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2016年11月26日
農業規制改革
最近農業界を賑わせている
規制改革推進会議による提言。
今日現在では直ちに提言が実行されることには
ならない状況になってきましたが、
今後も議論がなされていくんでしょうね。
提言については新聞で見ている以上のことは
知りませんが、以下のような内容のようです。
・全農による委託販売をやめて全量買取へ
・JAの信用事業を農林中央金庫へ移管
・クミカン制度の廃止
農業団体からするといずれも反対するのは
当然と言えますが、私個人の意見を述べると
以下のような感じです。
・全農による全量買取
正直なところこの分野には詳しくないのですが、
北海道では全農よりもホクレンの方がシェアが
大きいでしょうから、この提言がホクレンにも
当てはまるのならばインパクトは強いですね。
ただ、手数料を取っての委託販売がそこまで
問題かな、とは思います。
確かに手数料が高いという批判はありますが、
全農にしてもホクレンにしても農家が作っている
組織なのだから販売に手を抜くということは
考え難いし、しっかり売ってくれるなら手数料が
多少高くてもいいように思います。
それに買取制度にすることが必ずしも
農家のプラスになるとは思えません。
というより、どっちに転ぶかよくわからないです。
全農やホクレンにしてみたら手数料を取る方が
安定していていいのかもしれませんが。
農家にしてみたらより高く買い取ってもらえる
ことになるのか、あるいはより安くしか売れなく
なってしまうのか。
今は全農やホクレンが調整弁となって、農家の所得を
確保できるように売っているという状況もあるような…、
感じがします。
そもそもより利益を得ることを狙って農協系以外の商社などに
売っている人はすでにいますからね。
それができない農家は農協に売るしかないわけですから、
そういった農家にとっては今までどおりの方が
良さそうな気がします。
と書いてはきましたが、この話題はよくわかりません。
・JAの信用事業を農林中央金庫へ移管
JAから信用事業を取っちゃうと、JAにとっては
一大事ですね。
ただ、JAから銀行の役目をなくすと、市中銀行の
支所がない田舎ではもう大事件です。
提言でもなくすという話でなく農林中金がやると
いう話なので、JAから銀行がなくなるという
ことでもないんでしょう。それに農林中金が
職員をJAへ送り込むなんてこともできるはずが
ないので、JAへ業務委託、となるのかな?
JAが信用事業を持っていることの問題点として
考えられるのは、資金を貸し付けた農家の経営が
傾いて回収不能となり、JA自体の経営が危なく
なっているケースがあることですかね。
どうしても地元の仲間を助けようとして、
経営改善の見込みがないにも関わらず
貸付を続けてしまうことはあり得ます。
またはそのJAの体質もありますが…。
このことを問題とするのであれば、
信用事業の移管はいいことなのかも
しれません。
・クミカン制度の廃止
これは大変ですね。
北海道ではごく一部のJAを除いてクミカン
使っていますから。
しかし、クミカンをなくさせる意味がどこに
あるのか、というのが疑問です。
クミカンはいわゆる当座預金ですから、
商売をしている人にとっては必要なものです。
資材を買うのに必ず現金を用意しろ、と言われると
借金に奔走しなければいけなくなります。
当座預金のおかげで、現金が一時的になくなったとしても
営農できるわけですから。
ただ、クミカン制度は毎年年末に清算する、という
仕組みになっていまして、これを問題視していると
いう記事も読んだ気がします。
それならわかります。
借金が多い農家の実態として、年末にクミカン口座が
マイナスになってしまい、その分をJAがお金を
貸して清算する、ということを毎年繰り返してしまいます。
そうやって借金がどんどん膨らんでいくのです。
こういうことをやっているから農家が甘えるんだ、という
意見はとてもよくわかります。
当座預金は必要だと思いますが、そのために口座が
マイナスになっても気にしない、そして農家がダメになる。
ならどうしたらいいか、となるとこれもまた難しい。
ダメな農家は潰してしまえばいい、という意見も
もっともだし、それではその農家の暮らしが成り立たない
だけでなく、地域の生産基盤にも影響を受ける、
という意見もわかります。
問題の本質はクミカン制度よりも、借金を積み上げていく
農家に問題があると思います。
なのでクミカン制度廃止自体には反対です。
規制改革、農協支配からの脱却、という点では
面白い提言だと思います。
ただ農協改革をおこなえば、あわせて
農家への負担も大きくなりすぎるような気がします。
しかし、最近話題になっている収入保険の話が…。
以前から収入保険については耳にしていましたが、
安倍政権なら実現できてしまいそうな気もします。
制度の構築がすさまじく難しそうですけどね。
農家の所得が確保される+農協改革がセットなら…。
農協が大きな変化にさらされても農家に不利益は
なくなるのかも。
収入保険がどういう制度になるかは
まだわからないですけどね。
最後に。
そもそも農協は農家が組織しているものであり、
農家のための組織であるはず。
農家が暮らしている地域は他の店がほとんどない
ような田舎も多いです。
そんな地域でも暮らしていけるように、
スーパーを作り、銀行となり、ガソリンスタンドを運営し、
資材を売り、農産物の集荷をし販売をしているわけです。
そこに民間企業が参入していけるなら
それでもいいのですが、果たして条件が不利な地域で
営利企業が入っていけるのかどうか。
それに農協も昔に比べれば徐々に変わってきて
いるように思います。
うちの物を買わないとあなたが作った物を売ってやらないぞ、
金を貸さないぞ、なんて言う時代ではないし、
農協以外から買う、農協以外に売る、と言っても
それを拒んだりはしていないと思います。
(私の知る範囲では、ですが)
今回のような議論は必要だと思います。
ただ、急激な変化を求められてはついていけない
人もたくさんでてくる。
少しずつできるところから変化していけば
いいのではないかな、と思っています。
しかし、政治は駆け引きの世界でもあるので、
今回の件で各所に危機意識を与えられたのなら、
それで成功と言えるのかもしれませんね。
報道以上のことを知らないからこそ、
好き勝手に書いてみました。
規制改革推進会議による提言。
今日現在では直ちに提言が実行されることには
ならない状況になってきましたが、
今後も議論がなされていくんでしょうね。
提言については新聞で見ている以上のことは
知りませんが、以下のような内容のようです。
・全農による委託販売をやめて全量買取へ
・JAの信用事業を農林中央金庫へ移管
・クミカン制度の廃止
農業団体からするといずれも反対するのは
当然と言えますが、私個人の意見を述べると
以下のような感じです。
・全農による全量買取
正直なところこの分野には詳しくないのですが、
北海道では全農よりもホクレンの方がシェアが
大きいでしょうから、この提言がホクレンにも
当てはまるのならばインパクトは強いですね。
ただ、手数料を取っての委託販売がそこまで
問題かな、とは思います。
確かに手数料が高いという批判はありますが、
全農にしてもホクレンにしても農家が作っている
組織なのだから販売に手を抜くということは
考え難いし、しっかり売ってくれるなら手数料が
多少高くてもいいように思います。
それに買取制度にすることが必ずしも
農家のプラスになるとは思えません。
というより、どっちに転ぶかよくわからないです。
全農やホクレンにしてみたら手数料を取る方が
安定していていいのかもしれませんが。
農家にしてみたらより高く買い取ってもらえる
ことになるのか、あるいはより安くしか売れなく
なってしまうのか。
今は全農やホクレンが調整弁となって、農家の所得を
確保できるように売っているという状況もあるような…、
感じがします。
そもそもより利益を得ることを狙って農協系以外の商社などに
売っている人はすでにいますからね。
それができない農家は農協に売るしかないわけですから、
そういった農家にとっては今までどおりの方が
良さそうな気がします。
と書いてはきましたが、この話題はよくわかりません。
・JAの信用事業を農林中央金庫へ移管
JAから信用事業を取っちゃうと、JAにとっては
一大事ですね。
ただ、JAから銀行の役目をなくすと、市中銀行の
支所がない田舎ではもう大事件です。
提言でもなくすという話でなく農林中金がやると
いう話なので、JAから銀行がなくなるという
ことでもないんでしょう。それに農林中金が
職員をJAへ送り込むなんてこともできるはずが
ないので、JAへ業務委託、となるのかな?
JAが信用事業を持っていることの問題点として
考えられるのは、資金を貸し付けた農家の経営が
傾いて回収不能となり、JA自体の経営が危なく
なっているケースがあることですかね。
どうしても地元の仲間を助けようとして、
経営改善の見込みがないにも関わらず
貸付を続けてしまうことはあり得ます。
またはそのJAの体質もありますが…。
このことを問題とするのであれば、
信用事業の移管はいいことなのかも
しれません。
・クミカン制度の廃止
これは大変ですね。
北海道ではごく一部のJAを除いてクミカン
使っていますから。
しかし、クミカンをなくさせる意味がどこに
あるのか、というのが疑問です。
クミカンはいわゆる当座預金ですから、
商売をしている人にとっては必要なものです。
資材を買うのに必ず現金を用意しろ、と言われると
借金に奔走しなければいけなくなります。
当座預金のおかげで、現金が一時的になくなったとしても
営農できるわけですから。
ただ、クミカン制度は毎年年末に清算する、という
仕組みになっていまして、これを問題視していると
いう記事も読んだ気がします。
それならわかります。
借金が多い農家の実態として、年末にクミカン口座が
マイナスになってしまい、その分をJAがお金を
貸して清算する、ということを毎年繰り返してしまいます。
そうやって借金がどんどん膨らんでいくのです。
こういうことをやっているから農家が甘えるんだ、という
意見はとてもよくわかります。
当座預金は必要だと思いますが、そのために口座が
マイナスになっても気にしない、そして農家がダメになる。
ならどうしたらいいか、となるとこれもまた難しい。
ダメな農家は潰してしまえばいい、という意見も
もっともだし、それではその農家の暮らしが成り立たない
だけでなく、地域の生産基盤にも影響を受ける、
という意見もわかります。
問題の本質はクミカン制度よりも、借金を積み上げていく
農家に問題があると思います。
なのでクミカン制度廃止自体には反対です。
規制改革、農協支配からの脱却、という点では
面白い提言だと思います。
ただ農協改革をおこなえば、あわせて
農家への負担も大きくなりすぎるような気がします。
しかし、最近話題になっている収入保険の話が…。
以前から収入保険については耳にしていましたが、
安倍政権なら実現できてしまいそうな気もします。
制度の構築がすさまじく難しそうですけどね。
農家の所得が確保される+農協改革がセットなら…。
農協が大きな変化にさらされても農家に不利益は
なくなるのかも。
収入保険がどういう制度になるかは
まだわからないですけどね。
最後に。
そもそも農協は農家が組織しているものであり、
農家のための組織であるはず。
農家が暮らしている地域は他の店がほとんどない
ような田舎も多いです。
そんな地域でも暮らしていけるように、
スーパーを作り、銀行となり、ガソリンスタンドを運営し、
資材を売り、農産物の集荷をし販売をしているわけです。
そこに民間企業が参入していけるなら
それでもいいのですが、果たして条件が不利な地域で
営利企業が入っていけるのかどうか。
それに農協も昔に比べれば徐々に変わってきて
いるように思います。
うちの物を買わないとあなたが作った物を売ってやらないぞ、
金を貸さないぞ、なんて言う時代ではないし、
農協以外から買う、農協以外に売る、と言っても
それを拒んだりはしていないと思います。
(私の知る範囲では、ですが)
今回のような議論は必要だと思います。
ただ、急激な変化を求められてはついていけない
人もたくさんでてくる。
少しずつできるところから変化していけば
いいのではないかな、と思っています。
しかし、政治は駆け引きの世界でもあるので、
今回の件で各所に危機意識を与えられたのなら、
それで成功と言えるのかもしれませんね。
報道以上のことを知らないからこそ、
好き勝手に書いてみました。
2016年10月30日
TMRの配送にひと工夫
最近は補助事業が整備されているからなのか、
TMRセンターの設立が増えているように感じます。
それだけTMRセンターの利点が評価されてきて
いるということでしょうか。
条件によってはきますが、ほとんどのケースで
労働負担軽減にはつながっているだろうと
思います。
TMRセンターを利用するとお金は掛かりますが、
四六時中休みなしで働く時代でもないですし、
私の親世代だと長時間働いていても辛抱できる人も
多いように思いますが、私の世代になればしっかり
休みたい人が多いのではないかと思います。
自身のためにも後継者のためにも、負担軽減にはぜひ
取り組んでいただきたいですね。
ところで先日、TMRセンター利用農家の方を
おじゃましたとき、面白い光景を目にしました。
TMRを入れたミキサーを搭載したトラックが
フリーストール牛舎に入っていき…。
牛の鼻先にばーっとエサを落としていくんです。
給餌までやってくれるなんて…。
他にもこういった供給の仕方をしているセンターは
あるらしいですが、私は初めて見ました。
牛舎に小型トラックが入れるだけの広さおよび高さが
必要ではありますが、条件の合う構成員が多いセンターなら
検討する価値はありますよ。
ちなみにトラックが入れない牛舎を持つ構成員に対しては
通常通りエサ場に置いていくようです。
TMRセンターの設立が増えているように感じます。
それだけTMRセンターの利点が評価されてきて
いるということでしょうか。
条件によってはきますが、ほとんどのケースで
労働負担軽減にはつながっているだろうと
思います。
TMRセンターを利用するとお金は掛かりますが、
四六時中休みなしで働く時代でもないですし、
私の親世代だと長時間働いていても辛抱できる人も
多いように思いますが、私の世代になればしっかり
休みたい人が多いのではないかと思います。
自身のためにも後継者のためにも、負担軽減にはぜひ
取り組んでいただきたいですね。
ところで先日、TMRセンター利用農家の方を
おじゃましたとき、面白い光景を目にしました。
TMRを入れたミキサーを搭載したトラックが
フリーストール牛舎に入っていき…。
牛の鼻先にばーっとエサを落としていくんです。
給餌までやってくれるなんて…。
他にもこういった供給の仕方をしているセンターは
あるらしいですが、私は初めて見ました。
牛舎に小型トラックが入れるだけの広さおよび高さが
必要ではありますが、条件の合う構成員が多いセンターなら
検討する価値はありますよ。
ちなみにトラックが入れない牛舎を持つ構成員に対しては
通常通りエサ場に置いていくようです。