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posted by fanblog

2018年07月12日

大腸CTアカデミア メタアナリシスの結果から、高齢者に対する大腸CT検査は有用な検診方法といえるよ!

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PubMedから、今日のつぶやき − 277 −

Pickhardt PJ, et al. CT Colonography Performance for the Detection of Polyps and Cancer in Adults ? 65 Years Old: Systematic Review and Meta-Analysis. AJR Am J Roentgenol 2018 doi: 10.2214/AJR.18.19515. [Epub ahead of print]


昨日のつぶやき配信のあとの
ラインコミュニティでのやり取りのご紹介です。

(ラインコミュニティでのやり取り)


(Tさま)
対象者(≒有病割合や進行度の分布)の問題はあるとしても「感度」で記載していればまだマシな方だなと自分は思ってしまいます……
新聞とかでしょっちゅう「この新しい検査法は99%の精度でがんを判定できます」みたいなのを見ますが、そのたびに「精度って一体なんやねん! 感度なのかPPVなのか正診率(正診割合)なのかどれやねん!」と憤ってます(笑

(ナガイチ)
その通りですね。
分かります。
学会発表でも、四分表(クロス表)が書けないのに、
感度、特異度出してくることがありますね。
でも、そうした点を指摘すると逆に
こちらがうるさい人になってしまうこともあって厄介です。

(Tさま)
以前学会で、至適基準の検査も追跡調査もなにもせずに(つまりクロス表が絶対書けないのに)
「この検査は感度100%でした」という発表を見たときは我が目を疑いました。
他山の石とすると同時に、
そういう時は先生のように勇気を持って指摘しなくてはと思いました。

・・・・・

昨日のTさまのコメントはその通りですね。

コミュニティのメンバーでレベルアップして、
日本の研究レベルのボトムアップにつながっていけたら楽しいですね。

このあたり、学会などのカンファレンスで
ざくざく言い合う米国のほうがレベル高いと思います。

日本も追いついていかなければなりません。


ただ、ひとつ謎があります。
Tさまの昨日の最初のコメントですが、
関東出身なのに
なんで関西弁!?
今週最大のミステリーです・・・。


さて、それでは論文
「65歳以上の対象者に対する大腸CT検査の大腸腫瘍性病変検出能
 システマティックレビューによるメタアナリシス」
のご紹介です。


【考察】
無症状の高齢者に対する検診としてみた場合、
有症状者や便潜血検査陽性者に比べると、
そのアドバンスド腫瘍の頻度は少ないのであるが、
今回のメタアナリシスの結果から、
高齢者に対する大腸CT検査は
有用な検診方法であることが判明した。

とくに10ミリ以上という病変サイズで
大腸CT検査から大腸内視鏡検査に
紹介することが妥当である。
内視鏡への紹介率を10%以下に抑えることができ
無症状の高齢者12人に1人の割合となる。

アドバンスド腫瘍や大腸がんの陽性率は
80%以上と高く、
ピッカード先生の施設では90%以上である。

さらに、大腸がんの感度について
大腸CT検査の施設間格差は
大腸内視鏡検査に比べ小さく
均一である。

(感想)
検診とした場合には、
その陽性率は大切です。
陽性率があまりに高ければ
検診としての意味外が薄れますし、
偽陽性が増え、受診者の不利益が増します。

現在、研究会の仲間で
GAIA-4「大腸CT検査の検査目的別陽性率、内視鏡受診率、
および陽性適中率の調査」という研究を行っています。

大腸CT検査に熟練した施設でも陽性率やPPVにばらつきは
多少みられるようです。
現時点では施設間の対象者の年齢構成などまだ加味できていませんが。

一方、大腸内視鏡検査は内視鏡主義の習熟に
ある程度長い期間を要しますので、
大腸CT検査よりさらに施設間格差が大きくなるのでしょうね。

おりしも昨日(ラインコミュニティ配信時)
第24回がん検診のあり方に関する検討会が開催されました。

この中で、日本でも検診の年齢上限についても議論がはじまっています。
さらに高齢者における大腸がん検診陽性者に対する
精密検査未受診率が高いことも取り上げられてきました。
「内視鏡が困難な場合に大腸CT検査を」
という認識や体制が整えば、
状況も変わっていくように感じました。

今日はこのあたりにしますね。

それではまた。


原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29667892


ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。



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大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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