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posted by fanblog

2017年10月15日

AlteredArcs:オルタードアークス 紹介/感想

◆AlteredArcs:オルタードアークス 紹介/感想
マルチクリエイターのterunonさんがRPGツクールフェスで制作された作品です。
本作はRPGツクールフェスのサンプルゲームかつ、ダウンロードサイトで殿堂入りを果たしています。
AA2_19.jpg

[作品紹介]
RPGツクールフェス 公式サイト-レジェンド・ツクラー制作公式配信ゲームのご紹介
https://tkool.jp/fes/freegame.html

[作者紹介]
terunonさん

WEBサイト:
https://tri-nitroterunon37.wixsite.com/terunon
Twitterアカウント:
https://twitter.com/trinitroterunon
『AlteredArcs:オルタードアークス』のギミック組み方講座
http://ch.nicovideo.jp/terunon/blomaga/ar1124711


[遊び方]
Nitendo 3DS/2DSをお持ちの方は、無料ソフトRPGツクールフェスプレイヤーからダウンロードすることでプレイ可能です。


[ツクールフェスプレイヤーのダウンロード方法]
1.3DSホームから「ニンテンドーイーショップ」を起動
2.ソフトを「RPGツクール」で検索し「RPGツクールフェスプレイヤー」をダウンロード
Tkoolfes0.jpg

[作品のダウンロードまで]
3.RPGツクール フェス プレイヤーを起動
4.「ゲームのダウンロード」⇒「みんなの作品」⇒「殿堂入り」を選択
AA2_3.jpg
AA2_4.jpg

■AlteredArcs:オルタードアークスとは

「AlteredArcs:オルタードアークス(以下、オルタードアークス)」はサンプルゲームの中でもツクールフェスのアクション性、ギミックの可能性を提示した、言葉通りサンプルに相応しい作品です。

・転ぶ/落ちる/吹き飛ばされるといった動きのある表現
・細部まで考え込まれた言葉の妙
・絶妙な難易度のギミック
・全年齢の笑いのツボを狙いすましたユーモア

……と見どころたくさん、遊び心が盛り込まれたゲームなのです。

■舞台はオバケ世界、願いの塔

作品の舞台はファンタジーの雰囲気を漂わせた『オバケ世界』の『願いの塔』。
現代世界からやってきた高校生ダイゴが謎の閉鎖空間に閉じ込められた場面から始まります。
AA2_7.jpg

プレイヤーとキャラクターが予備知識がない状態で始まる流れは、物語に入り込みやすいですね。

■プレイヤーを牽引するストーリー、楽しませるギミック

物語は『ストーリーパート』→『ギミックを活用して進むアクションパート』の繰り返しで進行します。
会話の中に登場する何気ない一言が、アクションパートのヒントになっていたり、物語に結びついています。
言葉を拾えば拾うほど、世界観を様々な切り口で楽しむことができます。

AA2_26.jpg
最初は移動歩数を感知するシンプルなステージ

AA2_27.jpg
スイッチのオンオフを切り替えて進む

AA2_32.jpg
踏んだ床と連動して動くトロッコを遠隔操作

アクション操作が苦手でも、慣れるうちにクリアできる難易度なのでご安心を。
ソースは私です。

■プレイアドバイス:セーブは分けつつ、こまめに

冒頭の導入部が終わったら(塔から絶叫した後)ミスによりゲームオーバーが発生するので、まずはセーブを。
AA2_5.jpg
最初はこの台詞の後に一度セーブしておくと良いです
大きく巻戻らないためにも、「ゲーム進行用」と「全快状態で保存したやり直し用」の二種類のセーブを使い分けてみてください。
AA2_34.jpg
この場合だとセーブスロット2がゲーム進行用、3がやり直し用

■バリエーション豊かなギミックの数々

アクションギミックアドベンチャーと銘打たれている通り、目玉はギミック。
ギミックには名前が付けられているものがあり、設定ともリンクしています。
(アイテムの説明文に気付いた方は、本作を楽しんでいるに違いありません)。

●ケセドの杖
AA2_23.jpg
特定の場所でAボタンを押すことで道を拓いたり、追手を足止めするギミック
終盤のイベントでも登場します

●ダートの銀時計
AA2_10.jpg
アニメーションとタイマーを活用した、時間を止めるギミック
効果時間は8秒、その間は画面が青みがかります

●ネザックの刃
AA2_29.jpg

無敵効果+アニメーション+タイマーを活用した、バトル風ギミック
効果時間は6秒、その間は画面が白みがかります
※ダートの銀時計とネザックの刃は、同じギミックのアレンジ違いなのですね

●トロッコ
AA2_32.jpg
トロッコを踏んだ床の矢印にあわせて遠隔操作するギミック

●消える床
AA2_33.jpg
タイマー+タイルセットの変化を利用したギミック

AA2_35.jpg
難易度が上がると消える床+ダートの銀時計を組み合わるようになります

■遊び心のあるフレーバーテキスト

エイリアスエイク同様、テキストのあるところに高確率で遊び心が隠れています。

AA2_13.jpg
HPとは

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関係ありませんが左に『赤い』リンゴがありますね

AA2_24.jpg
原作よりもアニメ映画版が好きです

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あるいは音姫

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建築業界に波紋を起こしかねない表現

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あるいはプラシーボ効果

AA2_25.jpg
人と猫のふれあいVol.1

AA2_36.jpg
人と猫のふれあいVol.2

きりがないので、この辺で。
まだまだ隠された遊び心を、ぜひ探してみてください。

■ギミック×演出

本作のセールスポイントはギミックだと思うのですが、演出も見所の一つです。

●記法のこだわり
『キャラクター名:』と『台詞のインデント下げ(一文字分下げて書き出される)』が統一されています。
これにヒントを得た作者さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

●世界観を崩さないことへのこだわり
たとえばツクールフェスの仕様上、変更できないものの一つに通貨単位「G」があります。
このGを浮かせずに、かつゲーム内の小道具に置き換えたテクニックはお見事。
AA2_12.jpg

この場面では、台詞前のSE音で精神体との会話を表現していました。
AA2_58.jpg

精神世界、思念体というワードが登場する本作にマッチした表現

●落下へのこだわり?
気のせいか、AAシリーズでは「落下」する演出が多いです。
AA2_55.jpg
AA1_3.jpg
セルフオマージュ説を唱えます

■最後に

たくさん言葉で紹介するつもりが、自然とスクリーンショットを多用する形となりました。
それは作品の画面が、言葉以上に面白さを表現できるからなのですよね。
まさしくゲームの鑑です(ものを書く身としては悔しいかぎりです)。

イラスト、楽曲を自分で手掛けられるterunonさんが、それらに縛られることなく作り上げた家庭向けツクール作品。
オリジナルイラストや楽曲を使わなくても、作者の想像力は表現できることを教えてくれます。
それを一番感じたのはこの画面。

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プリセットBGMもクレジットの見せ方次第でテーマBGMに早変わり。
これは物事の中に遊び心を見つける、という考え(あるいは目の良さ)に根ざしている気がします。
ゲームデザイン論のようなモノの本では学べないことです。

シナリオの話をすると、塔の頂上で交わされるヒロイン、ラスボスの台詞には鋭く尖った言葉も幾つかあります。
生々しいくらいの言葉も、感情のほとばしりも、実直で純粋な作者さんの想像力。
笑わされてしまうテキストも、考えさせられる言葉もどちらもこの作者さんの魅力的な一面です。

多くの方にエンディングに続く鐘を鳴らして頂ければ、紹介した身として嬉しいです。
世界観が気に入った方は、他のAAシリーズも手に取ってみてください。

■おまけ

本作のエンディングは二種類(クリアタイムはおよそ1時間でした)。
このメッセージの後のどこかで分岐します。
AA2_49.jpg
直前にひとつセーブをとっておくといいです

AA2_56.jpg
ゲームオーバーさえ、とある演出に変えてしまうterunonさんマジック、とくとご堪能ください

ダウンロード方法はこちら
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