2023年05月06日
白夜行
2006(平成18)年
TBS系列 木曜午後9時から放送。
出演:山田孝之、綾瀬はるか、
渡部篤郎(特別出演)、麻生祐未、
余貴美子、八千草薫(特別出演)、
武田鉄矢、柏原崇、田中幸太朗、
小出恵介、田中圭、西田尚美、奥貫薫、
塩谷瞬、平田満、福田麻由子、
河合美智子、尾上寛之、西山繭子、
朝岡実嶺、的場 浩司(友情出演)、
九十九一、武野功雄、藤重政孝、
山内奈央、向井理、矢柴俊博など。
原作は東野圭吾、脚本は森下佳子
亮司(山田孝之)と雪穂(綾瀬はるか)は
自身の手で親を殺した過去を背負っていた。
14年前、質店店主の桐原(平田満)が
殺され、妻の弥生子(麻生祐未)が
捜査線に浮上した。だが弥生子には
11歳の息子、亮司(泉沢祐希)と
一緒にいたアリバイがある。刑事の
笹垣(武田鉄矢)は亮司の証言に
違和感を持つ。
このドラマは東野圭吾の原作から大幅な
脚色がなされている。といっても
物語の根幹の筋は変わらない。
ただ描く主体を捜査する側から
事件を起こす側に変えるという、
「離れ業」をやってのけている。
原作は、幼年期の親殺しを端緒に、
時間を追って起きる様々な事件が描かれ、
背後に共通する二人の男女の存在が
浮かび上がっていくという、
なかなか面白い作品となっているが、
テレビドラマでは、小説にある事件要素を、
逆に事件を起こした男女の側から
描いたのだ。先に東野圭吾の原作を
読んでしまった者にとっては原作が
記す次の事件に向け二人がムリに
追従するかのような強引さを感じた。
小説上では「描かない」からこそ
浮かび上がらなかった犯人側の状況や
心理変化がそちらから描くと
ちょっとムリな流れに浮かび上がった
面がある。このため放送当時は本作の
力強さは評価しつつも作品全体としての
強引さにやや課題を感じてしまったと
記憶する。だが10年経て改めて
ドラマ版だけを再見すると、小説の印象が
薄れていることもあるのだろうが、
登場人物の環境の変化にそれほど
不自然さは感じられなかった。
むしろ原作にはない様々な伏線を
巧みに処理して一つの大きな流れに
作品を束ねていくところに、書き手の
筆力を感じさせるものがあった。
この書き手だからこそ、ここまで、
原作では見えなかった物語の「創出」
が可能だったと気づかされた。
原作よりも主人公たちがより立体的に
浮かび上がったったように感じた。
ちょっと暗い作品だったが
原作共々気に入っている作品。
山田と綾瀬の共演も好きな要因として
大きく影響している、好きだなぁ。
https://youtu.be/_UcZ4ADRPX0
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