TimeMachine保存先をWindows共有フォルダに指定する方法とおすすめ
macOS High Sierra 10.13.1でTime Machineの保存先をWindows10( Pro Fall Creators Update)共有フォルダに指定することはできませんでした。
macOS High Sierraでは、TMShowUnsupportedNetworkVolumesが効かないのか、tmutil setdestination -p Windowsの共有フォルダ指定でInvalid destination path. (error 22)となります。
macOS SierraまではTimeMachineの保存先をWindows共有フォルダにすることは可能でした。
ですが、
全く使い物になりません。
というのが率直な感想です。macOSが求めるSMBプロトコルの機能がWindowsのファイル共有に実装されていないことが原因です。Windows共有フォルダよりおすすめの代替手段をご紹介しています。
macOS Sierraは、SMBを経由したバックアップに対応していますが・・・
source:Time Machine over SMB Specification
このSMBを経由したバックアップができるのは、vfs_fruitモジュールが適用できるSambaだけです。
SMB3.0に対応したWindows10を含めて、Windowsでは対応していません。
(2017年5月28日追記)
(2017年11月13日 macOS High Sierraの確認を追記)
TimeMachine保存先をWindows共有フォルダにするメリットとデメリット
【Windows共有フォルダでバックアップディスクのメリット】
- MacとWindows両方あればできる
TimeMachine保存先をWindows共有フォルダへ指定する方法は、海外系のメディアで古くから公開されているメジャーな方法です。特別なツールは不要でmacの設定を変更するだけでできるのが一つ目のメリットです。
- MacのUSBポートを節約できる
Time MachineディスクをWindows共有フォルダにすることで、数少ないMacのUSBポートを節約することができるのが2つ目のメリットです。ネットワーク越しのバックアップだから遅いです。ただいつも裏でこっそり動いているTime Machineバックアップだから遅さが気になることは少ないです。
【Windows共有フォルダでバックアップディスクのデメリット】
- 正式サポートしていない。不安定。バックアップディスクが壊れる
Time Machineディスクにバックアップ中、Windowsがスリープすることがあります。スリープさせない設定でもWindows Updateで再起動することもあります。運が悪とTime Machineディスクが壊れます。ディスクユーティリティのFirst Aidで修復できることもありますが失敗して復旧できないこともありました。
Time Machineディスクが壊れてしまうことがあるのがデメリットですね。 - 復元手順が複雑
いざという時のTime Machineからの復元手順が複雑になります。標準で対応していない方法なのでネットワーク越しからは復元できません。復元にはmacOS拡張ジャーナリング(HFS+)の外付けHDDが必要になります。Windowsで記録したsparsebundleフォルダをHFS+ディスクにコピーし、macに接続することで復元できるようになります。
復元時に結局macOS拡張ジャーナリングのUSBハードディスクが必要になるのもデメリットです。 - 接続上限がある Windows10 Homeの同時接続ユーザー数は20、ファイル最大数は16384
Windows7、Windows8、Windows10、Windows11などServerがつかないWindowsはクライアントOSです。ファイル共有の制限事項があります(コマンドプロンプト「net config server」でわかります)。ファイルコピーはそれなりのパフォーマンスがあります。Time Machineはバックアップディスクに対して複数の接続を同時に行います。制限があることで不安定になりがちです。
TimeMachine保存先をWindows共有フォルダに指定した方法、自動的にマウントされて便利でしたが安定しませんよ。
TimeMachine保存先をWindows共有フォルダにしたら快適になりました。2013年5月に試した当時はそう思いました。こちらの方法はおすすめしません。macOS High Sierra では通用しなくなりました。別の方法があるかもしれません。きっと不安定なので別の道を選ぶのが最適かと思っています。
大容量HDDを積んだWindows7をTimeMachineの格納ディスクとして使用できないのか?と思いつき、すぐに情報が見つかりました。
Windows7のHDD搭載容量は3TBほどあります。
Fドライブ 800GほどのTV録画用のパーティションが空きが多いので、
ここをTimeMachine格納先として選定します。
手順としては、1〜3となります。
1. TimeMachineの保存先として使用できるイメージをMyMacのSDDに作成します。
2. 1で作成したイメージをFドライブへ移動します。
3. ターミナルでコマンドを打ち込み、TimeMachineの保存先を変更します。
1. イメージの作成
ディスクユーティリティを開きます。
(Launchpad → その他 → ディスクユーティリティ )
画面上部に配置されているアイコンから、新規イメージを選択します。
容量は後でコマンドから変更します。
当初ディスクサイズを変更する方法はうまく動いているように思えました、この後の手順でWindows共有フォルダへコピーしてサイズ変更していました。High Sierraではsparsebundleイメージのサイズ変更するとアロケーションサイズがマイナスになったりするのを目にしました。コピーした時点でFirst Adiを実行したところエラーになりました。サイズ変更後のサイズで元から指定しておくことでエラーのないsparsebundleイメージファイルが出来上がります。
通常Time Machineで利用するフォーマットは、mac os拡張 ジャーナリングかと思っています。macOS to macOSの環境でネットワーク越しのTime Machineディスクを作ってみました。Apple標準機能で作られるApple スパースバンドル・ディスクイメージ MediaはMac OS 拡張(大文字/小文字を区別、ジャーナリング)でした。
2. 作成したイメージをWindows共有へ移動
FinderからWindowsマシンへsmb接続します。
( smb://IPアドレス/f$ )
f$の直下に作成したイメージ(というかフォルダ)を移動します。
f$は管理者でアクセスできる特殊な共有方法です。Windows8以降レジストリの変更が必要です。通常の共有機能をご利用ください。
3. TimeMachineの保存先変更
すでに必要な容量を指定しているのでこちらは不要です。
$ cd /Volumes/f\$/
$ hdiutil resize MyMacBackup.sparsebundle -size 300G
続けて、
設定を行います。
(設定します。)
$ defaults write com.apple.systempreferences TMShowUnsupportedNetworkVolumes 1
(設定されたことを確認します。)
$ defaults read com.apple.systempreferences TMShowUnsupportedNetworkVolumes
1
Finderから$fのMyMacBackup.sparsebundleをダブルクリックして、マウントします。
以下コマンドで、TimeMachieのバックアップディスクとしてMyMacBackupを適用します。
$ sudo tmutil setdestination -ap /Volumes/MyMacBackup
USB HDDつながなくてもバックアップされています。
参考:
https://wiki.jransomed.com/OSX/NetworkShareTimeMachine
http://mockun-tech.blogspot.jp/2012/04/mactime-machinewindows.htmlhttp://mockun-tech.blogspot.jp/2012/04/mactime-machinewindows.html
Time Machineの主な用途は突然の悲劇からの復旧です
Time Machineでは次のものが保存されると明記されています。新しいMacを購入してTime Machine復元で簡単に環境復元できるのも魅力です。
Mac野郎なのかがTime Machineに期待していること=>まさかの異常状態から元に戻す用途です。
- アップデートしたらまともに立ち上がらなくなった
macOSのアップデート後、アップデートに失敗、アップデート後レインボーカーソル出まくりでまともに使えない、このような経験がありました。その際、Time Machineの復元機能で元々正常に動作していたバージョンに戻しています。時間は失いますが環境は守られています。
macOSバージョンアップのタイミング前にUSBハードディスクを接続してバックアップすることで対応可能です。日常のバックアップは不要かもしれませんね・・・というのは甘い見通しかもしれません。
突然やってくる悲劇があります。
- 故障(例えばバッテリーが膨張)し、修理する際、Macintosh HDに記録された内容は保証されません。
この悲劇は、日常的にTime Machineバックアップしておくことで回避できます。
毎日最新だけでもいい(Macintosh HDと同程度以上の容量のストレージに)のでバックアップする環境が望ましです。
mac野郎なのかは、以下のような構成で日常的なTime Machineバックアップ環境を実現しています。
ネットワーク越しにあるMacの外付けハードディスクをTime Machineディスクとして使っています。Late2012はCatalinaです。
Windows共有フォルダよりおすすめ
メリットとデメリットに書いた通り、メリットよりデメリットの方が多いです。数週間動かしただけでTime Machineディスクが壊れて修復できないことが出てきたりしました。こちらに詳しく書いています。
いざ復元しなきゃって時にネットワーク越しからの復元はうまく動きませんでした。HFS+フォーマットのUSBハードディスクにコピーすることで復元できることがわかったんですが・・・
これなら問題の起きないHFS+フォーマットのハードディスクにバックアップとってけばいいんじゃない?ってなりますよね。
Windows共用フォルダでTimeMachineディスクを作成する方法はおすすめできません。
mac mini、iMac 、MacBook Pro、MacBook Airいずれも据え置き利用ならTime Machine用のUSB外付けストレージ(HDD/SSD)を直接接続してバックアップがおすすめです。コストが一番安いです。
持ち運びや移動することがある場合、USBハブやUSB外付けストレージってかさばりますよね。スマートじゃないし、バッテリー駆動時間にも影響します。
macのUSBポートに接続しないでTime Machineバックアップする方法は、以下5つの方法があります。
1)純正でまとめる:Time Machineに対応しているApple製品に任せる
AirMac Time Capsule:販売終了
AirMac Time Capsuleは2TB、3TBのハードディスクと無線LAN親機機能が搭載されいます。すでにメーカー製造終了です。Wi-Fi6非対応でスペックも古い製品となりました。
apple純正品の無線LANルーター+Time Machineディスク(2TB、3TB)です。
メリット
・Apple純正 Time Machineとの相性は抜群です。
・11acのWi-Fiに対応
デメリット
・最新11axに非対応
・選べる容量は2TB、3TBのみ。
・2013年からリフレッシュされていない
AirMac Extreme (802.11ac モデルのみ) にUSBハードディスクをつなげることでTime Machineディスクとして利用可能です。
メリット
・Apple純正 Time Machineとの相性は抜群です。
・11acのWi-Fiに対応
デメリット
・USB2.0のみ。
・2013年からリフレッシュされていない
mac mini/iMac
macOS同士なら簡単にネットワーク越しのTime Machine環境が構築できます。MacBook Pro Late2012をサーバー利用し、比較的安定したTimeMachine環境になっている感じです。複数台macをお持ちなら0円で環境を構築することができます。サーバーとして利用する際、発生する問題の対処方法は「オリジナルの項目が見つからないため、操作を完了できません。」でご紹介しています。
新たに購入する場合、一番安いmacといえばmac miniです。
メリット
・省電力(最大消費電力(連続使用時):150W)
・ファイル共有、画面共有、Time Machineのバックアップ先、様々な用途に活用できます。
・ファミリ共有対応のアプリは、追加費用なしで使うことができます。
デメリット
・費用が発生する。他方法より高い。約8万円〜の価格的なデメリットがあります。
Amazonではイベント開催時に割引販売していることがあります。
2)Time Machineに対応した無線LANルーター+外付けストレージに任せる
連続通電に対応している無線LANルーターに任せている安心感があります。
無線LANルーターの買い替えのタイミングでしょうか?Time Machine対応の無線LANルーター結構あります。ルーターにUSB外付けハードディスクを接続、HFS+フォーマットのバックアップディスクを作成でき、Time Machineからバックアップディスクとして選択できます。Time Machine対応の他、iTunes Server対応の製品もあります。アンテナがゴテゴテした感じなのがマイナスポイントかも。
【11ax+TimeMachine対応 1.5万円未満で実売していた製品(2021.12時点)】
- ASUS(エイスース)
USB3.1(Gen1)
- TP-LINK(テーピーリンク)
USB2.0
USB3.0
- NetGear(ネットギア)
USB3.0
- NEC(エヌイーシー) Aterm
- Buffalo(バッファロー)AriStation
- I-O Data(アイオーデータ)
- ELECOM(エレコム)
- Google(グーグル)
- Synology(シノロジー)
- Linksys(リンクシス)
3)ネットワークストレージNASに任せる
NASはネットワーク(無線LANルーター等に有線LAN)に接続して使うストレージです。NAS専用のOS搭載し、Raid等に対応している製品が多いです。3.5インチより大きめの筐体です。RAID対応製品はゴツいです。基本ネットワークアクセスが前提です。USB接続より遅くなる可能性があります。
Time Machineに対応した製品は豊富です。
- Buffalo LinkStation:LinkStationをTime Machineのバックアップ先に設定する (LS700、LS700DNBシリーズ)
LinkStation機能比較表で現行品の対応有無を確認できます。
- Synology:Time Machineを使ってMacからSynology NASにファイルをバックアップするには?
- I-O Data:MacのTime MachineでNASにバックアップ
NASを購入するならRADIUSサーバーとして動作できる製品を選びたいと思っています。でもゴツくて大きいのでポチっていません
4)TrueNASを導入する
古くなって使わなくなったデスクトップPCやノートPCを再利用する方法です。TrueNAS(旧称FreeNAS)CoreはNASに特化したOSです。このOSはTime Machineに対応しています。
導入および設定の難易度は高いと思います。TrueNASのCommunityなどを通じて情報を入手できます
https://www.truenas.com/community/
5)オンラインストレージを利用する
こちらの方法はTime Machine無関係です。iCloud、Google Drive、One Drive、Dropboxなどのオンラインストレージに大切なデータをアップロードし保管する考え方です。SSDもHDDも寿命があります。オンラインストレージならマルチデバイスでどこからでもアクセスできる、寿命を気にしないで使い続けられるメリットがある一方、サブスクやめられないデメリットがあります。
Time Machineも不定期に併用しておくと安心感があります。
まとめ:復元する際のことを忘れずに
Windows共有フォルダにTime Machineディスクを作成することはできました。でも使い勝手は悪かったです。やめておいた方がいいです。Time Machineで保存されたバックアップデータはGB単位の大容量データです。移動したりコピーしたりするのも時間をロスします。復元する際のコストも重要ですよね。
11axの無線LANルーターを購入する際、Time Machine対応製品を購入しようかなぁと思っています(こちらの方法です)。常時通電・電源ON状態の製品に任せておける安心感、納得できる値段で導入も簡単そうなので。USBストレージを無線LANルーターからMacに接続し直すことで復元できるだろうと予測しています。
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