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2024年02月13日

1025番:ロックの娘(25)


ロックの娘(25)
La petite Roque



−−−−−−−−−【25】−−−−−−−−−−−−−−
   
 Le facteur, à ce toucher, sentit son cœur
retourné, comme il le dit plus tard, et la
salive séchée dans sa bouche. Se relevant
brusquement, il se mit  à courir sous la
futaie vers la maison de M. Renardet.

 

.−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−

 郵便配達夫は、後に話したところによると、死体に
触れたとき、心が動転しているのを感じて、口の中は
唾液もからからに乾いていたという.彼は咄嗟に立ち
上がり、樹林の中を走り出し、ルナルデ氏の宅を目指
した.


.−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−

facteur:(m) 郵便配達員
à ce toucher:これに触れると;
   ce は指示形容詞で「この」
   ce を動詞 toucher の直接目的と見ることは文法上
   できません.ce は文法上「主語」に立つからです.
ここではtoucher は名詞(m)で「手触り」「触覚」
「感触」「触れること」 à は前置詞で、「〜によ
って」. à ce toucherは「この感触によって」
sentit:(3単単純過去) < sentir (他) 感じる
cœur:(m) 心
retourné:(形、p.passé) 動転した;
   <retourner (他) 動転させる 
sentir son cœur retourné:自分の心が動転しているのを
   感じる.[感覚動詞は目的語が不定詞の主語と
   なるが、ここでは不定詞êtreが脱落したものと
   みればよい]
comme il le dit plus tard:彼がのちに話したところでは
   le は中性代名詞で、死体発見当時の状況のこと
salive:[サリーヴ](f) 唾液、つば
séché(e):(形、p.passé)
   < sécher (他) 乾かす、乾燥させる 
dans sa bouche: 彼(女)の口の中では
se relevant:(p.pré)
   < se relever (pr) 立ち上がる、起き上がる 
brusquement:[ブリュスクマン](副) 急に、不意に
futaie:[フュテ](f) 大木、大木の樹林、
   森の中の大木の木立、大樹からなる森、
   高林、樹林、植樹造林


1024番:アルルの女(19)


アルルの女(19)
L'ARLÉSIENNE
アルルの女



−−−−−−−−−【19】−−−−−−−−−−−−−−−−
 
Jan ne parla plus de* l' Arlésienne. Il l'aimait
toujours cependant, et même plus que jamais*, depuis
qu' on la lui avait montrée dans les bras d' un
autre. Seulement il était trop fier pour* rien dire;
c'est ce qui* le tua, le pauvre enfant ! ...


−.−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

ジャンはもうアルルの女のことを話には出しませんでした。
それでも尚もジャンはその女を愛し続けた。女が自分以外
の男に抱かれていることを聞かされてからも、なお一層、
愛し続けたのだ。彼はただプライドが高すぎて、口にする
ことができなかっただけなのです。そしてこのことが、
気の毒なことに、この青年を死なせてしまったのです。


−−−−−−−−−《語句・語法1》−−−−−−−−−−−−−−−−

seulement: ただ〜なだけ
trop fier pour ~:〜するのは、あまりにプライドが高すぎる;
       あまりにプライドが高すぎて〜できない
 rien は肯定の不定代名詞としても、否定としても用いますので
 訳し方は2通りあります.(どちらでもOK!)
(A)il était trop fier pour rien dire:彼はあまりにもプライドが
           高いので、何も言えなかった.
(B)il était trop fier pour rien dire:彼は何かを言うには、あまり
           にもプライドが高かった.

 ただし(A)の訳を認めない先生もいらっしゃるので、
試験のときは(B)でお願いします.つまり、rien はne や
jamais などのはっきりした否定辞がない限りquelque chose
の意味になるというのです.

しかしrien は否定辞がなくても否定を表現することもあります.
Rien de nouveau. / 何も新しい[変わった]ことはない.

ところで本文の場合、私はpour にはすでに否定の意味が込めら
れているのではないかと考えます.
そういうことで
(A)の訳が許されると考えます.

 大切なことは rien は quelque chose という意味を内蔵している
ので ne を伴わないときは注意が必要です.
 たとえば:
   vivre sans rien faire / 「何もしないで暮らす」
 であって、「何もしないことなく暮らす」とすれば、誤訳です.

英語に換算するとanything です.anythingはno や not を伴わない
ときは、本来something の意味をもっていて、それを復活させます.
 

−−−−−−−−−≪語句・語法2≫−−−−−−−−−−−−−−−−
         
ne parla plus de: parler de ~ 「〜について話す」
        ne ~ plus 「もはや〜ない」    
même plus que jamais: plus que jamais 「今までより一層」
même この場合は副詞で「〜さえ」
        il l'aimait même plus que jamais
今までより一層愛してさえいた
        l'aimait のl' つまりla はアルルの女
on la lui avait montrée:la は「アルルの女」lui は「ジャン」
dans les bras d'un autre :別の男(ジャン以外の男)の腕の中
on avait montrée l'Arlésienne dans les bras d'un autre à Jan
ということです  


1023番:ボヴァリー夫人(16)


Gustave Flabert
Madam Bovary
ボヴァリー夫人

ボヴァリー夫人(16)


       
−−−−−−−−−−−【16】−−−−−−−−−−−−−−−−−

Ce fut un vacarme qui s'élança d'un bond,
monta en crescendo, avec des éclats de voix
aigus (on hurlait, on aboyait, on trépignait, on
répétait:Charbovari ! Charbovari !), puis qui
roula en notes isolées, se calmant à grand-
peine, et parfois qui reprenait tout à coup sur
la ligne d'un banc où saillissait encore ça et
là, comme un pétard mal éteint, quelque rire
étouffé. 


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

その言葉で一瞬に騒ぎが起きた.そして段々と騒ぎは
大きくなり、大きな甲高い声も舞上がった.(吠えるよ
な声だったり、唸るような声だったり、足鳴らしする者
もあった.そしてシャルボヴァリ、シャルボヴァリと繰
り返すのだった.それから轟く声はまばらな音となって
やっとのことで和らいだ.そしてときどき突然、席から
席へと、さらにあちこちで、くすぶった爆竹のように、
くすくす笑いがほとばしっていた.


 

−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

vacarme:[ヴァカルム](m) (人の)騒ぎ、騒音、喧騒
   faire du vacarme / 大騒ぎをする
   le vacarme d'une usine / 工場の騒音
s'élança:(単純過去3単) < s'élancer (pr) 突進する
   駆け出す
bond:(m) 跳ぶこと、
d'un bond:ひと跳びで、一躍;
se lever d'un bond / 跳び起きる
monta:(単純過去3単) < monter
crescendo:[クレッシェンド](副) 次第に強く
crescendo:名詞(m)としても用いる
  その場合、en crescendo で「次第に強く」
éclats:[エクラ](m) 騒ぎ、大きな音、大声、爆発音
   破片 
aigu(ë):(形) 先の尖った、鋭い
hurlait:(3単単純過去)<hurler [ユルレ](犬・狼が)
   遠吠えする、吠える
   (人が)大声で言う、わめく
aboyait:(3単単純過去) < aboyer (自) (犬が)ほえる、
うなり声をあげる
trépignait:(3単単純過去) < trépigner [トレピニェ](自)
   (喜びや怒りで)足を踏み鳴らす、地団駄踏む
    trépigner de colère / 腹を立てて足を踏み鳴らす
répétait:(3単半過去) < répéter (他) 繰り返す
roula:(3単単純過去) < rouler (自) 転がる、転落する
   (車が)走る;(音が) とどろく、鳴り響く
en notes ~ :❶〜を書き留めて;❷〜の音で
isolées:(p.passé/pl/f) < isoler (他) 孤立させる
se calmant:(p.pré) < se calmer (pr) 静まる
calmer:(他) 静める、和らげる、落ち着かせる
à grand-peine:かろうじて、やっとのことで
parfois:ときには、ときどき
reprenait:(3単半過去) < reprendre (他) 再び取る
取り戻す、再び始める、再び続ける;
tout à coup:[トゥタクー] 突然
ligne:(f) 線
sur la ligne de:〜を伝って、〜に沿って
sur la ligne d'un banc:席伝いに
banc:[バン](m) 席
saillissait:(3単半過去) < saillir [サィイール](自) [文]
   ❶【活用は3単のみ】saille (直現3単);
saillait (3単半過去);  
    突出する、張り出す、浮き出す;
   ❷【活用は第2群規則動詞】[古語]
     湧出する、噴出する
pétard:[ペタール](m) 爆竹 
éteint(e)[エタン(ト)]:(形) 消えた;< éteindrer (他)消す
pétard mal éteint:ちゃんと消えていない爆竹;
くすぶった爆竹
étouffé:(形p.passé) 押し殺された
   < étouffer (他) 窒息させる、息苦しくさせる 



1022番:ナナ(6)(エミール・ゾラ)


Émile Zola
−Nana−

ナナ(6)


−−−−−−−−−−【6】−−−−−−−−−−−−−−−−−

 ≪ Que te disais-je, Hector ? s'écria le plus âgé,
un grand garçon à petites moustaches noires, nous
venons trop tôt. Tu aurais bien pu me laisser
achever mon cigare. ≫.



..−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 「だから言ったろう、ヘクトル.」、年上のほうの背の
高いちょび髭を生やした青年が大きな声で言った.「来
るのが早すぎたのさ.ぼくに葉巻を吸い終わらせてくれ
てもよかったじゃないか.」


..−−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−

Que te disais-je, Hector ? :ヘクトル、ぼくは君に何て言
    っていたか? が直訳だが、軽い苦情、非難が
    混ざった表現です.「だから言ったじゃないか」
何て言っていたかを思い出せ、という責め立て.
s'écria;(3単単純過去) < s'écrier [セクリエ] 叫ぶ、
    大声を上げる
nous venons trop tôt:現在形なので「私たちは早く来す
    ぎます.」ですが、すでに到着済みですから過去
    形にしたい気がします.しかしフランス語の現
    在形は進行形を兼ねているので、「現在早すぎる
    ぐらいに到着しているよ」と考えれば、納得で
    きるかと思います.
achever mon cigare:ぼくが葉巻を吸い終わること.
cigare:(m) 葉巻
achever:(他) 終える
<achever de + 不定詞> 〜し終える
すっかり〜してしまう


.−−−−−−−−−≪感想≫−−−−−−−−−−−−−−−

葉巻はタバコよりも吸い終わるのに時間がかかるのだと
思います.

1021番:「湖畔」(31)(シュトルム作)


湖畔(31)
IMMENSEE(31)



−−−−−−−−−【31】−−−−−−−−−−−−−−−

„Ich darf aber nicht allein.“
„Du sollst schon dürfen;du wirst dann
wirklich meine Frau, und dann haben die
andern dir nichts zu befehlen,“
„Aber meine Mutter wird weinen.“
„Wir kommen ja wieder,“ sagte Reinhard
heftig; „sag es nur gerade heraus: willst
du mit mir reisen ? Sonst geh' ich allein;
und dann komme ich nimmer wieder.“


−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

 「でも、わたし、ひとりじゃ行けないわ.」
 「もうその頃には行けるはずだよ.だって君はその頃
にはもう本当に僕のかみさんになっているだろうからね.
それだから他人が君に何も命令なんか出来やしないさ.」
 「だってお母さまが泣いちゃうわ.
「また帰って来るんだよ.」激しくラインハルトが言
いました.「さあ、はっきり言ってくれ給え.君はぼく
と旅行する気はあるのかい?じゃなければ、ぼくはひと
りで行くさ.そしたら、もう二度とここには戻らない.」


−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−

 *ドイツ語の「副詞」と「形容詞」は同じ形でシェア
することが多いので品詞は原則として書かないことに
します.

dann:(副) そのときは、その時には
wirklich:本当に
kommen (6行目):zurück/kommen (帰って来る) の意味で
    使われている.
heftig:激しい、猛烈な
heraus/sagen:(辞書不掲載語)→heraus (はっきりと) +
sagen (言う)= 「はっきりと言う」、「隠さずに
    言う」、「正直に言う」など.
heraus:この前綴りには「外へ出る」、「浮き彫りにする」、
   「はっきりさせる」などの意味があります.
gerade:きっちり、まっすぐに、今
nur:(語調を強める添え言葉)「さあ〜しろよ」
sag es nur gerade heraus:相手を追い詰めた表現で
   「さあ、聞かせてもらおうか」es は一緒にインド
    へ旅行に行くこと.まだスエズ運河のない時代
   (この作品は1849年完成、スエズ運河は1869年
    開通)では命がけの旅行だったことでしょう.
    ちなみに日本は1867年大政奉還、1868年新政府.



.−−−−−−−−−−≪感想≫ −−−−−−−−−−−−−−−−−

こんな迫り方すれば振られるぞ!と思うが、これがドイ
ツ人の気質なのでしょうか?このひとにはたくましい女
性が必要だ.肝っ玉母さんがいいと思う.インドでも、
トンガ島でも持って来やがれ、みたいな...


2024年02月12日

1020番:ロンドリ姉妹(26)


ロンドリ姉妹(26)



−−−−−−−−−−【26】−−−−−−−−−−−−−−−

 Aussi comme je ne voulais pour rien partir
seul en ce voyage d'Italie je décidai à m'accom-
pagner mon ami Paul Pavilly.


.−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

そういうわけで、このイタリア旅行はひとりで行く気
になれないので、わが友、ポール・パヴィイを旅の同伴
者に決めて、お願いした.


...−−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−−

aussi:(接) それゆえ、だから

1019番:ロックの娘(24)


ロックの娘(24)
La petite Roque


−−−−−−−−−【24】−−−−−−−−−−−−−−
   
 Si la fillette était encore vivante, par hasard,
il ne pouvait l'abandonner ainsi. Il se mit à
genoux, tout doucement, assez loin d'elle par
prudence, et tendit la main ver son pied. Il
était froid, glacé de ce froid terrible qui rend
effrayante la chair morte, et qui ne laisse plus
de doute.
 

.−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−

 もしかしてこの娘がはからずも、まだ生きていたなら
ば、彼はそんな風にはその子を見捨てられなかった.彼
は万一のことを考え、彼女から少し離れて、そっとひざ
まずいた.そして自分の手を彼女の足にさし伸ばした.
足は冷たかった.このしばれる寒さで凍っていた.この
冷たさが死体をぞっとする恐ろしいものにしていた.
死体であるということ、それにはもう疑いの余地はない.


.−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−

fillette:(f) 少女、小娘、若い娘、娘っ子
 * fille (娘)に縮小辞ette がついたもの.
  娘 + っ子 =「娘っ子」とか「女の子」
vivant(e):(形) 生きている、
   fillette encore vivante / まだ生きている娘ご
   fillette déjà morte / もう死んだ女の子  
par hasard:偶然に、はからずも;
  rencontrer qn par hasard / 〜に偶然出会う
abandonner:(他) (人を)見捨てる、置き去りにする
à genoux:跪いて;se mettre à genoux / ひざまずく
prudence:(f) 慎重、用心深さ;
par prudence:用心のため、大事をとって、
万一に備えて、
avec prudence:慎重に、注意して
   par prudence:慎重を期して、さらに注意して 
Munissez-vous d'un parapluie, par prudence..
用心のため傘を持って行きなさい.
(se munir de ~:〜を備える、身につける)
tendit:(3単単純過去) < tendre (他) 差し出す、
   差しのべる; tendre la main / 手をさしのべる
froid(e):(形) 冷たい、寒い、冷えた
froid:(m) 寒さ、冷気
de ce froid:この寒さで
glacé(e):(形) 凍った、凍りついた
terrible:(形) 恐ろしい、すさまじい、ひどい
rend:(3単直現) < rendre
rendre + 直接目的語 + 属詞(形容詞、及び相当句):
   〜を…にする
   Ce roman l'a rendu célèbre, / その小説で彼は有名に
   なった.
effrayant(e):[エフレィヤン(ト)](形) 恐ろしい、
   ぞっとするような 
chair:(f) 身、肉体
mort(e):(n) 死者、死人
  la mort と混同しないこと.
  la mort 「死」(抽象名詞)
  la morte 「死人女性」
  le mort 「男性死者」
laisse:(3単直現) <laisaser (他) 残す
doute:(m) 疑い
ne...plus:もう...ない
ne...plus de doute:もう疑いの余地はない
Ça ne laisse plus de doute:
        それにはもう疑いの余地はない

2024年02月09日

1018番:アルルの女(18)


アルルの女(18)
L'ARLÉSIENNE
アルルの女



−−−−−−−−−【18】−−−−−−−−−−−−−−−−

Ce soir- là, maître Estève et son fils
s' en allèrent ensemble dans les champs.
Ils restèrent longtemps dehors; quand ils
revinrent, la mère les attendait* encore.
−−Femme,* dit le ménager, en lui amenant
son fils, embrasse- le ! il est malheureux...


−.−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−
        
その夜、主人のエステーヴと息子は一緒に畑に
出かけた.ふたりは戸外で長く居ました.家に戻
った時、まだ母親は彼らを待っていました.
−−母さん、と父親は息子を母親のところに連れ
てゆき、「この子を抱いておやり。不幸な子だ・・・」
と言った.


−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

s'en allèrent:(単純過去3複)
    <s'en aller 出てゆく
femme: 「女」という意味ですが、ここでは呼びかけ.
  夫が妻に対して呼びかけるのに使う言葉だが、日
  本の習慣に従って、息子の立場としての呼びかけ
  に変えて訳した.
embrasser: キスをする、という意味に訳す場合が圧
  倒的に多いがここでは、「抱擁する」という意味。 


1017番:ボヴァリー夫人(15)


Gustave Flabert
Madam Bovary
ボヴァリー夫人

ボヴァリー夫人(15)


       
−−−−−−−−−−−【15】−−−−−−−−−−−−−−−−−

 Le nouveau, prenant alors une résolution
extrême, ouvrit une bouche démesurée et lança
à pleins poumons, comme pour appeler
quelqu'un, ce mot: Charbovari. 


−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

そこで新入り生徒は一大決心をして、口を思い切り開
いて声をかぎりに、誰かに叫ぶようにこの言葉を言った.
 「シャルボヴァリーです.」
 

−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−

alors:(副) ❶その時、その頃、❷それで、だから;
  ❸じゃあ、さて、ところで、本文は❷そこで 
résolution:(f) 決心、覚悟;
prendre la résolution / 決心する
prendre la résolution de + 不定詞 /
〜しようと決心する
extrême:(形) ❶[名詞の前] 末端の、ぎりぎりの、最後の; 
  ❷[名詞の後]極端な、過激な;❸[文語] [ときに
  名詞の前] はなはだしい、極度の;
極度の;
démesuré(e):(形) 並はずれた、極端な、過度の
lança:(3単半過去) < lancer (他) 投げる、
poumon:[プーモン](m) 肺
à pleins poumons:息をいっぱい吸って;
  respirer à pleins poumons / 胸いっぱいに息を吸う
  crier à pleins poumons / 声を限りに叫ぶ
  chanter à pleins poumons / 声を限りに歌う
à pleins:いっぱいに
plein(e):[プラン, プレヌ](形) いっぱいの、満ちた
Charbovari:新入生はCharles Bovary と言うつもりだった
  のでしょう.それがうまく呂律が回らず、
  Charbovari と聞こえたということ. 


1016番:ナナ(5)(エミール・ゾラ)


Émile Zola
−Nana−−

ナナ(5)


−−−−−−−−−−【5】−−−−−−−−−−−−−−−−−

 Deux jeunes gens parurent à l'orchestre.Ils se
tinrent debout, regardant.



..−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 ふたりの青年がをゆっくり見回してから一階特等席に
姿を見せた.彼らは立ったままあたりを眺めていた.


..−−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−

tinrent:(単純過去3複) < tenir
se tenir:(ある状態・場所に)いる、とどまる、
    (ある状態・姿勢を)保つ;
   1ls se tenait près de la fenêtre. / 彼は窓際にいた.
regardant:(p.pré) < regarder (自/他)、ここでは(自)
   regarder partoutの意味:「辺りを眺める」
orchestre:(m) 一階正面席、舞台の近くでスロープの
ない平床の特等席、おそらくボックス席
[ナナ(1)での既出単語]

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