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ロバート・ウォード、びやびやギターの怪人

 想像してみて下さい。
 買い逃していたアルバムを発見したときって、どんな気持ちですか?

 私がこのアルバムを買った時のことは、もうほとんど覚えていませんが、声に出して喜びたいのを懸命に堪えたことだけは、よく記憶しています。


Hot Stuff
Robet Ward

1. I'm Tired
2. Forgive Me Darling
3. Up Town
4. Your Love Is Real
5. Something For Nothing
6. Touch Me Not
7. I'm Gonna Cry A River
8. Workout
9. Your Love Is Amazing
10. Hot Stuff
11. She's My Heart's Desire
12. What To Do
13. Let's Kiss And Make Up
14. Take This Love I've Got
15. The Swim
16. I Found A Love
17. My Love Is Strictly Reserved For You
18. Fear No Evil
19. Deeper In Love
 

 何しろ、ロバート・ウォードとオハイオ・アンタッチャブルズによる60年代の録音なのです。

 しかも、あの蜘蛛の巣のロゴのRelic盤なのです。
 私はサザン・ソウル.好きですが、Doo Wopをマニアックに掘り起こしていたRelicは、アナログ時代から大注目の会社でした。

 当時から、グレイトなファルコンズをまとめて聴けるのは、このレーベルだけでした。
 なぜかノーザンを偏愛する英国でさえ、多分今でも、ファルコンズのリイシューはないと思います。(サニー・マンロー時代の一部の音源は出ています。)

 ジョー・スタッブズ時代とウイルソン・ピケット時代を、それぞれ1枚ずつまとめたアルバムは、中身はもちろん、パッケージ・デザインも含めて最高のアイテムでした。

 このアルバムは、レリックの五本の指に入る渾身の仕事の1枚だと思います。

 ブラック・トップから出た、再発見アルバム(特に1枚目)が大好きだったので、そのアルバムでも再演していた曲のオリジナルがごっそり聴けるこのアルバムは、はっきり言って宝です。

 まず、ビブラートというか、トレモロ風のギターに大きな特徴がある人で、さらにディープかつスモーキーなボーカルもたまりません。
 ブラック・トップ盤での切れ味鋭いギターは、この60年代の録音でもたっぷり聴く事が出来ます。

 この人は、既に60年代からギターをビヤビヤ言わせていたのでした。
 個性の塊、正にワン・アンド・オンリーの怪人です。

 ディープ・ソウルからブルージーR&B、ファンクまで、全編にわたってかっこよすぎます。
 ロバート・ウォードは、リトル・ミルトンが、ビッグ・ブルースのコピーをやっていた頃から、すでにブルーズン・ソウルを体現していた人だったと思います。

 当時のデトロイトは、ノーザンだけじゃなくディープもすごかったという生きた証しが彼です。
 ノー・クレジットで反則ですが、バックを務めたファルコンズの超名作も、ちゃっかり収録されています。


           Your Love Is Real by Robert Ward






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