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2018年03月27日

大腸CTアカデミア  同時性大腸腫瘍の特長!

PubMedから、今日のつぶやき − 203 −

Horvat N, et al. Clinical Value of CT Colonography Versus Preoperative Colonoscopy in the Surgical Management of Occlusive Colorectal Cancer. AJR Am J Roentgenol 2018; 210(2):333-340.


つぶやき − 202 −
のあとのラインコミュにンティでのやり取り
のご紹介です。


「T様」

リンク先のトランプの記事読みました……
「国立衛生研究所(NIH)の予算も60億ドル削られるとみられる。
これによりNIHの予算額は過去15年間で最低の水準となる」

……ひえーーーー
温暖化対策を推進している環境保護局(EPA)の削減も半端ないですね。


「エビデンス」の指す意味は学問領域によって多分微妙に異なるのだと思いますが、
自分はざっくり「論理的に思考すれば誰でも同じ結論が導かれる客観的なデータ」
のようなものと考えています。

トランプ大統領はそもそもそんなデータを見もしないか、
仮に見ていても全く論理的な思考をしていないから、
結論が間違っているのだと思います。


「ナガイチ」
その通りですね。

再現性のないもの、
他の人が同じ方法でやっても同じ結果が得られないこと
はサイエンスではないですね。

補足です。

再現性のないことが悪いことではありません。
これはアートですね。
アートも素晴らしいことです。

ただ、サイエンスの世界では
再現性のないことは
アートではなくフェイクだと思うのです。

さらに追加の補足です

技術の世界、つまり
内視鏡や手術などの手技ではアートは大切ですよ?

でも、撮影法や読影法などはアートではなくてエビデンスですね。

あくまでサイエンスの世界ではエビデンスが極めて大切だというお話でした。



先日、「まつおかクリニック」さまを訪問させていただきました!
素敵なクリニックでしたよ〜


素晴らしいご施設を今後もご紹介させていただきたいと思います!



それでは、論文「閉塞性大腸がんの治療計画における
大腸CT検査と大腸内視鏡検査の臨床的比較評価」
のご紹介です。

予告通り本文にはいっていきましょう。

米国の状況や同時性病変の知識が確認できて
役立つますよ〜

【イントロダクション前半】
大腸がんは、2016年のデータでは
米国のがん死因の第2位である。

この20年間、大腸がんの早期発見とその治療により
がん死亡を着実に減らしてきた。

外科治療においては、全大腸を評価することが、
適切な外科治療を進める上で肝要である。

過去の研究から、大腸がん症例において
同時性大腸がんは2.2〜8.1%に
同時性大腸ポリープは28%に認めると
報告されている。

大腸内視鏡検査は、全大腸観察の
標準的検査法であるものの、
次のような理由で全大腸観察ができない場合がある。
・高齢者
・腸管前処置不良
・腹部手術既往(癒着)
・大腸の走行異常・過長症
・炎症性腸疾患の既往

そして、
・閉塞性大腸がん
である。

同時性大腸腫瘍性病変を
外科治療中に評価することは、
近位側腸管内の残渣などにより困難である。

(あ、前回のつぶやきでコメントしたとおりですね。
言うは易すしなのですが、現実にはなかなか難しいのですよ)

近位側腸管の同時性大腸腫瘍性病変を
見逃すことは、再手術を必要としたり、
場合によっては病変の進行により治療のタイミングを
逸してしまうといったリスクがある。


(感想)
そうですね。
全く同感です。
元外科医として、このあたりはよく研究してました。

関係ある論文としては下記などがありますよ。

今回取り上げた論文でも引用してくれています(文献15)。
Nagata K, et al. PET/CT colonography for the preoperative evaluation of the colon proximal to the obstructive colorectal cancer. Dis Colon Rectum 2008; 51: 882-90.

症例報告です。
無料できれいな画像が見られます。
ご興味のある方はどうぞ。
Nagata K, et al. Double colorectal cancer only diagnosed by computed tomographic colonography. Case Rep Gastroenterol 2008; 2:44-8.

2004年の症例報告です。
もう14年も経つのですね。
Nagata K, et al. Triple colon cancer successfully demonstrated by CT air-contrast enema. Dig Surg 2004; 21: 10-1.

それでは、また。


原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29261351


ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。




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大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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