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2019年07月04日

大腸CTアカデミア 平均的リスクの受診者を対象とした大腸内視鏡検診の効果について

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
JDDW 2019が神戸で11月21日(木)〜24日(日)に
開催されます。

第57回日本消化器がん検診学会大会の会長は
松島病院大腸肛門病センター 松島クリニックの
鈴木康元先生です。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★





PubMedから、今日のつぶやき − 517 −


Yoon JY, et al. Quality is the Key for Emerging Issues of Population-Based Colonoscopy Screening. Clin Endosc 2018; 51: 50-55.




それでは
「対策型検診としての大腸内視鏡検査における品質管理」
をご紹介します。

【大腸内視鏡検診による利益】
平均的リスクの受診者を対象とした大腸内視鏡検診
の効果について複数の研究が評価を行っている。

ただし、直接的な死亡率減少効果を評価したものではなく
観察研究やコホート研究といった間接的評価である。

ケースコントロール研究では
初回大腸内視鏡検査後には
大腸がん罹患が約70%低下すると報告され
コホート研究ではポリペクトミー後は
大腸癌罹患が76-90%低下すると報告している。

6つの観察研究のメタアナリシスでは
大腸内視鏡検査により
40-60%の大腸癌罹患減少が報告されている。

コホート研究から大腸内視鏡検診の受診既往は
大腸癌罹患のリスクを著しく低下させると
報告している。
オッズ比 0.09

一般人口ベースのケースコントロール研究では
大腸癌死亡を30%低下させるとしている。

また、腺腫に対してポリペクトミーが実施された患者では
大腸癌関連死亡が53%低下するとも報告されている。

コホート研究では大腸内視鏡検査とポリペクトミーにて
大腸癌関連死亡がおおよそ65%低下することを示している。

このように非ランダム化ケースコントロール研究および
コホート研究からは平均的リスク者において
一貫して大腸癌罹患及び死亡が低下することを明らかにしている。

しかし、ランダム化比較試験による
死亡率減少効果はまだ証明されていない。


(感想)
そうなんですよね。
大腸内視鏡検査の有用性は明らかなようですが
まだ詰め切れていないのが現状です。

工藤班が秋田で実施している
大腸内視鏡検診の有効性評価のためのランダム化比較試験
の結果が楽しみですね。

それでは、また。


原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29397649

ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。



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プロフィール
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大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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