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2020年12月01日

「殺人出産」を読んだ感想。

もう12月とは信じられません〜
最近何をしていたかといいますと...ひたすら本を読んでました。
先月は11冊読めました。
11月に11冊
12月は12冊!とはいかないかな。

先月読んだ本はどれも面白かったです。
その中でも特に語りたくなった1冊がこちら。



「コンビニ人間」で芥川賞を受賞した
村田沙耶香さんの本です。

短編なのでサクっと読めます。
ちょっとグロテスクな世界観なので好みは分かれそう。
「世にも奇妙な物語」なんかが好きな方にはハマるかも。
タイトルである殺人出産はストーリーの1つで、そのほかにも3つのお話が楽しめます。
「トリプル」「清潔な結婚」「余命」

なかでも「清潔な結婚」のラストについて、今日は書きたいと思います。
性的な関係を抜きにしたクリーンな家庭生活を求める男女が結婚する話。
性欲が無いわけではないが、家族にはそれを求めず、外で済ませても良しとしている。
個人的にはなんとなくわかる。親しくなり過ぎてホッとできる関係になってしまうと、どうしても動物的な一面が受け入れがたくなったりしてね。

逆に考えると、性的な面でも生活のパートナーとしても相性がよいというのは奇跡みたいなものですね。
片方だけ良いっていうケース、実は結構多いんじゃないだろうか。


さてさて、モヤっとしたのがラストのシーン。
読んだ後に解釈を求めて検索された方に向けて書きたいと思います。
※ネタバレ含みます※

性的な関係を一切もたない夫婦。
家庭に性を持ち込まないだけで性欲がないわけではない。
そのため必要な時は外でご自由にどうぞ、というルール。
しかし、ひょんなきっかけで奥さんが旦那さんの性癖を知ってしまう。
幼児がえりする性癖が判明するが、奥さんは多少の好奇心が刺激されたのみで他人事である。
(自分と性的関係を持つことがないのでどうでもよい)

そんな中、2人は人工授精などの方法を探してなんとか子供を作ろうと試みる。
夫婦が病院へ行った後に公園で少し休んでいるところがラストシーン。
二人は公園で遊んでいる女の子とお母さんの姿をぼーっと眺めながら会話をしているのだか、旦那のほうが吐き気を催し具合が悪くなってしまうのである。
ここでストーリーが終了。

これは、旦那が何らかの幼児コンプレックを抱えていることを示唆しているのだと私は解釈した。
結局、子供を持つために性的な関係を避けるということは本来不自然であり、不自然なまま問題を放置して「子供は作る」という願望を満たそうとすると、結局どこかで歪みが生じるという問題提起ではないか。
簡単ですが私の考察です。

みなさんはどんな風に感じたでしょうか。



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