アフィリエイト広告を利用しています

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

2022年08月17日

介護士は知っておきたい高齢者の疾病の特徴 適切なケアのための疾病の基礎知識  脳血管疾患編・パーキンソン病






高齢者の疾病の特徴


私たちは、気温が高くなったら汗をかいて体温の上昇を抑えようとします。また、体内の水分が不足すると、のどの渇きを感じて水分補給をします。喉の渇きが水分不足を知らせるサインというわけです。
 このように身体には、体温調節のように外部環境への適応力、けがや病気からの回復力、病原菌などから身体を守る免疫力、環境の変化に対応するための予備力など、外部環境や体内での変化に対して体内の状態を元に戻そうとする力があります。この体内の環境を一定に保とうとする機能(ホメオスタシス)によって私たちの身体は一定の状態に保たれ、生命や健康が維持されているのです。しかし加齢により、これらのホメオスタシス維持機能が低下するあめ、さまざまな健康障害のリスクが高くなります。
 高齢者は、さまざまな身体の機能が低下しているため、いくつもの疾患を抱えていることが多いです。利用者の健康を守るために、介護職は高齢者の疾病の特徴を理解した方がよいと思います。



■疾病の発見が遅れることがある
 高齢者の場合、医学書にあるような典型的な症状がはっきり現れないため、疾病の発見が遅れることがあります。また、本人の自覚がないことも多く、自覚症状が出た時には疾病の進行していて、思い症状となって現れることがあります。また、認知症などにより的確に訴えることができない場合もあり、疾病の発見が遅れます。利用者の食事の仕方や表情、話し方などがいつもとちがう場合は、体調の変化のサインですので、すぐに医療職に報告しましょう。


■感染症にかかりやすい

 高齢者は、免疫力が低下しているため、ウイルスや細菌による感染症にかかりやすいです。さらに、多くの機能が低下しているため、たとえ肺炎でも重症化し、死に至ることもあります。介護職は、感染症対策をしっかり行いましょう。

■薬の副作用が出やすい
 高齢者は、複数の疾患を抱えているkとおが多く、複数の薬を内服しています。疾患が治りにくく長期化するために薬の内服期間が長かったり、腎臓や肝臓の機能の低下によって薬物の解毒・排泄機能も低下する為、薬の副作用が出やすいという特徴があります。さらに、薬の飲み忘れや飲み間違いも多く、処方された内服量より多く内服することで、病状が悪化することがあります。内服の介助をする際は、薬の種類や量、回数などを間違えないように慎重・確実に行います。

■廃用症候群が起こりやすい
 廃用症候群とは、身体を使わない状態が続くことにより引き起こされる心身の機能障害です。その主な症状としては、筋力の低下、関節の拘縮、褥瘡、心肺機能の低下、便秘、うつなどがあります。高齢者の場合、何らかの原因で安静臥床(ベッドで静かに動かずに横になっている状態)が続いた場合、廃用症候群が起こりやすくなります。元々の疾病が治っても、廃用症候群が原因で寝たきりになることがありますので、医療職と協働して、ベッドから起き上がる時間や座る時間を増やしたり、手足などを動かしたり、体位変換をするなどの廃用症候群の予防に努めましょう。


適切なケアを提供するために、疾病の基礎知識は必要


■利用者の安全を守ることが大前提
 医療職の人員配置が少ない介護現場では、病気を多く抱える利用者に対して、「何かあったらどうしよう」「どう対応したらよいのか不安を抱えている」など、介護職の声があります。
 介護職が安心して利用者をケアするために、疾病の基礎知識を学ぶことはとても意味があります。必要な観察やケアのポイントがわかり、医療職をより活用できるようになるからです。
 ケアを行う上で、利用者の意思を尊重することは大切ですが、時に意思を尊重して健康状態を悪化させることがあります。たとえば、高血圧と狭心症のある利用者が熱めのお風呂に入りたいと強く希望した場合を考えてみましょう。本人の意思を尊重すると心臓に負担がかかり、症状を悪化させてしまします。利用者の意思を尊重したとしても、これでは適切なケアを提供したことにはなりません。適切なケアとは、利用者の安全を守ることが大前提ですから、疾病の基礎知識が必要なのです。介護職が疾病の基礎知識を身に付けていると、利用者にケアの必要性を説明できるようになります。
 また、介護職が、利用者がどのような病気を抱え、どのような症状があるのかを知っておくと、医療職との連携がスムーズになります。たとえば、糖尿病の利用者が爪切りで指先を傷つけたとき、糖尿病は感染を起こしやすく、傷が治りにくいということを介護職が把握していれば、医療職にすぐに報告しようと考えます。
 とはいえ介護職には、疾病の詳しい知識を求められているわけではありません。介護職に必要な知識は、その病気によって生活にどのような影響があるのか、病気を悪化させないためにどのようなことに気をつければよいのかということです。





脳血管疾患の特徴



 脳血管疾患とは、脳の血管の血流障害によって、脳細胞に栄養が届かなくなり、脳細胞が死んでしまう病気です。突然手足がしびれたり、話せなくなったり、意識がなくなったりすることから、脳卒中と昔から呼ばれています。
 脳血管疾患は、「がん」「心疾患」「肺炎」とともに日本人の死亡原因の上位に入っています。そして、一命をとりとめたとしても何らかの後遺症を残すことが多く、要介護状態になる要因の一つです。

<脳卒中の言葉の由来>
 脳が卒然として(急に)悪い風に中る(当たる)ために起こる病気

⊞ 脳血管疾患の種類
 脳血管疾患は、脳の血管が詰まることによって起こるものと、脳の血管が破れることによって起こる者にわけられます。

⊞ 脳梗塞の症状
 脳梗塞は、脳に栄養や酸素を送る血管が詰まって、脳細胞が死んでしまう病気です。この脳梗塞が起こる原因によって、脳血栓脳塞栓の2種類に分けられます。
 最も多い症状は、半身の麻痺やしびれ、言語障害、めまいやふらつき、視野が欠ける、物が二重に見えるなどです。麻痺や言語障害の後遺症により、介護が必要になることが多くなります。

●脳血栓と脳塞栓の特徴
脳血栓…動脈硬化によって脳の血管が狭くなったところに、血小板や血液の固まり(血栓)が詰まる
脳塞栓…心房などの他の臓器でできた「血液・脂肪・組織片」などの固まり(栓子)が詰まる

POINT!
 ・脳梗塞は再発しやすく、再発するごとに症状が重くなるといわれています。高齢者の場合、脱水により血液の流れが悪くなることで再発しやすくなります
 ・介護職は、脳梗塞の既往がある利用者の食事や水分の摂取量に注意が必要です

⊞ 一過性脳虚血発作の症状
 一時的に脳の血管が詰まり、半身の麻痺やしびれ、ろれつがまわらない、めまいやふらつきなどの症状が出るものの、血流が回復し、症状が10〜15分、長くても24時間以内に治まるものを一過性脳虚血発作といいます。脳梗塞の前触れともいわれ、回復しても注意が必要です。

⊞ 脳出血の症状
 脳の血管が破れ、脳内に出血する病気です。出血部位や出血量によりそれぞれ症状や程度が異なりますが、突然の頭痛、吐き気、片麻痺、意識障害が見られ、出血が多量の場合は、死に至ることがあります。

POINT!
 ・加齢とともに動脈硬化が進み、動脈の弾力性が低下します。そのため、血管に赤い血圧が加わると、血管が耐えられずに破れて出血します。このため、高血圧や糖尿病などを抱える利用者は注意が必要です。

⊞ くも膜下出血の症状
 脳を覆っている3層の膜(軟膜、くも膜、硬膜)のうち、くも膜と軟膜の間にある動脈瘤が破れ、膜と膜の間に溢れた血液が脳全体を圧迫します。
 突然、ハンマーで殴られたような激しい頭痛と嘔吐が特徴で、死に至ることもあります。

⊞ ケアのポイント
 <早期発見>
 発症後、できるだけ早く治療を開始することで病状の悪化を防ぐことができます。そのため、次のような症状を発見したら、脳血管疾患が疑われますので、速やかに医師の診察を受けてもらいましょう。

・頭痛 ・意識障害 ・顔や手足がしびれる ・片方の手足に力が入らない ・ろれつがまわらない 
・言葉がでない ・話を理解できない ・目が片方もしくhな両方とも見えにくい ・視野が欠ける
・物が二重に見える ・立てない、歩けない、ふらつく








<再発予防>
 脳血管疾患の既往歴がある利用者は、脳血管疾患を起こしやすい生活習慣や病気などがあるため、再発する可能性があります。再発すると、後遺症が重くなったり新たな後遺症が増えたりして、日常生活への支障が大きくなるため、再発を防ぐことがとても大切です。

❶内服時の注意
 高血圧や糖尿病、高脂血症不整脈などは脳血管疾患の危険因子といわれています。これらの病気を持っている利用者で内服している場合は、処方通りに確実に内服させましょう!また、脳梗塞の場合、再発予防のために血栓をできにくくする薬が処方されますので、確実に内服させましょう!

POINT!
 ・血栓をできにくくする薬を内服している場合、止血しにくくなるため、けがをしないように注意しましょう。

❷入浴
 血圧の変動に注意!暑いお湯での入浴や、脱衣所と浴室の温度差で血圧は上昇します。また、冬場などは脱衣所の保温に気をつけましょう。
❸脱水
 脱水状態になると、血液が濃くなって固まりやすくなり、脳梗塞が起こりやすくなります。。高齢者は喉の渇きを感じにくいので特に水分補給には注意が必要です。入浴時間が長いと脱水になりやすいので、長湯はやめ、入浴後には必ず水分補給を促しましょう。また、運動のあとなどにも水分補給が必要です。
❹便秘
 便秘になると、排便時に強い腹圧をかけていきむので、血圧が上昇します。便秘予防のため、食事と運動に気を付けてもらいましょう。
➎運動
 適度な運動は、糖尿病や高脂血症、肥満に効果があります。医師の指示のもと、運動を行ってもらいましょう。ラジオ体操などは全身運動でとっても良いです!

●脳血管疾患の危険因子
高血圧
高血圧が続くと常に大きな圧力がかかり、動脈がもろくなり、詰まったり、破れやすくなる
糖尿病
 高血糖状態が続くと動脈硬化が進みやすいため、脳梗塞が起こりやすくなる
脂質異常症(高脂血症)
 体内のコレステロールや中性脂肪が多くなる病気で、動脈硬化の危険因子
不整脈(心房細動
 心房細動は不整脈の一種。心臓細動で痙攣し、心房内の血液の流れが滞ると、血液の塊ができやすくなる。
 心房が小刻みに震えて心房の収縮が不規則になるため、心臓の血液の流れが滞って、心臓に血栓ができやすくなる。この血栓が血液とともに流れ、脳の血管に詰まってしまうと、脳梗塞を引き起こす
喫煙
 喫煙により、ニコチンやタール、一酸化炭素が体内に入り、全身の血管が収縮して血圧が上がる。さらに、脳の血液の流れが一時的に悪くなる
運動不足
 高血圧や動脈硬化になりやすくなる
肥満
 脳卒中の危険因子である高血圧や糖尿病の原因になる
脱水
 血液が濃くなり、固まりやすく、脳梗塞の原因になる


パーキンソン病の特徴


 パーキンソン病は、神経伝達物質であるドーパミンの減少により脳から全身に出される運動の指令がうまく伝わらなくなり、身体の動きに障害が現れる病気です。パーキンソン病の主な症状は、運動症状です。そのほかに、自律神経症状や精神症状が現れることもあります。

<運動症状>
 運動症状として、「振戦」「筋固縮」「無動・寡動」「姿勢反射障害」の4つの特徴的な症状があります。

●パーキンソン病の運動症状
振戦(手足が震える)
 何もしていないときに手足にふるえが現れ、手足や身体を動かし始めるとふるえは止まる
筋固縮(筋肉がこわばる)
筋肉がこわばり、手首や肘などを動かそうとすると、歯車のようなカクカクとした抵抗がある
無動・寡動(動きが遅い)
 動き始めるのに時間がかかり、動きもとても遅くなる
姿勢反射障害(バランスが取れない)
 バランスを保てなくなり、膝を軽く曲げて少し前かがみの姿勢になる。また、バランスを崩すと元に戻しづらく、軽く押されただけで簡単に転倒したり、振り向いたときに転倒したりする


 これらの症状により、日常生活には次のような障害が現れることがあります。
・前かがみの姿勢で、手の振りが少なく、小刻みに足を引きずるように歩く
・初めの一歩がだしにくい
・一度歩き出すと、加速して止まらなくなり突進する
・軽く押されたり、振り向いたときに転倒しやすい
・後ろから声をかけられても振り向くことが困難になる
・寝返りをすることがとても困難になる
・表情が乏しくなり、喜怒哀楽がわかりづらい(顔面様顔貌)
・まばたきの回数が少なくなる
・小さな声で抑揚のない単調な話し方になる
・顔や舌、喉の筋肉に障害が現れると、食べ物が飲み込みにくくなる
・書く文字がふるえて、小さくなる

<精神症状>
 抑うつ、認知症、睡眠障害、幻覚、妄想などが現れます。

<自律神経症状>
 便秘、頻尿、発汗異常、起立性低血圧などが現れます。

※起立性低血圧
 体内の血液は重力のために下半身に集まりますが、自律神経の働きで下半身の血管が収縮し、上半身に十分な血液が流れるように調節しています。自律神経に障害が生じた場合、脳へ血液が回らなくなり、一時的にめまいや立ちくらみが起こります。


⊞ ケアのポイント
❶運動やリハビリが大切です。日常生活動作は、できる部分は時間がかかってもやってもらいましょう。あせったり緊張したりすると、うまくできなくなるので、ストレスを与えないように見守りましょう
❷転倒には気をつけましょう。足の動きを観察しながら歩行介助をします。また、後ろから急に声をかけうのはやめましょう
❸表情が乏しいため、他の利用者から誤解を受けやすいです。介護職は、利用者同士のコミュニケーションの橋渡しを心がけましょう





posted by sorajiro at 14:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 介護

2022年08月15日

介護職は知っておきたい高齢者の疾患(消化器系、腎・泌尿器系)






 こんにちは! 
 
  介護職の皆さん、もしくはこれから介護職に携わるかたなど、色々な悩みを抱えています。これから介護職になる方は、どんな仕事なのか?どんな患者さんがいらっしゃるのか?ケアが上手くいくのかな?すでに働いている方は、日々患者さんが急変しないか?特に重症の患者さんが入院している病院などでは夜間帯に患者さんが急変する可能性があり、不安がありますよね。介護職は医療のプロフェッショナルではないので、不安は計り知れません。
 ただ、医療は医師や看護師がするものですが、介護士も患者さんがどんな疾患にかかっているのか?という知識だけは持っていたいものです。知識があるだけで、急な対応にもパニックにならず落ち着いて看護師に報告することができるでしょう。

 本日は、消化器系と腎・泌尿器系についてお伝えしておきます。







消化器系


 消化器とは食べ物の通過、消化、吸収、排泄に関わる器官です。口から取り入れた食物を体内に吸収しやすくする働きを「消化」、消化された栄養素などを体内に取り込むことを「吸収」といいます。消化管と呼ばれるものは、口腔、咽頭、食道、胃、小腸(十二指腸、空腸、回腸)、大腸(盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸)、肛門です。膵臓、肝臓、胆のうは、消化・吸収を助ける消化酵素やホルモンなどを分泌する器官です。
 介護職は食事や排泄のケアに関わることが多いため、加齢による消化機能の変化と食生活や排泄への影響について解説します。

◆口腔の働き
 口腔には、歯、舌、唾液腺があります。食事をするときは、食べ物を歯で噛み砕き、舌でかき混ぜ、細かくします。このときに唾液腺から分泌される唾液の働きにより、食べ物が柔らかくなり、消化しやすくなるのです。また、唾液は口腔内を清潔に保つ働きもしています。

●口腔の働きによる影響
@加齢や歯周病によって歯の本数が減ったり、残っている歯もすり減り、あごの筋力も弱くなることから、食べ物を噛む力が低下します。野菜や肉類などの噛みにくいものが食べにくくなります。そのため、食事の摂取量が低下したり、栄養のバランスが崩れたりします。また、喉頭や咽頭の反射も鈍くなって、誤嚥しやすくなります
A加齢に伴って唾液の分泌量が減少する為、飲み込みにくくなります。また、唾液が少ないことで、口腔内の粘膜が傷つき、その痛みが食欲を低下させるおそれがあります。
B舌の粘膜にある味蕾(みらい)と呼ばれる器官で味(甘味、辛味、苦み、酸味)を感じます。加齢により、味を感じる味蕾の数が減ることと、味に対する感受性の変化により、味覚が低下するといわれています。

◆食道の働き 
 食道は、ぜん動運動により食塊を胃に送ります。食道の上下両端の括約筋(上部括約筋と下部括約筋)が、安静時には締まり、嚥下時に緩むという動きをしています。咽頭に近い上部括約部は、食塊の食道からの逆流を防いでいます。また、胃に近い下部食道括約部は、嚥下のとき以外は、胃の内容物が逆流しないように締めています。
※ぜん動運動とは、消化管の筋肉が収縮して内容物を口側から肛門側へと向かって移動させる運動のこと

●食道の働きの変化による影響
 加齢により下部食道括約筋の収縮力の低下や、食道のぜん動運動の低下が起こります。そのため、胃液や胃の内容物が食道に逆流する「逆流性食道炎」を起こしやすくなります。


◆胃の働き
 は、食道から送られてきた食塊を一時貯蔵しておく臓器です。食道とつながっている胃の入り口の部分を噴門、十二指腸とつながっている出口の部分を幽門と呼びます。胃のぜん動運動によって、食道から送られてきた食塊と胃液を混ぜ合わせ、かゆ状にして十二指腸に送ります。胃での停滞時間がもっとっも短いのは糖質で、次がたんぱく質、最も長いのは脂質です。脂っぽいものをたくさん食べると、胃が重く感じたり、胃がもたれたりするのは、脂質が胃の中で長く停滞するためです。

●胃の働きの変化による影響
 加齢により、ぜん動運動が低下して胃液の分泌量が低下するため、胃の中の内容物の消化に時間がかかるようになり、胃もたれや胸やけが起こりやすくなります。


◆小腸・大腸の働き
<小腸の働き>
 小腸は胃からつながる長い管で、十二指腸、空腸、回腸からなっています。小腸は、消化・吸収・の大部分を行っています。胃から送り込まれてきた食塊と小腸の粘膜から分泌された消化酵素や胆汁、膵液をぜん動運動によって混ぜ合わせながら消化・吸収を行います。
<大腸の働き>
 大腸は、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸からなり、肛門につながっています。大腸は、水分の吸収と便をつくる働きをしています。小腸で栄養素を吸収され、大腸に送られてきた食べ物の残りかすは、どろどろの状態です。このどろどろの残りかすが、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸を通過する間に水分が吸収され、固形の便になります。そして、便が直腸に入ると、その刺激が大脳に伝達されて便意が生じます(排便反射)。
<小腸・大腸の働きの変化による影響>
 ぜん動運動が低下することと、運動量の低下や腹筋が弱くなるため便秘になりやすくなります。

◆肝臓の働き
 肝臓は、多くの細胞からなる体内で最も大きい臓器です。肝臓は、脂肪を消化するために必要な胆汁を分泌しています。そのほかに、消化・吸収した栄養素を分解・合成する働きと、体内に入った毒素や薬物などを分解し、無害な物質に変える働きがあります。
<肝臓の働きの変化による影響>
 加齢により肝臓の働きは悪くなります。そのため、薬の分解がうまくできなくなります。腎臓から排出する機能も低下するため、薬が効きすぎてしまうことがあります。







腎・泌尿器系


◆腎臓にはさまざまな役割があります
 腎臓は、背中側の腰の少し上あたりに左右1つずつあり、大人の握りこぶしくらいの大きさです。腎臓は、尿をつくる臓器であることはよく知られていますが、血圧を調整したり、赤血球を増やすホルモンを分泌したり、カルシウムの吸収率を高めるビタミンDを活性化したりと、健康を維持するために、とても重要な働きをしています。介護職は排泄ケアに関わることが多いため、ここでは、尿がつくられてから排泄するまでの排尿の過程を解説します。
 体内の老廃物や不要な水分は、尿として排泄されます。腎臓の糸球体で老廃物の溜まった血液をろ過して尿の元がつくられ、尿細管で体内の水分や電解質のバランスの状態に応じ、必要な成分だけが再吸収されて尿となります。そして、尿管から膀胱に溜まり、尿道を通って排出されます。
 
 尿は、尿管から膀胱に一時的に貯留されます。膀胱から尿道に続く出口には「尿道括約筋」という筋肉があり、これらが膀胱に溜まった尿を漏れ出るのを防いでいます。そして、膀胱内の尿量が約150〜300mlになると、脳の排尿中枢に伝達されて尿意として感じます。そして、膀胱の収縮と尿道括約筋の弛緩により尿を排泄します。
 腎臓から膀胱までのしくみに性差はありませんが、尿道やその周辺の器官には性差があります。男性は尿道が長く、曲がっていますが、女性は尿道が短く、まっすぐです。

◆腎機能の低下による影響
 腎臓の重量は40歳以降、徐々に減少するといわれています。糸球体の数が減少し、腎機能は減少します。
@尿をつくる機能が低下するため、水分や電解質のバランスが崩れやすくなります。また、細胞内液が少ないうえに、必要以上に尿として水分が出ていくため、脱水になりやすいです
A腎機能が低下すると、薬物の排泄が遅くなる為、薬物が体内に蓄積しやすく、薬の副作用が起こりやすくなります
◆加齢による排尿障害
 膀胱の機能や尿道括約筋の低下などから、頻尿、残尿、尿失禁などの障害が起こりやすくなります。特徴は以下のとおりです。
@膀胱が小さくなるため、1回の尿量が少なく、回数が増えます
A女性は尿道の位置の変形や骨盤底筋の低下が起こりやすく、尿失禁が起こりやすいです
B男性の場合は、加齢にともなって前立腺が肥大化する傾向があります。前立腺が肥大化すると尿道を狭窄し、尿が出にくくなることがあります。


今回は以上になります。
次回は感覚器についてです。
本日は最後まで御覧くださり、ありがとうございました。




posted by sorajiro at 14:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 介護

介護職は必ず知っておきたい、高齢者の疾病3選。初心者必見!





こんにちは!

 今回は、介護職は知っておきたい高齢者の疾病3選を解説したいと思います。患者さんの病気のことは看護師さんに日頃はお任せしていると思います。それは当たり前の事なのですが、患者さんがどのような疾病を抱えているのか、ケアをする介護士が知っているのと知らないのとではスタッフの連携に大きな違いが生まれてきます。介護士もある程度知識を持ってケアできるようにまずは3つ解説をしていきたいと思います。


目次
 ■ 体内水分量の変化(脱水の原因)
 ■ 循環器系の変化
 ■ 呼吸器系の変化



体内水分量の変化(脱水の原因)

 成人では、体重の約60%が水分です。残りの約40%は骨・筋肉・脂肪・内臓などの固形物です。この体内の水分のことを体液と呼びます。体液は、細胞内にある「細胞内液」と細胞外にある「細胞外液」とに分けられ、細胞内液は、筋肉などの組織に貯蔵されています。そして体液は、酸素や栄養分と老廃物の運搬、体温の調節という生命を維持するために重要な働きをしています。

 高齢者の場合は、体内の水分量が減少します。これは、水分を多く貯蓄する筋肉の細胞数の減少により、細胞内液の量が少なくなるからです。そのため、水分摂取量が少なかったり、たくさんの汗をかいたりして細胞外液が減少した場合、細胞内液からの補充ができないために高齢者は脱水になりやすいのです。   

⊞ その他の脱水の原因
 高齢者は加齢に伴い腎機能が低下するため、水分の再吸収力が落ちて、必要以上に尿として水分が出ていくため、脱水になりやすいです。また、加齢とともに口喝中枢の感受性が低下し、のどの渇きが感じにくくなるため、水分補給が減少し、脱水を引き起こします。 






循環器系の変化


  循環器とは、血液を全身に循環させる臓器で、血液を全身に送り出すポンプのはたらきをする心臓と、血液の通り道である血管のことです。 血液の循環には、心臓から送り出された血液が全身をめぐって心臓に戻ってくる体循環と、心臓から送りだされた血液が肺を通って心臓に戻ってくる肺循環があります。体循環では栄養素や酸素を全身の臓器や筋肉に供給し、肺循環では全身をめぐってきた血液中の二酸化炭素と酸素とを交換します(ガス交換)。

⊞ 心臓の機能
 心臓は、胸の中央よりやや左側にあります。心筋と呼ばれる筋肉からできており、この心筋の収縮によって血液を全身に送り出すポンプの働きをしています。運動時には身体が必要とする酸素が増えるため、それを供給し、血液を全身の組織に送ろうとして心拍数は増加します。
  左心室、左心房、右心室、右心房の4つの部屋に分かれていて、それぞれの部屋の入り口と出口には弁があり、血液の逆流を防いでいます。

⊞ 血管の種類
 血管には、動脈、静脈、毛細血管の3種類があります。動脈は、心臓から送り出された血液を全身の臓器に運ぶための血管です。心臓から送り出される血液の勢いに耐えられるよう、動脈の壁は厚く、弾力性があります。一方、動脈に比べt静脈の壁は、薄くしなやかです。毛細血管は、動脈と静脈をつなぐ細い血管で、体内を網目のようにめぐっています。 

⊞ 循環機能の変化による影響
 加齢により、血管の壁の弾力性が低下したり、内腔が狭くなります(動脈硬化)。動脈硬化により血圧の上昇が見られたり、血管がもろくなったり詰まりやすくなります。



呼吸器系の変化


 呼吸器とは、呼吸に関わる鼻、咽頭、気管、気管支、肺などの器官のことです。呼吸とは、口や鼻から空気を肺に吸い込み、肺でガス交換を行い、口や鼻から吐き出すことをいいます。
 ガス交換は、肺の中にある肺胞で行います。肺胞までの空気の通り道を気道(鼻腔→咽頭→喉頭→気管→気管支)といいます。気管は、左右の気管支に分けられ、最終的に肺胞につながります。
 肺は、胸郭(胸椎・肋骨・胸骨)の中にあります。肺は自らが膨らんだり、しぼんだりできません。肋間筋・横隔膜などの呼吸筋の働きにより、空気の出し入れをしています。

⊞ 呼吸機能の変化による影響
 @肺胞の弾力性が低下することにより、肺活量の減少と肺に残る空気の量(残気量)が増加します。
 A胸郭が拡がりにくくなることと、呼吸筋の筋力が低下することにより、肺活量が減少します。
 B異物を気道から取り除こうとして咳(=咳嗽がいそう)が出ます。この反射運動を咳嗽反射といいます。  咳嗽反射が低下すると、気道に侵入した異物を除去できないため、誤嚥性肺炎を起こしやすいです。

※肺活量とは、最大に息を吸い込んだ後に、それをすべて吐き出したときの個出量のこと
※残気量とは、息を吐き切った後に、なお肺の中に残っている空気のこと


今回は、以上です。
本日は最後まで御覧くださり、ありがとうございました。  

  


                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                     
posted by sorajiro at 00:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 介護

2022年08月10日

介護奮闘記 介護保険の使い方 リハビリテーション、ショートステイ、居宅療養管理指導等





こんにちは!

 なんだか、コロナウイルスがまたまた猛威をふるっているみたいですが、皆様体調など大丈夫でしょうか?私も先日、喉の違和感があり、もしや!と思い勤め先に報告。次の日休みを取ってコロナの検査を受けました。
 晴れて、陰性!良かった〜療養型の病院に努めていますので、コロナに関しては本当に気を張ってます。高齢者の施設で働いている方々も大変でしょうあせあせ(飛び散る汗)早く収束してくれることを願います。

 さて、今回も複雑な介護保険を解説していきたいと思います。


目次
 ■リハビリテーション
 ■ショートステイ
 ■居宅療養管理指導
 ■老労世帯や一人暮らしの支援



リハビリテーション


◆施設に行かなくてもリハビリは受けられる?
 施設に通ってリハビリが出来なければ、訪問リハビリを利用しましょう。
 体操や運動をやろうと思っていても、1人ではなかなか腰が上がらないものです。その意味で、施設にて集団で行う通所リハビリ通所介護の体操などは、つい周囲につられてやってしまうメリットがあります。しかし、なかには住宅の構造や利用者の健康状態などの理由により、施設に通ってリハビリテーションを行えない場合があります。そのようなときは、訪問リハビリテーションの利用をお勧めいたします。介護保険のリハビリテーションは寝たきりでも股関節をほぐすものなど、さまざまなバリエーションがあります。

◆訪問リハビリテーション
POINT1 利用には医師による指示が必要
POINT2 寝たきりでも利用可能
サービスの特徴
全国的に実施数は少なく、訪問看護に似たサービスもある
 介護老人保健施設、病院または診療所などから理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが自宅を訪問し、医師の指示のもとリハビリテーションを行います。
 リハビリと一口にいっても激しい運動メニューばかりでなく、退院後の住宅環境に適応するための訓練や、関節をほぐすマッサージ的なもの、手作業によるものや会話の訓練などさまざまです。
 その状態に適したセラピストにより内容も変わります。

おもに利用できる人
転倒の危険がある人から寝たきりの人まで機能の維持、回復が必要な人
 立つ・座るなどの基本的な動作能力のリハビリや服を着る、浴槽をまたぐなどの応用動作能力のリハビリ、言葉や聴覚に関するリハビリなどが必要で、医師が必要と認める人が利用できます。
 自宅での一人で行うリハビリに意欲的になれない場合などは、通所リハビリの方がお勧めですが、家屋や健康状態など、何らかの理由から通所リハビリへ通えない人等に適しています。

\基本サービスの料金
1回  305円







ショートステイ


◆医療管理がしっかりした短期入所施設はあるの?
 短期入所療養介護なら、医療管理面でも安心して利用できます。
 特別養護老人ホームなどに短期入所して、介護や日常生活上の世話を受けるサービスにショートステイがあります。しかし、それは医師や看護師など医療スタッフの配置が少なく、慢性的に医療管理が必要な利用者にとっては不安な場合があります。そんなとき、介護老人保健施設などの医療スタッフが多く配置された短期入所療養介護へ短期入所することで、看護、医学的管理下における介護および機能訓練、そのほかの必要な医療サービスが受けられます。

◆短期入所生活介護(要介護1〜5)
POINT1 特養ホームなどに短期間宿泊できる
POINT2 家族の負担を軽減する理由も可

サービスの特徴
3,4日〜1週間程度の短期間、施設へ宿泊
 施設などに短期間(数日から1週間程度)入所し、入浴や排泄、食事などの介護や、機能訓練を行います。本人への支援はもちろんのこと、家族の負担を軽減するという目的でもあるので、家族が冠婚葬祭などで介護ができない場合、施設を利用するということもできます。
 運営は特養ホームや老人保健施設と違い、株式会社などの営利法人が行うこともできます。通称「ショートステイ」。

主に利用できる人
2,3か月前からの予約で、心身が安定している人
 高齢者は場所や人間関係が変わると興奮したり、認知症、精神症状が目立つ人が多いため、デイサービスやショートステイ利用で慣れておく方が無難です。
 予約は2,3か月前からの申し込みで、はじめての人が急に利用できることはあまりありません。医療管理が必要な人ですでに訪問看護サービスを利用している場合には、施設の看護師が健康上の管理等をすることもあります。

◆短期入所療養介護(要介護1〜5)
POINT1 目標は自宅と病院の中間施設
POINT2 医師の管理下での短期宿泊

サービスの特徴
介護老人保健施設等に短期宿泊。病院や診療所の介護ベッド利用も
 介護老人保健施設や療養病巣を持つ病院か診療所、もしくは老人性認知症疾患療養病棟を持つ病院に短期間入所するサービスです病状が安定期にある自宅で療養している人にい対して、医学的な管理のもと、病状に合わせた医療や看護のサービスを提供し、日常生活の世話や機能訓練も行います。難病等を持つ重度の要介護者がガン末期の場合は日帰りの利用を受け入れるところもあります。

主に利用できる人
病状が急性期を脱し安定期にある人、医療管理が自宅等でできない人
 病状が安定期にあり、医学的管理下の看護や介護、機能訓練が必要な人が利用できあmすが、急性期の病気などがある場合は利用できない場合があります。また、連続利用は長くても30日までとされています。事情がある場合にはそれ以上の利用も認められていますが、その場合には間に1日、自費利用を挟まなければなりません。利用中はかかりつけ医などほかの医療機関に受診は出来ません。


居宅療養管理指導


◆家庭での療養方法に助言を受けたいなら?
医療関係者に訪問してもらい居宅療養管理指導を受けましょう。
 要介護者本人が医療機関に通って、医師や薬剤師から直接家庭での療養に対する指導や助言を聞くことが出来なければそれに越したことはありません。しかし、要介護者ともなると、医療機関などへおいそれといけない場合も珍しくありません。そんなとき、居宅療養管理指導では、医師や歯科医師が訪問し療養上の指導をしてくれたり、医師、歯科医師の指示に基づき薬剤師や看護師、管理栄養士などが訪問し指導、助言などを行ってくれます。


◆居宅療養管理指導
POINT1 医師などが自宅に訪問し療養上の指導
POINT2 薬剤師、看護師、管理栄養士などの訪問も

サービスの特徴
医師や薬剤師などが訪問したり、ケアマネジャーと連携
 医師や歯科医師または、その指示に基づいて看護職員、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士が訪問します。そして、ケアマネジャーにケアプランに必要な情報を提供したり、利用者や家族に介護サービスを利用する上での留意点や介護方法、療養管理の指導などを行います。
 口頭での指導や助言がおもで、医療行為などは行いません。月に2〜4回まで利用が可能です。

おもに利用できる人
通院が難しい人や服薬や食事に指導・助言が必要な人
 家庭での療養について医師、歯科医師からの指導、助言が必要な人や通院が出来ない人、薬の管理ができない人や特別な食事の必要な人、歯科衛生上の実地指導などが必要な人が利用できます。中にはガンの末期で痛みのコントロールしている人や、認知症で助言や指導が必要な人も利用しています。なお、看護職員による訪問は訪問看護、訪問リハビリテーションなどを利用していると使えません。






老労世帯や一人暮らしの支援


◆ショートステイが利用できない場合は?
家にケアコール端末を設置する夜間対応型訪問介護の出番です。
 外出や外泊に慣れておらず、どうしてもショートステイになじめない高齢者もいます。規則正しい生活を送り、昼間なるべく寝ないようにすれば夜は眠りやすくなりますが、それができず、夜中にふいに起きだすなど、夜間の訪問が必要な高齢者がいます。そんなとき、夜間対応型訪問介護を利用すれば、ボタンを押すと病院のナースコールのように、ヘルパーが駆けつけてくれたり、安否を確認してくれるので、不安な夜間も家で過ごすことが可能となります。

◆夜間対応型訪問介護
POINT1 夜間不安な世帯を2種類の訪問で援助
POINT2 まだサービス未整備の地域もあり

サービスの特徴
通報と巡回の訪問の2種類で夜間帯の安心を届ける訪問介護
 夜間に利用者宅を訪問し、排泄や日常生活上の緊急対応、その他、夜間帯の安心を援助します。定期訪問とボタン通報で駆け付ける随時訪問があり、必要であれば普段りようしている訪問看護への連絡なども行います。
 日中も通報装置を使える所もあり、その際には日中、利用している訪問介護事業所と連携することになります。日中の訪問介護のような細かい利用要件はありません。

おもに利用できる人
1人暮らしや老老世帯中重度の要介護者を抱える家族など
 夜間に訪問するサービスのため鍵を被ける必要があります。一人暮らしや老老世帯、中重度の要介護者を抱える家族など、夜間の突発的な介護に家族で対応が難しい場合の利用などが考えられます。
 1か月定額制と出来高制の2種類があり、出来高制の場合、訪問回数によって保険点数をオーバーするかのうせいがあり注意が必要です。まだサービスが整備されておらず、使えない地域も多くあります。


今回は以上になります。
なにか役に立てたら嬉しいです。

本日は最後まで御覧くださり、ありがとうございました。




posted by sorajiro at 20:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 介護

2022年08月09日

介護保険。どんなサービスを使えばいいのか知りたい!A





こんにちは!

 複雑な介護保険。いざ、使おうと思ってもどんなサービスがあるのか分かりませんよね。症状と一緒に、どんなサービスがあるのか解説したいと思います。


目次

 ■1.両親ともに物忘れが目立ってきた(認知症支援)
 ■2.閉じこもりがちの生活が続く(閉じこもり予防)
 ■3.閉じこもりきりでボケが心配(閉じこもり予防)
 ■4.家のお風呂へ入れなくなった(介護負担の軽減)
 ■5.火の不始末が心配(介護予防訪問介護)
 ■6.病状が不安定(病気の管理)
 ■7.介護に強いストレスや激しいイライラを感じ始めたら(介護者の負担軽減)






1.両親ともに物忘れが目立ってきた(認知症支援)

 認知症を疑い受診することは大事ですが、規則正しい生活や日々の人間関係、家庭内の役割、居場所づくりなども重要です。グループホームはそのような人間関係や「暮らし」を大切にするサービスですが、訪問介護でも同様に本人への調理や買い物、その他の家事を「見守りと一部手伝い」中心でケアしてもらうことは可能です。安易に本人の家事役割を取り上げず、共同で家事などに取り組むことで「暮らし」を取り戻せることがあります。
 支え合いの家事など人間らしい「暮らし」をしっかりすることも大事です。


2.閉じこもりがちの生活が続く(閉じこもり予防)

 足腰が弱って買い物などに出かけられなくなったからといって、安易に配達食事サービスなどを利用していると、ますます外出の機会は減り、ご近所やなじみのお店との交流も減り、閉じこもりがちの生活が進みます。
 通所リハビリテーションで他人と交流しつつ体を動かしたり、ヘルパーと一緒に積極的に外出し、外の人と交流することで、「心の閉じこもり」から抜け出せるようなサービス利用を検討してみましょう。


3.閉じこもりきりでボケが心配(閉じこもり予防)

 一日中、誰とも会うことなくテレビの前でぼーっとしていればボケや物忘れが進んで当然です。その点、デイサービスで集団の中で他人と交流しながら時間を過ごすことは、とても神経を使い疲れますが、それこそ心身への良い刺激となります。ました、デイサービスには、自分よりも重度の要介護者もいれば軽度の要介護者もいます。そこでは要介護者にしかあwからない悩みや愚痴などを共有できる仲間が見つかるかもしれません。家のテレビの前にしか居場所がないのだとすれば、デイサービスという外の世界に居場所を作る方法もあります。


4.家のお風呂へ入れなくなった(介護負担の軽減)

 寝たきりのために入浴できない場合などは家に簡易式の浴槽を持ち込む訪問入浴介護で入浴することができます。簡易式の浴槽は小さめのボートくらいの大きさのため、最低限それを置くスペースは必要になります。お湯は家のお風呂から引いたり、水道水を専用車両のボイラーで沸かすので、よほど高層階でないかぎり、ほとんどの住宅で利用可能です。



5.火の不始末が心配(介護予防訪問介護)

 ちょっとおっかない家事をサポートしれくれるのが介護予防訪問介護です。
 「火や刃物がこわいから」などの理由で多くの家族が高齢者本人の家事労働を中止させてしまします。その結果、高齢者が日がな一日、することもなくなりテレビの前でうつろに時間を過ごすようになります。当然、心身の老化は進みます。火や刃物は危険なものですから、使う際には気も使うし、神経を集中させる必要があります。そういった一人でするには「ちょっとおっかない」かじをあせらず、急がず一緒に手伝ってくれたり見守ってくれるサービスが介護予防訪問介護です。要支援の人が利用できます。





6.病状が不安定(病気の管理)

全身の状態の観察から医療機関への連携は訪問看護におまかせ。
 ふいに調子を崩してしまう高齢者は珍しくありません。そんなときすぐに医師が往診してくれればいいんですが、現実にはなかなかそうはいきません。高齢者の異常を早い段階で察知できれば、早めの受診で最悪の事態を免れますが、家族や介護職の場合、微妙な異変の察知が遅くなりがちです。その点、訪問看護は、若干保険点数が高めですが、高齢者の皮膚状態や呼吸、口臭などさまざまな状況から異変を察知し、スムーズに受診へつなげてくれます。


7.介護に強いストレスや激しいイライラを感じ始めたら(介護者の負担軽減)

デイサービスやショートステイの利用で自分の時間を持てるようにしましょう。
 介護にまつわる苦悩は「一体、いつまで続くのだろう」「私の自由な時間はどうなるのだろう」「どうして自分ばかりが介護しなければならないのだろう」など、将来や社会に対する閉塞感や孤独感をともなった苦悩になりがちです。しかも介護には「誰にでもできる」イメージがあり、ついつい最初は「我慢して」介護をがんばってしまいがちなのです。まじめで善良な人であればあるほど、その良心により自分を犠牲にするのです。そして、そのような良心に周囲はとかく依存するものです。しかし、医療が進歩した現在、要介護者の寿命はかるてよりもかるかに伸びています。そうそう簡単に介護から解放されません。しかも、それは24時間、365日気にかけていなければならないことです。ストレスに感じて当然のことなのです。
 そんなとき、何より大事なことは「他人のために尽くす」のではなく、「自分自身の時間」を作ることです。具体的にはデイサービスショートステイを利用し、要介護者と距離的、時間的に離れます。積極的に自分の趣味、スポーツなど心地よい時間を持つようにしましょう。


今回は以上になります。
本日は最後まで御覧くださり、ありがとうございました。




posted by sorajiro at 08:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 介護

2022年08月08日

介護保険。こんな症状が出たら介護保険必須7選






おはようございます!

 今日も暑い1日になりそうですね。熱中症にならないように適度な水分補給をしてくださいね。特に高齢者の方は喉が渇く感覚が分かりずらいので促してあげると良いと思います。

では、今回は介護保険。どんなサービスを使ったらよいのか解説いたします。



どんなサービスを使えばよいのか知りたい!


目次
 ■足腰が弱ってきたら?(環境整備)
 ■一人でできない火事が増えてきた(介護予防)
 ■外出先から戻れなくなってきた(認知症支援)
 ■排泄介助、食事介助が大変になってきた(介護負担の軽減)
 ■風呂場での転倒が心配になってきた(転倒予防)
 ■一人で通院が外出が出来なくなってきた(通院・外出について)
 ■薬の管理が出来なくなってきた(服薬管理)







■足腰が弱ってきたら?(環境整備)
 足腰が弱って外出の機会が減ってくると、家の中のちょっとした段差でつまずいて転倒骨折ということが増えてきます。大きな段差は注意をするため、案外大丈夫なのですが、じゅうたんや電気コードなどの小さな段差が実は大敵です。また、トイレへの移動コースなどの小さな段差は夜間特に危険です。段差の解消は住宅改修にて行えます。手すりが取り付けにくそうな場所でも、突っ張り棒タイプの手すりのレンタルで、壁などへの損傷を抑えて設置することができます。
 安全に生活できるように環境を整え、筋力の低下を防ぎましょう。

■一人でできない火事が増えてきた(介護予防)
 持病が慢性疾患だけで、おおむね健康状態は安定していても、年をとればなんらかの日常生活上の支障が出てきます。
 たとえば、新しい電化製品の使い方を尋ねようにも、尋ねるべき連れ合いや友人は先に亡くなってしまっており、孤独感に襲われてしまう。また、洗い物を一生懸命にしても、目が悪く洗い残しがあって、かえって家族から迷惑がられたりしてしまうなど、さまざまです。
 一人で家事ができなくなるということも、そうした老化現象による日常生活上の支障のなかの氷山の一角といえます。ただし、その点だけを対症療法的になんとかしようとしたところで焼け石に水です
 年をとるということは、体力が衰えるだけでなく、それにともなって気力も衰えてくるということです。高齢者を支援するには、心の支援も含めた生活全般をふまえなければなりません。
 要支援の認定を受けており、家事が出来なくなってきたとすれば、介護予防訪問介護の利用をお勧めします。
 しかし、介護予防訪問介護はマンツーマンサービスのために、社会的孤立感などの解消には力不足です。そこで、少しでも閉じこもりを防止し、ほかの人々とも交流できる介護予防通所介護や介護予防通所リハビリテーションなどの通所サービスも併用できればメンタルな部分での支援も受けられることになります。
 また、介護保険制度が始まる以前から地域にあった、その土地その土地のつながりや近所付き合い、それらすべての関係者を大切にしながらトータルに高齢者を暖かく支援していくことが大事です。
 介護予防サービスを利用しつつメンタル面での支援も進めましょう。


■外出先から戻れなくなってきた(認知症支援)
 認知症で迷子になるからと、高齢者を家から出さないようにするのはかえって逆効果です。訪問介護による外出援助などで、積極的に利用者の外出機会を作りたいものです。そして、ヘルパー見守りのもと、通院、買い物などに積極的に出ていってもらい、帰り道も利用者自身に道を選んで帰ってもらうような支援も時には有効です。慣れ親しんだ街や道の記憶を忘れないように、かつ、外出しても家に戻る道を思い出すように、ヘルパーには見守り中心の援助をお願いしましょう。
 閉じ込めるのではなく、外へ出ても戻ってこられるような支援をしましょう。


■排泄介助、食事介助が大変になってきた(介護負担の軽減)
 寝たきりなどで、トイレやポータブルトイレでの排便が難しくなり、ベッド上でおむつに排泄をするようになると、おむつ交換や食事の介助も負担が大きくなってきます。要介護者の上半身を起こしたり、着替えをさせるにも重労働となり、腰や肩、腕を痛める介護者も少なくありません。介護者がダウンしては、共倒れになってしまいますから、背上げ機能が付いた介護ベッドや訪問介護による排泄介助、食事介助などを利用しましょう。
 福祉用具貸与や訪問介護利用で介護負担を軽減しましょう



■風呂場での転倒が心配になってきた(転倒予防)
 半埋め込み式の浴槽であれば、同じ高さの台やシャワーチェアーを置き、手すりを住宅改修で取り付けることで、浴槽の出入りがしやすくなります。浴室の出入り口、浴槽の周りの壁などにも手すりを付ければ、安心です。据え置きの浴槽ならすのこで床面のかさ上げを検討します。そのほか、洗い場の床面や浴槽から立ち上がるときには、専用のシャワーチェア、浴室は狭いことが多いので、場所を摂りすぎるものはお勧めしません。浴室は狭いことが多いので、場所を摂りすぎるものはお勧めしません。
 浴槽をまたぐ動作が安全にできるように手すりなどを設置しましょう。






■一人で通院が外出が出来なくなってきた(通院・外出について)
 通院と一口にいっても、車いすを押していける距離にある診療所の場合もあれば、自動車で行かなければならない遠方の大きな総合病院の場合もあります。それら移動手段や利用者の状態により、通院のための最適な介護サービスも異なります。
 ただし、いずれにせよ介護保険サービスは「家の中での日常生活上の世話」が中心の支援サービスなので、通院を含め外出支援のためのサービスは、ルールなどが非常に複雑であまり使いやすいサービスとはいえません。加えて、地域によってもルールの解釈が異なり、全国一律の運用がされていないのが実情です。
 最低限の共通事項として通院・外出するための身支度の援助や家から目的地までの移動介助は介護保険における訪問介護の適用となります。しかし、この移動がタクシーなどで乗車中は見守りなども含め専門的援助が必要でない部分は保険が適用されません。「介護タクシー」などと称して、介護保険が適用されることをうたった」サービスもありますが、その適用部分はおもにタクシーへの乗り降りの介助部分だけであって、移送に関してはタクシー運賃がかかります。
 また、時間をかけて遠方の大きな病院へ行っても、利用者が医師や薬剤師の説明などをきちんと理解できない場合も多く、薬の管理ミスなどを聞くことも責任を負えない行為であり、介護保険の適用もされません。
 年をとると病気の数が増えるのは当然ですし、先進的な医療にかかれば管理すべき薬や医療情報も増えがちです。主治医を近所の開業医に切り替えたり、訪問診療などに切り替えることも時には必要です。
 通院・外出介助には訪問介護を、場合によっては訪問診療への切り替えを。


■薬の管理が出来なくなってきた(服薬管理)
 薬の管理は医療管理になるので、まずは主治医に相談してみましょう。その上で、薬の種類が多い場合は一包にまとめてもらったり、薬剤師による居宅療養管理指導で管理方法の助言を受けたり、訪問看護に相談してみます。利用者に自ら仕分けをする意欲があれば、薬を仕分ける「お薬カレンダー」などを利用して、ヘルパーに見守ってもらいながら自分で行えば、他人任せでないので、より記憶に残りやすく、服薬管理への自覚を持てるようになります。病識がない場合には、食事に混ぜ込むこともありますが、まずは主治医に相談することが大切です。



今回は以上になります。
本日は最後まで御覧くださり、ありがとうございました。
今日一日皆様が健康で幸せな一日でありますように




posted by sorajiro at 08:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 介護

2022年08月07日

介護保険、ケアプランについて知ろう






こんばんは!

昨日まで少し涼しかったですが、今日は熱帯夜になりそうですね

では、今回は介護保険のケアプランについて解説します。



ケアプランとは?


◆ケアプランとは介護サービスの内容や量を決める計画のこと
 要支援、要介護の認定を受けた場合に、「どういった」理由で「どんな」介護サービスを「どれだけ」りようするかといった内容を書面にしたものが介護サービス計画(ケアプラン)です。書式は、基準となるものを5ページ組で国が提示しています。また、認定の結果が出る前の段階でも、申請日から保険は適用されます。その場合には、予想される要介護度を想定し、暫定ケアプランを作り、サービスを利用します。


◆ケアプランってどうやって作られる?
 ケアプランの原案は、まずケアマネージャーや地域包括支援センターの職員が利用者や家族との面接を行って作ります
 その面接で、さまざまな方面から介護問題に関する情報(「利用者、家族の希望」「身体状況、家屋状況」「(退院時などは)健康状態、医療情報」「要介護等認定の調査資料」「身の上話や趣味などの話」)を集め、ケアマネージャーなどは、介護問題を解決するための計画を利用者とともに考えていきます。

 ここで、重要なのは、あくまでも押し付けのサービス計画ではなく、利用者や家族の介護問題が解決できるように「ケアマネージャーが寄り添いながら」支援をする点です。
 
 サービス開始にあたっては、サービスの各担当者が一堂に会した「サービス担当者会議」という打ち合わせを行います。

 サービス利用後も、ケアプランを振り返るために、ケアマネージャーなどは利用者の自宅を訪問して利用者、家族に面接することになってもいます。利用者と家族の状況や介護問題に変化があった場合などには、その都度、ケアプランの見直しが行われます。


◆ケアプランがないと、サービスを利用できない?
 ケアプランを作成した後にサービスを利用するというのが原則ですが、突然サービスを利用しなければならない場合は、ケアプラン作成前の利用が可能なこともあります。それは、虐待や介護放棄、生命にかかわる事態などの急を要する場合です。ケアプラン作成前にサービスを利用する場合は、償還払いといって、サービス利用時にいったん利用料の全額を支払い、その後の申請によって9割を払い戻されることになりますが、かえって手間がかかるので、あまり利用されていません。


◆ケアプランって途中で変えられる?
 ケアプランは一度作ったからといって、それがいつまでも継続するものではなく、その時々に応じて随時見直し、変更や修正をしていくものです。変えたい場合は、まずケアマネージャーに相談をしましょう。たとえば「サービスを使っても効果がない」とか「利用者が拒否している」などといった理由があるはずです。それらを改善するために、ケアマネジャーを中心として話し合いの上で変更するか否かを検討します。

今回は以上になります。
本日は最後まで御覧くださり、ありがとうございました。






posted by sorajiro at 21:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 介護

介護保険サービス利用したい。区分変更。予防給付。住所変更 等





おはようございます!
 
 今回は、分かりづらい介護保険について前回に引き続き解説していきたいと思います。
                                                           

目次

 ■急に状態が変わった時の認定はどうすればよい?(区分変更)
 ■要介護から要支援に変わると、サービス内容は変わる?(予防給付)
 ■認定を受けた町から引っ越した場合、また認知を受け直す?(住所変更)
 ■「非該当(自立)」ではサービスを利用できない?



■急に状態が変わった時の認定はどうすればよい?(区分変更)

●区分変更の申請ができます。
 要介護等認定を受けてサービスを利用している人が、その認定期間中に要介護状態の原因となった病気の進行、あるいは不慮の事故などで状態が悪くなってしまうこともあります。そうなると介護の手間が増えるので、従来の要介護等認定っ区分では十分な介護サービスを利用できないことが考えられます。

 このような場合は要介護等認定区分を変更するための申請を行い、訪問調査や主治医意見書などからやり直します。常に現状に見合った要介護等認定区分で必要なサービスを受けられるようになっています。


■要介護から要支援に変わると、サービス内容は変わる?(予防給付)

●ケアマネージャーもケアプランも変わります
 要支援1もしくは2になると「予防給付」となります。基本的に予防給付ではケアプラン作成は地域包括センターに移り、サービス内容は、より利用者の自立支援に重きを置いたものになります。また、保険の上限やサービスの利用料も変わり、要介護状態よりサービスの量が減る場合が多いのです。そのほか、介護保険施設への入所や通院等乗降介助、福祉用具貸与などサービスの利用に制限が出てきます。





■認定を受けた町から引っ越した場合、また認知を受け直す?(住所変更)

●住んでいる場所が変わっても認定は有効です。
 要介護度と認定の有効期限は、引っ越しなどをして保険者が変わっても有効です。
 「介護保険受給者証明書」を旧住所地で発行してもらい、転入後14日以内に転入先の市区町村へ申請を行います(40歳以上65歳未満は医療保険証も添える)。引っ越しても住民票を変更していない場合は、前の保険者へ更新申請を行います。


■「非該当(自立)」ではサービスを利用できない?

●介護保険サービスの利用はできません。
 まず、要介護認定の結果が客観的には、どう考えても要支援または要介護が適当だと思われ、非該当の判定に不満がある場合、審査請求する方法もありますが、再度、要介護等認定の申請をして、再調査を受けるということも可能です。軽い認知症の人などは、一見、まったくそれと分からないことも多く、ベテランの認定調査員でも見誤る場合があります。調査の際に事情をよく知っている人が同席するなどのひと手間をかけたいところです。

 それでもなお、非該当と判定された場合には介護保険サービスの利用は出来ません。将来的に要支援や要介護状態になるおそれのある人に対しては、市区町村の実施する運小月の機能向上や栄養改善、口腔機能の向上、閉じこもりや認知症などの予防を行う事業である介護予防事業を利用することができます。

 そのほかにも地域で独自に行っている事業があれば、それも利用することができます。しかしながら、これらの実情はというと、あまり積極的に活用されていないのが現実です。

 また、認定を受けていたとしても介護保険サービスは家の中での食事、排泄、入浴といった日常生活上の支援が中心なので、単に大掃除や庭の手入れ、電球の取り換えなどのために利用することはできません。そのような場合には、地域の社会福祉協議会やシルバー人材センター、生活協同組合などがいわゆる市民向け福祉事業などを行っている場合があるので、問い合わせてみましょう。

 また、訪問介護を提供している事業所でも保険外の自費ヘルプサービスを提供していたり、家政婦紹介所と同じ事業所で行っているところもあります。そのような事業所では、一般の家政婦サービスなどと同じようにサービスを提供している場合があります。

●介護予防事業とは?
 要介護等認定の結果「非該当」とされた人のうち、将来的に要支援や要介護状態になるおそれのある人に対して、運動器の機能向上や栄養改善、口腔機能の向上、閉じこもりや認知症などの予防を行う事業を介護予防事業といいます。実施主体は市区町村ですが、地域包括支援センターなどに委託されて行われることもあります。
 上記以外にも、市区町村などが独自に行っている任意事業もあります。

●認定を受けたら、次に何をすればよいのでしょう。
 要介護等認定の通知が来ても、そのまま何もしなければ、いつまで経っても介護サービスの利用は始まりません。介護保険をよりよく利用できるように、次のステップでは、通常、ケアマネージャーを探す作業が必要です。ただし、要介護等認定の目的が住宅改修や福祉用具の購入だけの場合には最寄りの地域包括支援センターや行政の介護保険相談窓口で相談しましょう。そのほかの地域の福祉サービスを利用するために要介護等の認定を受けたのであれば、直接、目当ての福祉サービス担当窓口へ相談しましょう。 

今回は以上になります。
本日は最後まで御覧くださり、ありがとうございました。



posted by sorajiro at 21:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 介護

2022年08月06日

認知症かな?って思ったら精神科を受診する?(要介護等認定に関する疑問)認知症の疑い 認定結果




おはようございます!

 外はちょっと曇っていて、熱帯夜からは解放され今朝はちょっと起きるのが遅くなってしましました。地域によっては豪雨によっての被害が相当出ているようなので外出の時はまだまだ油断しないようにしてくださいね。

今回は、要介護等認定に関わる認知症の疑いの時に受診するのは精神科で良いのか?について解説していきたいと思います。


■認知症?受診する科は精神科?

●まずは、かかりつけの医師に相談してみましょう
 要介護等認定時に必要な主治医意見書を求めるためという観点からは「精神科」にこだわる必要はありません。今は認知症についてもさまざまな医療機関で受診することができるので、自分に合った医療機関を自由に探し、選ぶことができます。ただし、それぞれの医療機関の違いがよく分からない場合などは、自分で医療機関を探すということはおまりお勧めできません。理由としては、認知症を診断する診療科が多く、選ぶのが大変で難しいからです。

 たとえば、認知症専門の診療科として「物忘れ外来」をはじめ、「精神科」「神経科」「神経内科」「老年病内科」「老年内科」など対応する診療科がたくさんあります。

 今までに診察を受けたことがある主治医がいる場合は、主治医に紹介してもらったほうが、その後の医療連携などがスムーズに行く場合が多いので、まずは主治医に相談してみるのがよいでしょう。認知症以外の病気についても診察をしているはずなので、いろいろな検査をし直すということが少なくなりますし、検査による診断結果から、適切な医療機関を紹介してもらえるはずです。主治医は今までにかかった病気の経緯を知っており、認知症以外の病気によるものかどうかという判断がしやすいからです。

 しかし、認定調査に関する次元とは別に介護保険サービスの利用や施設へ入所するときに認知症の診断やランクが関係する場合があります。また、成年後見制度などの利用の際にも本格的な精神科受診を求められる場合があります。現在、1人暮らしや老労世帯でいずれは施設への入所や成年後見制度の利用を考えなければならない場合には、あらかじめかかりつけの精神科があると、いざというときにスムーズに動けます。
 
※ちなみに、私の母は脳神経外科クリニックがかかりつけ医で、そちらの先生に主治医意見書を書いてもらいました。





■認知症の本人でも一人だけで認定調査を受けられる?

●認知症の人の日常生活を説明できる人の立ち合いが理想です。
 認知症であっても本人がある程度受け答え可能であれば、調査そのものを受けることは可能です。しかし、認知症が軽い人が、それを隠そうとすることがあります。加えて認知症の人は、最近の記憶と数年前の記憶が混乱していて、昔のことをさも最近の出来事であるかのように話す場合もあります。これでは正確な調査を行うことは不可能であり、結果的にケアプランやサービス利用で影響を受けるのは利用者本人ですから、できるなら誰か客観的に生活状況を話せる人が立ち会うに越したことはありません。

 できれば認知症の人の日常生活をそれなりに理解している第三者が立ち会うことが理想的です。認定調査に限らず、その後に続く介護サービスの契約なども含め、いずれは一人で対応できなくなるときがきます。これは一人暮らしに限らず、老夫婦のみの世帯でも同様です。老親が遠方におり立ち会える人がいない場合などは、早い段階から近所の人や民生委員、町会の世話役的な人たちに帰省のたびにあいさつをするなどして関係作りを進めていくことが望まれます。


■認知症の場合、認定調査員に何を伝える?

●日頃の援助や声掛け、見守り内容などを具体的に伝えましょう。
 認知症の有無は要介護等認定の結果を大きく左右するので、きちんと説明することが大事です。特に認知症ゆえに家族や介護者が本人のために行っている援助や声かけ、見守りの内容などを具体的に伝えるようにしましょう。普段、無意識のうちにさりげなくしているので、案外伝えるのを忘れがちですが、たとえば薬を飲むように声をかけていたり、食膳に薬を用意したりしている場合は、細かいことですが重要です。そのほか、家族が困っていたり、見守りなどの配慮が必要な場合は、細かく伝えておいたほうがよいでしょう。

●大げさに伝えると、軽く認定されてしまうこともあります。
 心身の状況を大げさに伝えても、調査員には分かります。調査員が気づかない場合でも、調査におかしい部分があるとコンピューター判定でエラーが出て、再確認するようになっています。また、主治医意見書と訪問調査の結果を介護認定審査会でチェックするので、調査時は正直にありのままを伝えてください。「寝たきりですべて介護が必要」と大げさに伝えたつもりでも、逆に「徘徊や移動介助の介護負担がない」と判断され、軽く認定されることもあるからです。

●認定は重い方がトクということではない。むしろ利用料金が高くなることがある
 要介護度が重いほうがサービス利用の上限額が増えますが、デイサービスやショートステイなどは、1回分の利用料金も上がります。通常、デイサービスの利用者負担料金(食費などを除いた介護保険適用分)は要介護1では6〜8時間で約700円ですが、要介護2で約800円、要介護3で約900円と徐々に上がります。特別養護老人ホームなどの施設でも同様で、要介護度が重い方が、利用料金が高い設定にされています。サービスの利用量が支給限度額の範囲でおさまっていれば、妥当な認定だと理解しましょう。


■行政事務について。認定の結果はどのように出るのか

●コンピューターによる一次判定と介護認定審査会による二次判定で審査します。
 訪問調査の記録からコンピューターによる一次判定が行われます。ここで、介護を必要とする人の状況や要介護度を判定します。その結果に主治医意見書も合わせ、専門家による「介護認定審査会」が開かれ、二次判定を行います。介護認定審査会では、一次判定の結果から介護にかかる時間などを確認します。本当に本人の状況にふさわしいのかを最終チェックします。認定が決まるまでの期間は、要支援・要介護認定の申請日から原則として30日以内とされます。


■認定への不満について


●各都道府県に介護保険審査会が設置されています。
 要介護度の判定は市区町村によって招集された介護認定審査会が行いますが、その際に認定調査票と主治医意見書を用いて審議します。
 認定結果に不服がある場合、利用者は市区町村に対し認定調査票と主治医意見書の閲覧を求め、再審査を求めることが出来ます。市区町村がこれに応じなかった場合、または再審査の結果に不服がある場合などは各都道府県の介護保険審査会に不服申し立て(審査請求)することができます。


■認定結果が出るまでサービスは利用できないのか?

●申請をした日からサービスを利用できます
 転倒による骨折など、ある日突然に介護サービスが必要になる場合は少なくありません。また、入院から在宅復帰する場合など、申請をしていても認定結果がまだ出ていない場合も少なくありません。このような場合に、必要なサービスを暫定的に利用することが出来ます。後日、「要介護」や「要支援」と認定された場合は利用したサービスの利用料は認定の申請日にさかのぼって保険適用されます。しかし、「非該当(自立)」と判定された場合や認定調査前に亡くなった場合のサービス利用料はすべて実費(10割負担)となります。


本日は以上となります。
まだまだ、介護保険についての疑問は沢山ありますので、また解説していきたいと思います。

では、本日は最後まで御覧くださり、ありがとうございました。
今日一日皆様が健康で幸せな一日でありますように




posted by sorajiro at 09:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 介護

2022年08月04日

介護保険の疑問。介護初心者の為の複雑な介護保険





おはようございます!

 今日は、朝方から雷なってたり、不安定な天気ですね。山形では大雨特別警報が発令されていましたが、山形県民の皆様十分にお気をつけくださいね。私の母も山形県出身なので他人ごとではありません。

 では、今回は介護保険について。介護保険って誰も教えてくれませんし複雑でなんだか分からないですよね〜 少しずつ介護保険について解説をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。


■介護保険の情報の入手方法

●地域包括支援センターや在宅介護支援センターに豊富にあります。
 介護保険ほ情報は、役所の介護保険課や地域包括支援センター、在宅介護支援センターなどから入手できます。また、本人の要介護等認定情報などは役所に申請すると閲覧や交付ができます。事業所の情報も役所が小冊子やリストを作成しているので参考にしてみてください。地域のサービス事業所の様子などはケアマネージャーも教えてくれます。最近ではインターネットで施設の空き情報や口コミ情報を掲載しているサイトもあるので、こうした情報を上手に活用して、分からないことはそのつど、ケアマネージャーなどに聞いてみると良いでしょう。


■利用料の負担軽減策について

●収入に応じて色々な施策があります。ケアマネージャーなどに相談してみましょう。
 利用証の負担軽減策として、まず、「高額介護(介護予防)サービス費」があります。これは1か月に支払った介護サービス費が世帯ごとの上限を超えた場合、超えた分が支給されます。また、特養などの介護保険施設で入所やショートステイを利用している場合、収入に応じて食費と居住費(滞在費)が軽減されます。そのほかに、市町村によっては独自の減額制度があったり、社会福祉法人のサービスで負担額が軽減されることがあります。また医療系サービスやおむつ代は医療費控除の対象となります。


■介護保険の利用時の認定の申請について

●市区町村窓口や出張期間に電話で尋ねましょう。
 介護保険を利用するには、市区町村による要支援・要介護の認定調査を受け、認定されなければなりません。まずは、介護保険の被保険者証と主治医の情報などが分かる書類を持って最寄りの市区町村窓口や地域包括支援センターなどに申請をしてください。ただし、長く医者にかかっていなければ、まずはかかりつけ医に相談しましょう。窓口まで行けない場合は訪問してもらえないかも相談してください。40歳以上65歳未満の人は医療保険証も必要です。

 要介護等の認定は結果が出るまで、申請後、1か月ほどかかりますが、保険そのものは申請日にさかのぼって適用されます。ですから、なんらかの必要性を感じた時点で申請すれば通常は間に合います。ただし、地域によっては要介護等の認定の有無で利用できるサービスが異なる場合もあるので、注意が必要です。


■地域支援事業、地域包括支援センターとは?

●地域に密着した高齢者福祉のよろず相談窓口です。
 市区町村の責任で設置された期間で、その業務は高齢者福祉の各種相談、成年後見制度や虐待防止、介護予防事業に介護予防ケアマネジメント、ケアマネージャー支援など多岐にわたっています。それはまさに高齢者福祉のなんでも屋的存在で、保健師、社会福祉士、主任ケアマネージャーなどが配置されることになっています。名称は「あんしんセンター」等、地域独自で設定している場合もあります。


■介護認定時の申請代行について

●受け付けてくれる場合もありますが、断られる場合もある
 要介護等認定の申請代行は、介護を必要とする人本人や家族が行うほか、地域包括支援センターなどが代行することもできます。友人による申請の代行は一般的ではありませんが、本人が依頼をするということと、友人が「無償」で行うのであれば受け付けている役所もあります。この場合、委任状が求められる場合などもあるので確認してください。また、個人情報保護の観点からも、友人による申請代行には慎重な対応をしている保険者が多いのが現状です。

 認定結果については、要支援・要介護認定の申請をした日から、原則jとして30日以内に決定されます。決定までに時間がかかるのは、訪問による調査や、主治医の意見書などによって「介護認定審査会」というところで判定を行うためです。そして、訪問による調査や主治医の意見書などの書類が遅れたりする場合は、認定結果が遅れることもあります。この場合は、役所から「遅延通知」が届きます。





■認定調査の実施方法について

●介護サービスの利用に必要な「要支援・要介護認定」を行うための調査です。
 介護保険サービスを利用する場合は、要支援・要介護などの認定を受ける必要があり、その「要介護度」を認定するための調査です。認定調査員はケアマネージャーや看護師、社会福祉士、市区町村職員など地域によって資格要件に若干の差がありますが、多くはケアマネージャーが対応しています。調査項目は約80項目あり、心身状況や理解力などについて家庭を訪問し調査を行います。所要時間は1時間程度です。要介護認定には有効期間があり、サービスの利用を継続するためには更新の際に再度認定調査を受けなければなりません。

●認定調査のおもな項目
[身体機能・起居動作]
・麻痺等の有無 ・拘縮の有無 ・歩行 ・視力

[生活機能]
・移動 ・食事摂取 ・排尿 ・上衣の着脱

[認知機能]
・意思の伝達 ・生年月日や年齢を言う ・自分の名前を言う ・徘徊

[精神・行動障害]
・物を盗られたなどと被害妄想的になる ・泣いたり、笑ったりして感情が不安定になる
・介護に抵抗する

[社会生活への適応]
・薬の内服 ・金銭の管理 ・集団への不適応

 要介護度は介護認定審査会が行います。
 心身の状況や日常生活の状況などの調査を行う「認定調査」は、市区町村の責任のもと、ケアマネージャーや介護関係の専門職、市区町村職員等が申請者の主に居宅を訪問して行います。
 
 初めての調査の際には、基本t系に市区町村職員が市区町村の指定した法人が行うことになっています。更新時の調査は、その他の民間事業者に委託されることもあります。この認定調査の結果と主治医意見書を基に、介護認定審査会によって要介護度が決定されます。


■認知症の場合、認定調査を嫌がる場合があります

●無理強いは禁物です。信頼関係のある家族などにうまく調整してもらいましょう。
 高齢者が嫌がっている場合、事前に「認定調査」を行うことを告げないほうがよい場合もあります。
 認知症の場合は家族などで森羅のおける人に間に入ってもらいましょう。「介護」という言葉に高齢者本人が抵抗を示す場合には「健康管理」などというと受け入れてくれることがあります。家族以外に、かかりつけの医師や信頼のおける人から勧めてもらう方法が有効な場合もあります。



posted by sorajiro at 09:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 介護
ファン
検索
<< 2023年08月 >>
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
sorajiroさんの画像
sorajiro
こんにちは。私は3人の子育てが終わりこれから自分の時間を満喫するというときに母がアルツハイマー型認知症になりました。介護というものを全く知らなかった私は介護の仕事をした方が勉強になると思い50代で介護職へ転職を致しました。この経験から皆様に介護にこれから携わる方へなにか為になる記事を記していきたいと思います。
プロフィール
日別アーカイブ
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。