2017年05月06日
アガサ・クリスティから (134) (ミス・マープルと十三の謎*動機 対 機会【1】) 余談の前編
(ミス・マープルと十三の謎*動機 対 機会【1】)余談の前編
ミス・マープルの短編集から、(序章火曜日クラブ)(元警視*ヘンリー卿製薬会社の外交員ジョーンズ夫妻の話)(老牧師*ペンダー博士アスターテの祠)(作家*レイモンド金塊)(女流画家*ジョイス血に染まった敷石)と、進んで来て、次は(弁護士*ペザリック動機 対 機会)の番になりました。
ここで、小休止の余談をはさみたいと思います。
我らの独特な探偵でもあるミス・マープル。
(火曜日クラブで繰り広げられている推理劇)
ここまでは全戦全勝・・・田舎の小さな村セント・メアリーミードから、ほぼ出たことのない老婦人ながら、凄腕なのです。
ふわふわの白髪で編み物を黙々としながら、並み居る切れ者達(元警視、老牧師かつ博士、弁護士、作家、女流画家)を尻目に、ズバリ推理を次々と決めていき、最初はあまり期待していなかった世の名士達の度肝を抜いていきます。
名士揃いのメンバーは、元警視、弁護士、老牧師とも、それぞれ、事件を知り得るであろう立場の専門家であり、また深い洞察力や審美眼を持つ作家や画家もいます。
その華やかなメンバーの中で、ミス・マープルだけは田舎からあまり出たこともない老婦人(未婚のまま、お婆ちゃんになったという)で、何も持たざる人(=推理にはかけ離れた存在の意味)だと、皆、思っていました。
この有志で、(火曜クラブ)を立ち上げた際もミス・マープルのことは、屋敷の片隅に溶け込むように編み物をしている老婦人としか誰も思わず、メンバーも眼中になかった程です。
メンバーの人数が足りないとなった時、(私がいますよ。)と手を挙げたミス・マープルに対し、あまりにも場違いな老婦人に、皆驚きました。
ただただ失礼のないよう、レディ・ファースト、紳士的な態度で、彼女を形式的にメンバーに受け入れただけでした。
もちろん、期待など皆無でした。
ところが、このメンバーが一人づつ、まだ誰も知らないが、解答が分かっている事件を提供し、推理をしていく(火曜クラブ)の中で、ミス・マープルは実力を発揮します。
高い能力や専門的な知識と機会に恵まれたメンバーより、すぐれた推理を展開、謎をどんどん解いてしまいます。
彼女の武器は、何もないように思えるのですが・・・実は彼女いわく、彼女が生涯を静かに過ごした片田舎の小さな村にこそ、事件の謎を解く鍵が落ちているというのです。
皆が聞いたこともない村人たちの暮らしの中で生じたあれこれを持ち出し、その中に相似点を見いだし、謎を解いていくのです。
人間に対する深い洞察力と共に・・・。
まるで数学の幾何学的概念、フラクタルのようです。
大きな断片を一部切り取った小さな断片には、自己相似点があるという・・・。
つまりミクロもその自己相似で、マクロを表し、その逆も真なりということなのだと。
人が知らないような片田舎の小さな村の人間模様の中にもドラマがあり、様々なことから
ミス・マープルは難問を解いていきます。
華やかな大都会の特殊な事件簿にも、小さな田舎村にも通ずるもの・・・根本には人間の普遍性があるかのように・・・ミス・マープルはメンバーの中でただ一人、的確な推理を展開していきます。
(余談の後編、次号、に続く)
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