2017年04月30日
アガサ・クリスティから (133) (ミス・マープルと十三の謎*動機 対 機会【1】)
(ミス・マープルと十三の謎*動機 対 機会【1】)
弁護士であるペザリック氏はいつもよりもいささか重々しい咳ばらいをした。
「わたしは小さな問題はみなさんにはちょっと退屈な話かも知れないが。」
彼は恐縮するように言った。
思えば、この火曜クラブは、ミス・マープルの家に、甥の作家、女流画家、元ロンドン警視庁の警視総監、教区の牧師、それに弁護士の6人が集まった時、自分だけが知っている怪事件を話して、みんなが、それぞれの解決を推理しあおうではないかということになったのだった。
その会は【火曜クラブ】と名付けられ、毎週順番にひとりづつ謎を持ち出すことになった。
まずは元警視総監のヘンリー卿、そして老牧師であるペンダー博士、作家レイモンド、女流画家ジョイスと、今まで順番にこの謎解きの問題を提起してきたのだ。
ペザリック氏いわく・・・今まで、あっと言わせるような話ばかりが続いてきたが、彼の話には流血の惨事といったものはなかった。しかし、この弁護士から見れば興味深い、いささか相違にとんだ小さな話に思えること、幸い彼はその正しい答えも知っていることもあり、披露することにしたのだと説明した。
「おそろしく法律的なんじゃなくって?」と、ジョイス・ラムプリエールは聞いた。
・・・法律の第何条がどうだかとか、1881年のバーナビー対スキナーの訴訟事件だとか、そんなものが沢山出てくるような気がしていたのである。
同じくミス・マープルも法律のややこしい用語は彼女もごめんこうむりたい。と言った。
弁護士であるペザリック氏は眼鏡越しに彼女たちを見ると、よくわかったように明るく微笑んだ。
「その点ではご心配いりません。お話ししようと思うものは単純で率直で、どんな素人でも分かるものですから。」
(次号に続く)
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