一応73年の特撮番組スーパーロボットレッドバロンを94年に原型がないレベルに改造してリメイクした作品。2年前の鉄人28号FXとコンセプト的には共通で制作会社も同じ。
コンセプトは当時の格ゲーブームの波に乗って格闘用ロボットが試合をしていくというものになっている。ただし敵勢力の設定などは一応近いものを採用しており、ネーミングがオリジナルと同じ鉄面党、敵のAIが博士をさらい、博士の子(息子だったが娘になっている)が開発したロボットで鉄面党と戦う等わずかに設定が残されている。
所がどっこい、この94年という年は機動武闘伝Gガンダムが放映された年だったのだ。偶然被ってしまったようだ。しかも主人公紅拳は山口勝平である、つまりGガンダムのシャッフル同盟の1人であるサイ・サイシーと同じ声だった。この年は格ゲー全盛期であり(91年スト2、94年バーチャ2)その影響下だと思われる。更にメカの略称もどっちもMF(メタルファイター、モビルファイター)である。
とは言えGガンダムほど大第的に展開された作品ではなく、放映局も少なかった上にレッドバロンという題材がガンダムと比べるとマイナー気味ということもあって影は薄い。
然しバロンシリーズにありがちなスポンサー倒産等※1による打ち切りを唯一回避しており、3クール予定延長4クールになっている、本作をバロンシリーズ扱いするか否かは私にはわからないものの、ジンクスを打ち破った訳だ。マッハバロンも企画されたが放送枠が取れずに断念した模様。
あらすじ
ロボットによる格闘技、メタルファイトが盛んな近未来。冴場翔子はレスキュー用ロボットレッドバロンの開発に勤しんでいた。所が翔子の父が拐われ、レッドバロンも盗まれてしまう。翔子はレッドバロンの奪還を試みるが、流れ者の少年紅拳がそこに居合わせてそのまま翔子を救い、成り行きでレッドバロンを動かして追手を撃退、レッドバロンのメタルドライバーとなってしまう。
拳は翔子の反対も無視して6代目チャンピオンに挑みレッドバロンの性能もあってかそのまま勝利して7代目チャンピオンとなってしまう。チャンピオンである以上世界中から挑戦者が集まる、最初の対戦相手はアジア地区チャンピオン柳孔明に決まり孔明の待つ万里の長城へ向かうが、鉄面党の手により孔明が負傷、孔明は拳に命を助けられた礼として必殺技を伝授する、拳は必殺技エレクトリッガーを使って鉄面党の送り込んだメタルファイターに勝利するのであった。
その後も鉄面党はレッドバロンを付け狙って次々と刺客のメタルファイターを送り込んでくる、拳はそれを次々と撃退していくが、鉄面党は拳と同門であり拳が最期まで勝てなかったシャドウを刺客として、レッドバロンに酷似したメタルファイター、ゴールドバロンを作り送り込んで来るのだった。
登場メカ
レッドバロン
オリジナルレッドバロンと比べて手足が太くて長く胸板が厚く肩幅が広く、かなりマッシブな体にリデザされている。翔子の発言から本来はメタルファイターとして開発されておらず人命救助用、最初はメタルファイターとしての運用に反対していた、とは言え翔子的にはかなり性能には自信があるようで、拳の手に渡った途端に世界チャンピオンを破って拳をチャンピオンに仕立て上げられるだけの性能がある。肝心の拳が泳ぐのが下手名せいもあってか水中戦はダメダメ。開発者の翔子からはかなり愛着を持たれている模様。本来戦闘用ではないので武装は特にないが、そもそもメタルファイターなので余り問題はない模様。
神龍:柳孔明
中華風のメタルファイター。概ねカンフーファイター的な雰囲気で人間よりの外見をしている、顔は白く辮髪。やや細心で首元の装甲などは心もとない感じの軽装型MF。
ニュー神龍:柳孔明
孔明の新型MF、孔明のMFとしてはこのニュー神龍の時期が長かった。
水龍:柳孔明
孔明の最期のMF。一度ニュー神龍を失いマリリンも失って戦意喪失した孔明が帰還したときに乗っていたMF。孔明が諸葛孔明の幽霊?の声を聞いて復活した時はすでに用意されていた。仕事が早い開発者。外見はニュー新龍と大差ない。一応炎(バロン)、地(ゴールドバロン)、風(カンフータイガー)に対して水の属性を持っているそうだ。
カンフータイガー:李仲達
そのまま。ホワイトタイガー風の装甲に人形っぽい顔がついている仲達のメタルファイター。顔つきなどは孔明の龍シリーズと似ている。
鉄面党
ゴールドバロン:シャドウ
鉄面党に入ったシャドウが与えられたレッドバロンのデータをもとに作られた金色のMF、話の流れ的に本来だったらラスボスだったと思われる。シャドウ的には力を求めてのことだったので鉄面党のシグマが正体を現れた辺りで鉄面党を去っておりそのまま独自行動を取るようになる。
ヴィーナス:マリリン
マリリンのメタルファイター、とは言えほぼ鉄面党としての活動はしていない。シグマタワー攻略戦に参戦している。
フウジン&ライジン
シグマの動かすメタルファイター。
バロンモンスター
シグマタワーで制作された大量のニセレッドバロン。所謂蠱毒によって強力なレッドバロンを作るために食い合っていた。蠱毒用の化け物じみたタイプと戦闘用の普通のニセバロンの2種類が居た。
マザーバロン
シグマタワーの中枢に居たバロンモンスターの親玉的存在。
デスバロン:ニセ紅拳
シグマが最期に作り出した悪魔型のMF。もはやバロンの原型も余り残っていない。サイズ的にレッドバロンと比べてかなり大きい。
その他
その他のMFのメタルファイター。
ビッグベアー:ハシミコフ
ロシアのメタルファイター、茶色重装甲。世界大会に参加しただけのゲスト機体だったはずだったが、最終決戦時に孔明に呼ばれて参戦する。
アイアンマン:テー・ルース
2代目チャンピオンのテー・ルースのメタルファイター。
登場キャラ
基本的にオリジナルのレッドバロンとはほぼ関連性のない話だが一応
紅健→紅拳
紅健一郎→冴場翔子
紅健太郎→冴場博士
熊野一平→熊野勇夫
ギラスQ→シグマ
という関連性はある。
拳の関係者
紅拳
紅拳と書いてくれないけんと呼ぶ、ちなみに原作のレッドバロンの主人公は紅「健」である。CVかっぺー。最強になるために戦い続ける。
翔子がレッドバロンを奪還する現場に偶然居合わせそのままレッドバロンを動かして翔子を救う。そしてそのままレッドバロンでチャンピオンに挑戦して勝利して7代目チャンピオンとなった。その後は鉄面党の刺客であるメタルファイターと戦いながら勝利を重ねていく。
必殺技の修行と称して孔明からチャーハン作りを習っており、チャーハンは得意料理になっているらしく、翔子のものと比べて美味しい模様。
全体的に翔子と出会う前の過去がよくわからない人物であり、長らく氏素性もしれない人物として描写されていたが、実はサムリットという老人から物心ついたときからムエタイを習っていたことが判明する。親も不明で、孤児としてサムリットのもとで育てられたと考えられる。姓の紅は名前を聞かれた際にその場にあったバラを見てでまかせで言っただけだったが、回想シーンから多分姓はなかったと思われる。その後道場から去った、道場から去った後は不明なものの、一応レッドバロン初搭乗時のセリフから旧式のメタルファイターに乗ってはいをたことが示唆されている、1話ではそのメタルファイターも壊れたのかメタルファイターを保有している様子すらなかった。過去から割と無学だと思われる。
冴場翔子
レッドバロンの開発者、父が攫われて更にできたてのバロンを奪われるも即奪還、然し追い込まれたときに偶然拳に助けられた。その後拳が勝手にチャンピオンに挑んでそのままチャンピオンになってしまったので成り行きで拳のサポートに。メタルファイトには乗り気じゃなかったが途中からすっかり馴染んでいる。後にバロンの強化パーツも開発している。拳に対する態度はツンデレ気味。
柳孔明
アジア地区チャンピオン、少林寺拳法の使い手でかつ料理人。なんでもかんでも中華料理に例える癖がある。チャンピオンになった拳の最初の対戦相手だが、鉄面党の妨害をうけ拳に助けられるも負傷して試合が出来なくなり、拳に必殺技を仕込む。それ以降なんとなく拳の協力者的な立ち位置になり何かと手助けしてくれる。香港映画に出演経験あり、ただし料理映画。いつも餃子作っているので餃子臭い、死亡したと思われていたときも拳のイメージの中では山盛り餃子を持って居た。
マリリンと同じく美にこだわっており、マリリンが鉄面党を去った後に最期にレッドバロンに最期の勝負を挑んで負けたときに彼女を救出して以降フラグを立てるがマリリンがシグマタワーの戦闘で行方不明となったため一度意気消沈して去るがすぐに水龍ほ引っさげて復帰している。熊野曰く天才。
李仲達
孔明のライバル的なキャラ。間違ってラブレター入りのクッキーを孔明に渡して以来孔明は彼が自分に惚れていると思っている♂、更に間違って拳にもラブレターを渡してしまっている。大体孔明とセットで登場する準レギュラー。拳にも仲間の一人みたいな扱いをうけており、3vs3の試合の時には孔明とともにチームに誘われている。翔子に惚れたようだが翔子が拳に惚れている事を知り身を引いた模様。
熊野勇夫
記者、序盤に拳と知り合って拳がチャンピオンになった後は同行する。基本的に関西弁で話すハゲた小男、娘が1人居る。
冴場博士
翔子の父、鉄面党によって冒頭に拐われる。シグマとともに爆死したが、シグマの開発者だけにシグマがある建物のことも把握していた為、しれっと脱出して生存していた。
鉄面党
冴場博士の作り出したAIシグマが作り出した組織、何をしたかわからないが本編開始時にはかなりの資金力を持っており、メタルファイトのスポンサーとして暗躍していた。シグマが究極の肉体とその脳であるレッドバロンと紅拳を手に入れることが目的であった。基本的に洗脳された冴場博士と3博士以外はロボットで構成されているようだ。
カイザー
鉄面党の首領であり、常に仮面を被っていた。実はシグマが洗脳した翔子の父。その後記憶を取り戻しシグマ共々自爆するが、シグマはデータを他のコンピューターを逃した為生存した。
アシモフ博士
鉄面党3博士の1人、タコ呼ばわりされる小男だが、実はかつてメタルドライバーで世界大会準優勝の実力者だった。15年前の大会の決勝で敗北し行方をくらまして以降いつの間にか鉄面党に入っていたようだ。息子はメタルファイトの武者修行に出している模様、妻は不明。
マリリン博士
美にこだわる女博士、所謂お色気枠で色仕掛けを良く行う。アシモフには良く女とディスられていつも喧嘩ばかりである。豪邸に住んでいるがローンがヤバい事になっており、鉄面党クビになった際に振り込みが停止されたために差し押さえられてしまっていたりする。クビになって以降は孔明とフラグを立てたためそのまま拳一行に協力するようになる。
フロイト博士
三博士の一人、他の二人と違い普通の開発者でMFには乗らない。裏社会では結構名が通っているらしく、財テクが得意で大金持ちで研究室も兼ねた大型潜水艦を保持している。ハゲでありハゲの熊野のおじさんとハゲ喧嘩していた。
ニセ紅拳
拳の偽物、シグマが作り出した拳の偽物のアンドロイド。孔明、仲達、シャドウ、ロビーのコメントを総合すると「拳みたいに軽くて品がなくてバカ、悪そうで拳よりちょっとだけ頭が良さそうで本物の拳では知らない単語を使っている」ボロクソ評価である。人間を使って精神エネルギーを充電して動いているので充電が切れると弱体化する。
その他のメタルドライバー
テー・ルース
二代目チャンピオン、すでにかなり高齢、フガフガ。敵を叩き潰すルールであるシュートの名手だったライバルを引退に追い込んで以来技の美しさを見せるハイブリッドメタルファイトに路線変更する。シャドウによって再起不能に追い込まれる。
チャンプア
サムリットの弟子の一人、鉄面党の誘いに乗ってメタルドライバーとなる、道場を去る時に事故で落石を落として恩師を殺してしまう。その後は道場を継いだ。
ハシミコフ
ロシアのメタルドライバー、所謂糸目、孔明に呼ばれてシグマタワー攻略に参戦する。
オージン&ノーマン
バイキング兄弟、世界大会に出場、シグマタワー攻略に参戦する。
その他・民間人等
サムリット
ムエタイの道場主、拳の師匠であり多分親代わりでもあった。チャンプアが鉄面党の誘いに乗ってメタルドライバーとなった際に後追をった子供が落石にあったためそれをかばって事故死。
感想など
正直思ってたより面白かった。至ってベタ&王道の展開だけど、基本をしっかり抑えているが故にハズれない、昔は割とよくあるタイプだったけど今はすっかり見なくなったタイプだし。ただ後半はややダレるのもベタ故か。
※1レッドバロンは日本空気販売の倒産に、マッハバロンはオイルショックに、ガンバロンはブルファマクの倒産により打ち切り、ちなみにブルファマクの倒産ではメカンダーロボも打ち切られている
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