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2014年02月27日
苫前・三毛別の熊嵐
北海道で渓流つりを行うものにとって一番怖い存在は熊だ。年長者ならば、釣りをしている最中にその姿を見たり、足跡や糞、獣臭、威嚇する声などの経験が一度や二度はあるはず。
北海道のヒグマは、成熊では本州にいる月の輪熊よりも一回りちかく大きく、体長が3メートルに及ぶものもいるという。最近は、山奥にまで分け入る山菜取りや、渓流の上流を目指す釣り師の増加で、目撃頻度が高まっている。また、離農などで山と街の緩衝地域となっていた里山が、人の手を離れ山に同化したことから、熊の出没範囲は人間の住居地区により近づいた。札幌でもマンションが立ち並び、交通量も半端ではない西区や南区の市街地にまで姿を現した。昨年、その出現した場所から我が家まで500m足らずと、とても人ごとではなくなった。
大正4年12月に、現在の苫前町三毛別地区で日本の獣害事件で最大規模の被害が発生した。これが後に「熊嵐」という名前で小説化され、北海道ではTVドラマも作られたので、覚えている人も多いと思う。
この三毛別の部落は、苫前町市街地から20kmほど奥に入った森林地帯の一角にある。当時この部落には15戸の開拓農民が住んでいた。そこに、12月9日に体長が2.7メートル、340kgの巨大なヒグマが突然現れ、9日から14日にかけて幾度も出没。その結果7人が食われたりして死亡、3人が重症を負った。
この事件の発生した場所に、当時開拓民が住んでいた家と、襲ったヒグマが再現されている。私は、2年前の10月に名寄から苫前町を経由して留萌に向かう途中で、「熊嵐の事件現場ここから00km」という看板を見つけた。多分一人だったら行かなかったが、興味に駆られ車を飛ばした。30分ほど走って“現場”に着いたのは午後4時ちかく。まだ、陽は残っているものの、今すぐ熊が出てもおかしくないほど鬱蒼とした森の中にあり、ここで被害のあったことが納得できた。もし、留萌や羽幌に行く機会があれば、一度寄ってみるといい。そこは、当時と変わらぬ恐怖と緊張感の満ちた空気が漂っているから。
写真は事件当時を再現した三毛別の開拓農民住居。苫前町が作成したパンフレットから掲載。茅葺家との対比で、ヒグマがどれだけ大きかったかが分かる
北海道のヒグマは、成熊では本州にいる月の輪熊よりも一回りちかく大きく、体長が3メートルに及ぶものもいるという。最近は、山奥にまで分け入る山菜取りや、渓流の上流を目指す釣り師の増加で、目撃頻度が高まっている。また、離農などで山と街の緩衝地域となっていた里山が、人の手を離れ山に同化したことから、熊の出没範囲は人間の住居地区により近づいた。札幌でもマンションが立ち並び、交通量も半端ではない西区や南区の市街地にまで姿を現した。昨年、その出現した場所から我が家まで500m足らずと、とても人ごとではなくなった。
大正4年12月に、現在の苫前町三毛別地区で日本の獣害事件で最大規模の被害が発生した。これが後に「熊嵐」という名前で小説化され、北海道ではTVドラマも作られたので、覚えている人も多いと思う。
この三毛別の部落は、苫前町市街地から20kmほど奥に入った森林地帯の一角にある。当時この部落には15戸の開拓農民が住んでいた。そこに、12月9日に体長が2.7メートル、340kgの巨大なヒグマが突然現れ、9日から14日にかけて幾度も出没。その結果7人が食われたりして死亡、3人が重症を負った。
この事件の発生した場所に、当時開拓民が住んでいた家と、襲ったヒグマが再現されている。私は、2年前の10月に名寄から苫前町を経由して留萌に向かう途中で、「熊嵐の事件現場ここから00km」という看板を見つけた。多分一人だったら行かなかったが、興味に駆られ車を飛ばした。30分ほど走って“現場”に着いたのは午後4時ちかく。まだ、陽は残っているものの、今すぐ熊が出てもおかしくないほど鬱蒼とした森の中にあり、ここで被害のあったことが納得できた。もし、留萌や羽幌に行く機会があれば、一度寄ってみるといい。そこは、当時と変わらぬ恐怖と緊張感の満ちた空気が漂っているから。
写真は事件当時を再現した三毛別の開拓農民住居。苫前町が作成したパンフレットから掲載。茅葺家との対比で、ヒグマがどれだけ大きかったかが分かる