数学: ばたばたする,
数学: 圏の骨格の構成
数学: 圏の骨格が圏になることの証明
の続き.
圏 $\mathscr{C}$ に対する骨格 $\mathrm{sk}(\mathscr{C}) = (A, O, d^0, d^1, u, m)$ がそれ自身圏になることの証明の最後の部分.
(iii) $\mathrm{sk}(\mathscr{C})$ における任意の射 $(f : X \to Y) \in A$ に対して,
\begin{equation*}
f \circ \mathrm{id}_{X} = f = \mathrm{id}_{Y} \circ f
\end{equation*}
が成り立つ. これは図式
\begin{equation*}
\xymatrix@=48pt {
A \ar[dr]_{\mathrm{id}_{A}} \ar[r]^{(\mathrm{id}_{A}, u \circ d^0)} & P \ar[d]_{m} & A \ar[dl]^{\mathrm{id}_{A}} \ar[l]_{(u \circ d^1, \mathrm{id}_{A})} \\
~ & A &
}
\end{equation*}
が可換になることと同値である.
(iv) 集まり $Q$ を
\begin{equation*}
Q = \{\, (f, g, h) \mid f, g, h \in A,\, d^{0}(f) = d^{1}(g),\, d^0(g) = d^1(h) \,\}
\end{equation*}
により定義する. $\mathrm{sk}(\mathscr{C})$ における任意の合成可能な射の 3 つ組 $(f, g, h) \in Q$ に対して, 射の合成は結合律
\begin{equation*}
f \circ (g \circ h) = (f \circ g) \circ h
\end{equation*}
が成り立つ. これは図式
\begin{equation*}
\xymatrix@=48pt {
Q \ar[d]_{m \times \mathrm{id}_{A}} \ar[r]^{\mathrm{id}_{A} \times m} & P \ar[d]^{m} \\
P \ar[r]_{m} & A
}
\end{equation*}
が可換になることと同値である.
以上により $\mathrm{sk}(\mathscr{C}) = (A, O, d^0, d^1, u, m)$ は, これが圏になるための条件 (i), (ii), (iii), (iv) を満足することを示すことができた.
したがって 圏 $\mathscr{C}$ の骨格 $\mathrm{sk}(\mathscr{C})$ はそれ自体圏になることがわかる.
(iv) において, $\mathrm{sk}(\mathscr{C})$ における射の合成 $m : P \to A$ が結合律を満たすことを示す部分, ノートの記述が長く複雑で整理に数時間かかった.
小さな計算を順番に積み重ねて結合律が成り立つことを証明しているのだが, 本当に子細なことまできちんと導いているし, 日が変わるとそれを理解できなくなっていたためなのか, 繰り返し同じ結果を導いたりしている. やり方も変えたりして.
読みづらい.
ただ, 見直した結果として, 重複する部分やくどい文章を修正し, 自分なりに見通しの良い記述にまとめることができたのは嬉しい.
とりあえず, 証明の全体を LaTeX のファイルとして書けた.
明日以降は, 証明を最初からしっかり読み直してみて, 間違いが無いかどうかを確かめる.
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