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2016年09月10日

漫画『私の少年』1巻の感想とあらすじ

『私の少年』1巻の感想。


私と少年
著者:高野 ひと深
掲載:アクションコミックス
1巻発売日:2016年6月11日

スポーツメーカーに勤める30歳独身の多和田聡子は、会社の帰りに公園で、サッカーをしていた12歳の少年・早見真修と出会う。女の子に見間違うほどきれいに整った顔立ちをした美少年の真修。家でサッカーをやると親に叱られることから、試合に向けて夜遅くまでたった1人公園で練習をしていた。
後日、聡子は元カレに食事へ誘われて店に赴くと、そこで彼に婚約者を紹介され、期待なんて無かったはずなのに虚しさを感じてしまう。真修は消沈した聡子を母がしてくれたように優しく慰めるが、彼自身も問題ある家庭環境にあり、そのことから寂しさを感じていた。
お互いの寂しさ・孤独に触れた聡子と真修は、次第に心を通わせるようになり、寂しさを埋めるように寄り添いあっていく。この感情は果たして母性なのか、それとも・・・。

30歳独身OLの多和田聡子と、12歳の少年である早見真修の孤独を抱える2人が、心のふれ合いを続ける内に、お互いを必要な存在として深く心を通わせていく物語。
それが母性愛や家族愛といった類のものなのか、はたまた異性愛なのかは1巻ではまだ定かになっていません。単純な年齢差だけならまだしも、さすがに30歳の大人と12歳の子供の異性愛は可能性低いかなと思ってますが、そう思いながらもドキドキしながら読んでました。8年もすればアリなのかな?まあ、だとしても18歳差っていうのは障害多そうですね。

多和田聡子はスポーツメーカー「ヨネサス」に勤める30歳独身のOL女性。同じ会社、同じ部署で元カレが働いています。賢そうなキリッとした表情をしているスーツが似合うクールビューティ。若い頃はサッカー女子だったようです。毎朝かならず体温を測る習慣が身についていますが、意味はないと自覚しているのに8年も続けてる模様。

真修はいつも同じ服、伸ばしっぱなしの髪、お風呂にもあまり入れてもらえない父子家庭で育った少年です。父親は登場せず、詳しいことは語られていませんでしたが、これだけでもあまりよくない家庭環境を想像してしまいます。
弟がいるものの、どうやら父親は真修にあまり関心はなく、家では孤独に過ごしているようです。ひねくれてしまいそうな環境で育っているにも関わらず、とても優しく素直な子でした。彼の優しさを感じられる描写は度々描かれています。

ストーリーも絵も美しい。性的なイヤらしさは全くなく、繊細な絵柄で儚さのある2人の心情と関係を丁寧に描いています。メインの2人が孤独を抱えているので陰鬱な雰囲気はあるんですが、お互いのことを知っていく内に心を通わせ、相手の寂しさを拭おうとしているため、その重さがより優しさという心の美しさを際立たせる演出になってますね。
あと、綺麗といえば真修の容貌。彼の純粋さと相まって、透明感ある神秘的な美しさを感じました。ただ、純粋なところは見ていると癒される要素なんですが、年のわりに素直過ぎるところは微笑ましくもある反面、不憫で可哀想な気持ちにもなりまりたね。彼がこの先聡子と触れ合っていくなかで、少しはわがままになれたらいいなとも思ってます。

結末が非常に気になる作品。この2人は血が繋がっているわけでもなく、家族の契約があるわけでもない他人であることから、いつ関係が途切れてもおかしくない危うさがあります。そんな聡子と真修の関係はどのように作られていくのかは楽しみ。
この作品は多くを語らないのところも特徴ですね。なので、繊細な心の動きを表情や仕草、少ない言葉の中で表現されています。登場人物の心情を丁寧に描いた作品が好きな人、作品の雰囲気につつまれたい人、少ない情報からいろいろ想像することが好きな人におすすめできる作品です。あと、オネショタ好きな人かな?よければ読んでみてください。


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2016年09月09日

【JA〜女子によるアグリカルチャー〜】マンガ 感想&あらすじ 四姉妹による楽しい野菜作りを描いたほのぼの日常漫画

ヤングエース。2011年5月号から2014年7月号まで連載。全8巻
著者:鳴見なる
協力:唐花見コウ
他作品:ラーメン大好き小泉さん



あらすじ・概要

父親の再婚に伴い新しい家族と暮らすために、東京から長野県・小川村に引っ越してきた小学6年生の野沢ひなげし。そこで待っていたのは初めての農業、新しいお母さん、そして初めての姉妹。新しく家族となった野沢家にはひとつの決まりごとがあった。それは、姉妹たちでやさい作りをすること。三女となったひなげしは、新しい姉妹である長女の社、次女の繭、四女のりんごたちの力を借り、初めてで慣れない野菜作りに奮闘しながら姉妹の絆を深めていく。これは四姉妹と農業の物語。

主要登場人物

・野沢 ひなげし
野沢家三女。小学6年生の12歳。細かいことを気にしない前向きな性格をしています。素直で人懐っこく、何事にも一生懸命です。都会育ちですが、土いじりも虫に触れることにも抵抗はないようです。

・野沢 社
野沢家長女。中学三年生の15歳。マイペースでミステリアスな美人。寡黙でスタイルがよく大人びています。考えてることは野菜作りのことばかりで、畑を耕し終えると「快感」と色っぽくこぼすほど農作業が好きです。甘いものも好き。

・野沢 繭
野沢家次女。中学2年生の13歳。世話好きの器用貧乏。母親が忙しいため、野沢家の家事を一手に引き受けています。虫が大の苦手なため、防具を整えて農作業に挑んでいます。

・野沢 りんご
野沢家四女。小学1年生の6歳。口がへらない天才少女。体力はないが、学業の成績は優秀。特にオタク知識と機械知識が豊富。深夜までインターネットをやっているためだと思われます。

・野沢 孝之
野沢家のお父さん。34歳。少し抜けているところはあるけど穏やかで優しい性格。良くも悪くも人が良いです。米作りだけでなくパートも掛け持っています。

・野沢 実也子
野沢家のお母さん。36歳。とても元気があって明るい女性です。朝早くから遅くまで孝之と米作りに勤しんでいます。お酒が大好き。


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感想

親の再婚を期に姉妹となった四人の女の子たちによるほのぼした日常系農業漫画。強めの萌え要素と真面目な農業を組み合わせた作品です。姉妹がやっているのは家の敷地内でやる家庭菜園の延長レベルで、規模はかなり大きめです。四姉妹の野菜作り風景を主とし、そこに日常の様々な出来事や、彼女たちに関わる個性的なサブキャラたちを絡めて物語は展開されます。こんなスローライフ憧れますね。ちなみに『アグリカルチャー』というのは農業・農学のことです。

萌え系のキャラ絵をしていますが、中身は意外と真面目な農業漫画なので野菜作りのノウハウが多く詰まってます。土の作り方、苗植え種蒔き、蜂蜜採集まで様々なことを学べます。ひなげしが引っ越してくるまでは農業未経験者だったということもあり、素人にも分かりやすく説明してるところが良いですね。多くを学べることもいいんですが、知識以上に野菜作りの楽しさや、丹精込めて育ててきた野菜を収穫したときの喜びが良く伝わってくる作品でした。タイトル見たときは農業協同組合が何か絡んでくるのかなとか思ったんですけど、全然関係なかったです。

かといって農業ばかりやってるわけではありません。友情や恋といった青春の話もありますし、クリスマスや運動会などのイベント、あと闇鍋なんかの話もありましたね。感動も笑いもあり、シリアスな話もあったりするので、農業と合わせて内容は結構濃かったです。

四姉妹が可愛すぎます。
感情豊かなひなげしは純粋で何事にも一生懸命取り組むので誰かも愛されてますね。純粋過ぎてクリスマスでは周りがあたふた大変なことになってましたけど。怪談好きという意外な一面がまた可愛らしい。
個人的に一番好きになったのも見てて面白かったのも長女の社です。天然さんなんでね、狙いのないボケに振り回される人もちらほら。作中にもいましたけど、社に惚れた男は大変そうです。農業に関しては畑を耕すことでも快感を覚える中毒者ですね。
繭姉は優しすぎて泣けました。ダイエットに苦しんでいた友達の早苗とのエピソードではその優しさが溢れていました。こんな人が周りにいたら惚れますよ。虫嫌いは可哀想でもあり、笑える特徴でもありましたね。
りんごは本当に6歳児なのでしょうか?知識豊富な分口がへらないんですけど、立場が悪くなると下手に出て切り抜けようとする姑息さ。まあそういうのも可愛いんですけどね。諏訪先生との絡みは笑えます。
ひなげしと社がボケ担当で、繭がツッコミ、りんごはボケとツッコミ両方こなすといった感じでしょうか。

周りのサブキャラも個性ありすぎで飽きません。
ひなげしが東京に住んでた頃の隣人・青山妃はヤンキーぽく見える中学2年生で、口は悪いけど実は寂しがり屋なところが良いですね。ひなげしのことを想ってわざわざ東京から会いに来るかわいさは、見た目とのギャップもあってニヤついてしまいます。結構好きなキャラです。
忘れられないキャラといえばお嬢様で社の親友・大日方黒姫です。目的のためにはどんな手段も辞さない腹黒さ、いかなるときも絶やさないあの笑顔からは、この人だけには逆らってはいけないという圧を感じました。四姉妹と一緒に黒姫ファームなるものを作りたいようです。

可愛いキャラとゆるい日常、そして農業で魅せてくれたほっこりさせてくれる作品でした。ラストむかえたときは寂しかったですね。最終巻でもいつも通りの日常を描いて、そっと物語を閉じた感じだったので、じわじわと終わりを実感させられました。農業に興味のある人、スローライフに憧れてる人、可愛いキャラがたくさん出てくる作品やほのぼの日常系が好きな人、そんな人達ならとても楽しめると思います。


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posted by ハネ吉 at 17:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日常

2016年09月08日

漫画『29歳独身中堅冒険者の日常』1巻の感想とあらすじ

『29歳独身中堅冒険者の日常』1巻の感想。


29歳独身中堅冒険者の日常
著者:奈良 一平
掲載:講談社コミックス
1巻発売日:2016年6月9日

田舎の村を拠点として活動している29歳独身中堅冒険者のシノノメハジメ。酒場へ肉を下ろすため、モンスター肉を確保しにダンジョンへ潜り探索している途中、スライムに上半身を飲みこまれていた女の子・リルイを助ける。
リルイが子供の身でありながらダンジョンに入っていたのは、親に捨てられてしまい、これからは1人で生きていかなければいけないという事情だった。ハジメは村の教会で引き取って貰えないか尋ねてみるが、懐事情はどこも厳しく、渋々断られてしまう。自分の子供時代と重ねて見捨てることができなかったハジメは、お腹を空かせて泣いていたリルイに「俺の仲間になるなら泣くな」と伝え、なしくずし的に彼女を引き取ることを決めた。
かくして一緒に暮らすことになったハジメとリルイだったが、どうも彼女は普通の女の子ではなかったようで、その正体は・・・。

この作品の世界観は、ヒューマニー、ビースター、エルフ、ドワーフ、四つの種族が共存し、稀に吸血鬼や狼男など太古の種族の特性を持つ古代種が生まれてくる世界。
冒険者とはダンジョンに潜って宝探しをしたり、ドラゴンなど危険モンスターが出没した場合は討伐のため戦いに赴く者たちのことです。ハジメも若い頃はそんな冒険生活をしていたようですが、現在は酒場やギルドに下ろすモンスター肉の確保、畑を荒らしているモンスターの退治など、危険性は低い村人の依頼をこなす毎日を送っているようです。

大陸中をまたにかけて大冒険することもなければ、勇者となって魔王を倒しに行くこともなく、ゆったりほのぼのした和み系ファンタジー作品ですね。
主人公ハジメが厳しいことを言いながらも結局甘やかしてしまう姿にニヤつき、リルイの無邪気な笑顔と行動に和みながら読む漫画だと思います。現実的な生きることや社会の厳しさについても描かれています。

ハジメは今でこそ田舎に引っ込んでいるとはいえ、元々は結構優秀な冒険者だったようです。自分を上回る体格を持つモンスターの攻撃を軽々受け止め、どんな状況でもあせることなく冷静に対処していました。武器でモンスターをぶっ叩くときはなかなか凶悪な顔をしていましたけどね。会ったばかりの身寄りのない子供を引き取る決断からして、口では何だかんだと言いながらも困ってる人を見捨てられない優しい心根の持ち主なんだと思います。
子供冒険者のリルイは無邪気でカワイイ。種族は古代種。冒険者としてやる気も元気もいっぱいなんですけど、最弱モンスターのスライムにすら「アムアム」と捕食されそうになってしまう完全な素人。でも、その一つ一つの行動・発言がとにかく和ませてくれる子です。毎回失敗ばかりですが、なんにでも一生懸命なところは微笑ましく、ご飯をモリモリ食べてる時の幸せな表情にも癒されますね。語尾が「〜のだ」ってのも可愛い。ただ、この子夜になると古代種の特性が発現してしまい、昼間の無邪気なお子様とは真逆の雰囲気と容姿になります。そのことについては1巻では軽く触れてる程度なので、詳しいことは2巻以降ですね。

この2人がですね、ストーリーが進展するにつれてどんどん仲良くなり、傍目からは親子のように見えてくるから一層和ませてくれます。ハジメは冒険者にとって甘さは死に繋がる危険なものだと頭では理解しているも、厳しいことを言いながらもついつい甘やかしていまい、リルイのことを誰かに話すときは完全に父親の顔になってます。かくゆう読者である私も、読んでるうちにだんだん親の心境になってリルイの成長を見守ってるわけですけど。

というわけで、アラサー主人公と幼女のほのぼのファンタジー『29歳独身中堅冒険者の日常』でした。おまけのスライム目線の話も面白いですよ。帯の謳い文句どおり全体的にほっこり温かな話で、リルイの愛らしさにも癒してもらえたので大満足。
ラストが少し心配な展開で絞められていたので続きは非常に気になってます。ハジメとリルイが今後どんな関係になっていくのか楽しみですね。あと、ハジメの若い頃の冒険話なんかもあったら読んでみたいです。2巻以降も期待しながら待つとします。


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2016年09月07日

【銀の匙 Silver Spoon】マンガ あらすじ&感想 汗と涙と土にまみれた少年たちの青春物語

週刊少年サンデー。2011年19号から連載。既刊13巻
著者:荒川弘
他作品:鋼の錬金術師



あらすじ・概要

見渡す限りの大自然に囲まれた大蝦夷農業高校に入学した八軒勇吾。元々は県内にある中高一貫の新学校に通っていたが、厳しい学力競争で精魂使い果たしてノイローゼになってしまったことで、担任から薦められたエゾノー高校を受験することに。
今まで全く関わりのなかった世界に飛び込んだ八軒は、初めての経験することだけで戸惑いっぱなし。スポーツもまともにやったことがなかったため、体は悲鳴を上げる。
だが、八軒はここで目指すべき目標を持った同級生たちと交流し、今まで考えることのなかった生き物の命に触れたことで、様々の物事に自ら向き合い挑戦していくようになり、手探りながらも進むべき未来への道を見つけるため奮闘していく。

主要登場人物

・八軒勇吾
主人公。見た目は眼鏡をかけた学生服の下にパーカーを着ている平凡な少年。農業に関しては全くの素人ですが、進学校へ通っていたことから学力は高い。エゾノーで学ぶ内に何事にもアクティブに行動するようになっていきますが、少しがんばりすぎてしまう危うさもあります。あと、アキに惚れてます。

・御影アキ
ヒロイン。スタイルが良いショートカットの女の子。前向きで明るい性格をしていますが、残念な学力の持ち主。実家が酪農家で馬も飼育しているため、馬が大好きで乗馬が得意です。将来は家業を継ぐつもりでしたが、八軒と出会ったことで自分の本当にやりたいことを目指すことを決めます。

・駒場一郎
八軒と同じクラスで同じA班の大柄で筋肉質な少年。短髪で鋭い目つきの一見怖そうな見た目をしていますが、礼儀正しく優しさもある好青年です。アキとは幼馴染。高校球児で甲子園を目指していましたが、実家の経営が悪化したことで自主退学して家を助けるために働く道を選びます。

・稲田多摩子
八軒と同じ実習班・A班の太めな少女。大規模な共同経営型の牧場「ギガファーム」の娘。「お金が大好き」とはっきり公言しており、実家に就職していずれは父を経営者の座から引きずり下ろし、その立場を奪おうと画策しています。太ってまいますが、整った顔立ちをしているので痩せると超絶美女に変身します。

・その他
実家が鶏農家の息子で、教わったことは3歩歩けば忘れてしまう残念な鳥頭の常盤恵次。
長身細身で穏やかな性格をしている、獣医を目指しているのに倒れそうになるほど血が苦手な相川進之介。
そばかすとツインテールがチャームポイントの、チーズ工房を立ち上げることを夢に持つ吉野まゆみ。
などなど


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感想

舞台は北海道の大蝦夷農業高校。農業素人で夢も目標もない八軒が、この学校で出会った友人たちと農業・酪農に触れ、その過程で命や生きることなど多くを学び成長していく物語。
一次産業の農業・畜産について詳しく解説してはいても、あくまでこれは八軒と彼の友人たちの成長と将来への歩みを描いた作品です。
著者は『鋼の錬金術師』の荒川弘さん。しばらく家庭の事情で休載していたようですが、約8ヶ月ぶりに無事連載再開したようです。2013年7月にアニメ1期が放送され、翌年1月に2期が放送されました。2014年3月には実写映画まで放映されたわけですけど、個人的にはまあまあとしか言えませんでした。

見所はやはり年頃の少年少女たちの悩みながらも成長し歩む姿だと思います。将来どうなりたいのかという悩みは10代の多くの若者が抱いていることだと思います。この作品でも、そもそも夢も目標もない人や、目標はあっても様々な事情で進むのが困難な人、進む進路は決めているけどこのままでいいのか悩む人など、皆多かれ少なかれ悩みを抱いています。そんな子たちが農業から、それに携わる大人たちから、そして仲間たちから、何かを学び感じ取って歩みを進めていく姿には、見守ってきた読者としては心にしみるものがあります。
主人公の八軒が一番分かりやすい。高校に入るまでの八軒の環境には用意された問題と答えしかなかったのですが、エゾノーにはそんなものはありません。問題は突発的に発生するもの、あるいは自ら探すものですし、確かな答えもあるわけでもないです。この変化に悩み戸惑うわけですけど、エゾノーで学び過ごす内にどんどんアクションを起こすようになっていく姿からは、逞しさと頼もしさを感じさせてくれました。がんばりすぎて危ういこともありますけど。

知識を植えつけてくれる漫画でもあり道徳漫画でもありましたね。作者本人が農業経験者ということもあり、仕事内容や業界の実情などを分かり易く解説してくれてます。笑いもところどころに挟まれてますし、説明過多でくどくなることはなかったです。
動物に携わると必然的に命というものに触れることになり、「動物の出産」「経済動物である豚の飼育」「走れなくなった競走馬」などから、生きること、「命」をいただくという行為について真摯に伝えています。重くなりがちなテーマではありますが、この作品ではそうなり過ぎないように、ほどよい爽やかさと感動あるエピソードを交えて描いていました。

愉快な登場人物たちがこの作品を鮮やかにしているのだと思います。まあクセの強い子たちばかりなので、キャラのやりとり見てるだけでも全然飽きないんとはいえ、ボケに対してツッコミ役少なすぎですね。
個人的には吉野が好きです。見た目可愛いっていうのもありますけど、自分の将来を見据えて取り組む姿、洞察力を生かしたゲスな脅迫、惚れそうです。
あと、大人たちがまた良い味出してる人たちばかり。見た目からして普通じゃないんですけど。所々で悩む若者に与えてくれる助言、手や口を出しすぎることなく見守る姿、こんな人達から学んでみたいと思わせてくれました。

胃袋に大ダメージを与えてくることも珍しくないので注意が必要です。タマゴかけご飯、ベーコン、とろっとろのチーズにじゃがいも、そして最たるはあの全てをつめこんかのようなピザ。食べたくなり過ぎて困ったものです。
料理だけでなく、八軒を筆頭にそれを食べた人たちのリアクションが至福の極みといった感じで、胃袋にこれでもかと訴えかけてきやがりました。

素晴らしい作品でしたね。ハートフルでほのぼのした雰囲気があり、重くなりがちなテーマも鬱々させることなく爽やかさを含めて伝えているので、知識を詰め込んではいますけど比較的読みやすかったです。
当たり前のように食している肉や野菜、口に運ばれるまでにどういった工程を経て、どういった人達が携わってきたのかを知ることもできるので、いただくということを改めて考えさせてくれる作品だと思います。
笑いあり、感動あり、美味しそうな料理あり、そして恋愛もあるので、男女問わず楽しめると思います。よければ読んでみてください。



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2016年09月06日

漫画『僕のランチを邪魔するな!』1巻の感想とあらすじ

『僕のランチを邪魔するな!』1巻の感想。


僕のランチを邪魔するな!
著者:香穂
掲載:ガンガンコミックスONLINE
1巻発売日:2016年7月20日

高校生としての新たな生活を始めようとしていた少年・米田育(15)は、ウキウキが治まらず寝付けないでいた。その理由は、待ちに待った弁当生活が始まるから。
米田育は無類の料理好きで、美味しい物を食べることに幸福を感じる高校生。初日は特に気合を入れて会心のチラシ弁当を持参したのだが、あまりに美味しそうな弁当だったことでハイエナ共が群がり、一目散に教室から逃走するハメに。しかし、逃げた先の屋上には、さらに厄介そうな男子生徒が待ち受けていた。
高校生活の全てを弁当作りに捧げると豪語する米田。彼の周りには美味しい弁当に引き寄せられ、個性溢れる愉快な人達ばかりが集まり、米田のンチタイム空間はどんどん賑やかになっていく。

お弁当作りに青春を捧げた料理好きな男子高校生と、彼を取り巻く友人達にがくひり広げるお弁当コメディ。
近年人気のジャンル「グルメ漫画」ですね。、高校でのランチ、それもお弁当に焦点を当てた珍しい作品。グルメ漫画であり、弁当をネタにした青春コメディ漫画でもあります。
私も毎日はちょっと出来ていませんが、たまに自分で作ったお弁当を持参することもあります。1人暮らしのうえ、作ってくれる誰かもいない寂しい人間なもので。

グルメ漫画だけあって料理の描写はとても美味しそうに描かれていて、それを食べた人達のとろけるような恍惚とした表情が一層食欲をそそりますね。
時間を置いても美味しく食べられる工夫、夏でも腐らせないための一手間など、料理行程もしっかり描かれているので、いつも代わり映えしない弁当ばかり作ってる自分としてはとてもタメになる内容でした。それほど料理技術が高くなくても作れそうなところが尚ポイント高いです。
米田のとても楽しそうに調理してる姿を見てると、たまには多少手間をかけて作ってみるのも良いかもしれないと思わせてくれます。

主人公含め、主な登場人物たちはなかなかクセの強いキャラばかり。
主人公・米田は中世的な顔立ちをしている女の子に間違えられてもおかしくない美少年。まだ1年生として新生活を始めたばかりにもかかわらず、美味しいお弁当を作ることに高校生活の全てを捧げようとしてる少しおかしな子です。自分の周りに集まってくる人達の相手をすることを面倒だと言い切っていますが、頼まれ事にはなんだかんだで手を貸すなど、意外と面倒見の良い子でもあります。あと、たぶん美人の女性に弱い。

梅添仁太はヤンキーのような見た目と言動に反し、情に弱く素直な性格で、さらに意外と繊細な胃の持ち主。米田の弁当が食べたくて仕方ない人です。色気のある姉が1人いて、姉弟揃って見た目と中身のギャップが大きくて面白い。お姉さん美人過ぎ。
パンマニア女子の麦生麻衣さんは、他人を疎ましく思っている米田が珍しく興味を持った人物です。興味と言っても恋のような甘酸っぱいものではありませんけど。授業そっちのけでパンの研究に励み、休日もパンを求めて駆け回り、お小遣いの大半をパンにつぎ込む米田の女の子バージョンみたいなキャラです。
それから、シャツが常にはだけてる超ナルシストのイケメン・栗山拓郎。食いしん坊が好みのタイプらしく、麦生さんに惚れてしまったウザい人です。ただ、本命に対しては内気なヘタレになってしまう性格のようで、イケイケな見た目に反してたぶん彼女出来たことない人です。
なにやら見た目と中身のギャップが激しい人達ばかりでしたね。

男の子も女の子もお弁当も皆可愛く、他ではあまり見ない珍しいテーマを扱っていたのは新鮮。料理が美味しそうに描かれているところが見所なのはもちろんのこと、料理に至るまでの友人たちとのクスっとさせられるやり取りも面白かったです。
自分のためだけに料理をしていた米田が、自分の作った料理を美味しそうに食べてもらえる喜びに、少しずつ目覚めていく様子も微笑ましくて良かったですね。
最初、表紙イラスト見たときは少し躊躇ってしまったんですが(BL疑惑)、男性でも女性でも楽しめる内容になっていたと思います。楽しませてもらえたので次巻にも期待。



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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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