2018年05月14日
認知症による食事拒否 〜原因と対策〜
皆さんこんにちは。
桃の助です
私は病院で言語聴覚士として勤務しており、食事の介助をよくします。
食事を美味しそうに食べてくれればこちらとしてもやりがいがありますが、全員が全員スムーズに食べてくれないのが現状です。
その中でも認知症による食事拒否はけっこう厄介な問題です。
食べる力(能力)はあるのに、一向に食べようとしない、または口に入れても吐き出してしまう。
皆さんはそんな年配者に会った事はあるでしょうか?
医療従事者や介護スタッフの方であれば必ず1度は経験したことがあると思います。
そこで、本日は、認知症による食事拒否について原因と対策を考えていきたいと思います。
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認知症の方によくある事が、食べ物を食べ物として認識できていない事です。
私たちがリンゴを見ると「赤くて丸い甘い果物だ」「美味しそう」と感じると思います。
しかし、認知症が重度に進行してしまうと、食物を認知する力が低下してしまいます。
そうして食事を食べ物と認識できない状態になり、食事拒否へと繋がります。
脳の萎縮などによって認知症は引き起こされます。
脳が委縮する事で、自発的な行動が少なくなり、話す機会も減少してしまいます。
会話をしない事による廃用によって口や喉の機能が低下してしまいます。
口や喉の機能が低下すると飲み込みの機能も低下してしまいます。
飲み込む力が低下した老人は、食べる事が苦痛となり食事を拒否する事がしばしばあります。
お腹が痛い、体がだるい、入れ歯が痛い等の体の不調によっても食事を摂らない原因となります。
認知症の方はそれらの訴えを上手く表現できない場合もあります。
気分が落ちている状態ならば、「食べ物を食べたくない」「美味しくない」と感じているかもしれません。
食事拒否が1食や1日程度であれば、そこまで気にする事ではありません。
しかし、食事を食べない期間が1週間ともなれば話は変わってきます。
早急に対応をする必要があるでしょう。
食事を摂らない事によって、体重が減少する事はすぐに分かると思いますが、その他にも…
・認知症の増悪
・気力がなくなる
・免疫力や体力の低下
・病気にかかりやすい
・筋肉量や筋力の低下
・骨量減少
・骨折の危険性増大
などの悪影響を及ぼすことがあります。
BMI(体格指数)による低栄養のチェックはすぐに行えます。
例えば、
体重30kgで身長142cmの人がいたとします。
その人は、30÷(1.42×1.42)となります。
結果はBMI14.9となり、「痩せている」という結果になります。
高齢期でBMIが20以下の人は低栄養のリスクが高まり、注意が必要です!
根気強く話を聞いていると、言いたいことが何となく分かる事があります。
1日であきらめず、数日かけて理由を聞いてみてください。
家族の方であれば好きな食べ物は知っていると思います。
食事は食べないが、嗜好品は好んで食べる方もいます。
ただし、甘い物や塩分が多い物の食べすぎは、その他の病気になる可能性が高まるので注意が必要です。
嗜好品を口にする事で、食事を食べてみようという気持ちに持っていければなおいいですね。
食事前に嚥下体操をする事で、飲み込みしやすい環境を整えましょう。
また、嚥下体操をする事で唾液分泌が促され、食事の味が美味しく感じやすくなります。
(嚥下体操の詳細について別ページをご参照下さい。)
噛みにくいからキザミ食やミキサー食にしているという方もいると思います。
それがかえって食欲を低下させたり、食物認知の妨げになっている場合もあります。
なので、柔らかい物を1度普通の形態で試してみてください。
そうすると食欲がわいて食べる方もいます。
逆に、普通食で食べにくさを感じていて食べない方もいます。
その場合にはキザミ食やミキサー食などに変更して食べやすい食事の形態に調整してみてください。
食事を食べない方でも甘いゼリーやジュースなどは摂ってくれる方もいます。
そういった方にはバランスのとれて、かつ効率的な栄養補助食品を勧めてみてください。
低栄養状態が続けば、その人の寿命を縮めてしまう原因となることがあります。
そうならないためにも食事拒否が出ている方へは早めの対策を行いたいですね。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
この他にも色々な記事を書いているので、読んで頂けると嬉しいです↓↓↓
それではまた。
桃の助でした
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桃の助です
私は病院で言語聴覚士として勤務しており、食事の介助をよくします。
食事を美味しそうに食べてくれればこちらとしてもやりがいがありますが、全員が全員スムーズに食べてくれないのが現状です。
その中でも認知症による食事拒否はけっこう厄介な問題です。
食べる力(能力)はあるのに、一向に食べようとしない、または口に入れても吐き出してしまう。
皆さんはそんな年配者に会った事はあるでしょうか?
医療従事者や介護スタッフの方であれば必ず1度は経験したことがあると思います。
そこで、本日は、認知症による食事拒否について原因と対策を考えていきたいと思います。
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食事拒否の原因
食べ物を認識できていない
認知症の方によくある事が、食べ物を食べ物として認識できていない事です。
私たちがリンゴを見ると「赤くて丸い甘い果物だ」「美味しそう」と感じると思います。
しかし、認知症が重度に進行してしまうと、食物を認知する力が低下してしまいます。
そうして食事を食べ物と認識できない状態になり、食事拒否へと繋がります。
飲み込みの機能が低下している
脳の萎縮などによって認知症は引き起こされます。
脳が委縮する事で、自発的な行動が少なくなり、話す機会も減少してしまいます。
会話をしない事による廃用によって口や喉の機能が低下してしまいます。
口や喉の機能が低下すると飲み込みの機能も低下してしまいます。
飲み込む力が低下した老人は、食べる事が苦痛となり食事を拒否する事がしばしばあります。
上手く表現できない
お腹が痛い、体がだるい、入れ歯が痛い等の体の不調によっても食事を摂らない原因となります。
認知症の方はそれらの訴えを上手く表現できない場合もあります。
気分の落ち込み、抑うつ状態
気分が落ちている状態ならば、「食べ物を食べたくない」「美味しくない」と感じているかもしれません。
食事拒否が続けば…
食事拒否が1食や1日程度であれば、そこまで気にする事ではありません。
しかし、食事を食べない期間が1週間ともなれば話は変わってきます。
早急に対応をする必要があるでしょう。
食事を摂らない事によって、体重が減少する事はすぐに分かると思いますが、その他にも…
・認知症の増悪
・気力がなくなる
・免疫力や体力の低下
・病気にかかりやすい
・筋肉量や筋力の低下
・骨量減少
・骨折の危険性増大
などの悪影響を及ぼすことがあります。
BMIをチェックしよう
BMI(体格指数)による低栄養のチェックはすぐに行えます。
例えば、
体重30kgで身長142cmの人がいたとします。
その人は、30÷(1.42×1.42)となります。
結果はBMI14.9となり、「痩せている」という結果になります。
高齢期でBMIが20以下の人は低栄養のリスクが高まり、注意が必要です!
食事拒否の対策
ゆっくり話を聞こう
根気強く話を聞いていると、言いたいことが何となく分かる事があります。
1日であきらめず、数日かけて理由を聞いてみてください。
好きな食べ物を家族へ聞こう
家族の方であれば好きな食べ物は知っていると思います。
食事は食べないが、嗜好品は好んで食べる方もいます。
ただし、甘い物や塩分が多い物の食べすぎは、その他の病気になる可能性が高まるので注意が必要です。
嗜好品を口にする事で、食事を食べてみようという気持ちに持っていければなおいいですね。
嚥下体操をしよう
食事前に嚥下体操をする事で、飲み込みしやすい環境を整えましょう。
また、嚥下体操をする事で唾液分泌が促され、食事の味が美味しく感じやすくなります。
(嚥下体操の詳細について別ページをご参照下さい。)
食事の形を調整しよう
噛みにくいからキザミ食やミキサー食にしているという方もいると思います。
それがかえって食欲を低下させたり、食物認知の妨げになっている場合もあります。
なので、柔らかい物を1度普通の形態で試してみてください。
そうすると食欲がわいて食べる方もいます。
逆に、普通食で食べにくさを感じていて食べない方もいます。
その場合にはキザミ食やミキサー食などに変更して食べやすい食事の形態に調整してみてください。
栄養補助食品を取り入れよう
食事を食べない方でも甘いゼリーやジュースなどは摂ってくれる方もいます。
そういった方にはバランスのとれて、かつ効率的な栄養補助食品を勧めてみてください。
おわりに
低栄養状態が続けば、その人の寿命を縮めてしまう原因となることがあります。
そうならないためにも食事拒否が出ている方へは早めの対策を行いたいですね。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
この他にも色々な記事を書いているので、読んで頂けると嬉しいです↓↓↓
・会話が減ると加齢がすすむ〜老年期〜
・口腔ケアで口を開けてくれない!対処法!
・あなたはお酒と上手く付き合っていますか?
・認知症による自動車運転停止について
それではまた。
桃の助でした
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