2017年03月22日
アガサ・クリスティから (111) (ミス・マープルと十三の謎*金塊【14】)
(ミス・マープルと十三の謎*金塊【14】)
想像通りに金塊が隠されていたという歴然とした証拠はつかめたが、その金塊がまた移された後のどこか新しい隠し場所を見つける手掛かりは皆無であった。
だが、ただ一つの手がかりがあった・・・そのことを警部は翌朝、レイモンドに説明してくれた。
「あの道は自動車がほとんど通らない道なんですが、2〜3箇所にははっきりとタイヤの跡があるんですよ。一つのタイヤから特徴的な三角形の跡がちゃんと残っているのです。それが屋敷の門の中に入って、あちこちぼんやりした跡を残して、もう一つの門を出ていました・・・これは確かに私たちが調べたい車のようだと分かる事柄でした。そして何故、向こうの門を出て行ったのでしょう?このトラックは村から来たものだということが明らかだと思います。ところで、村にはトラックを持っているものはそう多くはいません。・・・せいぜい2〜3人ぐらいだと思いますがね。三錨亭のケルヴィンはその一人ですよ。」
「ケルヴィンの元の商売はなんだったんですか?」とニューマンが聞きました。
「あなたがそんなことをお聞きになるのはおかしいですね、ニューマンさん。ケルヴィンは昔、本職の潜水夫だったんですよ。」
ニューマンと僕は顔を合わせた。
ひとつずつの事実が合わさって、謎はしだいに溶けていく気がした。
警部は、海岸にいる男のうちにケルヴィンらしいものがいなかったか?と、ニューマンに聞いた。
ニューマンは首を振り、残念そうに言った。
「そういうことは何も言えないんですよ、何も目をとめる暇がなかったもんですから。」
三錨亭まで、レイモンドも同行することを警部は快く許してくれた。
ガレージはすぐその横丁にあった・・・大きな入り口は閉まっていた。
しかし、すぐ横の小道を登ると小さな入り口は開いていて・・・タイヤを少し見ただけで警部は満足の大声を上げた。
「きゃつの車をとっちめたぞ。もう確かだ!後部の左の車輪に、あの車の模様の跡がぴったりとあるんだ。さてケルヴィン先生、いくらおりこうさんでももう逃れる道はないと思うがね。」
レイモンド・ウェストはここまでで、話を突然、切った。
ジョイスは首をかしげた・・・。
(次号に続く)
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