウスであり使い捨てバンクおよび専用BGM合体BGMが用意されている。しかし必殺技のための途中でビッグオーの攻撃を受け瞬殺されてしまった。ぶっちゃけ脆い。
アーキタイプ
装甲を外されたビッグ風のメガデウス。正体ははっきりしないが、描写からザ・ビッグと何かしらのかかわりがある様子である。シュバルツによって発見される。
ベヒモス
外見だけ見ると何か秘密を持ってそうだが、何しに来たというレベルの出オチ。
怪獣
メガデウスとは別に怪獣も少数だが登場する、基本的に人工生物の類であり、何かしらメモリーにより作られている。
イール→ヒドラ・イール
電機を生み出す怪獣。一度は撃退されるが、パラダイム社によって復活し改造されて復活する。ビッグファウのエネルギー源として使われた。
アンドロイド
パラダイムシティでは等身大のロボットであるアンドロイドも多数生活している、メガデウスと違い言葉を発し、意思を持っている。普通に人間に近い暮らしをしているものが多く、何かしら職業についているものが多い。やはり彼らも40年前にメモリーを失っている、新造も行われているが高いレベルの技術が必要らしく、40年前に技術をいろいろ失ったパラダイムシティにおいては人間レベルのアンドロイドの製造は困難な模様。
感想等
この作品、所謂ガンダムの系譜でもなければ(あえてリアル系という表現は使わない、というのも所謂スーパー系もまた多くがガンダムの系譜に入っているから)、所謂スーパー系とも違う内容で、むしろ特撮や古い漫画の系統の作品を当時の現代風に再構成したかのような独特な雰囲気を持っています。どうもGロボの作監だったらしく、割と横山風のデザインになっているのが特徴。
これ一本的な作品であり、ある種の新鮮さというか、ある意味古き良き時代の産物なんだと思う、このころまではこういった作品が出る可能性があったというか。
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