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2019年07月05日

大腸CTアカデミア 大腸内視鏡検診による利益

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PubMedから、今日のつぶやき − 518 −


Yoon JY, et al. Quality is the Key for Emerging Issues of Population-Based Colonoscopy Screening. Clin Endosc 2018; 51: 50-55.




それでは
「対策型検診としての大腸内視鏡検査における品質管理」
をご紹介します。

【大腸内視鏡検診による利益】の続き
大腸内視鏡検診による利益は慎重に判断されなければならない。

内視鏡の利益が、便潜血陽性者やS状結腸鏡検査陽性者
において検討されている研究もある。

また、大腸内視鏡検査による死亡率減少効果が
便潜血検査やS状結腸鏡検査による効果と差がない可能性もある。

というのも検診の効果はその検診で使用される検査の
受診率や受けるための容易さなども考慮しなければならないからである。

例えば、スペインのランダム化研究では
便潜血検診は内視鏡検査に比べて受診率が有意に高かった。
34.2% vs 24.6%, P<0.001

そのため両群間で大腸癌の検出率は差がなかった。
0.1% vs 0.1%, P=0.99

この研究のプライマリアウトカムは
10年間の大腸癌死亡の減少率の評価であり
両検診法の利益・不利益は本研究において
最終的に報告される予定である。

けれども、この中間報告のなかで最も関連性のある結果として
注目されるのが、1回の便潜血検査と1回の大腸内視鏡検査とで
大腸癌の検出率がほぼ同等であり、
ステージでも有意差がなかったことである。

(感想)
このスタディはClinicalTrials.govに登録されており
Identifier: NCT00906997 です。

こまめに中間を報告を出してきていますね。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28344793
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24859111

スタディの完了は2021年11月の予定です。

また、今回の内容は大腸内視鏡検査 vs 大腸CT検査
の受診率・検出率でも同様のことが
オランダから報告されています。

今後このあたりのことをさらに解明していく必要があるのでしょう。

それでは、また。


原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29397649

ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。



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プロフィール
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大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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