アスペ嫁と苦悩夫の奇妙な冒険

先日、小林麻央さんの乳がん報道がありました。
がんという病気を告知されるのに年齢は関係なく、ご本人も家族も
ショッキングな病名であることは今も昔も変わりません。

しかしながら、30代でというのは余計にショックが大きいです。
私自身、父親をがんで亡くしていますので、非常に複雑な思いです。
実際にがんに直面しないと見えてこないということが実はたくさんあります。
そんなことをちょっと記録しておきたいと思います。

■患った場所で別の病気になる｢がん｣の実態。

｢がん｣というと医学的な知識がない立場からすれば、みんな
一律で同じように感じてしまわないでしょうか。私はそんな感覚で、
胃がんだろうが、乳がんだろうが、肺がんだろうがすべて同じ病気だと
思っていたのです。

しかし実際は、患う部位が異なれば全く違う病気だという認識が必要なんです。
部位による生存率のリスクという面もありますが、抗がん剤をつかうにしても
部位によって保険認可がされている薬剤が全く異なるんです。

がんになったら、抗がん剤みたいな認識は素人感覚で耳から入りますが、
抗がん剤の種類はさまざまです。部位によって全く異なるということです。
そして基本的には、保険診療認可がおりている抗がん剤からつかうことが
一般的ですので、実際にはお医者さんのいわれるがままに治療を受けるということも
珍しいことではありません。

■思った以上に選択の余地がないがんの治療方法。



一般的にがんの治療をする際、どんな方法があるかというイメージは
なってみて初めて分かるという人が多いと思います。

50年前に比べれば、選択の余地は増えて生存率も高くなったことは事実です。
ただ、告知をされて悲壮感ただよう家族から見ると、選択できる方法が思った以上
に少ないことに驚愕させられます。

｢がん｣であることを聞いただけで、既に頭の中は冷静さが吹っ飛んでしまい、
先の見えない恐怖感と半信半疑な気持ちがせめぎ合い何が良いかなど判断できません。

基本的に一般的な総合病院、がんセンターなどは西洋医学を元に施術を行います。
がんの場合の順序としては、

1、病巣部分を切除する。
2、抗がん剤投与・放射線治療する。
3、体の状況から見てどの方法も選択できなくなる。
（患者からすると病院から冷たく突き放されて見放された気持ちになる）
4、緩和医療・ホスピスという選択。

セカンドオピニオンを何件もしましたが、基本的にはこの流れになります。
患者はなんとか完治や回復できる方法をわらにもすがる思いでいますが、
病院の担当医にもよりますが、淡々と業務的に内容を伝えると言うことが多くなりますので、
余計に憤りを感じたりもします。

■がんになってしまったのは病院の先生のせいではない。


がん告知をされると、その人の人間的な成熟性により様々な反応がでます。

1、現実を受け入れられない。
2、医者へ責任転嫁をする。
3、現実逃避をする。
4、現実を少しずつ受け入れる。
5、自分の死生観と向き合う

私は父親ががんと告知されたときは、2番目あたりだったと思います。
親といえども自分自身のことではないから、現実を受け入れられないということ
はありませんでしたが、その告知をした外科医の横柄な態度に憤りさえ感じました。
私自身が未熟だったためそういう風にしか受け止められませんでしたが、いい方や
態度はもちろん是正すべきだと思いますが、病気になったのはその外科医のせいでは
ありません。しかし、感情のやり場がないという現実もあるのでしょう。矛先が告知した
先生に向くということも珍しいことではありません。

発達障害に関しても同じことがいえますが、状況が分からない外野があれやこれや
推測でいろいろ話しても全く無意味です。当事者と家族でしか分からない苦しみというのは
必ずあります。影ながら見守ってあげる優しさが欲しいですね。

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