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2017年04月08日

アガサ・クリスティから (122) (ミス・マープルと十三の謎*血に染まった敷石【6】)







(ミス・マープルと十三の謎*血に染まった敷石【6】)







その時だった・・・今朝、自動車でやって来たデニスと呼ばれていた若い男性が旅館の玄関から出て来た。






その男性は通りのあちらこちらを困ったように見回していた。
一方、上のバルコニーでは彼の妻が出てきて、水着を取り込んでいた。






男性は自動車の方に行きかけたが、急に方向を変えて、漁夫の方に来るとたずねた。

「ちょっと君、知らないか?後から自動車出来たあのご婦人はここへもう帰って来たのだろうか?」






「花がいっぱいついている服を着た奥さんだね?知らねえなあ、だんな、わしは見ませんがね。あの方はほら穴の方へ、崖っぷちを歩いて行ったですがね。」






「そりゃあ、知ってるんだ、僕らもそこで一緒に泳いだんだからね。それからあの人は僕らを残して先に帰ったんだ。だのにまだ会わないんだよ。こんなに時間がかかるはずはないからなあ、ここいらの崖はあぶないんじゃないのかい、え?」






「そりゃあ、歩いていく道によりますな。まあ安全のはよくこの辺を知っている男を一緒に連れていくことでさあね。」






それには、この俺がと言わんばかりにくどくどと漁夫は話し始めた。
が、若い男性はそっけなく彼を振り切ると、旅館の方に戻って、バルコニーにいる妻に声を掛けた。






「おーい、マージェリー、キャロルはまだ帰ってこないっていうぜ。おかしいねえ?」








(次号に続く)




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2017年04月06日

アガサ・クリスティから (121) (ミス・マープルと十三の謎*血に染まった敷石【5】)







(ミス・マープルと十三の謎*血に染まった敷石【5】)









彼がしゃべっている間もジョイスは絵筆を走らせていた。






ところが、ふと気が付くと、彼の話につりこまれたのか?そこには通常あり得ないであろうものまで、描き込んでしまっていた・・・旅館の前の白い敷石の上にはっきりと血痕を描き込んでいたのだ・・・。






心が手を動かして、見知らぬうちにこんなことをしてしまうなんて、あまりないことだった・・・しかし、いま一度、旅館の方を見て、ぞっとした・・・白い敷石の上にまさしく血のしたたりがあったのだ・・・。






やっぱり目が見たものを描いていたのだ・・・少しの間、その血痕をまじまじとみつめると、目を閉じて、ジョイスは自分自身に言い聞かせた・・・『つまらぬことを考えないで。あそこには何もないんだ、けっして。』






そして目を開けたが・・・血痕は確かにそこにあった・・・。

もう我慢がどうにも出来なくなって、ジョイスはいつ終わるとも分からない漁夫の話をさえぎった。






「あのう、私は目があまりよくないんだけど、あそこの敷石の上にあるのは、あれは血痕なんでしょうか?」







その男はいたわるようにジョイスをのぞきこんだ。
「もう今は血の染みなんかありゃしねえですよ。わしが話していることはもう500年も昔のことですからな。」






「そうよ、だけど・・・今・・・敷石の上に・・・。」






・・・・・言葉が口の中で途切れてしまったのは・・・気がついたからだった。漁夫はけっしてジョイスが見たものを見ようとはしないことを・・・。






その時だった・・・今朝、自動車でやって来たデニスと呼ばれていた若い男性が旅館の玄関から出て来た。





(次号に続く)




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アガサ・クリスティから (120) (ミス・マープルと十三の謎*血に染まった敷石【4】)







(ミス・マープルと十三の謎*血に染まった敷石【4】)







三人は海水浴の話をしていたようだった。






夫はデニスという名前らしかった・・・ボートに乗って海岸を回りたい、一見の値打ちがある有名なほら穴が1マイルぐらい先にあるんだと言っていた。






キャロルは、ほら穴は見たいのだが、ボートに乗るのは気が進まないので、絶壁を歩いて行って陸の方から見ようと思う。と言っていた。







結局、三人は・・・キャロルは崖の道を行き、ほら穴で二人と落ち合う約束をし、デニスとマージェリーはボートをこいで行くことになったらしかった。







ジョイスも海水浴の話を聞いて、泳ぎたくなり、その日の午前中は小さな入り江で海水浴をし、簡単な食事をとって、お昼には村に戻って来た。






実際、絵を描く仕事をするのには午後の日差しの方が、ずっと効果的でもあったのだ。
その光が織りなす陰影は何とも言えない素晴らしいものだった・・・。







例の古い旅館、ポルハーウィズ・アームズのスケッチが、画家ジョイスの主眼だった。
斜めに傾いた一条の日の光が旅館の手前の地面に差し掛かり、面白い効果を出していた。







海水浴に行った三人も無事に帰ったようで、真っ赤なのと紺色のと二つの水着がバルコニーに干してあった。






スケッチの片隅に何かしら、気に入らないところが出来たジョイスはしばらくの間、そこにかがみこんで絵をなおしていた。
旅館の1本の柱に一人の漁夫がたたずんでいた・・・まるで悪計をたくらむスペインの船長のような風貌で長い黒い口髭を生やしていた。
その漁夫は、絵を描いているジョイスの元に近づいてきて、しゃべり始めた。






「ラソールってところは面白いところでしてね。」







彼はあの砲撃・・・もとい、村の全滅の話をし始めた。
ポルハーウィズ・アームズ旅館の主人は最後まで頑張ったが、スペイン船長の刀で自分の家の玄関口で切り付けられた・・・その血は敷石の上にほとばしって、百年たってもその血痕を誰もぬぐい取ることは出来なかったと。







とても詳しく話してくれた漁夫は、とても柔らかな声だったが、同時に何か底に脅かすようなものがあるように感じられた・・・残酷な話・・・宗教裁判やスペイン人がしたことの恐ろしさをジョイスに分からせたのだった。






彼がしゃべっている間もジョイスは絵筆を走らせていた。






ところが、ふと気が付くと、彼の話につりこまれたのか?そこには通常あり得ないであろうものまで、描き込んでしまっていた・・・旅館の前の白い敷石の上にはっきりと血痕を描き込んでいたのだ・・・。









(次号に続く)




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2017年04月05日

アガサ・クリスティから (119) (ミス・マープルと十三の謎*血に染まった敷石【3】)







(ミス・マープルと十三の謎*血に染まった敷石【3】)







やぼったく地味な妻と目をひく程、派手な知り合い?の女性。






スケッチをしていた画家ジョイスはこの妙な遭遇の場面に偶然、立ち合い、不思議な気持ちがしていた・・・。







偶然に出逢った派手な女性と男性は旅館の方に坂道を上って行った。。
そして妻であろう地味な女性も旅館の玄関口から二人の方に歩いて行った。







ジョイスはキャロルと呼ばれた女性を通りすがりにちらりと見た。
ほんの一目だったが、白粉(おしろい)を塗りたくったあごと、燃えるように赤い口元が見えた・・・。






ジョイスはいぶかった・・・心の中で・・・マージェリーがこの女性と会って本当に喜ぶのかどうか?とてもそうは思えなかった・・・マージェリーを近くで見た訳ではないが、遠目にもやぼったく、少々、堅苦しすぎる程の感じの人であったからだ。







さて、ジョイスはこんな見知らぬ人達のことは、当然、預かり知らぬことであったが・・・でも人の世のささいな出来事をちらりと垣間見て、不思議な気持ちになり、妙に気にはなっていた。







その人達が立っているところから、ジョイスがいるところへは話のほんのきれはししか聞こえてこなかった。







三人は海水浴の話をしていたようだった。






(次号に続く)




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2017年04月03日

アガサ・クリスティから (117) (ミス・マープルと十三の謎*血に染まった敷石【1】)







(ミス・マープルと十三の謎*血に染まった敷石【1】)







「不思議なことですけど・・・」
ジョイス・ラムプリエールは語り始めた。







彼女はこの話をあんまり皆に話そうという気はおきないのだと言う。
5年前に起こった出来事が彼女の頭の中にはずっと、こびりついていて、忘れることが出来ない話になったようだった・・・。

表面は明るい微笑みを浮かべていて・・・その下に身の毛がよだつものがひそんでいるような・・・と彼女は形容した。
不思議なことに彼女の作品の描いたスケッチにまで同じような不吉な雰囲気が染み込んでいるようだった。







場所はラソール、コーンウォールの風変わりなちっぽけな漁村・・・絵のように美しい、美しすぎるところのようだった。







彼女は写生しようというつもりでコーンウォールに来ていた。






古い歴史ある建物・・・ポルハーウィズ・アームズという旅館・・・とても素敵な昔風の建物の正面、四本の柱の上にのっかったポーチが気に入り、画家ジョイスは仕事に取り掛かろうとした。






その時だった・・・一台の自動車が丘をうねうねと曲がりながら、はうように降りて来た。
彼女が一番止まって欲しくなかった旅館の前で止まった。






二人の人が降りて来た・・・男性と女性と・・・ジョイスは特によく見た・・・女性はふじ色の麻の服を着て、同じ色の帽子をかぶっていた。





(次号に続く)




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2017年03月30日

アガサ・クリスティから (116) (ミス・マープルと十三の謎*金塊【19】)







(ミス・マープルと十三の謎*金塊【19】)






「ああそれは、ねえ、私は自動車のことは分かりませんけれど、すぐに気がつきましたよ。」
と、ミス・マープルが言った。






ミス・マープルいわく・・・車輪を取り換えるところを何回か見たことがあるとのこと・・・つまり車輪を取り換えたのだと。

ケルヴィンのトラックから車輪を外して、小さな方の戸口から抜け出してニューマンのトラックにはめ込む。
そしてそのトラックに乗って海岸まで降りていき、金塊を積む。
今度はトラックでもう一つの門から帰って来た。
あとは車輪を外して、再びケルヴィンのトラックに取り付けたのだろうと、ミス・マープルは皆に分かるように説明した。





「その間に誰かがニューマンを縛って溝の中に入れたんです。随分、ご苦労なことだったでしょうよ。それに思ったより発見されるのが遅かったですしね。その仕事は園丁と名乗った男が手伝ったんだと思いますね。」






「『園丁と名乗った』ってどうしていうんですか?ジェーン伯母さん。」
レイモンドは不思議そうにたずねた。






「それはね、その男は本当の園丁のはずはありませんからね。本当の園丁ならウィット・マンディ(聖霊降臨祭=キリスト教・ペンテコステという習わし後の第一月曜日)には決して仕事をしませんよ。そんなことは誰だって知ってますわ。」






ミス・マープルはほほえんで、きちんと編み物をたたんだ。
「本当に、私が正しく見抜くことが出来るのはほんの小さなことからなんですよ。」





彼女はレイモンドをじっと見ながら言った。
「おまえが家庭でも持つようになって、ねえ、自分の庭でも持ってみたら、こんな小さなこともいろいろ覚えるんでしょうけどね。」






〜〜ミス・マープル・金塊  THE END〜〜

●今回で金塊は終わります。次号からは、同じくミス・マープルと13の謎の中から、(血に染まった敷石)です。





(次号に続く)




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2017年03月27日

アガサ・クリスティから (115) (ミス・マープルと十三の謎*金塊【18】)








ヘンリー卿はとつぜん大声で笑いながら、はたと膝を打った。






「こんども参ったな、レイモンド。それにしてもミス・マープル、あなたは素晴らしい方ですね・・・」






「君の友達のニューマンはね、ねえ君、もう一つの名前・・・いや実際には5つか6つの別の名前がくっついているんだよ。・・・」





ヘンリー卿は説明を始めた・・・。






いわゆるニューマンと名乗る男は、現在はコーンウォールにはいないで、デヴォンシャイア、正確に言えば、ダートムーアに入っていた・・・プリンスタウン刑務所の囚人になっていたのだ。
警察はその金塊事件では、彼をあげなかったが、ロンドンの銀行の金庫破り事件で逮捕をしていた。

やつの前歴を洗っているうちにポル・ハウスの庭に盗まれた金塊の大部分が埋まっているのを発見した。






あのコーンウォールの海岸地方は金塊をいっぱい積んで沈んだガリオン船の物語が多くあり、それを上手く利用したのだという。

それだからこそ、潜水夫のことも説明がつくし、その後で金が出てきても弁解できる。
しかし、身代わりが必要だった・・・ケルヴィンは、それにはうってつけだった。






「ニューマンはこの一幕ものを実にうまく演じたんですね。そしてわが友、レイモンド君は、作家として令名
高い、申し分ない証人となったというわけですな。」







「でもタイヤの跡のことはどうなの?」
ジョイスが異議をとなえた。







「ああそれは、ねえ、私は自動車のことは分かりませんけれど、すぐに気がつきましたよ。」
と、ミス・マープルが言った。






(次号に続く)




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2017年03月25日

アガサ・クリスティから (114) (ミス・マープルと十三の謎*金塊【17】)







(ミス・マープルと十三の謎*金塊【17】)






「では、さあ、ジェーン伯母さん、何かおっしゃることがあるでしょうね?」







「ちょっと待って。糸目を数え間違えたらしいわ。二目裏編み、三目表編み、すべらし目がひとつと、二目裏編み・・・そう、これでよろしいと。なんですって?レイモンドや。」







「この話に対しての伯母さんの意見は?」






「お前には私の意見は耳が痛いでしょうね。ねえ、若い人たちは皆そうでしょうとも。何も言わない方が良さそうですね。」






「馬鹿なこと言わないで、ジェーン伯母さん、言ってくださいよ。」






「じゃあねえ、レイモンド。」







ミス・マープルは編み物を置いて、甥の顔をのぞいた。






「お前はもう少し友達の選び方を注意しなければいけませんね、お前はすぐ人を信用するからだまされやすいんですよ。物を書く人で創造力があり過ぎるからでしょうよ。みんな夢みたいなスペインのガリオン船の物語ですからねえ!もっと年を取っていて、世の中のことが分かっていたら、すぐそこで用心したでしょうよ。その上、わずか2〜3週間しかつきあっていない人ですもの!」







ヘンリー卿はとつぜん大声で笑いながら、はたと膝を打った。






「こんども参ったな、レイモンド。それにしてもミス・マープル、あなたは素晴らしい方ですね・・・」






(次号に続く)




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2017年03月24日

アガサ・クリスティから (113) (ミス・マープルと十三の謎*金塊【16】)








(ミス・マープルと十三の謎*金塊【16】)







「しかし、われわれは十分な確証もなしに事実をうのみにしているようだね。」






「病院の看護婦の証言を信じる前に彼女が本当のことを言っているのかどうかよく調べなくっちゃね。そんな即座にあげられたアリバイなんて、かえって我々には疑わしく思われますな。」







「ところがもうひとつ女流画家の証言もあるんです。」
とレイモンドは言った。

彼女は痛みのためにほとんど夜中、目を覚ましていた。
もしトラックが出ていけば、普通の音ではないし、嵐の後の静かな夜だったので、聞き逃すはずはないと断言した・・・。






「うむ。」と、牧師が口を開いた・・・。

「確かに新しい事実ですな、ところでケルヴィンは自分のアリバイをはっきりさせていますか?」






レイモンドは説明した・・・ケルヴィンは、家にいて10時から以降は寝床に入っていたと証言した。ただその件についての証人はいなかった。






「看護婦もうたた寝してしまったし、病人もきっと、そうなのよ。だいたい病気の人は、自分じゃあ一晩中まんじりともしなかったなんて思うものなのよ。」






レイモンド・ウェストはペンダー博士をうながすように見やった。






「私にはそのケルヴィンという男が気の毒だと思われるんですがね。犬を殺そうと思ったら、まず狂犬呼ばわりせよ(悪評はなかなか抜けないの意味)ということわざの良い例のように思われますな。ケルヴィンは刑務所にいましたが、たしかにタイヤの跡の一致はさておき、彼に不利なこともとりたててないようです。ただ彼の不幸な前科が悪いだけで。」






「あなたのご意見は?ヘンリー卿。」






元ロンドン警視庁・警視総監であったヘンリー卿は首を振り、「あいにく。」と笑いながら言った。

彼に言わせると、この事件について立場上、知り得ることがあったのだと言う・・・ゆえに皆の推理が終わるまで、しゃべるのを控えるべきだと思ったらしい。
イギリス紳士のフェア・プレイ精神とでもいうべきなのだろう。






「では、さあ、ジェーン伯母さん、何かおっしゃることがあるでしょうね?」







「ちょっと待って。糸目を数え間違えたらしいわ。二目裏編み、三目表編み、すべらし目がひとつと、二目裏編み・・・そう、これでよろしいと。なんですって?レイモンドや。」






(次号に続く)




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2017年03月23日

アガサ・クリスティから (112) (ミス・マープルと十三の謎*金塊【15】)







(ミス・マープルと十三の謎*金塊【15】)









「きゃつをとっちめたぞ。もう確かだ!後部の左の車輪に、あの車の模様の跡がぴったりとあるんだ。さてケルヴィン先生、いくらおりこうさんでももう逃れる道はないと思うがね。」






レイモンド・ウェストはここまでで、話を突然、切った。






ジョイスは首をかしげた・・・。






「それからどうなの?」とジョイスが言った。






「今までのお話にはぜんぜん問題にするようなことがないじゃあありませんか?・・・金塊が見つからなかったとでも言わない限り。」







「たしかに金塊は見つからなかったんですよ。そしてケルヴィンもつかまえられなかったんです。やつの方が警察より役者が上だったからだと思います。しかしどう細工をしてごまかし通せたか今だってわからないんだ。彼は当然、逮捕されました・・・タイヤの跡の証拠でね。だけど途方もない引っ掛かりが出て来たんです。」






レイモンドは説明を始めた・・・ガレージの大きな戸口の向かい側に女流画家が夏の間だけ借りている小さな家があり、その女流画家が2〜3週間病気のため、二人の病院の看護婦が付き添っていたとのこと。
夜間勤務の看護婦は窓のよろい戸を上げ、肘掛け椅子を窓際まで引っ張って行って、そこに腰かけていた。
彼女は、確かにトラックが向かいのガレージを出なかったと断言したのだ。






「それはたいして問題にはならないと思うわ。」
とジョイスが言った。

「その看護婦は寝ちゃってたのよ。もちろん。あの人たちいつもそうなんですもの。」






「それも・・・まあ・・・ありそうなことですな。」と弁護士のペザリック氏が、物分かりの良さそうな口を聞いた。







「しかし、われわれは十分な確証もなしに事実をうのみにしているようだね。」







(次号に続く)




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