2011年12月14日
ハートの切り札
今回は初物です。
以前から名前は知っていたのですが、音を聴くのは初めてです。
実は、この人のことはよく分かりません。
勝手な想像をしますと…
60年代くらいにシングルを出していたけれど、LPを出すまでには至らず、CD時代になって遅まきながらアルバム・デビューした、まあそんな感じの人なのでは?
1. The Fat Man (Bartholomew, Domino)
2. Just As Long (As I'm With You) (Gary Thibodaux)
3. Roses Don't Grow Here Anymore (Tommy Maclain)
4. Angels Don't Fly (N. "Cotton" Guidroz)
5. Louisiana (That's What Cajuns Do) (Gary Thibodaux)
6. If I Had You (V. Guzzetta)
7. Johnny B Goode (Chuck Berry)
8. Since You Left Me (D. Schurb)
9. All By Myself (Bartholomew, Domino)
10. I Don't Wanna Cry (L. Gatlin)
11. Love Struck Baby (Stevie Ray Vaughn)
12. Eleven Roses (McCall, Morris)
13. Don't You Know (Bartholomew, Domono)
14. Nobody's Darlin But Mine (Davis, Pruett)
15. Sweet Home Chicago (Robert Johnson)
シングルの有無を調べるとすれば、Jin、Swallow、Goldband、そしてExccelloあたりでしょうが、そこまでの気力は持ち合わせていません。
とりあえず、Wikiにはページがないようです。
わずかに分かる範囲で言いますと、本名は、Gary Thibodauxといい、息子のTravisもミュージシャンで、親子名義の共演盤があるようです。
本盤は、スワンプ・ポップをたくさん出しているCSP Recordsから、07年にリリースされました。
パーソネルは以下のとおりです。
息子がバンド・メンツですね。
Gary T. : lead vocals, piano, slide and lead guitar
Travis Thibodaux : drums, piano, organ, scrubboard,b.g.vocals
Nelton Rodrique : saxophone
Bozo Jarreau : drums
Bailey Thibodaux : scrubboard
Gary T.は、Fats Dominoのスタイルをベースにした元気な三連のニューオリンズR&Bと、同じ三連でも、もろにスワンプ・ポップという感じの哀愁のバラードが売りだと思いました。
そして、ここからが興味深いのですが、ピアノだけではなく、ギターも弾く人で、それもスライドを使ったリードをプレイするというサプライズな人なのでした。
本盤では、3曲のDominoナンバーをやっていて、これは曲の良さもあってとてもいい感じに仕上がっています。
また、自作の"Just As Long (As I'm With You)"や、Tommy McLainの"Roses Don't Grow Here Anymore"は、哀愁味たっぷりのミディアム・スロー・バラードで、この人の本領はこのあたりかなと感じます。
サックス・ソロがムーディーな"If I Had You"も、胸キュンのバラードでよいです。
現役のスワンプ・ポップ・シンガーで、Fats Dominoの影響が強い人では、この人とWayne Foretが双璧ではないかと強い印象を受け、即行で気に入りました。
一方、ギターを弾いている曲も聴いてみましょう。
Chuck Berryの"Johnny B. Goode"は、Berryの持つ小粋なスイング感も残しつつも、全体的には南部風で、ギターのトーンも若干ディストーションがかかっているので、かなりブルース・ロックに近い印象を受けます。
ギター・ソロでは、タッピング風の速弾きもあります。
まあ、選曲はベタですね。
さらに、もう1曲のギター曲が驚きます。
Stevie Ray Vaughnの1stのアタマに入っていた、Rayの作品、"Love Struck Baby"です。
原曲は、特徴的なイントロこそないですが、やはりChuck Berryスタイルのロックンロールでした。
ここでは、Ray Vaughnのクリアで素早いストラト・トーンを彷彿させつつも、サックスのブロウとギターのかけあいによる、独自の味付けで迫ってきます。
ブルース・スタンダードの"Sweet Home Chicago"は、Magic Sam風というか、映画Blues Brothers風に決めていますね。
そして自作曲、トラック5の"Louisiana(That's What Cajuns Do)では、元気一杯のケイジャン・ダンス曲も披露していて、なかなかにバラエティさもあって聴かせます。
トラック12の"Eleven Roses" などは、George Jonesの名作、"A Good Years For The Roses" を思い出させる、カントリー調のいい曲です。
全体の印象からは、古いスタイルのR&B好きの人、ちょっぴりカントリー風味を隠し味にしたスワンプ・ポップ・バラードが好きな人なら、本盤は気に入ると思います。
まあ、そのての方には、ブルース・ロック風の曲は賛否が分かれるかもしれませんね。
私はといえば、カオスな面白さとしてはOKで、不必要とまでは言いませんが、なくても好きです。
最近聴いている現役スワンプ・ポップ・シンガーの中では、メンフィス・ソウル志向が感じられない人でした。
普通にカントリーをやってもいいアルバムを作れる人だと思います。
トラック14の"Nobody's Darlin But Mine"がまた、胸キュン系のカントリー風味のバラードに仕上がっています。
トラック8の"Since You Left Me"の作者、D. Schurbは、現役のスワンプ・ポップ・シンガーのはずで、未聴ですが、近いうちに聴いてみたいひとりです。
Gary T.は、おそらく単独アルバムは、今のところこれだけではないかと思います。
私は、かなり気に入りました。
今後の動向を注意していきたいです。
また、50s60sのシングル曲があるのなら、ぜひ聴いてみたいです。
どこかのコンピに入ってないかな?
追記
今日、Bobby Charlesの日本企画盤「ベター・デイズ」が届きました。
多分、惜しくて当分はながめて過ごすと思います。
ほかにも、Fame StoryやGeorge Jacksonのデモ集など、年末になって、続々とじっくり味わいたいアルバムが届きます。
嬉しいです。
以前から名前は知っていたのですが、音を聴くのは初めてです。
実は、この人のことはよく分かりません。
勝手な想像をしますと…
60年代くらいにシングルを出していたけれど、LPを出すまでには至らず、CD時代になって遅まきながらアルバム・デビューした、まあそんな感じの人なのでは?
Across The Board
Gary T.
Gary T.
1. The Fat Man (Bartholomew, Domino)
2. Just As Long (As I'm With You) (Gary Thibodaux)
3. Roses Don't Grow Here Anymore (Tommy Maclain)
4. Angels Don't Fly (N. "Cotton" Guidroz)
5. Louisiana (That's What Cajuns Do) (Gary Thibodaux)
6. If I Had You (V. Guzzetta)
7. Johnny B Goode (Chuck Berry)
8. Since You Left Me (D. Schurb)
9. All By Myself (Bartholomew, Domino)
10. I Don't Wanna Cry (L. Gatlin)
11. Love Struck Baby (Stevie Ray Vaughn)
12. Eleven Roses (McCall, Morris)
13. Don't You Know (Bartholomew, Domono)
14. Nobody's Darlin But Mine (Davis, Pruett)
15. Sweet Home Chicago (Robert Johnson)
シングルの有無を調べるとすれば、Jin、Swallow、Goldband、そしてExccelloあたりでしょうが、そこまでの気力は持ち合わせていません。
とりあえず、Wikiにはページがないようです。
わずかに分かる範囲で言いますと、本名は、Gary Thibodauxといい、息子のTravisもミュージシャンで、親子名義の共演盤があるようです。
本盤は、スワンプ・ポップをたくさん出しているCSP Recordsから、07年にリリースされました。
パーソネルは以下のとおりです。
息子がバンド・メンツですね。
Gary T. : lead vocals, piano, slide and lead guitar
Travis Thibodaux : drums, piano, organ, scrubboard,b.g.vocals
Nelton Rodrique : saxophone
Bozo Jarreau : drums
Bailey Thibodaux : scrubboard
Gary T.は、Fats Dominoのスタイルをベースにした元気な三連のニューオリンズR&Bと、同じ三連でも、もろにスワンプ・ポップという感じの哀愁のバラードが売りだと思いました。
そして、ここからが興味深いのですが、ピアノだけではなく、ギターも弾く人で、それもスライドを使ったリードをプレイするというサプライズな人なのでした。
本盤では、3曲のDominoナンバーをやっていて、これは曲の良さもあってとてもいい感じに仕上がっています。
また、自作の"Just As Long (As I'm With You)"や、Tommy McLainの"Roses Don't Grow Here Anymore"は、哀愁味たっぷりのミディアム・スロー・バラードで、この人の本領はこのあたりかなと感じます。
サックス・ソロがムーディーな"If I Had You"も、胸キュンのバラードでよいです。
現役のスワンプ・ポップ・シンガーで、Fats Dominoの影響が強い人では、この人とWayne Foretが双璧ではないかと強い印象を受け、即行で気に入りました。
一方、ギターを弾いている曲も聴いてみましょう。
Chuck Berryの"Johnny B. Goode"は、Berryの持つ小粋なスイング感も残しつつも、全体的には南部風で、ギターのトーンも若干ディストーションがかかっているので、かなりブルース・ロックに近い印象を受けます。
ギター・ソロでは、タッピング風の速弾きもあります。
まあ、選曲はベタですね。
さらに、もう1曲のギター曲が驚きます。
Stevie Ray Vaughnの1stのアタマに入っていた、Rayの作品、"Love Struck Baby"です。
原曲は、特徴的なイントロこそないですが、やはりChuck Berryスタイルのロックンロールでした。
ここでは、Ray Vaughnのクリアで素早いストラト・トーンを彷彿させつつも、サックスのブロウとギターのかけあいによる、独自の味付けで迫ってきます。
ブルース・スタンダードの"Sweet Home Chicago"は、Magic Sam風というか、映画Blues Brothers風に決めていますね。
そして自作曲、トラック5の"Louisiana(That's What Cajuns Do)では、元気一杯のケイジャン・ダンス曲も披露していて、なかなかにバラエティさもあって聴かせます。
トラック12の"Eleven Roses" などは、George Jonesの名作、"A Good Years For The Roses" を思い出させる、カントリー調のいい曲です。
全体の印象からは、古いスタイルのR&B好きの人、ちょっぴりカントリー風味を隠し味にしたスワンプ・ポップ・バラードが好きな人なら、本盤は気に入ると思います。
まあ、そのての方には、ブルース・ロック風の曲は賛否が分かれるかもしれませんね。
私はといえば、カオスな面白さとしてはOKで、不必要とまでは言いませんが、なくても好きです。
最近聴いている現役スワンプ・ポップ・シンガーの中では、メンフィス・ソウル志向が感じられない人でした。
普通にカントリーをやってもいいアルバムを作れる人だと思います。
トラック14の"Nobody's Darlin But Mine"がまた、胸キュン系のカントリー風味のバラードに仕上がっています。
トラック8の"Since You Left Me"の作者、D. Schurbは、現役のスワンプ・ポップ・シンガーのはずで、未聴ですが、近いうちに聴いてみたいひとりです。
Gary T.は、おそらく単独アルバムは、今のところこれだけではないかと思います。
私は、かなり気に入りました。
今後の動向を注意していきたいです。
また、50s60sのシングル曲があるのなら、ぜひ聴いてみたいです。
どこかのコンピに入ってないかな?
Take My Hand by Deuce Of Hearts
キーボードがGary、ドラムとリード・ボーカルが息子のTravis Thibodaux (多分)
追記
今日、Bobby Charlesの日本企画盤「ベター・デイズ」が届きました。
多分、惜しくて当分はながめて過ごすと思います。
ほかにも、Fame StoryやGeorge Jacksonのデモ集など、年末になって、続々とじっくり味わいたいアルバムが届きます。
嬉しいです。
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