2017年04月23日
アガサ・クリスティから (131) (ミス・マープルと十三の謎*血に染まった敷石【15】)
(ミス・マープルと十三の謎*血に染まった敷石【15】)
「あのかわいそうなマージェリーを殺したとき、きっと血が、キャロルの水着にほとばしったんでしょうね。そしてミス・マープルがおっしゃったように、水着も赤だから気づかなかったったんですわ。それが、バルコニーに干しかけたら、ぽとぽとと落ちたって訳なのですわ。ああ!」
ジョイスはぶるっと身震いをした。
「まだ目に浮かびますわ。」
「ああ、やっと思い出しました。」とヘンリー卿は言った。
・・・・・ディビスというのが、その男の本名だった。
沢山の偽名を使っていたので、デークルというのがその中にあったのを、元警視であるヘンリー卿はすっかり忘れていたのだった。
その二人は極悪非道な奸知にたけた者達だった・・・。
「誰もそのひとり二役のからくりに気づかなかったってことはたいしたもんじゃないですか。ミス・マープルがおっしゃったように、みんな、顔よりも、着物で、あああの人だと決めてしまうものなんですね。でも利口なやり方だったですね。というのは、いくらデーヴィスがくさいなと思っても、なかなかこれをやったんだろうと胸に突きつけるところまで行かなかったのです。いつだって文句のつけられぬアリバイを持ってたんですから。」
(次号に続く)
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