不安なことがある。新宿なのだ、人が多い。それと複雑な地下道。
かつて新宿で何度か呑んだが、自分の乗る地下鉄までたどり着くのにずいぶん時間がかかった。それは馴染みがあまりないこともある。健常な時から基本、呑むのは這ってでも帰れるところと決めている。
いい気持ちで帰ってすぐに寝るというパターンが好きなのだ。
長年そうやってきたから帰りに電車に乗るということさえ辛い。
いつも金曜日は居酒屋Qで過ごしている。ましてや月曜日に一緒にふぐを食いに行った。土曜から出張を絡めて実家に帰る予定なので顔を出そう。
いつもは自転車。そうだ、歩いて行こう。呑んで歩いて帰ることで金曜日の練習になる。呑んで約15分の歩行。
これまでも何度か歩いて帰っている。金曜日は直接会社の帰りにQに行くから歩いて帰る。
ただ一人じゃない。たいていはEと一緒に帰る。彼は身体が不自由なことを知っているので腕を掴んでくれる。それはそれで歩く邪魔になるのだが。
これまでのQで呑んだ帰りの歩行。
ここでも何度か書いたように、金曜日に会社を出てQに向かう時は脚が軽やか。いったいどうしたのかという位。脳が喜んでいると書いた。その時は右下腿に強い痺れがある時。
いざQで呑んで帰る時、その軽やかな歩行は見る影もない。喜んだ脳も酔っているのだ。
そういえば痺れが弱くなった先週の金曜日も歩いて帰った。この時はどうだったろう、先週のことを忘れている時点で酔っているのだ。
身体が物理的に変わった状態。痺れも少なく足首も柔らかい。
これで酔った状態で検証しながら歩く。酔った状態と言っても意識はしっかりしている。健常な時とそれほど変わらない、意識は。ただ、身体をコントロールする機能が弱くなっている。
いつもより1杯少なく店を出る。木曜なのだ。
スムーズに脚が出ない。日中は何も考えなくてもスイスイ脚が出たではないか。もちろん行く時も。
やはり酔いは身体の機能を緩慢にする。
それに加えて仮説だが。
持って生まれた神経系統であればちゃんと動くのであろうが、寸断されて新しく形成されたシナプス、命令系統だ。
これまでの命令系統だと命令するまでもなく動くのだろう。長い経験による学習のようなものか。
リハビリにより動かせるようになったところは新たに形成されたシナプスと思う。
それは新入りなのだ。いくら脳が命令したところで働こうとしないのだろうか。
まあそんなことを考えながら何とか歩いて帰った。
多少のギクシャク感はあっても人に迷惑をかけずに歩ける。少し新宿への勇気がついた。
今朝、起きたらリビングの窓を開けっぱなしだったので寒かった。
寒いと左腕は身体にくっついたまま動こうとしない。左腕は受傷後40日ピクリとも動かなかった方だ。
やはり酔いだけでなく、寒いから震える方に脳の命令がいっているので新しいシナプスの左腕は動かないのだろうかと思ったりした。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image