ゲッターロボのリメイク作品。90年代になって制作されたゲッターロボで、旧シリーズやマンガ等との世界観は共有していない閉じた作風。
もともとマジンガーの予定がゲッターに変更された経緯があるようで、マジンガー要素がかなりあり、敵がマッドサイエンティストに率いられた爵位持ち怪人の集団だったり、博士の助手にギャグっぽい雰囲気の博士がついてたりとマジンガー的な要素が散見される。玩具がかなりアニメの合体を再現できるものになって居るのが特徴。また渡辺宙明が音楽担当だったり神谷明が声をやっていたり。
初期は合体能力がなく、あまりスーパー系っぽさがないが途中から大改造を経て柄合体可能になり、ゲッターロボらしくなっていく。
あらすじ
北極のG鉱石採掘場を天才科学者プロフェッサー・ランドウが制圧、G鉱石で作られたメタルビーストを使い世界征服を開始した。NISARではG鉱石を使った宇宙開発用ロボット「ゲッターロボ」でしか対抗できない、しかしゲッターロボの開発者橘博士は軍事転用を嫌っていたが、息子信一の死などを見て最終的に同意、最終的に非武装のゲッターロボを改造して合体能力を付与しスーパーロボットへと変貌させる。
ランドウ一味との戦いの中で、基本的にランドウとその身内だけで構成されていたランドウ一味に謎の男ナルサスが加入、ナルサスはランドウに心服しておらず、何かを企み暗躍し続けるのだったが…。
登場メカ
ゲッターチーム
旧ゲッターをイメージしつつもいくつかの点で違いがあり、2に相当するゲッター翔が飛行型と1と2の役割が入れ替わっている。今まで無理があるおなじみのゲッター合体あったのが、本作ではちゃんと普通に合体できるような合体プロセスになっている。
これらのゲッターの大きさは20m前後とゲッターロボというよりはマジンガーサイズの模様。
プロトゲッター:一文字號
最初は宇宙開発のためのロボットであり、非武装。G鉱石を使っているため、ランドウにG鉱石採掘場を抑えられた結果メタルビーストに対抗できる唯一のロボになってしまったので、旧ゲッターのプロトゲッターの立ち位置だが、このゲッターが改造されて合体可能の所謂ゲッターロボへと生まれ変わった。
非武装故に最初はまともに戦闘も出来なかったが、大改造以前にジーグが使っていたロケットパンチであるナックルボンバーなどのいくつかの装備を開発している。
ゲッターロボ號:一文字號
大改造により生まれ変わったゲッターロボ。ゲッター1に相当するがフィールドが空ではなく陸になっている。概ねプロトゲッターの特徴を引き継ぎついでいるが、3つのメカが合体する関係上突起物などが増えている。合体ロボになったのは資材不足の為に3機のロボが用意できずに1機を使い回すための苦肉の策という設定がある。ナックルボンバー他ブーメランソーサー、電撃攻撃のマグフォースサンダー、足の刃物で攻撃するレックブレード等。
ゲッター翔:橘翔
立ち位置的にはゲッター2だが、2と違い2が高速、ドリル、地上(地中)なのに対して、翔は高速、ドリル、空中といくらかの違いがある。フィールドが空になり、パイロット名も翔でロボ名も翔。空中用は使い勝手が良いためか出番はそこそこ多い。見た目はゲッター2をベースに女性的にした感じ。見た目の通りドリルロボなので武装もドリル攻撃のトルネードアタック、胸ミサイルのブレストボンバー等がメイン。
ゲッター剴:大道剴
ゲッター3の立ち位置。如何せん水中戦はあまりやらないので出番は少ない。装備はほぼブレストファイヤーのブレストビーム、チェーンを発射するハープーンキャノン、ミサイル発射のインパクトキャノン等ゲッター3よりの武装が多め。
ガードロボ:一文字號
ゲッターロボ改造中にネイザー基地の警備のために用意されたロボット。サイズは大型だが目立った特徴はなく、グレネードランチャーなどで装備している。本来のパイロットは由自だが號が搭乗、改造までの時間を稼いだ。
バトルヘリ:武藤由自、橘信一
プロトゲッター時代にゲッターロボを支援していたヘリ。一応G鉱石製なので他の兵器より頑丈である。信一はこれに乗ってゲッターを支援するが敵を破壊するのには成功したものの信一も戦死した、やはりこのポジションは生き残れないのか。
Gアームライザー
ゲッターロボ號の支援メカ。ゲッターロボ號をスーパーゲッター號にして磁鋼剣ソードトマホークを使用可能にする。
敵・メタルビースト
G鉱石を使って作られた侵略メカ。G鉱石の鉱山をそのままランドウ一味が奪ったため対抗できる兵器が世界中でほぼない状態のためゲッター以外相手なら無双できる模様。アイキャッチではSD化されたメタルビーストが多数登場している。基本的に1話限りのゲストが大半である。
登場キャラ
ゲッターチーム
一文字號
主人公。90年代の主人公タイプの熱血バカ系、ただ作風が真面目よりのためあまり崩れるシーンは多くない。概ね運動能力高くてペーパーは苦手なタイプ。大道剴ほどではないが他のバージョンとはかなり見た目に差があり、このアニメ版の彼は昔ながらの正統派主人公タイプである。
大道剴
CV神谷明(要するに旧TV版流竜馬の人)なのでなんか聞いててなんとも言えない気持ちになってくる。声は流竜馬だが、立場的には武蔵の立ち位置でもある。性格は真面目枠。ゲッター剴の出番が少なめということもありイマイチ目立たない立ち位置。鍛えているので脱ぐとかなりマッチョである。真面目過ぎて緊張しすぎてミスったりすることもある。概ね他のバージョンの大道剴は太いが、このアニメ版は細マッチョ体系でほぼ別人。
橘翔
橘博士の娘で信一の妹、もともとパイロットではなくメカニックだったが、改造してゲッター翔が登場して以降パイロットへと転身する。立ち位置的には隼人とミチルの要素を合わさっている。翔が2と1の立ち位置ということもあり使い勝手が良いため出番はまあまあある。
橘信一
翔の兄、旧ゲッターロボにおける早乙女達人の立ち位置。1話では生存して早乙女達人のように死なないと安心させておいて次の出撃でバトルヘリに乗ってゲッターを支援するもローターの効果でメタルビーストの特殊能力を止めることに成功したが撃墜されて死亡、やはりこのポジションは死を免れないのか…。
橘博士
翔、信一の父でありネイザーの代表でゲッターロボの開発者。初期は平和利用のゲッターロボの戦闘転用を渋っていた。
武藤由自
メガネの少年、ネイザーの情報処理班チーフということだが、ゲッターの予備パイロット的なポジションも兼ねており、輸送機やバトルヘリなどを操縦する等割となんでも屋ポジでありガンダムにおけるジョブジョン的な立ち位置でもある。
リー・フォア・メイ
医療班の女性。中華風の名前だが金髪。
Drタマ&ポチ
二頭身のちっこい博士2人組。マジンガーの3博士的な立場のキャラ。
その他
シュレンドルフ・オカザキ
ゲストキャラ。戦闘機乗りでゲッターチームへと入る予定であった。一度ゲッターチームと共闘してメタルビーストを撃退するもその後結局軍に残りゲッターチーム入りへはしなかった。そのため女性陣をガックリさせている。
吉井博士
ランドウにレミを人質に取られて研究に協力させられていた。
吉井レミ
吉井博士の娘、吉井博士とともに捕らえられていた事もあった。終盤国連に追われるゲッターチームを匿い、本人もベガゾーンへGアームライザーにのって侵入、科学者を救出する。その後まだ残っているものが居ないか再び戻るが、そこで途方に暮れていたラセツ伯爵と出会う、ラセツの独白を聞きラセツの父に捨てられた悲しみを理解し彼女を救おうとするが、爆発に飲まれ死亡する。
敵(ランドウ一味)
マジンガーの企画だった部分が残っているのか、ゲッターというよりはマジンガー色が強い集団になっている。男爵、伯爵等爵位がある、男女でまとめられた幹部、マッドサイエンティストの悪のボス等マジンガーを彷彿とさせる要素が多い。
プロフェッサー・ランドウ
敵のボス。かなり人間離れしているが、一応人間だったらしく、かつては科学者として活動していた。5年前に突然行方をくらましていたが、CPと脳を直結した挙げ句に北極のG鉱石採掘場を占領して世界征服を始める。
しかし突然現れた謎の男ナルキスに出し抜かれ肉体を失い志ンだと思われていたがラセツの男の部分に乗り移っており魂だけ生存、機動要塞のコンピューターと融合して復活した。
ヤシャ、ラセツに対しては子供と言っているが、具体的な関係は不明。ヤシャの死亡時は悲しんで葬式を行っていた。ラセツは最後にお父様と言っており、父として慕われていたことがわかる。しかし最後にはラセツを不要な部品と切り捨てている。
ヤシャ男爵
2つの顔を持つ鬼のような男、イメージ的にあしゅら男爵的な部分がある。ラセツとは一応兄弟という関係らしいが、仲は良いとは言えない。ヨーロッパの大半が吹っ飛ぶらしい核ミサイル基地へ陸上艦と量産型メタルビーストとともに突撃するも失敗、戦死する。
ラセツ伯爵
表面上女だが、中に男が入っておりあしゅら男爵的な側面がある、ただし男の部分はかなり空気。ヤシャ死亡後も生きていたが、ランドウが死んだときは普通にナルキスの言いなりになっている、しかしランドウの魂が実はラセツの男の部分に乗り移っておりランドウが復活。しかしランドウは復活後ラセツを切り捨てたため途方に暮れる。
死亡時の発言によると「肉体と機械の融合体に過ぎない」「人間に生まれたかった」などと言っているため、ランドウに作られた有機物と機械の融合体の人工生命体的なものだったのだろうか。ランドウに捨てられた
ナルキス(子爵)
途中から突然現れた謎の美青年。ランドウに協力して子爵としてランドウ一味の幹部となった。終始他の幹部の行動を邪魔するような行動をしたり、ランドウに対しても忠実とは言い難く何かを企んでいる様子であったが、最終的にランドウを出し抜いて殺しランドウの基地を乗っ取る。目的は地球そのものの神となることであり、あくまで世界征服が目的のランドウと違い人類の殲滅望み、終盤には国連を降伏させている。
他の幹部とは出自が違い、果たしてこの世界の住民かも不明であり、人の姿をしているが人間かどうかも不明。
ピグマン子爵の側面と所謂美形悪役の立ち位置を併せ持っている立ち位置であり、所謂真ボスも兼ねている。しかしやたら思わせぶりな描写が多かった割に結局何者なのか一切わからないまま死亡している。
「だからわからせてあげたい」などという発言をゲッターチームに言っている、趣味はわからせることらしい。
ディアナ
ナルキスとセットで行動する謎の巨女。色が黒くナルキスのピグマン子爵要素になっている。しかしセリフはほとんどなく、ナルキスに対しては忠実故だが彼女に明確な意思があるかもわからない。またいつナルキスと行動をともにするようになったかなど関係性は謎のまま終わってしまった。ナルキスが死ぬときに撫でて抱きかかえているシーンが有り、なにか愛情のような仕草をしている。
感想など
とても真面目なロボットアニメ。すごく真面目な内容でした。90年代初頭の単発作品は概ね似た構造な気もします。あまりギャグ調ではなく、硬めの作風。後敵の正体がイマイチわからないまま終わったのもなんとなく当時風を感じました…ナルキスは何者だったのか。
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