2008年09月12日
巨人・阿部“難敵”山本昌狩りV弾!
![](/gianst/file/52/MjAwODA5MTEtMDAwMDAwNTAtamlqcC1zcG8tdmlldy0wMDBO2w.jpg)
走る必要はなかった。手に残る感触だけで「いった」と思った。同点で迎えた七回無死一塁。阿部が山本昌の内角シュートをフルスイングでとらえた。打球は美しい放物線を描き、竜党で埋まる右翼席上段で弾んだ。
「久しぶりですね。何とか引っ張れるボールだけを待っていました。いつか出るだろうと思って打席に入ったけれど、完璧(かんぺき)でした」
“アーティスト阿部”が自画自賛した決勝の15号2ランは、13試合ぶりの本塁打。しかも巨人戦通算40勝の天敵に、今季巨人戦初黒星をつける値千金の一発だった。
どう打ったらいいのかさえ、わからなくなりかけていた。「H」マークをともしたのは、4日の広島戦(松山)の第3打席以来、実に19打席ぶりだ。
「(中日に)3連敗だけは、どうしてもできなかった。これをいいきっかけにしていきたい」
チームは前日の中日戦に大敗し3連敗。視界にとらえていた虎のシッポが、再びかすんでしまいそうだった。
推定飛距離120メートルの特大アーチは、“秘密兵器”が生み出した。北京五輪から帰国後、試合前や打席前に続けていることがある。オエッと吐きそうになりながら、綿に染みこませたアンモニアを吸い込む。アテネ五輪男子ハンマー投げ金メダリストの室伏広治やパワーリフティングの選手ら瞬発力を必要とするアスリートが実践。白坂トレーニングコーチによると「頭の中で作っているパワーの限界の壁をもう1ランク引き上げる作用がある」という。
「そろそろ出るだろうと思っていた。期待される場面で、慎之助らしいバッティングをしてくれたね」
原監督も、ようやく目覚めた主将の一打に目尻を下げた。首位阪神も勝ったため、6ゲーム差は変わらない。残り22試合、ただ奇跡を信じて一戦必勝で戦うのみだ。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image