2017年03月27日
アガサ・クリスティから (115) (ミス・マープルと十三の謎*金塊【18】)
ヘンリー卿はとつぜん大声で笑いながら、はたと膝を打った。
「こんども参ったな、レイモンド。それにしてもミス・マープル、あなたは素晴らしい方ですね・・・」
「君の友達のニューマンはね、ねえ君、もう一つの名前・・・いや実際には5つか6つの別の名前がくっついているんだよ。・・・」
ヘンリー卿は説明を始めた・・・。
いわゆるニューマンと名乗る男は、現在はコーンウォールにはいないで、デヴォンシャイア、正確に言えば、ダートムーアに入っていた・・・プリンスタウン刑務所の囚人になっていたのだ。
警察はその金塊事件では、彼をあげなかったが、ロンドンの銀行の金庫破り事件で逮捕をしていた。
やつの前歴を洗っているうちにポル・ハウスの庭に盗まれた金塊の大部分が埋まっているのを発見した。
あのコーンウォールの海岸地方は金塊をいっぱい積んで沈んだガリオン船の物語が多くあり、それを上手く利用したのだという。
それだからこそ、潜水夫のことも説明がつくし、その後で金が出てきても弁解できる。
しかし、身代わりが必要だった・・・ケルヴィンは、それにはうってつけだった。
「ニューマンはこの一幕ものを実にうまく演じたんですね。そしてわが友、レイモンド君は、作家として令名
高い、申し分ない証人となったというわけですな。」
「でもタイヤの跡のことはどうなの?」
ジョイスが異議をとなえた。
「ああそれは、ねえ、私は自動車のことは分かりませんけれど、すぐに気がつきましたよ。」
と、ミス・マープルが言った。
(次号に続く)
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