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2020年07月09日

【奥深い】中国茶の味わい

中国6大茶類のひとつ烏龍茶


 食品原材料調達のため中国福建省を訪問すると、どこの場所に行っても烏龍茶でもてなしてくれます。日本で飲みなれたペットボトルの烏龍茶のイメージでいると全く異なり、香り高く、色が薄いことに驚きます。





 烏龍茶を楽しむときには、まずは茶壺にお湯を注ぎ、茶壺を温めます。茶壺のお湯を茶海というお茶を注ぐための急須の代わりのような容器へ移して、茶海を温めます。続いて飲む際に使用する茶杯を温めておきます。それから茶壺に茶葉を投入します。茶葉の使用量は、茶壺の底が見えなくなるくらいです。お湯を高いところから、勢い良く一気に注ぎます。お湯が一杯になると、表面に泡が浮き、茶壺の蓋で除きます。蓋をするとお湯があふれますが、気にしません。抽出した一煎目を茶漉し付きの茶海へ注ぎ、そこから茶杯へ注ぎます。飲む際は、香りを存分に楽しみ、それから味わいます。中国では、茶葉の量を多目にし、抽出時間を短くすることで、何回も抽出することで、味の変化も楽しみます。抽出時間が短いと香り豊かでやわらかい味わいとなり、長いとうま味がある重厚な味わいとなります。中国茶の場合、一煎目を流す洗茶という方法もあります。





 中国でもコンビニなどで日本の食品メーカーの烏龍茶が販売されています。日本と同じものと砂糖が加えられたものです。日本では砂糖を加えたものを見かけることはありませんが、中国の方はお好きなのかもしれません。





 福建省の訪問先から戻るときには、お土産に真空パックの烏龍茶を頂きます。なかには大紅袍(だいこうほう)と呼ばれるという最高級品もあります。大紅袍は、福建省北部の武夷山で作られています。このお茶の原木は樹齢300〜400年と言われ、わずか数本しかありません。そのため年間の生産量はごくわずかで、市場には出回りません。そのため、原木から接ぎ木や挿し木で生産したものとなり、それなりの値段となります。



chinese-tea-734224_1920.jpg

中国茶の種類


 中国茶は、発酵の度合いにより6種類に分類されます。





・緑茶(不発酵茶)





 もっとも古い歴史を持っている代表的なお茶です。中国茶の生産量の70%を占め、種類も豊富です。釜に入れ熱することでお茶の持つ酵素を失活させ、発酵をとめているため、茶葉の色が保持されています。色も淡く、渋みの少ない味わいとなります。浙江省の龍井茶(ロンジンチャ)が有名です。





・白茶(弱発酵茶)





 茶葉が芽吹いて産毛の取れないうちに採取し、お茶の持つ酵素による酸化発酵が浅い段階で乾燥させたお茶です。福建省で多く生産されます。産毛が白く見えるところから白茶と呼ばれています。白茶には高級品が多く、福建省の白毫銀針(ハクゴウギンシン)が有名です。





・黄茶(弱後発酵茶)





 緑茶と黒茶の中間の発酵度合いとなる後発酵茶です。製造工程が他のお茶と異なり、湿った茶葉を放置することで、酵母により発酵させます。生産量が少なく貴重です。湖南省の君山銀針(クンザンギンシン)が名高いです。





・紅茶(発酵茶)





 イギリスの紅茶文化を発展させた、全発酵のお茶です。茶葉を乾燥させ、揉みこむことでお茶の持つ酵素で酸化発酵を最後まで行ったお茶です。紅茶と呼ばれるのは、茶碗にいれたお茶の色が赤くなるからです。安徽省の祁門(キモン)が有名です。





・青茶(半発酵茶)





 烏龍茶などの半発酵茶です。福建省や広東省、台湾で生産されています。味や香りのバリエーションも豊かで、発酵度が高くなるにつれて、香りや味も芳醇になります。発酵を促進させるために茶葉を手で攪拌し、茶葉の表面に傷をつけ、高温の熱風が出る機械でお茶の持つ酵素による発酵を止め、さらに茶葉を機械でもみ、最後に乾燥します。茶葉が発酵過程で銀青色になるため、青茶と呼ばれます。代表的な銘柄は、大紅袍(ダイコウホウ)や凍頂烏龍(トウチョウウーロン)、鉄観音(テツカンノン)、武夷岩茶(ブイガンチャ)などです。





・黒茶(後発酵茶)





 黒茶は、緑茶と同様に加熱処理を行い、それから麹菌などで後発酵させたお茶です。産地や製法の違いで多くの種類があります。ほかのお茶と異なり、長期発酵させたものが珍重されます。通常は2〜30年となりますが、長いものでは80年以上にもなります。後発酵により、独特の風味があり、雲南省の普洱茶(プーアルチャ)がこの黒茶の代表例です。樹齢200年以上の茶葉にこだわった普茶も市販されています。
 黒茶は、主に円盤型の固形にされ、これを餅茶と呼びます。





 中国茶は、通常3〜5煎目まで美味しく味わうことができます。発酵度合いが高くなるほど高い温度のお湯を用います。また、中国ではお茶の香りに重きを置いているため、お湯の温度は高めで、お茶のうま味を楽しみたい場合は、お湯の温度をやや低めにします。



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まとめ


 中国茶は、発酵の度合いで緑茶、白茶、黄茶、紅茶、青茶、黒茶の6つに分類されます。この中で黄茶と黒茶は微生物による発酵を行います。白茶、紅茶、青茶はお茶の持つ酵素による酸化発酵です。緑茶は発酵させません。





 中国で烏龍茶を楽しむときには、お湯で茶壺や茶海、茶杯を温めておきます。茶壺に茶葉を投入し、お湯を注ぎます。抽出した一煎目を茶漉し付きの茶海へ注ぎ、そこから茶杯へ注ぎます。飲む際は、まず香りを存分に楽しみ、それから味わいます。中国茶は、通常3〜5煎目まで美味しく味わうことができ、抽出時間とお湯の温度を調整することで、香りと味の変化も生まれます。





 中国を訪問する際は、さまざまな中国茶を味わってみてはいかがでしょうか。日本との違いから、新たな気づきを得られるかもしれません。




posted by Kaoru at 04:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 食品
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