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2021年03月12日

和中清の日中論壇   その3



 和中清の日中論壇   その3

 中国は覇権主義国なのか?

 唐突で怪し気な新疆の強制収容報道

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 次に新疆での強制収容について考える。この3年程新疆の情勢は安定して居る。2018年の新疆の地区生産額は前年比6.1%の増加であるが第三次産業は8%増加し全国平均より高い。2018年の中国訪問外国人の増加率は4.7%だったが情勢の安定で新疆訪問の外国人観光客は28%増加して居る。
 筆者も昨年、一昨年と新疆を訪れたが奥地に迄多くの観光客が見られ、緊迫した様子は見られ無かった。どうして、今唐突に、米国や日本で100万人とか200万人の強制収容の報道がされたのか、米国議会で「ウイグル人権政策法案」が可決されたのか不思議な思いをしている。
 
 米国は、ファーウェイが国際貨物サービスのフェデックスに託した貨物を監視させて居る。その結果、ファーウェイが米国外に送った貨物も一旦米国に送られる等の被害が出て、今ファーウェイ社内では国際エクスプレス便の使用を禁止して居る。米国は今、為り振り構わず理不尽なファーウェイ潰しに走っている。
 新疆の強制収容問題も中国の台頭への米国の苛立ちによる中国叩きの一環である。中国を「悪の国家」に陥れ、貿易戦争や電子通信産業で米国が有利に建つ為の工作の一環でもある。

 ウイグル人強制収容の日本での報道の殆どが「100万人から200万人が強制収容されたと見られる」と云う報道の仕方である。NHKの報道でも100万人と「見られる」と云う報道だった。果たして誰が「見た」のだろうか。
 筆者はその報道姿勢に疑問を持つ。100万人を超える人口は仙台市の人口に近い。何処に収容出来るのか。事実ならその場所も情報の出処も明確にすべきだ。米国発の根拠不明の情報を咀嚼せず報道して居るなら、メディアの姿勢を疑う。

 新疆の「職業技能教育センター」設置の経緯


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 新疆では1990年〜2016年迄に無差別テロが頻発し、中国内情報では数千件に及び、多数の一般人と公安関係者が犠牲に為った。一般人を狙った生々しいテロ現場の複数の映像も公開された。テロは「東トルキスタンイスラム運動」(ETM)と繋がり多くのウイグル族犠牲者も出た。ETMは東トルキスタン建国を目指しタリバンやアルカイダと繋がる武装テロ組織で2011年に新疆の喀什カシュガルや和田ホータン市での無差別テロにも関与した。
 過激イスラム主義の無差別テロには新疆イスラム協会やウイグル族住民も反発して居る。彼等は「新疆問題は民族、宗教、人権問題で無く民族を分断させるテロの問題」と語る。

 長年、新疆住民はテロによる命の危険に晒され緊張と恐怖の中で生活した。ETMはウイグル族のモスク礼拝すら「異教徒」と見なして「聖戦殉教天国」思想でのテロ組織参加や子供を学校に通わせ無い事まで強要した。
 長年の恐怖を受けて「職業技能教育訓練センター」が新疆の各地に設置された。センターは寄宿制で無料。休暇を取り家に帰る事も出来る。日常の家族や外部との通信も遮断されて居ない。

 「職業技能教育訓練センター」には海外数十カ国からも施設見学に訪れて居る。特に中東や中央アジアの国が多い。国連関係者の訪問も受け入れ、現地を見たイスラム圏の国々は中国のウイグル族への対応や教育訓練センターを高く評価している。
 主な教育対象者は軽微な犯罪、違法行為をした人で言語(漢語)教育や文化知識、法律知識、職業技能教育を中心に教育が行われた。とても100万人とか200万人に為る数で無い。
 
 漢語教育と言えば、日本では文化まで漢族習慣に変えようとして居ると捉える人も多い。しかしそれは違う。中国では少数民族の文化、言語、習慣は尊重されて居る。漢語教育を行うのは就職や仕事の為である。新疆、又その中でもウイグル族が多い和田や阿克蘇アクス地域の教育が特に遅れて居る訳でも無い。人口に対する高校生の比率は新疆全体で2.2%、阿克蘇は2%で、広東省の0.9%・山東省の1.6%・四川省の1.7%等と比べても寧ろ高い。

 中等職業学校在校生も他に比べ多い傾向がある。だが、後に述べる様に和田や阿克蘇は新疆の中でも経済的には恵まれ無い地域である。ウイグル族には貧しさ故教育を受けられ無かった人も多い。言葉の障害で職にも着けず、それが貧困やテロ組織への参加に繋がる。
 新疆では旅行関係の仕事が拡大して居るが、新疆を訪れる旅行者の言葉は漢語や英語である。漢語での日常会話は就職、仕事の為に必要である。

 100万人から200万人の強制収容はデマ

 「100万人から200万人の強制収容、監禁、暴力」はデマである。過激テロ犯の収容と教育訓練センターの二つを意図的に結び着けてデマ情報が流されている。1958年のチベットラサの反乱での米情報機関の情報操作と同じことが今も新疆に関して行われている。米国人権団体の情報を咀嚼せず100万人や200万人と報道する日本のメディアの姿勢にも問題がある。

 或る日本の新聞の社説に「今春、日本は中国の習近平国家主席を国賓として招く。だが、中国政府は、国内の800万人と云うウイグル族の内、80万〜200万人以上を拘束し、拷問、虐待して居る等の報道が相次ぎ、国際的な批判が広がって居る」と書かれた。この様な報道が米国人権団体や情報機関の情報操作に協力する結果に為って居る。
 ウイグル族は新疆だけで1,100万人を超える「80万人と200万人」と云う数字の差は広島の人口と同じである。メディアは数字の扱いに慎重であるべきで、120万人も差のあるアヤフヤナ数字を軽率に報道すべきで無い。

 その数が事実なら新疆財政に取って大変な負担である。1人に年間3万元が必要なら200万人で600億元、日本円で1兆円に近い。更に施設の建設費・維持費も多大である。そんな報道が「飛んでも無い情報」を拡散させる。
 情報の受け手もその数を不思議に思わ無ければ為ら無いが、そこに中国情報の問題がある。多くの人が「中国だから」と信じ込む。

 5年程前「中国共産党が沖縄で独立運動をしている」との噂が全国に拡散した。筆者にも知人から「中国共産党が独立運動をして居るのをご存知ですか」との問い掛けがあった。筆者は一笑に付したが、信じた人も多く「実は沖縄では・・・」と云う話が事実の様に拡散した。真実は右翼が中国共産党友の会を名乗り、成り済ましの街宣活動をして居た。
 新疆の強制収容人数もその類のデマである。過激テロ犯の取り扱いが中国でどうされて居るかは筆者には判ら無いが、米国は海外で過激テロ犯を問答無用で殺戮する事もある。新疆の民族別の人口比率は次のグラフの様に為って居る。

 2010年の第六次人口調査では新疆の15歳〜64歳の人口比率は73%で、内女性の割合は48.4%である。その比率を2015年の新疆のウイグル族人口1,130万人に当て嵌めるとウイグル族の15歳〜64歳の男性人口は426万人に為る。
 更に省都の烏魯木斉ウルムチ、観光地の伊犁哈薩克イリカザクや北部の阿勒泰アルタイ等は、情勢が安定した地域なのでそれ等の地域を除き、テロリスクが高いと思われる和田、阿克蘇、喀什、克孜勒蘇柯尓克孜クズルス・キルギス自治州等西方、中央アジアに接する地域のウイグル族の15歳〜64歳人口と為ると332万人に為る。200万人の強制収容が事実なら、これ等の街の働き手の男性は殆ど姿を消し経済に多大な影響を及ぼす。

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 新疆を読むには情報に接する人にも冷静さが必要と思う。

 貧困から抜け出す為に教育は欠かせ無い

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                    砂漠の熱砂地

 新疆は自然豊かな地で観光資源が豊富だ。しかし一方、大部分を作物が育ち難いタリム盆地、タクラマカン砂漠、ジュンガル盆地等の砂漠が占める過酷な自然条件の地である。昨年、筆者はウイグル族が多い吐魯番トルファン市托克遜トクスン県の街に行った。砂漠を抜けて街に入った時、そこで出会った熱風は想像を絶する熱さだった。
 日本では夏に気温が40度に達する所が話題に為るが、その温度が清々しくさえ感じられる熱風が吹き荒れて居た。その翌日、吐魯番中心部に向かった。その日の気温は42度であったが、それが何とも感じ無い程の前日の熱風だった。
 新疆は天山や崑崙山脈、アルタイ山脈の雪山や川、草原の美しい自然に恵まれた地であるが、一方で多くの住民は過酷な自然条件の元で暮らしている。

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 過激なテロ組織に参加する一番の原因は貧困だろう。だからこそ、貧困解消のためアフガニスタンで中村哲医師は自ら灌漑施設をつくり、農業再生活動に取り組んだのだろう。
 新疆で一人当たり地区生産額が最も低い和田地区は烏魯木斉市の15%程で、石油や希少金属資源が採れる北部の克拉瑪依(カラマイ)の8%程に過ぎ無い。
 前回の「日中論壇」 で扶貧への取り組みに付いて述べた。それは自ら継続する収入を得てこそ「貧困脱出」と考える。新疆でも同じだ。過激テロ組織への参加を防ぐ為にも若者の教育や職業訓練は欠かせ無い。

 中国政府はイスラム寺院を取り壊し、宗教行事の制限を加えて居るとのデマも伝わるが、政府は財政面でも多額の資金を投入しインフラや寺院整備も行っている。各省からも新疆助成の資金が投入されている。モスクの浴室や水洗トイレ、浄水器の設置、通信インフラの整備更に経典のウイグル語、漢語、カザフ語への翻訳の助成、又多数の信徒のメッカ巡礼への支援、10カ所のイスラム学院の建設等も行い支援している。
高速道路網やそれに接続する国道も整備され、広大な新疆での移動がとても楽に為って居る。新疆の道路を走れば至る所で検問があるが、その結果治安が改善され観光客も増えた。

 新疆に暮らす或るウイグル族は次の様に語って居る。

 「私達の住む所は昔、日干し煉瓦の家だった。しかしそれが快適に暮らせる家に為った。泥の道がアスファルトに為り、ロバの荷車は電気自動車に為った。昔はダムに貯まった水を飲んだが今は水道水を飲める様に為った」

 テロの防止は武力で無い事はアフガニスタンに介入した米軍の結末と中村哲医師の行動を対比すれば答えが出る。筆者は米議会が可決した「ウイグル人権政策法案」は新疆の固有事情を理解しない米国特有の西洋式民主主義の夢想の押し付けと思う。
 米国は毎年数千人に及ぶ銃社会の犠牲者すら救済出来無い。米国自身の足元で起きている人権蹂躙を解決出来ずに遠い異国に夢を求めて居るのだろう。現地事情を考え無い失敗はイラクやアフガニスタンが証明している。米国は同じことを「ウイグル人権政策法案」で中国に要求して居る。夢想は米国映画の世界だけにして欲しいと思う。

 香港デモ(暴動)は大学生から高校生に移り次第に終息する

 日本のメディアは避けて居るが、筆者は「香港デモ」の言葉の後ろに敢えて(暴動)の言葉を入れる。それは日本のメディアへの皮肉も込めている。フランスやチリでも学生デモが起きて居る。その時、日本の新聞では「暴力的なデモ」「暴徒化したデモ」と云う言葉を使って居る。香港では鉄棒を振り回し爆弾も使われ、コンビニ等の店舗も破壊され、地下鉄等の公共施設も被害を受けた。

 だが日本で流れる映像は警察官が学生を殴る姿ばかりで店や施設が壊されるシーンは殆ど無い。日本のメディアは香港警察のデモ(暴動)取り締まりを批判的に捉えるが、欧米での犯罪者や過激デモへの警察の対応はもっと過激だ。「暴徒」「暴動」の言葉を使用しないメディアの姿勢は中国へのダブルスタンダードである。
 現在、「香港デモ」(暴動)は週末活動に変わった。大学生が卒業や就職を意識し出したからでもある。香港経済界では今後3、4年の大学卒業生は採用出来ないとの声も囁かれている。米国から来てデモを扇動した学生達も帰国した。
 今、活動の主体に為っているのが「高校生」である。警察に検挙されて居るのも高校生が多い。彼等は多分に「デモに行った」と云う時代の波に乗る為に参加して居る。大学生は高校生にタスキを渡したのか、香港で活動する米国人権派団体も梯子を外された感を持って居るだろう。

 過去、日本でも同じことが起きた。50年程前、学生運動で大学が封鎖され、やがてそれは高校に飛び火した。筆者の母校でもその影響で半年間真面に授業が無かった。
 高校生は深い思慮の元で学生運動に参加したのでも無い。時代の波が、地割れが伝わるように大学から高校に飛び火した。

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 香港デモ(暴動)ではNHKも報じた様に多くの香港人が「自由を求めて追い詰められて居る」との報道が目立つ。だが香港程自由な所は少ない。香港の街頭では常に「法輪功」等による中国批判が行われて居る。
選挙で民主派が殆どを占めたと報道されるが、得票率では反対派と大きな差は無い。学生デモへの反対集会も度々行われて居る。

 日本の新聞に掲載された英誌の元編集長は「抗議活動は6カ月もの間続いている(中略)デモに参加し、必要であれば警察に立ち向かう事への決意はより強く為って居る。抗議や大規模デモの参加者数に顕著な減少はみられない」と述べて居る。
 新疆問題と同じ様に現地事情を理解しない一方的意見に思える。香港デモ(暴動)は今後も定期的に行われるだろう。しかし次第に儀式化して終息して行くのではないだろうか。
 
 中国国内では香港学生の行動を批判的に見る人が殆どである。学生の民主化要求は中国には波及しない。逆に国内の結束が強まると考えている。筆者は、一国二制度は中国・香港の双方にとり良い制度と思う。2047年の一国二制度が終了する期限迄未だ27年ある。その間、双方が琴瑟相和(きんしつあいわ)す様に互いの長所を取り入れ融和して行けば中国式民主化は更に進む。
 現在の香港学生の行動はそれをブチ壊す事に為りかね無い。「香港は中国の一部」と云う現実を受け入れて、互いの長所を引き出して融和させて行く事に、若者のエネルギーを使うべきと思う。

 以上、「中国は覇権国か」を述べた。メディアの中国に対するダブルスタンダードと偏見・誤解は一般人の中国観に影響する。筆者は中国の全てが善だとは言わ無い。しかし「覇権主義」や「新疆問題」をテレビや新聞で述べるなら明確な根拠を示し報道すべきと思う。
 先に述べたアンケートでは「日本は中国にODAでアレだけの事をして遣ったのに感謝の気持ちも無い」と言う人も居た。周恩来が戦後処理で日本に対した二つの出来事「戦犯への対応」と「賠償金の支払い」の事実を知って居れば語れる言葉で無い。

 中国の自然や人は好きだが政府は嫌いと語る日本人も居る。だが「中国共産党」が生まれた背景には日本の中国侵略の歴史がある。漢字も儒学も中国から教わった。日本人はもっと中国への謙虚な態度を持つべきではないかと思う。
 筆者には中国が米国政府や多くのメディアにより「覇権国家」に無理に押し込められている様に思える。それは恰もイソップ物語の「北風と太陽」の様だ。北風を受けて中国が自衛と面子の為に「真の覇権」に向かい進む事を危惧する。

 (おわり)


 〜管理人のひとこと〜

 私は敢えて「親中派」を名乗る程の人間では無い。日本やアメリカの報道を我が国の主にTVから受ける際、どうしても嫌中の色合いが強く出てしまう傾向が強い。それで、少しでも中国の真実を知りたいと和中清の日中論壇を参照させて頂いた。
 新疆ウイグル問題・チベット問題・香港デモ・・・と続く一連の中国政府による「弾圧疑惑」も和中清氏の説明ではちゃんと説明が着く。強大な軍国化疑惑も、国民の生産性が急激に上昇した挙句、一人当たりの割合が増えたが、それでもアメリカや日本の比では無い・・・と説明が着く。
 日本のTVで人気者のニュース解説者による説明も、中国側の真相の上辺だけを見ている様だ。決して、和中清氏の言葉全てをそのまま信用しろ・・・とは言わないが、責めて別の側面が存在することは知って頂きたい。   以上















和中清の日中論壇   その2





 和中清の日中論壇   その2


 中国は独裁国で無く 一党の集団指導体制の国

 或る米国在住の日本人ジャーナリストの本を読むと、尖閣問題で「中国は分裂と崩壊のリスクを防ぐ為、日本と戦って居る姿勢を国民に示す覇権主義が必要」と書かれて居る。その論には「中国は『独裁国家』である」と云う背景があり、多くの日本人もそう考えて居る。
 だが中国は、北朝鮮の様に国民が世界と隔絶された社会で暮らす国では無い。今や中国人は世界でも最も多く、旅行やビジネスを通じて国際交流を続ける国民である。「改革開放」は国家及び党の根本理念でもある。そのジャーナリストが語る様な単純な国では無い。中国人の海外旅行者数はグラフの様に推移している。

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  「独裁国家」が最も恐れるのは国民の外界との接触・交流だろう。その点からも中国は外れて居る。改革開放の中国はその対極に在る。確かに中国は事実上、共産党の一党支配の国である。しかし政治は集団指導で進む。
 第十六回党大会以降、最高指導部の68歳定年制も実行された。筆者がこの様に述べると、キッと習近平主席は任期延長を狙い権限を強めて居るではないかとの反論も起きる。だがそれは中国の情勢をもっと深く読んだ上で反論すべきと思う。それを考えず習近平主席の長期政権が既定事実かの様に報道するのは間違って居る。それに付いては既に2017年の「日中論壇」(17−003習近平主席の「核心」の意義 )で述べた。

 中国は軍が政治を行う国でも無い。軍は党の主席責任制である。個人崇拝も否定して居る。中国共産党章程(定款)の第二章第十条(六)には「党はいかなる形の個人崇拝も禁止する」と書かれている。
 寧ろ筆者は14億人もの国民を纏めて行くには、中国には最高指導者への崇敬の念や抑制された中での権威が必要と思って居る。筆者は「日中論壇」(習近平主席の「核心」の意義 )で次の様に述べた。

 「毛沢東やケ小平は、長征を戦い抜いたカリスマで『核心』の称号に相応しい。習近平時代は江沢民時代の経済一直線から複雑な時代に移り多くの難題に直面して居る。『反腐敗』と『社会風土改革』を進めるには『強い権力』と『権威』が必要に為る。だから習近平主席は第18期中国共産党第6回中央委員会全体会議で『党中央の核心』の称号を得た」

 中国は経済成長を果たしたので民主的な多党政治に移行すべきだと考える人も居るだろう。しかし筆者は未だ困難であると思う。中国式の段階を踏んだ民主化で無ければ、過つて「管即停 放即乱(管理すれば停滞し、放置すれば乱れる)」とも言われた、14億人もの多民族が暮らす国の統治は出来無いと考えて居る。
 夫々の国には夫々の国の事情がある。それを考えず夢の様な理想をかざしただけで民主化を為し得無い事はイラクを始めとする中東の現実やアフガニスタン等内乱に苦しんだ多くの国の歴史が証明して居る。

 党の章程(定款)総鋼には「一切の左と右の錯誤の傾向に反対し、右を警戒するが、主に左を防止する」とも記されて居る。中国を良く思わ無い世論の大多数は中国共産党の定款にこんな言葉があるとは思ってもいないだろう。
 中国は共産主義国では無い。強いて言えば「社会主義現代化の国」「社会主義市場経済の国」である。「社会主義」と「市場経済」を天秤に賭ければ「市場経済」に傾く国である。中国を見る多くの人が「共産主義」の言葉に引きずられて「独裁」のイメージを持って居る。もっと「改革開放」「市場経済」に目線を移し中国を見るべきと思う。

 ベトナムは共産党の一党支配の国である。書記長、国家主席、首相、国会議長の集団指導体制の国で、今はグエン・フー・チョンが党書記長と国家主席を兼務する。グエン・フー・チョン政権は腐敗撲滅運動を進め、ここ数年党政治局員等多数の党幹部逮捕や更迭が続く。中国の腐敗闘争では「権力闘争」の文字が新聞紙面に踊ったが、何故かベトナムには「腐敗撲滅」に為る。
 体制は異なるがシンガポールも人民行動党の独裁に近い。市民の政治的権利や言論も抑制された統治が行われて居る。形式的には複数の政党があるが1968年から1981年迄は国会の全議席を人民行動党が占めた。
 中国は独裁の国と考える人が多いが、ベトナムやシンガポールにはそうした声は弱まる。何故だろうか不思議である。

 米国世論調査のジョーク
 
 次に「軍備拡張」である。米国の世論調査機関ピュー・リサーチ・センターの最近の調査では中国に対し好意的で無い見解を持つ米国人が60%に達した。その中で軍事面での中国の台頭が「米国にとって悪い」と答えた人が81%で、それが好意的で無い60%に影響して居る。この調査結果はジョークだろうか。

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                 国産空母の山東が就航

 2016年の国防費は米国が6,112億ドル・中国が2,152億ドル・日本が461億ドルで、米国は中国の2.8倍である。米国には過去の軍備蓄積がある。米国の原子力航空母艦は10隻ある。米空母のカール・ロビンソン、ロナルド・レーガンの排水量は10万トン、艦載機は70〜100機である。
 中国は国産空母の山東が就航したが、遼寧と合わせて2隻で、原子力で無い通常空母である。山東の排水量は6万トン強、艦載機は40機である。

 一国の国防費が大きいか小さいかは総額だけでは判断出来ない。GDPや人口も国土の大きさも考慮し無ければ為ら無い。2016年の国民一人当たりの国防費は米国が1,866ドル・日本が365ドル・中国が156ドルである。「中国の台頭で流れが変わった」と叫ばれて日本の軍備拡張が進んだが、国民一人当たりで見れば中国の台頭も怪しく為る。中国は国土も広く多くの国と国境を接する。この点からも国防費は大きくなる。

 日本の防衛白書には「中国の国防費は、1988年から28年間で約44倍」と云う記述とグラフがある。1988年の中国のGDPは1兆5,180億元で、2015年の僅か2.2%である。その時代の国防費と比較して44倍と記して居る。中国の台頭を強調したい様にも見える。
 年度予算では米国の国防費は中国の約3倍で、それ以外に同盟国が負担する世界の米軍基地の費用もある。過去の蓄積も考慮すれば、中国と米国の軍備の差は歴然としている。そんな国の国民が中国の「軍備拡張」を捉え「好意的で無い」と考える。将にジョークである。

 その3につづく⇒











和中清の日中論壇   その1



 和中清の日中論壇  その1

 中国は覇権主義国なのか?  2020年2月6日


      c14.jpg 和中 清  潟Cンフォーム代表取締役     

 昭和21年生まれ 同志社大学経済学部卒業 大手監査法人 経営コンサルティング会社を経て昭和60年(株)インフォーム設立 代表取締役就任 平成3年より上海に事務所を置き日本企業の中国事業の協力・相談に取り組む 主な著書・監修
 o 『中国市場の読み方』(明日香出版、2001年)
 o 『中国が日本を救う』(長崎出版、2009年)
 o 『中国の成長と衰退の裏側』(総合科学出版、2013年)
 o 『仕組まれた中国との対立 日本人の83%が中国を嫌いになる理由』(クロスメディア・パブリッシング、2015年8月)


 今も変わら無い日本人の中国観
 
 この度、筆者の『奇跡 発展背後的中国経験』が中国で発売され国家シルクロード書香プロジェクトの「外国人が書く中国」の傑出創作賞を受賞し、その日本語版の『中国はなぜ成長し何処に向かうか、そして日本は』が出版された。そのメインテーマは中国が何故成長したかである。

 筆者は中国の成長要因を四つのテーマで捉え各3項目、全部で12項目をその要因と考えてその基礎に「平和主義」を掲げた。しかし日本では「中国の平和主義」に対し異議を唱える人も多い。異議処か「フン」と鼻でアシラウ人も多いと思う。筆者の本への反発も予想される。
 どうして「中国の平和主義」を言えば反発が出るのか。思い浮かべるのが「尖閣」「南沙」「覇権主義」「軍備拡張」「独裁」であろう。又最近では「香港」や「新疆ウイグル」問題が指摘されると思う。

 今から5年程前の調査で日本人の83%程の人が「中国を良く思わ無い」との結果が出たが、今もその傾向は続いて居る。83%の人が思い浮かべるのも「尖閣」「南沙」「覇権主義」「軍備拡張」「独裁」だろう。
 しかし調査に答えた殆どの人は「尖閣」や「南沙」の歴史経過も「覇権」の言葉の正しい意味とそれに中国が該当するのかの認識も、中国の軍備の内容も、政治体制と「独裁」の意味も深く考えずに答えて居ると思う。
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               新疆ウイグル  警察の暴動取り締まり

 最近の「香港デモ」や「新疆ウイグル」問題もテレビや新聞で流れる情報を元に漠然とした印象で中国を批判的に捉えているのでは無いだろうか。
 筆者は2015年の日中論壇「『中国を好く思わ無い83%の世論』の裏にあるもの」 で日本人の中国観に付いて述べたが、5年が経過した今、改めて「覇権主義」「軍備拡張」「独裁」「新疆ウイグル」「香港問題」を題材に、何故日本の世論が変わら無いのかを考えて見た。

「尖閣」「南沙」に付いても日本人の捉え方には多くの誤解があると思って居るが、政治的にも複雑な背景がありここでは述べ無い。興味のある方は筆者の近著や前著『仕組まれた中国との対立』をお読みいただきたい。

 的外れな中国覇権国家論
 
 先ず「覇権主義」に付いて考える。インターネットの百科事典のウィキペディアはその信頼性において疑問もあるが、そこに書かれている「覇権主義」の記述は多くの日本人が考えて居る事に近いのではと思い敢えて引用するが、ウィキペディアでは、覇権主義とは

 「当該国の実利的利害関係にのみ基づいて他国に対する対応を決定し、敵対国に対する侵略戦争や先制攻撃によって領土の拡大や自国の安全保障を行い、同盟国や敵対国の反対勢力に対する軍事、経済協力を進める」
と説明して居る。そして例として、米国と中国を覇権国家として居る。但し米国には「反米派によって覇権主義的と指摘される事がある」


 との断りが着くが、中国にその断りは無い。そして中国は「台湾問題やチベット問題、ウイグル問題、又東南アジアやアフリカへの進出、南沙諸島問題、尖閣諸島問題等に於ける高圧的な対外拡張政策等から覇権主義と指摘される」と書かれて居る。
 何故中国には「反中派により覇権主義とされる」の断りが無いのだろうか。筆者にはダブルスタンダードの不思議な論に思える。先ず、ウィキペディアの記述を元に中国が「覇権主義」かに付いて考える。

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 チベットやウイグル問題は中国の内政上の問題で「他国に対する」文言に当て嵌ら無い。中国内の安全上の問題である。ここでは触れ無いが、南沙や尖閣も関係国間の主張がある領土問題で、一方的に中国が覇権的と言える問題でも無い。
 「当該国の実利的利害関係にのみ基づいて他国に対する対応を決定」を覇権主義とするなら多くの国がそれに該当する。諸国の外交は「自国の実利的利害」を中心に動く。中国が実利的利害のみで外交をして居るとも思え無い。トランプ大統領の米国は「実利的利害」だけで動いて居る様にも見える。

 「敵対国に対する侵略戦争や先制攻撃によって領土の拡大や自国の安全保障を行い」にも中国は該当しない。中国には侵略の歴史は無く逆に侵略された国である。
 中国が「覇権主義」との印象に影響を与える一つは中国の対外進出である。だがそれも多分に日本人の持つ中国へのイメージにより「覇権主義」に結び付けられている。「東南アジアやアフリカへの進出」が「覇権主義」なら日本も、そして多くの国も「覇権主義」に為る。
 一帯一路での投資も「債務の罠」と批判される。その批判も多分に批判の為の批判であることは前回の「日中論壇」 で述べた。日本の戦後復興も米国等からの「債務」で実現した。港湾建設も道路建設も資金が無くては何も始まら無い。

 筆者の前著『仕組まれた中国との対立』で約千人の日本人にアンケート調査した時にも「中国は世界で資源や土地を買い漁っているので覇権主義」と言う人もいた。グラフは2017年の各国の対外直接投資額とそのGDPに対する比率である。

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 これを見る限り中国の対外進出が「覇権主義」との批判は的外れである。更にグラフは各国の輸入額とそのGDPに対する比率、国民一人当たりの輸入額を表わしている。

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 更に次の表は鉱物資源や石油、石炭等のエネルギー資源、農産物と食品の輸入額上位3か国を表わして居る。鉱物・金属資源や石油輸入額等では中国がトップであるが他の資源では米国や日本が中国を上回る。それらを国民一人当たりの輸入額で見れば中国は格段に低く為る。
 又事業用不動産の売買やリサーチを行うCBRE社のリポートによると2014年から2018年迄の5年間の日本での海外からのインバウンド不動産投資に占める北米の比率は48%、アジアの比率は43%で、アジアからの投資は香港とシンガポールと韓国の投資合計が中国を遥かに上回る。
 
 だからこれらを見る限り「中国は世界で資源や土地を買い漁って居る」には該当し無い。国民一人当たりで見る限り米国や日本の方が「買い漁って居る」

 国別資源輸入額上位3カ国

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 GLOBAL NOTEより  輸入額単位:百万US$ 一人当たり輸入額単位:US$

 ウィキペディアの論の様な単純な覇権主義への結び付けが中国への誤解を生んで居る。

 その2につづく⇒










習近平 万事休すか とうとう日米豪印が「中国包囲網」へと動き始めた・・・



 習近平 万事休すか とうとう日米豪印が「中国包囲網」へと動き始めた・・・!


a63.png 3/12(金) 7:02配信


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              写真:現代ビジネス

 日米豪印の4カ国が3月12日、初のクアッド(Quad)首脳会談をオンラインで開く。最大の焦点は、中国に対する包囲網を具体的にどう形成するかだ。宥和的姿勢に懸念が残るジョー・バイデン米大統領の対中政策を占う試金石にも為る。

 安倍前首相が残した「Quad」

 日本と米国・豪州・インド4カ国の連携強化は、2007年8月に安倍晋三前首相が「2つの海の交わり」と題してインド議会で行った演説が端緒だった。安倍首相はそこで「太平洋とインド洋は自由の海、繁栄の海として、1つのダイナミックな結合をもたらしている」と強調した。(https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/enzetsu/19/eabe_0822.html)
 その後、2012年に安倍前首相は日米豪印を結ぶ四角形を「セキュリティ・ダイヤモンド構想」として発表し「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」と云う概念を打ち出した。(https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000430631.pdf)

 米国のドナルド・トランプ前大統領は17年11月、安倍首相との会談後、会見でFOIPを単なる構想では無く「日米共同の戦略」として推進すると発表し一挙に加速して行く。FOIPの具体的な形として、4カ国のクアッドが外相会談として初めてニューヨークで開かれたのは2019年9月だった。翌20年10月には、2回目の外相会談が東京で開かれ、今回はそれから僅か5カ月後に首相会談に格上げされた形である。いわば「クアッドの生みの親は安倍前首相」なのだ。
 この一事を見ても、安倍氏の卓越した国際感覚が分かる。(この持ち上げ方が余りに異常で、この学説の信憑性も疑わられるのだが・・・管理人)

 2016年11月に大統領就任を控えたトランプ氏とニューヨークのトランプ・タワーで会談し、いち早く中国の危険性を訴えて理解させたのも安倍氏だった。昨年の大統領選でトランプ氏を破って大統領に就任したバイデン氏は選挙戦の最中から同盟国や友好国との連携を強化し中国に対抗する姿勢を示して居た。
 一方で、先週のコラムに書いた様に、バイデン大統領は中国の実質的な宣伝機関である孔子学院に付いて、トランプ政権が発動した規制を取り消す等、対中宥和的な姿勢も覗かせて居る。(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/80841)

 バイデン大統領の本心が何処にあるのか注目される局面だが、そんなバイデン政権の対中戦略が具体的に動き出す最初の一歩が今回のクアッド首脳会談なのだ。この結果を見れば、4カ国取り分けバイデン政権の対中スタンスが浮き彫りに為る筈だ。

 「反中」に慎重なインドの動向

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            インドのモディ首相[Photo by gettyimages]

 一体会談は、どんな展開に為るのだろうか。日本では、例えば、中国のワクチン外交に対抗して、新型コロナウイルスのワクチンを途上国に供給する新たな枠組みの創設で合意する見通し等と報じられて居る。 
(https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE1013N0Q1A310C2000000/)
 だが、これは政府の説明をそのママ報じただけではないか。ロイター通信によれば、同じ話が「インドの新型コロナワクチン生産能力の引き上げに、残る3カ国が資金協力する」と報じられて居る。
(https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-vaccines-quad-idJPL4N2L74TG)

 インドは伝統的に非同盟主義を貫いて居り、クアッドに名を連ねて居るが、あからさまな「反中国同盟」化には反対で、首脳会談への格上げにも慎重な姿勢だった。詰り、日米豪の3カ国はインドを首脳会談開催に同意させる為に、ワクチン生産で資金提供するアメを与えたのだ。
 確かに、インドの生産能力が高まれば、途上国へのワクチン供給にも余力が増すだろう。ワクチン外交を積極化させて居る中国に対抗する意味合いもある。だが、途上国へのワクチン供給には、既に「COVAX」と云う国際的な共同購入枠組みがある。敢えて、屋上屋を架す様な枠組みを作るのは、露骨なインド取り込み工作と取られるのを嫌ったためだろう。

 途上国への供給促進は、インド取り込みの「化粧」に過ぎ無い。仮に途上国に供給されたとしても、ホンの形だけに為るのではないか。只、そうだとしても、インドを説得して首脳会談に漕ぎ着けたのは大きな成果には違い無い。外交は大義だけでは動か無い、時には妥協や取引も必要だ。

 「中国包囲網」構築の為の5つのポイント

 真に重要なのは、もっと実質的な中国包囲網の構築である。「4カ国が合意出来たら、素晴らしい」と、私が思うメニューをアトランダムに挙げてみよう。  

 先ず(1)南シナ海や東シナ海における、クアッド4カ国による合同軍事演習の実施だ。
 中国は昨年来、台湾に対して戦闘機や爆撃機を飛ばして挑発を繰り返して居る。沖縄県の尖閣諸島に海警局の武装船が連日押し寄せているのはご承知の通りだ。これに対抗する為に、4カ国が台湾や尖閣諸島の付近で合同軍事演習を実施する。
 それに、例えば、英国やフランスの海軍が参加すれば尚好い。英国はクアッドへの参加を検討して居ると報じられて居るが、正式な決定を待つ迄も無く演習に参加すれば実質的に参加したのと同じに為る。


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          深圳市にあるファーウェイ本社[Photo by gettyimages]

 次に(2)中国の浸透工作や知的財産窃取等に付いて、4カ国が情報交換の強化で合意するる。
 情報分野では、好く知られて居る様に、米国と豪州・英国・カナダ・ニュージーランドのアングロサクソン5カ国に「ファイブ・アイズ」と呼ばれる機密情報共有枠組みがある。 日本とインドはこれに加わって居ないので、情報の偏在が在る筈だ。
 そこで、クアッドに情報を共有する枠組みが出来れば、ファイブ・アイズと並ぶ体制に為る。何れ、英国がクアッドに参加するならクアッド内での情報格差を解消する為にも不可欠になる。  

 それから(3)対中制裁の共有化も重要だ。
 例えば、第5世代移動通信システム(5G)を巡って、米国は中国の華為技術(ファーウエイ)に対する制裁をいち早く実施し日本や欧州各国も追随したが、必ずしも各国の足並みが揃って居たとは言えない。最新技術を巡る規制・制裁措置だけで無く、貿易投資を巡る制裁でも各国が協調しなければ、最も緩い国が風穴に為って実質的な効果が削がれてしまう。クアッドの4カ国が、中国に対抗する為には何が効果的かを洗い出して協調すべきである。  

 忘れて為ら無いのは(4)>新疆ウイグル地区での大量虐殺(ジェノサイド)を初め、チベット・モンゴル・仏教徒・キリスト教徒・イスラム教徒・法輪功信者等に対する人権弾圧に抗議する弾劾行動の協調だ。
 具体的には、4カ国が中心に為って、中国に対する調査団の派遣を要求したらどうか。  先週のコラムで触れたが・・・

 来年冬に開かれる(5)北京五輪への参加問題に付いても、4カ国は足並みを揃える必要がある。(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/80841)
 先ずは、調査団の派遣で、中国と共に実態を解明する努力を表明した上で、協力が得られ無ければ、ボイコットを真剣に検討すると云う手順にすれば好い。  

 以上5項目のうち、例え1つだけでも合意出来れば、最初のクアッド首脳会談としては、相当な成果と言える。逆に、具体的な行動が何も無くて、言葉だけの中国批判に終われば、余り評価出来ない。「兎に角首脳会談に漕ぎ着けた」と云う点だけが成果に為る。  
 首脳会談に続いて、3月18日にはアントニー・ブリンケン米国務長官とジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が、中国の外交トップである楊潔篪共産党政治局員と王毅外相とアラスカで会談する。  

 クアッドの首脳会談と云い外相級会談と云い、政策展開のテンポが速い。好意的に見れば、これはバイデン政権が中国問題を重視して居る表れである。安倍前首相の後を継いだ菅義偉首相にも、各国の期待が集まって居るだろう。この先も要注意だ。

         a64.jpg  長谷川 幸洋(ジャーナリスト)   以上








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