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2018年07月09日

大腸CTアカデミア 世界の大腸CT検査による大腸がん検出の感度は!?

★★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ブログ「大腸CTアカデミア」では
非常時の備えを特集中です!
備え第1弾「飲料水
備え第2弾「食料
備え第3弾「バッテリー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★





PubMedから、今日のつぶやき − 274 −

Pickhardt PJ, et al. CT Colonography Performance for the Detection of Polyps and Cancer in Adults ? 65 Years Old: Systematic Review and Meta-Analysis. AJR Am J Roentgenol 2018 doi: 10.2214/AJR.18.19515. [Epub ahead of print]




それでは、論文
「65歳以上の対象者に対する大腸CT検査の大腸腫瘍性病変検出能
 システマティックレビューによるメタアナリシス」
のご紹介です。

長いシリーズとなってきましたが、
今後の日本を見据えると
重要なテーマだと思います。

【結果】

「大腸CT検査による大腸がん検出感度」

21研究、7705名のプールされたデータによると
感度は93%(95%CI, 89-95%)。

研究間によるばらつきは有意ではなかった。

出版バイアス(publication bias、否定的な結果が出た研究は、肯定的な結果が出た研究に比べて公表されにくいというバイアス)は認めなかった。

有症状者と無症状者間で感度の差に
有意差は認めなかった。

(ただ、オッズ比は3.2、95% CIは0.87-12.3, P値=0.10
ですから、有症状者の方が感度は高くなる傾向ですね)

「大腸CT検査における不適切な検査と偶発症」

20研究、12,936名における不適切検査は
2.0%(95% CI, 1.0-3.8%)で、
試験間のばらつきを認めた。

26研究、14,007名における重い偶発症(穿孔など)は
0.5%(95% CI, 0.1-0.5%)であった。
研究間でばらつきは認めなかった。
無症状者では0.2%(95% CI, 0.09-0.36%)
有症状者または便潜血陽性者では0.4%(95% CI, 0.11-0.50%)
であった。
症状の有無では有意差を認めなかった。

(感想)
日本の偶発症全国調査では、
無症状者に比較して術前症例者の検査では有意に
穿孔率が高くなる結果でしたが、
無症状者と精検目的の有症状者ではやはり
差はありませんでしたね。

今日は短めですが、このあたりにしておきますね。

それではまた。




原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29667892


ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。




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大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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