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2020年07月12日

【複雑】アミノ酸と味

食品の味を特徴づけるアミノ酸


 天然に存在するアミノ酸は二十数種あり、ほとんどすべてのアミノ酸が各種の食品中に存在します。このアミノ酸の量は、食品によってそれぞれ異なり、これに伴い、食品の味も相違します。食品それぞれが持つ遊離アミノ酸(たんぱく質の構成成分とならず、アミノ酸のまま存在しています)組成をアミノ酸パターンと呼びます。





 緑茶中には、グルタミン酸が多く、お茶の特徴となります。





 ウニには、グリシンやアルギニン、アラニン、リジン、メチオニン、グルタミン酸が多く含まれています。食品のアミノ酸パターンを見ると、その呈味成分中どのアミノ酸が重要であるかを指摘することができますが、その成分だけでは特有の味にはなりません。他の少量存在するアミノ酸も加わって、個々の食品特有の味となります。ウニからグルタミン酸を除くとうま味が減少し、グリシンとアラニンを除くと甘味が減少し、苦みが立ち、ウニの香りが弱くなります。バリンはウニ特有の苦みに不可欠な成分で、メチオニンはウニ特有の香りの発現に必要です。メチオニンを省くとエビやカニのような味になります。ウニの場合、グリシンやアルギニン、アラニン、リジン、メチオニンなどが主体となりますが、これだけでなくその他のアミノ酸が、一定の割合で加わってこそ、はじめてウニ本来の美味しさが出現します。食品メーカーでもウニなどのアミノ酸パターンを模倣して、アミノ酸の配合だけで、ウニを含まずにどれだけウニに近づけるかを検証していますが、ウニにはなりません。




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 ズワイガニには、グルタミン酸やグリシン、アラニン、アルギニンが多く含まれます。グルタミン酸を除くとうま味と甘味が減少し、カニらしい風味が消失します。グリシンは甘味とうま味に、アラニンは甘味に寄与しています。アルギニンを除くと味全体のバランスがくずれ、カニの風味が失われます。





 ホタテ貝には、グルタミン酸、グリシン、アラニン、アルギニンが多く含まれます。ホタテ貝特有の強い甘味は、グリシンによるものです。グルタミン酸はうま味に、アラニンは甘味に寄与しています。また、ホタテ貝はグルタミン酸とシステイン、グリシンから成るトリペプチド(アミノ酸が3つ結合したもの・アミノ酸が50個以上結合したものがたんぱく質、2個以上50個未満のものはペプチドと呼ばれます)のグルタチオンを多く含みます。グルタチオンは活性酸素の除去など、高い抗酸化作用を有しています。





 カツオ節の呈味成分は、グルタミン酸、リジン、ヒスチジンなどのアミノ酸とイノシン酸です。ヒスチジンはカツオやマグロ、サバなどの赤身魚に多く含まれる成分であり、だしに酸味とうま味を与える効果があります。  





 トマトの呈味成分は、グルタミン酸やアスパラギン酸などのアミノ酸とぶどう糖、クエン酸です。




加工食品への応用例

 かにかまは、主にスケソウダラを原材料とした風味や食感、形、色などをカニの身に似せて作られた蒲鉾です。スケソウダラのすり身にボイルしたカニの煮汁(香気成分やアミノ酸などが含まれます)とグルタミン酸やグリシン、アラニン、アルギニンなどのアミノ酸を加えることで、カニの風味が付与され、お馴染みのかにかまになります。

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まとめ


 アミノ酸は様々な食品に含まれ、その食品の特徴的な味を形成しています。食品のアミノ酸パターンを見ると、その呈味成分中どのアミノ酸が重要であるかを指摘することができますが、その成分だけでは特有の味にはなりません。他の少量存在するアミノ酸も加わって、個々の食品特有の味となります。  





 また、ウニやカニ、ホタテなどを食べるときは、アミノ酸の味を意識して楽しんでみてはいかがでしょうか。


posted by Kaoru at 06:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品の成分

2020年07月11日

【痛風対策】ウイスキーの成分と製造工程

ウイスキーの成分


 食品メーカーでは、微生物を使用したさまざまな食品を販売しています。パンやヨーグルト、キムチ、納豆、みそ、しょう油、そしてビールや日本酒、ワインといった酒類などが代表例です。これらの工場を訪問すると工場見学以外にも試食や試飲の機会にも恵まれます。場合によっては、併設する施設への立ち入りも許可され、ウイスキーの蒸溜所を見学させてもらいました。





 ウイスキーの原材料は、大麦、水、酵母です。大麦を水に浸けて発芽させ、発芽時の酵素で大麦のでんぷんを分解し、麦汁を作ります。麦汁は味わうと糖による甘味があり、この状態でも販売されています。次に酵母を加え、2日間程アルコール発酵させ、蒸溜器でアルコールと香気成分を回収し、樽に詰めて数年熟成させます。原材料と器具を用意すれば自身でも製造できてしまいますが、日本においては酒類製造免許がない状態でのアルコール分を1%以上含む酒類の製造は、酒税法により原則禁止されています。これに違反し、密造酒を製造した者は、酒税法第54条により、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられることになります。





 ウイスキーは、一般的な発酵食品と同様に発酵という工程を経て作られますが、蒸溜工程にてアルコール分と香気線分のみを回収しているので、糖質は含まれません。アルコールと香気成分、そして熟成中に樽からアルコールに移行してくる成分のみです。





 ウイスキーが健康にいいと言われていますが、その理由は樽から移行してくるポリフェノールにあります。ポリフェノールの中のエラグ酸には、抗酸化作用があり、活性酸素による酸化を抑える効果や動脈硬化や脳梗塞、糖尿病、肌荒れを予防する効果も期待されます。さらにウイスキーの香気成分には、リラックスさせる効果があると報告されています。





 また、ウイスキーは糖質を含まず、飲む量で比較するとビールや日本酒、ワインなどの醸造酒と比べて、カロリーは控えめで、プリン体は含まれていません。





 ただし、適切な量を心がけ、飲み過ぎには注意しましょう。



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ウイスキーの一般的な製造工程


 ウイスキーの一般的な製造工程を紹介します。





・精麦(モルティング)




1 大麦を収穫します





2 大麦を水に浸けて発芽させます





3 乾燥させ発芽を止めます





・糖化(マッシング)




5 麦芽を粉砕し、麦汁を出やすくします





6 粉砕した麦芽と水を1対4の割合で混ぜます





7 麦芽の持つ酵素で麦芽の持つでんぷんを分解しまう





8 冷却します





・発酵(ファーメンテーション)




 さまざまな酵母から、好ましい香りや風味を産生する酵母を使用します。乳酸菌も同様に発酵中に香りを産生します。





9 8の糖液に酵母を加え、32℃前後で2日間アルコール発酵させます(アルコール度数7%程度)





10 場合によっては、乳酸菌により乳酸発酵させます





・蒸溜(ディスティレーション)




 アルコール以外に香気成分も回収します。





11 10を蒸溜器(ポットスチル)に投入します





12 蒸溜器でアルコール度数25%程度にします(初溜)





13 蒸溜器でアルコール度数70%以上にします(再溜)





・熟成(マチュレーション)




 オーク材の樽に詰められます。熟成は短い場合4〜6年、長い場合は20年以上となります。熟成期間にさまざまな香気成分などが生成し、ウイスキー独特の風味が作り出されます。





14 加水してアルコール度数60%にします





15 樽につめて熟成させます





・瓶詰め(ボトリング)




16 ろ過し、沈殿物などを除去します





17 加水し瓶詰めします



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まとめ


 ウイスキーの原材料は、大麦、水、酵母です。大麦を水に浸けて発芽させ、発芽時の酵素で大麦のでんぷんを分解し、麦汁を作ります。その後酵母を加え、アルコール発酵させ、蒸溜器でアルコールと香気成分を回収し、樽に詰めて熟成させます。





 日本においては、酒類製造免許がない状態でのアルコール分を1%以上含む酒類の製造は、酒税法により原則禁止されており、食品メーカーで発酵や蒸溜設備があるといえど、免許がなければ密造となり、残念ながら試作することはできません。





 ウイスキーが健康に寄与する理由は、樽から移行してくるポリフェノールにあります。ポリフェノールの中のエラグ酸には、抗酸化作用があり、活性酸素による酸化を抑える効果があり、動脈硬化や脳梗塞、糖尿病、肌荒れを予防する効果も期待されます。さらにウイスキーの香気成分には、リラックスさせる効果があると報告されています。また、ウイスキーは糖質を含まず、飲む量で比較するとビールや日本酒、ワインなどの醸造酒と比べて、カロリーは控えめで、プリン体は含まれていません。





 ただし、飲み過ぎには注意です。適度な量を心がけましょう。



posted by Kaoru at 16:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品

【徹底管理】食物アレルギーと食品メーカーの表示対応

食物アレルギーとは


 食品メーカーでは、食物アレルギーでお悩みの方に対し、卵や乳、小麦などの食物アレルギーを引き起こす原材料を除いた製品を開発することがあります。例えば、しょう油には小麦が使われているため、小麦の含まれない丸大豆しょう油に変更し、卵や乳由来の水と油をなじませる成分をその他の成分で代替することもあります。





 体には、細菌やウイルスなどから体を守る免疫があります。食物アレルギーは、この免疫が本来無害な食べ物に対して、過敏に反応し、体に有害な症状が起る状態のことを指します。





 通常であれば、食べ物は異物として認識されないようにする仕組みが働き、免疫反応を起こさずに消化、吸収することができますが、免疫反応の仕組みに問題があること、消化、吸収機能が未熟であるとから、食べ物を異物として認識してしまうことがあります。このことによって起こるアレルギー反応が、食物アレルギーです。





 食べ物を食べると、腸から吸収されたアレルゲン、つまりアレルギー症状を引き起こす原因となる物質が血液にのって全身に運ばれるため、眼や鼻、のど、皮膚などさまざまな部位で症状が現われます。食物アレルギーは、食べ物を触ったりした時にも起こります。





 食物アレルギーは、小児から成人まで認められ、大部分は乳児期に発症し、小児期に年 齢ともに病状が治まるケースがほとんどです。小児期の食物アレルギーは、1才前後 に最も多く認められ、卵や牛乳、小麦、大豆が主要アレルゲンです。小児型の特長は、自然に良くなることです。つまり、1才時に食物アレルギーと診断されても、9割の人は小学校入学時までには自然に良くなると考えられています。一方、成人の食物アレルギーは、魚 やエビ、カニ、果物などが多く、耐性を獲得していくことが少ないと考えられています。





 食物アレルギーにより、じんましんや発赤疹、湿疹、眼結膜充血、嘔吐、下痢、くしゃみ、鼻水、ショック症状などさまざまな症状が現れます。対策としては、正しい診断に基づいた必要最小限度の食べ物の除去を行うことです。




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食品のアレルゲン表示


 アレルゲンとは、アレルギーの原因となる物質のことで、表示義務のある「特定原材料」と、表示を推奨する「特定原材料に準ずるもの」とに分けられます。





・特定原材料7品目(表示義務あり)




 食物アレルギー症状を引き起こすことが明らかになった食品のうち、特に発症数、重篤度から、表示が義務化されたものです。





 えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生





・特定原材料に準ずるもの21品目(推奨表示)




 食物アレルギー症状を引き起こすことが明らかになった食品のうち、症例数や重篤な症状を呈する者の数が、特定原材料に比べると少ないものとして可能な限り表示することが推奨されたものです。





 アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン





 アレルゲン表示の対象となっている食品は、加工食品と添加物のみです。食品メーカーでは、法律に基づき、包材などにアレルゲンを記載しています。



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まとめ


 通常は、食べ物は異物として認識されないようにする仕組みが働き、免疫反応を起こさずに消化、吸収することができますが、免疫反応の仕組みに問題があると、食べ物を異物として認識してしまうことがあります。このことによって起こるアレルギー反応が、食物アレルギーです。食物アレルギーにより、じんましんや発赤疹、湿疹、眼結膜充血などさまざまな症状が現れます。対策としては、正しい診断に基づいた必要最小限度の食べ物の除去を行うことです。





 また、アレルゲンとは、アレルギーの原因となる物質のことです。加工食品と添加物のみで、アレルゲンの表示が義務付けられています。





 食品メーカーでは、食物アレルギーでお悩みの方に対し、製品ラインアップの拡充を進めています。食物アレルギーをお持ちであれば、食物アレルギー対応食品を手に取ってみてはいかがでしょうか。




posted by Kaoru at 15:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品の開発

【改善活動】食品メーカーの5S

食品メーカーの5Sとは


 食品メーカーにて新製品を立ち上げるときに開発に携わった担当者は、自社工場や製造の協力をしてもらう工場に赴き、製造に従事する関係者と打ち合わせの上、試製造を行います。工場に入ると目立つところに5Sを徹底する掲示物があり、場所によっては作業開始前に関係者全員で読み上げ、意識づけを行います。





 食品の安全性を向上させていく上で基本となる5S活動は、「整理」、「整頓」、「清掃」、「清潔」、「しつけ」のローマ字の頭文字をとって名付けられました。5Sを実行し、食品の製造環境や製造設備を清潔に保つことで、製品の汚染や異物混入を予防することができ、作業しやすい職場環境づくりと作業のムダを除いて品質と生産性を高めることができます。





整理




 いるものといらないものを区別し、いらないものを処分します。





1 製造、梱包、保管を行う場所に、いらないものを置かないようにします





2 工場内で使用してはいけないものや私物が持ち込まれていないかを確認します





整頓




 製造に必要なものを、どこに、どのように、どのくらい保管するかを決めます。





1 製造設備や部品、道具は決められた場所に保管します





2 洗剤や消毒剤は、容器にラベルを貼り、取扱いに注意をはらい、安全データシートと共に保管します





清掃




 ゴミやほこり、製造設備内に付着している製品の残りなどを取り除きます。





1 製造設備や原材料倉庫、製品倉庫などは定期的に清掃し、常に清潔に保ちます





2 清掃用具も使うたび洗浄し、専用のロッカーなどに保管します





清潔




 整理、整頓、清掃がなされた上で、清潔な状態を保ちます。





1 工場の床や製造設備は、常に清潔な状態を保ちます





2 製造設備は、必ず洗浄と殺菌を行います





しつけ




 マニュアルを作成し、適宜教育を行い、決められたとおりに実施します





1 製造設備、原材料、製品の特性を理解し、マニュアル内に適切な管理方法を定め、手順どおりに運用します





2 マニュアルどおりに実施されているか、実施方法が適切で有効か、改善の余地がないかを確認します



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5Sのチェックシート


 食品メーカーでは、5Sのチェックシートを作成し、定期的に工場で適切に5Sの取り組みが行われているかをきびしく調査します。評価基準は、「他の企業のお手本となる高いレベル(2点)」、「問題なく、実施できているレベル(1点)」、「さらに改善が必要なレベル(0点)」となり、評価があまり好ましくない場合は、課題となる事項をまとめ、改善を行います。





 チェックシートの項目を紹介します。





整理




 不要な製造設備や工具をおいていないか





 管理状態の不明な製品や仕掛品が現場に放置されていないか





 不良品や不要な製品の置き場があり、活用されているか





 不良品や仕掛品に識別管理札がつけられて、誰が見てもすぐに状態がわかるか





 品質検査用の抜き取りサンプルや使用した原材料は、現場に放置されていないか





 誰の所有物がわからないものが、そのまま放置されていないか





 製造設備が破損していないか





 不必要なものを廃棄し、必要なものを適切な場所に配置し、社内で共有できているか





 製造工程で使用するものを壁に立てかけて、そのまま置いていないか





 通路や避難経路にものを置かず、消火器前や非常口前に不要なものがないか





整頓




 はさみやドライバーなどの工具が製造設備上に放置されていないか





 工具置き場に名札があり、定められた置き場で管理されているか





 道具が使いやすい場所に保管されているか





 種類の異なる製造設備の部品や製品が、混在して保管されていないか





 製造設備の保守部品置き場は明確になっているか





 通路と製造設備が区画され、区画線があり、安全が確保されているか





 製品がパレットの上におかれず、床にそのまま置かれていないか





 製品、不良品、仕掛品が区画された位置に置かれ、識別管理ができているか。





清掃




 床にゴミがおちていないか





 床に水や油、原材料がこぼれていないか





 製品を入れるタンクなどの設備や搬送台が、汚れていないか





 製造設備に保守部品などが落ちていないか。





 製造設備に油のもれやさび、原材料が付着していないか





 製造設備の上にほこりがないか





 清掃用具がきめられた場所で保管されているか





 廃棄物が分別され、廃棄物を入れる容器がわけられているか





 天井から雨漏りなどが発生していないか





 扉や窓の開閉マニュアルがあり、換気と汚れ防止がはかられているか





清潔




 ゴム手袋の交換マニュアルがあり、衛生的な状態を維持しているか





 工場内にはいるときの服装が掲示され、守られているか





 トイレはいつも清潔に保たれているか





 工場内に昆虫が侵入していないか





 工場内の蛍光灯がきれておらず、必要となる明るさがたもたれているか





 工場内の掲示物がはがれていないか





 清掃時間、清掃場所、清掃当番のマニュアルがあり、きちんと運用されているか





 挨拶ができているか





 マニュアルが掲示などで見える化されているか





 シフト交代時、終了時に作業場をきれいな状態にもどしているか





 工場の床や壁に破損がなく、塗装がはがれている場合は補修されているか





しつけ




 挨拶ができているか





 マニュアルが守られているか





 現場の責任者自らが率先して、5Sをおこなっているか





 5Sを促すための掲示物の見える化が実施されているか





 管理チェックシートに管理基準と実測値が明記されているか





 チェックシートの記入者と確認者によるチェックが定期的になされているか





 朝礼などで5Sの情報や現場の課題を共有しているか





 工場内だけでなく、敷地内にもゴミがおちていないか。



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まとめ

 食品の安全性を向上させていく上で基本となる5S活動は、「整理」、「整頓」、「清掃」、「清潔」、「しつけ」です。5Sを確実に行い、食品の製造環境や製造設備を衛生的に保つことで、製品の汚染や異物混入を予防することができます。さらには作業しやすい職場環境づくりや作業のムダを除いて品質と生産性の向上につながります。

【注意】食中毒とその予防対策

食中毒の発生状況

 厚生労働省の2019年の食中毒統計資料によると全国で1,061件発生し、患者数は13,018名、亡くなった方は4名となります。亡くなった方の内3名は家庭、1名は仕出屋の食品によるものです。

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図1.jpg


 食中毒の主な原因は、カンピロバクターやサルモネラ属菌、黄色ぶどう球菌、セレウス菌、腸管出血性大腸菌O157などの細菌、ウイルス、寄生虫、化学物質、自然毒です。

図2.jpg



 食中毒とは、食中毒を起こす細菌やウイルス、有毒な物質が付着した食品を食べることによって、げりや腹痛、発熱、吐き気などの症状が出る病気です。食中毒の原因によって、症状や病気になるまでの時間はさまざまです。時には命にもかかわります。






 食品メーカーだけでなく、飲食店やホテル、学校、病院など食品を加工及び提供する事業者は、食中毒予防に徹底した対策をとっています。しかしながら、食中毒の事件は、毎年多数報告されています。全国に販売を展開する食品メーカーが食中毒を発生させてしまうと、被害者数は甚大です。2000年に起きた大手乳業メーカーの集団食中毒事件では、被害者数は14,780人にものぼります。工場の停電により冷却装置が停止し、黄色ぶどう球菌が増殖、毒素が発生したことが原因です。被害者は、嘔吐や下痢、腹痛など比較的軽い症状が多いものの、入院となったケースもあります。





 患者数がもっとも多い食中毒の原因は、ウイルスとなり、そのほとんどはノロウイルスによるものです。ウイルスが付着している食品や感染者を介して、ウイルスが口に入ることで引き起こされます。次いで細菌となります。細菌による食中毒は、食中毒を引き起こす細菌が食品と共に口に入り、腸粘膜細胞内に侵入する感染型と腸管内で毒素を産生する毒素型とがあり、下痢、腹痛、嘔吐、発熱、頭痛などの症状を引き起こし、数日から2週間程度続きます。感染型の代表的な細菌としては、サルモネラ菌、カンンピロバクター、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌などがあります。毒素型はさらに2つに分類されます。生体内毒素型は、細菌が腸管内で増殖し,産生された毒素により食中毒を引き起こします。代表的な細菌は、腸管出血性大腸菌O157やセレウス菌などです。食品内毒素型は、食品中で細菌が増殖し、産生された毒素によって、食中毒を引き起こします。代表的な細菌は、黄色ぶどう球菌、ボツリヌス菌などです。



食中毒の予防対策


 食中毒は、原因となるウイルスや細菌が食品に付着し、体内へ侵入することによって発生します。食中毒を防ぐためには、食品や調理器具などに付着させない、アルコールや次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤に含まれています)、加熱などで消毒することです。





・ノロウイルスの予防対策





 ノロウイルスは感染力が強く、腸管で増加します。次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤に含まれています)による調理器具の消毒に効果が認められます。





・腸炎ビブリオの予防対策





 腸炎ビブリオは海に生息している細菌です。食塩濃度3%前後で温度20℃以上になると増殖します。水道水で洗い流せば死滅します。腸炎ビブリオは、以前は発生頻度の高い食中毒でしたが、生食用魚介類の保存温度を10℃以下にする法規制もあり、著しく減少しています。原因となる食品は、刺身や寿司です。症状は、腹痛、下痢、発熱、嘔吐です。





・サルモネラ菌の予防対策





 サルモネラ菌は自然界に広く分布しています。特に卵、卵焼きや親子丼などの卵を使用した食品、鶏肉などで増殖し、食中毒の原因となります。サルモネラ菌の増殖を防ぐには、卵は冷蔵庫にて10℃以下で保存すること、賞味期限を守ること、調理時にはよく加熱すること、調理器具を消毒することです。症状は腹痛、下痢、発熱、嘔吐です。





・腸管出血性大腸菌O157の予防対策





 特に牛で保菌率が高く、肉や肝臓が汚染されていることがあります。原因となる食品は、焼肉やハンバ−グ、レバーなどです。対策としては、肉が褐色になるまで加熱すること、取る箸と食べる箸の区別をすること、調理器具を消毒することです。症状は腹痛、下痢、発熱、嘔吐に加え、ベロ毒素という強力な毒素が大腸の血管壁を破壊します。





・カンピロバクターの予防対策





 カンピロバクターの分布は、家禽や家畜などです。カンピロバクターは、酸素がわずかな環境を好み、酸素が十分にある大気中では増殖できません。増殖する温度は、30〜46℃で、家禽や家畜の消化管内で生息しています。原因となる食品は、鶏肉料理、ササミ、レバーなどです。対策としては、肉を褐色になるまで加熱すること、調理器具を消毒することです。症状は発熱、倦怠感、頭痛、吐き気、腹痛、下痢です。





・黄色ぶどう球菌の予防対策





 人や動物に広く分布しています。エンテロトキシンという毒素を産生し、毒素は100℃で30分の加熱でも無毒化されません。主な原因となる食品は、乳製品や卵製品、畜肉加工品、おにぎり、水産練り製品などです。冷蔵庫にて10℃以下で保存すること、賞味期限を守ること、調理時にはよく加熱すること、調理器具を消毒することが予防対策です。症状は吐き気、嘔吐、腹痛、下痢です。





・セレウス菌の予防対策





 自然界に生息し、農産物を広く汚染しています。毒素を産生し、芽胞は90℃で60分の加熱でも死滅せず、家庭用消毒剤も効きません。原因となる主な食品は、ピラフ、スパゲッティ、食肉、野菜などです。対策としては、作り置きしないこと、冷蔵庫で保存することなどです。症状は嘔吐、吐き気、下痢、腹痛です。





・ボツリヌス菌の予防対策





 自然界に広く分布しています。酸素のないところで増殖し、強い芽胞を作りますが、120℃で4分以上の加熱で完全に死滅します。ボツリヌス毒素は、80℃で30分の加熱で活性を失います。原因となる食品は、輸入キャビアやレトルトに類似した真空パック食品(辛子レンコン)、瓶詰食品、蜂蜜、いずしなどです。症状は、吐き気、嘔吐、筋力低下、脱力感、便秘、呼吸困難などが挙げられます。なお、レトルト食品は、あらゆる菌が死滅しています。




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まとめ

 厚生労働省の2019年の食中毒統計資料によると全国で1,061件発生し、患者数は13,018名、亡くなった方は4名となります。食中毒を引き起こすウイルスや細菌は、自然界に広く分布しているので、常に汚染の危険をはらんでいます。しかし、調理時によく加熱すること、調理器具を消毒すること、食品の保存条件を守ること、賞味期限を守ることなどの予防対策を実践することで、食品や調理器具の汚染を防ぎ、食中毒から身を守ることができます。


2020年07月10日

【万全を期す】食品メーカーの異物混入対策

異物混入とその事例


 食品メーカーでは、異物混入に対し、さまざまな対策を講じています。即席めんの具材となる乾燥野菜などの農産物の場合は、振動するふるいによる小さな異物の除去、比重選別機による小石や泥土の除去、風力選別機による重量の軽い異物などの除去、色彩選別機による色の異なる個体の除去を行います。最終的には、長さ3メートル、幅1.5メートル程度のテーブルに4〜6人が並んで立ち、人海戦術による目視検査をおこないます。このテーブルは、工場1室に100以上置かれていることもあります。食品に異物混入があった場合は、人命にかかわる致命的な事件にまで発展する可能性があります。このような状況下で、HACCP(ハサップ)、つまり食品メーカーなどが自社で異物混入や食中毒などの危害要因を把握し、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために、特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法が広まりつつあります。この手法は、 国連の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関である食品規格 (コーデックス) 委員会から発表され,各国にその採用を推奨している国際的に認められたものです。




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 このように食品メーカーでは万全を期して、非常に厳しい品質管理体制を整えていますが、現在でも食品の異物混入は、一向になくなっていません。実際に、さまざまな異物混入についての事例が見受けられます。この事例の一部を紹介します。




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 表が示す通り、食品メーカーで発生しやすい異物混入の事例は、昆虫や金属片などの鉱物、カビや細菌などの微生物、従業員由来の髪の毛などです。
具体的な異物混入防止方法


 食品メーカーの異物混入を防ぐためのさまざまな対策を紹介します。





 昆虫の混入は、工場中に侵入した昆虫が製品に混入する場合と工場で使用する原材料に付着している場合とがあります。工場に原材料を搬入する際、あるいは製品を搬出する際にトラックを横付けし、工場側に2重に設置しているシャッターを互い違いに開閉して、フォークリフトやハンドリフターで作業を行いますが、さまざまな対策にもかかわらず、ここでの混入も考えられます。また、原材料に付着した昆虫が食品に混入する場合は、原材料受け入れ時と製品出荷時のさらなる検査体制の確立が求められます。





 金属片などの異物は、工場内で使用している加工設備が劣化により摩耗、製造工程中に破損することで混入します。工場としても早めの部品交換や万が一の発生に備え、後の工程でマグネットによる除去、X線異物検出機や金属探知機を設置し、混入の防止対策を図っています。





 付着しているホコリや微生物の混入も、食中毒など健康被害に繋がる危険性があります。製造に従事する作業者は、作業場所に入る前にホコリなどが付着し難い素材の作業服に着替え、帽子、マスク、ゴーグルをつけ、長靴に履き替えます。粘着性のあるローラーでさらに作業服のホコリをとり、次亜塩素酸ナトリウムなどの入った5p程度の水位のプールのようなところで長靴を除菌洗浄し、水道前でマニュアルにそって徹底的に手を洗います。さらにエアシャワー室で念入りにホコリなどを取り除き、やっと作業場所に入ることができます。 製造に従事する作業者は、異物混入を防ぐための教育を受け、爪や髪の長さ、健康状態に注意を払い、作業場所に入る前にチェックする取り組みを行っています。





防虫対策





1 段ボールやクラフト袋は作業場所に持ち込みこまず、前室で開封する





2 ゴミは蓋つきで密閉度の高いゴミ箱に捨てる





3 シャッターやドアは短時間で開閉し、確実に閉めたことを確認する





4 空調設備の吸気口、送風口にフィルターを取り付ける





髪の毛やホコリ対策





1 帽子に髪の毛を入れる





2 粘着ローラーで毛髪やホコリをとり、エアシャワーを通って工場内に入る





微生物対策





1 紫外線やアルコールなどで設備を消毒する





2 原材料は、適正な温度、適正な場所で保管する





3 原材料の使用期限の遵守する





4 作業者の健康管理や手洗い、マスクの着用を徹底する





設備や備品の対策





1 点検リストを作成し、定期的に点検を行う





2 私物は一切持ち込まず、筆記用具は最低限とし、どうしても必要な場合は、持ち込み数のチェックリストを作成の上、作業終了時に点検を行う





製品及び原材料の対策





1 金属片などの鉱物性異物を取り除くために、マグネットやX線異物検出機、金属探知機を設置し、チェックする





2 異物などが付着している可能性がある原材料には、目視選別に加え、振動ふるいや比重選別機、色彩選別機、風力選別機を用いてチェックする




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まとめ


 食品メーカーは、異物混入や食中毒などの危害要因を把握し、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去するために、さまざまな対策を講じて、製品の安全性の確保を図っています。





 しかしながら、現在も食品への異物混入を完全に防ぐことができていません。異物混入経路は多岐にわたりますが、製品は人が口にする食品であるかぎり、異物混入対策に終わりはありません。





 私も含め、食品メーカーのひとりひとりが、製品に異物を混入させないという意識を常に持って、取り組まなければならないと考えています。



2020年07月09日

【奥深い】中国茶の味わい

中国6大茶類のひとつ烏龍茶


 食品原材料調達のため中国福建省を訪問すると、どこの場所に行っても烏龍茶でもてなしてくれます。日本で飲みなれたペットボトルの烏龍茶のイメージでいると全く異なり、香り高く、色が薄いことに驚きます。





 烏龍茶を楽しむときには、まずは茶壺にお湯を注ぎ、茶壺を温めます。茶壺のお湯を茶海というお茶を注ぐための急須の代わりのような容器へ移して、茶海を温めます。続いて飲む際に使用する茶杯を温めておきます。それから茶壺に茶葉を投入します。茶葉の使用量は、茶壺の底が見えなくなるくらいです。お湯を高いところから、勢い良く一気に注ぎます。お湯が一杯になると、表面に泡が浮き、茶壺の蓋で除きます。蓋をするとお湯があふれますが、気にしません。抽出した一煎目を茶漉し付きの茶海へ注ぎ、そこから茶杯へ注ぎます。飲む際は、香りを存分に楽しみ、それから味わいます。中国では、茶葉の量を多目にし、抽出時間を短くすることで、何回も抽出することで、味の変化も楽しみます。抽出時間が短いと香り豊かでやわらかい味わいとなり、長いとうま味がある重厚な味わいとなります。中国茶の場合、一煎目を流す洗茶という方法もあります。





 中国でもコンビニなどで日本の食品メーカーの烏龍茶が販売されています。日本と同じものと砂糖が加えられたものです。日本では砂糖を加えたものを見かけることはありませんが、中国の方はお好きなのかもしれません。





 福建省の訪問先から戻るときには、お土産に真空パックの烏龍茶を頂きます。なかには大紅袍(だいこうほう)と呼ばれるという最高級品もあります。大紅袍は、福建省北部の武夷山で作られています。このお茶の原木は樹齢300〜400年と言われ、わずか数本しかありません。そのため年間の生産量はごくわずかで、市場には出回りません。そのため、原木から接ぎ木や挿し木で生産したものとなり、それなりの値段となります。



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中国茶の種類


 中国茶は、発酵の度合いにより6種類に分類されます。





・緑茶(不発酵茶)





 もっとも古い歴史を持っている代表的なお茶です。中国茶の生産量の70%を占め、種類も豊富です。釜に入れ熱することでお茶の持つ酵素を失活させ、発酵をとめているため、茶葉の色が保持されています。色も淡く、渋みの少ない味わいとなります。浙江省の龍井茶(ロンジンチャ)が有名です。





・白茶(弱発酵茶)





 茶葉が芽吹いて産毛の取れないうちに採取し、お茶の持つ酵素による酸化発酵が浅い段階で乾燥させたお茶です。福建省で多く生産されます。産毛が白く見えるところから白茶と呼ばれています。白茶には高級品が多く、福建省の白毫銀針(ハクゴウギンシン)が有名です。





・黄茶(弱後発酵茶)





 緑茶と黒茶の中間の発酵度合いとなる後発酵茶です。製造工程が他のお茶と異なり、湿った茶葉を放置することで、酵母により発酵させます。生産量が少なく貴重です。湖南省の君山銀針(クンザンギンシン)が名高いです。





・紅茶(発酵茶)





 イギリスの紅茶文化を発展させた、全発酵のお茶です。茶葉を乾燥させ、揉みこむことでお茶の持つ酵素で酸化発酵を最後まで行ったお茶です。紅茶と呼ばれるのは、茶碗にいれたお茶の色が赤くなるからです。安徽省の祁門(キモン)が有名です。





・青茶(半発酵茶)





 烏龍茶などの半発酵茶です。福建省や広東省、台湾で生産されています。味や香りのバリエーションも豊かで、発酵度が高くなるにつれて、香りや味も芳醇になります。発酵を促進させるために茶葉を手で攪拌し、茶葉の表面に傷をつけ、高温の熱風が出る機械でお茶の持つ酵素による発酵を止め、さらに茶葉を機械でもみ、最後に乾燥します。茶葉が発酵過程で銀青色になるため、青茶と呼ばれます。代表的な銘柄は、大紅袍(ダイコウホウ)や凍頂烏龍(トウチョウウーロン)、鉄観音(テツカンノン)、武夷岩茶(ブイガンチャ)などです。





・黒茶(後発酵茶)





 黒茶は、緑茶と同様に加熱処理を行い、それから麹菌などで後発酵させたお茶です。産地や製法の違いで多くの種類があります。ほかのお茶と異なり、長期発酵させたものが珍重されます。通常は2〜30年となりますが、長いものでは80年以上にもなります。後発酵により、独特の風味があり、雲南省の普洱茶(プーアルチャ)がこの黒茶の代表例です。樹齢200年以上の茶葉にこだわった普茶も市販されています。
 黒茶は、主に円盤型の固形にされ、これを餅茶と呼びます。





 中国茶は、通常3〜5煎目まで美味しく味わうことができます。発酵度合いが高くなるほど高い温度のお湯を用います。また、中国ではお茶の香りに重きを置いているため、お湯の温度は高めで、お茶のうま味を楽しみたい場合は、お湯の温度をやや低めにします。



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まとめ


 中国茶は、発酵の度合いで緑茶、白茶、黄茶、紅茶、青茶、黒茶の6つに分類されます。この中で黄茶と黒茶は微生物による発酵を行います。白茶、紅茶、青茶はお茶の持つ酵素による酸化発酵です。緑茶は発酵させません。





 中国で烏龍茶を楽しむときには、お湯で茶壺や茶海、茶杯を温めておきます。茶壺に茶葉を投入し、お湯を注ぎます。抽出した一煎目を茶漉し付きの茶海へ注ぎ、そこから茶杯へ注ぎます。飲む際は、まず香りを存分に楽しみ、それから味わいます。中国茶は、通常3〜5煎目まで美味しく味わうことができ、抽出時間とお湯の温度を調整することで、香りと味の変化も生まれます。





 中国を訪問する際は、さまざまな中国茶を味わってみてはいかがでしょうか。日本との違いから、新たな気づきを得られるかもしれません。




posted by Kaoru at 04:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品

2020年07月08日

【学び】人生100歳時代を支える食育

食育とは


 食育とは、生きる上での基本となり、知育、徳育、体育の基礎をなすものです。 さまざまな経験を通じて、食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実現することができるように人を育てることです。





 農林水産省は、健康で文化的な国民の生活と豊かで活力のある社会の実現に寄与することを掲げ、食育の推進に取り組んでいます。





 食育が重視される背景には、昨今の食に関連した様々な課題が浮上していることが挙げられます。栄養の偏りや不規則な食生活による肥満、それらが引き金となる生活習慣病の増加が見受けられます。それ以外にも過度のダイエットに加え、高齢者の低栄養など健康面での問題も指摘されています。また、食の安全に関係する問題や、輸入食料に依存している現状など、食を取り巻く環境が大きく変化しています。こうした中、食に関する知識を身に付け、健康的な食生活を実践することにより、心と身体の健康を維持するために、食育が重要になっています。このような食育がなされていないと、 食事に関する正しい知識に乏しくなり、栄養の偏りや危険な食品を摂取することで、健康被害や肥満、免疫力の低下をまねく恐れがあります。





 食育によって、心と身体の健康を維持すること、食事の楽しさを理解すること、食べ物を自分で選択すること、食べ物の生産過程を知ること、食べ物に感謝する気持ちを持つことを学び、身に付けることができます。そして、生涯にわたって実践することが、日本の食文化を伝えることにもつながります。





 食育を実践するのは、ひとりひとりです。日常生活の中で、できることから食育を始めましょう。



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具体的な食生活


 食生活と健康は深く関係しており、朝ごはんを食べないと、1回の食事の量が増えて食べ過ぎや肥満、さらには生活習慣病につながる恐れがあります。規則正しい食生活をおくるために、朝ごはんをきちんと食べること、栄養バランスを考えることを実践してみましょう。





・朝ごはんをきちんと食べること





 朝は時間がない、朝ごはんはいつも抜いている人がいるかもしれません。朝ごはんは、1日のエネルギー源であり、朝ごはんを食べることで体温を上昇させ、活動の準備が整います。食事を規則的にとることが、健康的な生活習慣にもつながります。





・栄養バランスを考えること





 食事を作るとき、食材を選ぶときは、主食、主菜、副菜を組み合わせ、栄養バランスのとれた食事を心がけます。主食は、ごはんやパン、めんといった穀物で、糖質を多く含みエネルギー源となります。主菜は、肉や魚、肉、卵、大豆製品、乳製品などで体を構成するたんぱく質や脂質を多く含みます。副菜は、野菜やきのこ、海藻などで、ビタミン類、ミネラル、食物繊維などを多く含みます。栄養バランスのよい食生活で、生活習慣病などのリスクが低くなることが報告されています。



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まとめ


 食育とは、生きる上での基本をなすものであり、さまざまな経験を通じて、食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実現することができるように人を育てることです。





 食育が重視される背景には、栄養の偏りや不規則な食生活による肥満、それらが引き金となる生活習慣病の増加があります。こうした中、食に関する知識を身に付け、健康的な食生活を実践することにより、心と身体の健康を維持するために、食育が重要になっています。





 食育によって、心と身体の健康を維持すること、食事の楽しさを理解すること、食べ物を自分で選択することなどを身に付けることができます。





 食育により知識が身に付き、行動が変化します。ただ食べるのではなく、おのれを知って食べることが大切です。ひとりひとりが自分に合った食生活ができるようになることで、健康を維持することができます。しかしながら、多くの人は、食育を知らない、受けたことがないというのが現状です。そのような人のために学びの場が提供されています。人生100歳時代の今日、今からでも健康であり続けるために、食育さらには生活習慣病の予防について学ぶことは、これからの人生設計の基本となるでしょう。





posted by Kaoru at 05:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 食育

2020年07月07日

【バブル圧壊】ファインバブルの優れた作用

ファインバブルとは


 ファインバブルは、ただの小さい泡と異なり、産業界の標準化を行う国際標準化機構(ISO)によって定義されています。生活の身近で見られる数ミリメートル以上の直径をもつ泡よりも小さく、特異的な性質をもっています。この性質は生活に密着した製品だけでなく、農業や漁業、医療、食品工業、エネルギー関など、一時の流行ではない根幹的な技術として、普及と新規開発が続いています。





 ファインバブルは、直径によってマイクロバブルとウルトラファインバブルの 2 種類に分類されます。マイクロバブルは、直径 1〜100nm をもつ気泡で、透明な水中に分散されたマイクロバブルは白濁して見えます。ウルトラファインバブルは 1nm 以下の直径をもつ気泡で、小さいため水は全く濁らず透明です。また体積が極めて小さいため浮力もほぼありません。ウルトラファインバブルは、以前はナノバブルと呼ばれていました。





 マイクロバブルとウルトラファインバブルに特有な効果は、界面活性作用です。界面とは気体、液体、固体が互いに接する境界面を指し、界面活性作用はこの界面の種類を変える効果のことです。互いが馴染まないものを馴染ませる働きがあります。洗剤の場合であれば、界面活性作用により水をはじくプラスチックの食器と水を馴染ませること、油と水を混ざり合わせ、汚れが浮き上ることで洗いやすくする効果があります。また、ファインバブルは、圧壊、つまり圧縮力で気泡が破壊されることによる作用で、水中に存在する様々な化学物質を分解できる可能性もあります。





 マイクロバブル特有の作用としては、水中に難溶性のオゾンの気泡を効率よく溶解させ、水中に溶解したオゾンで殺菌することができます。





 ウルトラファインバブル特有の作用としては、水中への酸素溶解を抑制し低酸素状態を維持することによる鮮度の保持、種子の発芽促進や植物の生育を促進することができます。





 さまざまな原理を応用した方式でファインバブル発生装置が販売されています。代表例として、大きな気泡を高速旋回液流、つまり液体の強い流れによって気泡を切断して細かく砕く方式で、ファインバブルを発生させます。



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ファインバブルの用途


 ファインバブル特有の効果により、ファインバブル発生装置を活用して、さまざまな分野での事例が報告されています。





・農業





 農作物の成長促進、収量増加、鮮度保持、洗浄





・水産業





 水産物の成長促進、養殖環境改善、鮮度保持





・食品





 製造ラインや原材料の洗浄、鮮度保持





・美容





 頭皮洗浄、化粧品、シャワーヘッド





・環境





 地下水浄化、排水処理、有害物分解





 食品の製造において、ファインバブルを応用できる範囲は極めて大きく、仕込み水から洗浄水、排水まであらゆる分野で応用可能であり、コストの低減にもつながります。





 排水処理で使用する場合は、設置することで臭気や汚泥が減少します。また、省エネ効果も優れており、電力コストも削減できます。



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まとめ


 ファインバブルは、直径によってマイクロバブルとウルトラファインバブルの 2 種類に分類されます。マイクロバブルは、直径 1〜100 nm をもつ気泡で、透明な水中に分散されたマイクロバブルは白濁して見えます。ウルトラファインバブルは 1 nm 以下の直径をもつ気泡で、小さいため水は全く濁らず透明です。





 マイクロバブルとウルトラファインバブルに特有な効果は、界面活性作用です。互いが馴染まないものを馴染ませる働きを有し、強力な洗浄効果を発揮します。マイクロバブル特有の作用としては、水中に難溶性のオゾンの気泡を効率よく溶解させ、水中に溶解したオゾンで殺菌することができます。ウルトラファインバブル特有の作用としては、水中への酸素溶解を抑制し低酸素状態を維持することによる鮮度の保持、種子の発芽促進や植物の生育を促進することができます。




2020年07月06日

【癖になるかも】絶妙なバランス!?蒙古タンメン中本

蒙古タンメン


 食品メーカーの間で、ひそかにファンの多いお店が、蒙古タンメン中本です。即席麺としてもさまざまな種類が販売されており、コンビニの即席麺コーナーに堆く積まれています。





 最初はそんなに美味しいのかの疑問に持ちながらも、業界内でも有名なため、一度は食べに行きます。 





 行列を避けるためにお昼前に店舗へ足を運ぶと、同じ考えなのか、すでに行列ができています。少なくとも20〜30分は待たなければなりません。やっと店内に入っても、カウンター席の後ろの壁沿いにズラリと人が並んでおり、席が空くと順番に通されます。





 自分が席に通されるときには、パブロフの犬のように口には唾液が溢れて、視覚そして嗅覚の刺激から興奮しているのがわかります。





 目の前に蒙古タンメンが到着し、箸に手を伸ばしつつ、香りを確かめます。視覚は、十二分に炒められた野菜と朱に染まった麻婆豆腐餡を見つめています。辛味十分な香りが鼻に充満し、スープをレンゲですくい、口に運びます。先入観からか辛味に対して、過剰な防御態勢をとっているので、この程度なのかと油断しているとじわじわと口内、唇に辛味が忍び寄り、一気に広がります。痛覚が刺激され、ものすごい痛みに耐えていると野菜の甘味とがスープのうま味が、味覚から脳に伝わり、満足感が得られます。ちなみに紅しょうがを加えると辛味が落ちつき、後味がすっきりとします。





 仮説ですが、辛味と甘味、うま味の刺激により、脳内には幸せを感じるホルモンが放出されている可能性があります。それ故、蒙古タンメンは脳に幸せホルモンを放出させる優れたものであると認識され、脳がもっと食べなさいと指令を出しているので、ファンが増える傾向にあるのかもしれません。



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北極ラーメン


 券売機にも「初めての方はご注意ください。」と明記されており、食券を購入することに2の足を踏むメニューです。熱々の激辛スープで、辛さを極めた味噌ラーメンです。辛さは蒙古タンメン中本の中で最高点を誇る珠玉の逸品です。先代オーナーの中本正氏によって考案され、当初はその衝撃的な辛味のため、メニューには載っていませんでした。





 ス―プひとくち目からその辛味にうなだれたくなりますが、じわじわ慣れてくると辛味の奥からうま味が顔を出し、次第に辛味が和らいで行くのが感じられ、我に返るとこのスープから抜け出すことができないことに気づきます。北極ラーメンは辛さをストレートに味わうラーメンとのことで、トッピングは最小限となっています。なお、北極ラーメンのみ最初から大盛と同じ麺の量となっています。北極ラーメンの辛味は、10倍までアップさせることができますが、今のところ注文する勇気はありません。





 辛味が強すぎる場合、背脂をトッピングすることで、脂の被膜が形成されるためか、辛味はやや落ち着き、濃厚感を味わうことができます。もしくは、紅しょうがを加えることで、酸味による後味の切れが良くなり、辛味の後引きもスッキリします。



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まとめ


 即席麺としてもコンビニに並ぶ蒙古タンメン中本のラーメンは、辛味を求めるファンでいつも行列が途絶えることがありません。初めて行くと辛味のイメージとお店の雰囲気に押されて、顔中から汗を流しながら、蒙古タンメンを食べきることで精いっぱいです。ひとくち食べて、辛味はこのくらいかと認識しつつも、箸を進めるごとに辛味がどんどん増幅されてくるようで、唇がヒリヒリしながらも、ストレートに来る辛味と後から広がる野菜の甘味、そしてスープのうま味の組み合わせは絶妙なバランスです。麻婆豆腐の餡を麺に絡めつつ、箸休めのごとく野菜を合間に食べ、痛覚が刺激され過ぎて麻痺している中、野菜はこんなに甘味があったのかと舌で味覚が息を吹き返し、脳へ刺激を伝えます。





 蒙古タンメンは2回3回と食べることで、辛味や甘味、うま味、そして酸味よる味の変革と背脂による濃厚感向上を理解することができます。





 また、唐辛子の辛味成分であるカプサイシンは、発汗作用や代謝を促して血行をよくする、胃液の分泌を促し食欲を増進させる、殺菌作用があるといった効果を持ち、体の奥底から活力がみなぎってきます。東京を中心に20店舗以上あるようなので、足を運んでみてはいかがでしょうか。



posted by Kaoru at 14:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品
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