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女の子は君を狙ってる

 来月の話ではありますが、Curtis Mayfieldの仕事をまとめたレアなコンピがリリースされるようで、気になっています。
 "Curtis Mayfield's Windy City Winners"というタイトルです。
 ご存じでしょうか。

 今回は、そのコンピの目玉の一つでもある、The FascinationsのCDを引っ張り出してきました。
 97年にSeaquelからリリースされたものです。

 
Out To Getcha !
The Fascinations

The Fascinations
1. Girls Are Out to Get You (Mayfield)
2. You'll Be Sorry (Draper, Mayfield)
3. I'm so Lucky (He Loves Me) (Draper)
4. Such a Fool (Mayfield)
5. I'm in Love (Mayfield)
6. O.K. for You (Mayfield)
7. I Can't Stay Away from You (Mayfield)
8. Say It Isn't So [Take 4] [Take 4] (Mayfield)
9. Say It Isn't So [Take 8] [Take 8] (Mayfield)
10. Just Another Reason (Mayfield)
11. Hold On (Mayfield)
12. Trusting in You (Mayfield)
13. Crazy (unknown)
The Mayfield Singers
14. I've Been Trying (Mayfield)
15. If (Draper)
The Mayfield Players
16. If-Strumental (Draper)
17. Still Trying (Mayfield)
18. Don't Start None (Draper)
19. Little Bird (Draper)
20. Lucky (Draper)
21. Foolish One (Mayfield)
22. So Sorry (Mayfield)
23. Out to Get'cha (Mayfield)

 50年代も終わろうとしていた頃の話だと思います。
 自動車産業の街、デトロイトに、芸能界での成功を夢見る二人の女の子がいました。
 まだ、モータウンが一大帝国を築く前のことです。

 二人の女の子、シャーリーとマーサには、夢がありました。
 女の子だけのボーカル・グループを作ってアイドルになることです。
 夢いっぱいの二人は、既にグループ名を決めていました。
 Sabre-ettesです。

 ある日、二人は夢のため、最初の行動を起こします。
 メンバーを募集したのです。
 オーディションの結果、三人の女の子を加え、5人組のグループが結成されました。

 この時、加わったのが、ゴスペル・グループ出身のボスウェル姉妹とファーン・ブレッドソーという女の子でした。
 オリジナル・サブレッツのメンバーは以下のとおりです。

Shirley Walker
Martha Reeves
Bernadine Smith (Boswell)
Joanne Levell (Boswell)
Fern Bledsoe

 まもなく、彼女たちは、The Fascinationsと改名します。
 ただ、この5人組で実質的な活動をしたのかは不明です。
 なぜなら、発起人の一人、マーサ・リーヴスが60年にグループを去ったからです。

 以後、メンバーを補充することなく、4人組として活動することになります。
 そして、62年には、カーティスと出会い、彼の後押しでシカゴに活動の場を移します。

 一方、グループを離れたマーサは、下積みも経験しましたが、マーヴィン・ゲイのコーラスに参加したことからチャンスをつかみ、大きな成功を得ます。

 
 というわけで、ファッシネイションズは、マーサ・リーヴスの最初のグループというトリビアが物珍しいですが、実は実力派グループです。

 基本的には、キュートなガール・グループとしての魅力が前面に出ていますが、「たった今教会から来ました」という感じのパワフルな面も持ち合わせていたのです。

 本アルバムでは、まず冒頭の"Girls Are Out to Get You"に注目です。

 彼女たちの代表曲であり、新しいコンピでもオープニングを飾る名曲です。
 サビでの「ガールザー アウタ ゲッチャ」のリフレインが耳に残る、ウキウキ感爆発のシカゴ・ダンサーです。
 カーティス版シュープリームスといったところでしょうか。

 続く"You'll Be Sorry"は、うって変わってディープな雰囲気のイントロから、アリサ・フランクリンばりの高音域を屈指するリード・シンガーが、頭のてっぺんから素晴らしい声を出しています。

 スローではこの曲でしょう。
 私が最近特に注目している、ディープなノーザンです。
 このリードは、誰ですか?
 バーナディーンですか。

 ディープでは、もう1曲、"Hold On"もお奨めです。
 ここでは、キュートさは何処へやら、ストロングなボーカルがさく裂しています。
 やはり、高音域でのボーカルが光っています。

 ところで、本アルバムの半分は、別のグループの音源が入っています。
 インスト・バンドのMayfield Playersと、男性ボーカル・グループのMayfield Singersです。
 Mayfield Singersには、リロイ・ハトソンやダニー・ハサウェイが在籍していたとの話もあるようです。

 Mayfield Singersの"I've Been Trying"は名曲ですね。
 この曲をやっていたのは、ジェリー・バトラー在籍時のインプレッションズだったでしょうか?
 私は、初期のインプレッションズや、カーティス制作のジェリー・バトラー、ジーン・チャンドラーなどが好きです。 

 当時のカーティスの才能、先進性は、ずば抜けていたと思います。
 "Peaple Get Ready"のリリースが65年だというのが凄いです。
 ひとり、時代の先端を行って、既に完成していると感じます。

 同じ年、オーティスは「愛しすぎて」を、ソロモン・バークは"Got to Get You Off My Mind"を出しました。
 このあたり、歴史というものは、秩序だって順々と進んでいくのではなく、いろんなことが同時進行しているのだなと感じます。
 バークは確かに凄い人ですが、何となくオーティスより前の世代の人だと思いがちです。
 
 カーティスは、時代をリードして、ソウルの先頭を走っていたと思います。
 逆に言いますと、早熟でピークが早かった気もします。

 本アルバムは、前半のFascinationsがメインです。
 素晴らしいガールズ・サウンドを堪能できますが、そのいくつかは、モータウンのサウンドを模したスタイルと言えなくもないです。

 ではありますが、これもまた、まぎれもなくカーティスのDNAなのだとも感じました。
 至福の1枚です。



Girls Are Out to Get Youです。






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