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2016年04月12日

社会科学と肉牛農家の話

あれほど優秀な人たちが経済対策や追加緩和などを立案し
実行しても一向に景気が上向く感じがしないのですから、
経済をコントロールするということが相当難しいものなのだと
いうことがうかがいしれるかと思います。

科学にもいろんな分け方がありまして、詳しくは辞書などを
ご覧いただくとして、科学には自然価格と社会科学という分類が
あります。

どちらも何らかの現象に対し普遍性や客観性を追及する、
という意味で「科学」なのですが、その対象とするものによっては
高尚に見えたり、あるいは安っぽくみえたりするのがまたおもしろいと思います。

例えばボールを10m先にいる相手のミットの中へ正確に放り投げたいとする。
その時の風向きや強さ、ミットの高さなどの条件がわかれば、ボールを
投げるべき角度や初速を求めることができるわけです。

自然現象を数学で解決する、なんとなくかっこいい感じがします。

一方で社会科学を見てみるとどうでしょう。
例えば30代男性がどのような車を買うかを考えてみる。
その選択に影響するであろう条件としては、価格、家族構成、
デザインの好み、用途、など挙げるときりがない上に、
本人が買いたいといってもその奥さんが駄目といったら買えないことも多い
わけですから、もう考えるときりがありません。
客観性を探るのが科学なのに、何がなんやらわかりません。


とはいえ自然科学にしたって、影響が強く及ぶものを
優先するわけで、社会科学においてもそうであればいいわけです。
車の例で言うと、価格、好み、家族の意見、でしょうか。

ということでどちらも同じ科学なのに、車に例えるととたんに俗っぽい。
きっとそれは、自然科学はこれまでに多くの学者に検証され、
理論として確立してきた学問であるのに対し、社会科学も多く
の学者に検証されてきたものではあるけれど、得られる結論が
誰にでも思いつきそうなものだからでしょう。
言い換えると、誰にでも思いつきそうな結論を整理したり、
その有効性の度合いを導き出すのが社会科学に与えられた責務で
あるようにも思えます。


いつものように農業に話を戻しますと、私が常日頃悩んでいる
問題として、「どうして肉牛農家は牛が高くなっても頭数を揃
えようとするのか」というものがあります。

肉牛の相場は昨年非常に高値で推移しました。
育成農家にしても肥育農家にしても、買いも売りも上がった状況でした。
そして、育成農家にとっても肥育農家にとっても、
買ってくる牛の価格上昇よりも牛の売れる額の上昇のほうが高く、
相場としては好転したといえると思います。

それならなぜ牛を買うことに問題を感じるのかというと、
昨今の肉牛農家は以下のリスクを抱えているように感じるからです。

・頭数を維持するように牛を買うことで、資産評価額は
 高いものの手持ちの現金が少なくなっている。
 (決算がいいのにお金がないという状況に陥っている)
・高値で買ってきた牛が売れる時に今の高値相場が
 続いているとは限らない。
 (政策での救いはあるんでしょうが)

そもそも牛が高くなるということは、セリで高値がついているということです。
すなわち、購買者が競ってでも牛を買おうとするからです。

牛の頭数が減っているから、という論調はよく見られます。
確かに牛の頭数は減っているのですが、牛の頭数が増えたからと
言って競り上がれば結局高値のままです。
やはり購買者に原因を求めるべきでしょう。

となると、購買者はなぜ高値で買えるのか。
おそらくですが、枝肉の値段が上がったからでしょう。
そして、供給減とアベノミクスにより肉の値段が高くなった⇒
肥育農家が牛を確保するため、その利益で高値で牛を買った⇒
高値で素牛が売れた育成農家が子牛を多く集めだした
という流れが成立するんでしょう。

それはそれでいいのですが、では今の値段で牛を買って
利益が出せるのか?となると、その計算はできていないでしょう。
その牛が売れる頃にどんな相場になっているかもわかりませんし。

という感じで、本来利潤を追求すべき経営者が、先の見通しを
持てぬまま規模を維持するために牛を確保する。その行動を
どのように説明し、そしてどういう方向に導いていくべきか。
これが最近の悩みです。


これも社会科学なんでしょう。
そう考えるとなんともあいまいで頼りない感じがします。
posted by とば吉 at 00:55 | TrackBack(0) | 肉用牛
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