水曜日は家からの最寄り駅まではチャリ。バス待ちなしで家の近くの居酒屋に行くため。
水曜日なのに店はいっぱいだった。家の近くだし翌日は休みなので何かを気にする必要はない。ゆっくり呑んだ。いつもより焼酎のロックは1杯多く。
店を後にしたのは21時ころか。帰りはチャリを押していた。道を渡ったところで考えが変わった。自転車を押すには横幅を取る。田舎の道は狭い、そして街灯もなく真っ暗だ。
田舎は車社会で歩く人や自転車の人は殆どいない。早くこの車道から家への住宅街の道に入りたかった。
チャリにまたがり一気にこの道をやり過ごそう。
その時だった。またがって一漕ぎした瞬間に横に倒れた。そんな突然ではない、ゆっくりと。
メガネは吹っ飛び開いていたカバンの中身は飛び散る。
額とほほ骨に痛みが。擦りむいたようだ。カバンの中身を拾いメガネを探す。しかしいくら探しても見当たらない。メガネをかけていないからないから余計にだ。額からは血が流れ出ていた。
恥ずかしいが居酒屋に戻って店主に助けを求める。
店員の女性がおしぼりを出してくれる、血がべっとり付いた。そして店主がスマホをライトにしてメガネを探してくれた。メガネはフレームがぐにゃりと曲がり、レンズが地面に擦れて深いキズが付いていた。
デジャブ。去年の長野で倒れた時を思い出す。
たんこぶは出来ていないから頭は打ってはいないのか。倒れる瞬間は覚えているが今となっては何がどうなったのかは判らない。
倒れてしばらくうごめいていたことは記憶にある。しばらくしてその横を車が通ったことも。
呑んだら乗るな、もちろん車だけでなくチャリもなのだ。これまでは東京で安易にチャリに乗って週末を過ごす居酒屋に行っていた。それ自体もいけないことだが、乗りなれたママチャリ、明るい道、人が歩いていることによる注意力の維持などがあったから大事を起こさず済んでいたのだ。
とにかく反省しかない。自分がしたことだ。
もう二度と呑んでチャリに乗ることはないだろう。何かが1つ変われば命に関わること。またそれを経験していながら懲りていない自分なのだ。
買ったチャリ自体も安全で乗りやすいかといえばそうでない。これまではハンドルがアップになったママチャリばかり乗っていたのだ。
これはハンドルがまっすぐのタイプ。前かがみで乗る態勢になるから普通に乗っている時も少し違和感がある。普段から気を付けないといけない。
帰ってすぐに湿潤療法の絆創膏を貼る。額、頬骨、膝下も血が出ていた。
2度目だからどうケアしようか悩むことなく手際よく出来るのは良いことなのかどうか。こんなことに慣れたくはない。もう何も考えずにそのまま寝た。
起きると現実だ。何もやる気はしないのだがそういうわけにもいかない。
まずは家が商売をしていた名残りで置いてある売れ残りのスーツなどが部屋のハンガーの場所を取っている。それらの中に父親が自分用に作ったスーツもあった。
父親に聞くと置いておいてくれと言う。自分のモノだ、捨てるなら死んでからにしてくれと。その気持ちはわからないでもない、もう着る機会はないだろうが。
新品の古いスーツ、古い生地はしっかりして重厚だ。それらを古着屋に持っていく。6着で2040円の値が付いた。
チャリの防犯登録もしておかないといけない。ネットで買っても自転車屋でやってくれるようだ。
転んだこともあり自転車への執着は弱くなってはいるが。
近所に個人の自転車屋があるが、さすがにそこで買っていないので持っていけないからチェーン店に持ち込む。簡単な手続きで完了。昨日転んだ時にブレーキと変速の位置がずれたようで、それを言うと親切に直してくれた。
メガネも買わないといけない。前回はギリギリ1年の保証で半額で同じものを手にした。
自転車屋とメガネ屋はすぐ近くにあった。新しいメガネを買うときはどんなフレームにしようかとワクワク感のある買い物なのだが、必要に迫られたことなので楽しい買い物ではなかった。適当に選んだ。
ジムにも行った。負傷して筋トレ気分ではないのだが、かといって時間を持て余す。
身体を動かすことで気分転換という健全な気持ちは維持したい。この時に右手首に違和感があったのだが気にしていなかった。今日になって判ったが転倒した時に右手首を捻っていたようだ。
とりあえずはこなさないといけないことは済ました。身体に無数の擦り傷があるにも関わらず。
今日は出勤。酒が元でケガをしたにも関わらず今日もどこかに呑みに行こうと考えている。
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