明け方【ゆず】に起こされる。そして階下に降りるのであった。
台所で削り節の上に猫専用の缶詰を開けてのせ、再び二階の自室に。
その時既に、茶の間迄来てガラス戸越しに私を待っている。
階段に私の足がかかるか、かからぬうちに我が猫様が足元をかいくぐり一気に階段を駆け上る。
その素早さに毎回驚かされている。いつ踏んでしまうか判らぬ怖さも手伝ってのことである。
二階のドアを開け入ると、【ゆず】は既に自分で開けた襖の所から入り喉を鳴らして待っている。
食べている間私は、パソコンのスイッチをいれ食べる姿を観る。
その都度缶詰の種類は違うが、削り節を下に一つかみ置きその上に缶詰を少しのせる軽食内容である。
やがて食べ終わると必ず部屋を出ていき、4,5分もすると再び部屋に戻ってくる。
そして私がパソコンをいじっていると椅子の下に。
いつものように抱き上げ、膝の上に。
昨年の冬はいつまでも膝や私の腕の中に納まっていた子猫も、今では片手では抱きえない程大きくなってしまった。
だからか、じきに私の腕の中からパソコンデスクに登り、更に上のプリンターの棚に。
そこまでは良いのだが更に上に登るのであった。
最上段は書類等がびっしりあり、彼女の立ち位置は余りない。
そこで、下にいる私を暫く見ていたかと思うとマネキンに足をかけ更なる高みを目指し、カーテンレールの上
に行こうとする。
許すのはここまでである。急ぎ抱きとり下におろす。
カーテンレールから二度ほど落ちる姿を見ていたからである。怪我でもされたら大変である。
そしてまた、閉めた襖を開けて出ていこうとする。
襖を開ける姿が面白い。
先ず片手を襖のはじにかけ、さらにもう一方の手を添えて自分の方に引く。
普通それで開くのであるが、ときおり開かないときがある。
そうすると彼女は仰向けになり両手両足で襖を開けるのである。
手で足らない時、足まで使うとは、なかなか出来る事ではないと感心しながらも微笑んでしまう。
動画を撮って投稿したら見る人が和むだろうなといつも思いながら見ているのである。