2017年04月08日
アガサ・クリスティから (122) (ミス・マープルと十三の謎*血に染まった敷石【6】)
(ミス・マープルと十三の謎*血に染まった敷石【6】)
その時だった・・・今朝、自動車でやって来たデニスと呼ばれていた若い男性が旅館の玄関から出て来た。
その男性は通りのあちらこちらを困ったように見回していた。
一方、上のバルコニーでは彼の妻が出てきて、水着を取り込んでいた。
男性は自動車の方に行きかけたが、急に方向を変えて、漁夫の方に来るとたずねた。
「ちょっと君、知らないか?後から自動車出来たあのご婦人はここへもう帰って来たのだろうか?」
「花がいっぱいついている服を着た奥さんだね?知らねえなあ、だんな、わしは見ませんがね。あの方はほら穴の方へ、崖っぷちを歩いて行ったですがね。」
「そりゃあ、知ってるんだ、僕らもそこで一緒に泳いだんだからね。それからあの人は僕らを残して先に帰ったんだ。だのにまだ会わないんだよ。こんなに時間がかかるはずはないからなあ、ここいらの崖はあぶないんじゃないのかい、え?」
「そりゃあ、歩いていく道によりますな。まあ安全のはよくこの辺を知っている男を一緒に連れていくことでさあね。」
それには、この俺がと言わんばかりにくどくどと漁夫は話し始めた。
が、若い男性はそっけなく彼を振り切ると、旅館の方に戻って、バルコニーにいる妻に声を掛けた。
「おーい、マージェリー、キャロルはまだ帰ってこないっていうぜ。おかしいねえ?」
(次号に続く)
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