2017年03月23日
アガサ・クリスティから (112) (ミス・マープルと十三の謎*金塊【15】)
(ミス・マープルと十三の謎*金塊【15】)
「きゃつをとっちめたぞ。もう確かだ!後部の左の車輪に、あの車の模様の跡がぴったりとあるんだ。さてケルヴィン先生、いくらおりこうさんでももう逃れる道はないと思うがね。」
レイモンド・ウェストはここまでで、話を突然、切った。
ジョイスは首をかしげた・・・。
「それからどうなの?」とジョイスが言った。
「今までのお話にはぜんぜん問題にするようなことがないじゃあありませんか?・・・金塊が見つからなかったとでも言わない限り。」
「たしかに金塊は見つからなかったんですよ。そしてケルヴィンもつかまえられなかったんです。やつの方が警察より役者が上だったからだと思います。しかしどう細工をしてごまかし通せたか今だってわからないんだ。彼は当然、逮捕されました・・・タイヤの跡の証拠でね。だけど途方もない引っ掛かりが出て来たんです。」
レイモンドは説明を始めた・・・ガレージの大きな戸口の向かい側に女流画家が夏の間だけ借りている小さな家があり、その女流画家が2〜3週間病気のため、二人の病院の看護婦が付き添っていたとのこと。
夜間勤務の看護婦は窓のよろい戸を上げ、肘掛け椅子を窓際まで引っ張って行って、そこに腰かけていた。
彼女は、確かにトラックが向かいのガレージを出なかったと断言したのだ。
「それはたいして問題にはならないと思うわ。」
とジョイスが言った。
「その看護婦は寝ちゃってたのよ。もちろん。あの人たちいつもそうなんですもの。」
「それも・・・まあ・・・ありそうなことですな。」と弁護士のペザリック氏が、物分かりの良さそうな口を聞いた。
「しかし、われわれは十分な確証もなしに事実をうのみにしているようだね。」
(次号に続く)
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