2013年06月18日
【児童保護と健全育成とは?】児童ポルノ禁止法改正案を巡る情勢と雑感
漫画家の赤松健先生を始めとするロビー活動、拙速な法案提出などによって、
児童ポルノ禁止法改正案は時間が足りずに自民党の法務部会に差し戻されました。
それは参院選後にまた戻ってきます。今度は自民党の数の暴力で押し通されるでしょう。
反対声明
日本漫画家協会 http://www.nihonmangakakyokai.or.jp/?tbl=information
日本雑誌協会 http://www.j-magazine.or.jp/opinion_006.html
日本書籍出版協会 http://www.jbpa.or.jp/pdf/documents/seimei130529.pdf
日本アニメータ演出協会 http://www.janica.jp/press/press20130530.pdf
全国同人誌即売会連絡会 http://sokubaikairenrakukai.com/news1305.html
日本マンガ学会 http://www.jsscc.net/info/130531
コミックマーケット準備会 http://www.comiket.co.jp/info-a/C84/C84Notice2.html
出版労連 http://www.syuppan.net/uploads/smartsection/68_130530seimei.pdf
日本動画協会 http://www.aja.gr.jp/data/doc/2013060401.pdf
日本出版者協議会 http://shuppankyo.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-8fbf.html
映演労連 http://www.ei-en.net/appeal/130607_jidou.html
MIAU http://miau.jp/1368184386.phtml
マンガジャパン http://www.manga-japan.net/?p=265
日本弁護士連合会 http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2013/130613.html
日本文藝家協会 http://www.bungeika.or.jp/statements_index.htm
21世紀のコミック作家の会 http://www.comicnetwork.jp/topics/20130618.html
ここに多くの反対声明があります。あくまで自分が把握している範囲の物です。
しかし、この中に、声明が政治に対する圧力になり得る体重を持った団体はありません。
あくまでこれは、反対声明です。
参院選反対派議員
たるい良和議員
民主党参議院比例区候補のたるい良和議員は、この問題で政府に答弁書を出させ、超党派でこの問題と戦っていく事を宣言されている唯一の候補です。
しかし、児童ポルノ禁止法改正案への反対は「児童保護への反対」というレッテルを貼られ中傷される事が多く、全く票になりません。
この問題で反対の意思を持つ人が選挙の争点として意見を票に変えていかない限り、彼が当選する事は無いかもしれません。
非改選組のみんなの党山田太郎議員もこの問題に反対の声をあげていますが、やはり偏見による批判や中傷が届いている様です。
この法案は定義の曖昧さ故に単純所持規制が恣意的に使われる可能性を孕んでおり、取締を担当する警察機構は自白依存で弁護士の立会いを許さず、取調べの録画さえ拒否する傾向があります。
この法案は警察機構による犯罪の製造に大きく加担する可能性があります。
秋葉原でのツールナイフ狩りが違法判決を受けた処ですが、その比ではない取締範囲の広がりを見せるでしょう。
そして日本の警察は国連・拷問禁止委員会で「自白依存で中世的」と評価されており、5/5に孫の水遊び写真を児童ポルノ所持として逮捕された老人の住む英国より、はるかに劣っています。
法案の根拠の不在
「児童虐待はポルノグラフィーではありません」 ICPOによる適切な用語(Appropriate terminology)のウェブ翻訳版
警察庁・科学警察研究所とハワイ大学の共同研究による「性表現は性犯罪足り得ない」とする研究結果
Pornography, Rape and Sex Crimes in Japan
(ハワイ大学公開版の為英語)
・ごく個人的な疑問として、男性は射精時にプロラクチンというホルモンが分泌され、性欲が急激に減退します。
毎日ポルノで自慰行為を繰り返す者が居たとして、その者は性欲の解消の為に性犯罪を犯すでしょうか?
東京都青少年健全育成条例改正案の時にも疑問に感じたのですが、
「過激な性表現の漫画が性犯罪に走らせる」
というのは、どんな科学的根拠に基づいたものでしょう?
仮に過激な性表現の多い漫画やアニメーションを毎日見ていた人が児童への性犯罪を犯したとします。
5/8の国会答弁で安倍総理が仰った「漫画やアニメーションのせいで児童を性的対象と見る風潮を助長する」論の結果だと断定した場合、そうじゃない多くの人びとは性犯罪者予備軍でしょうか?
また、成人しか買えないゾーニング済みの本を何らかの手段で手に入れた高校生等の未成年も、性犯罪予備軍でしょうか?
彼らがそれを手に入れた瞬間、今までの人生で学んできた事は無効となり、性犯罪者になると運命づけられたのでしょうか?
その脆弱な教育と社会制度とは何でしょう?
そもそもそれは、科学的に、否定されている主張です。
児童ポルノ規制による性犯罪の増加http://www42.tok2.com/home/seekseek/53.html
そして、諸外国のヒステリックな表現規制もまた、その説を否定しています。
当方は、「扇動情報を含む悪い情報やフィクションに左右されない人格形成」こそが現代日本で目指すべき青少年の健全育成であって、ゾーニング済みの過激な成人コミックスを政治家に送りつけて規制を煽るのは青少年の健全育成に反する行為だと常日頃から考えております。
それは手間のかかる事ではありますが、韓国の様にただ創作物や情報を規制するだけでは、児童の健全化も児童を性的虐待は性的搾取から守る事も出来ません。
韓国で1700種類くらいのまんがが 有害図書に指定されアニメ業界壊滅
そして、規制を推進する方の論には常に「児童への性犯罪率のトップが親や同居人、自動に接する機会が多い者」である事が抜けていて、児童への性犯罪の抑止を現実的に考えて居ない事が浮き彫りになっています。
規制推進派の弁
「児童ポルノ禁止法改正案」 「漫画切り離して」山田太郎氏、「単純所持規制も」平沢勝栄氏
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/130621/ent13062107540008-n1.htm
平沢勝栄氏の事務所には、「子供が読めるんです」と「過激な成人コミックス」が大量に送られているのでしょう。
PTAや宗教団体、警察官の家族の会を始めとする、「一部の人々の嫌悪感情を解消する為の集団」は十年以上存在しています。
しかし、その希望通りに動く事が青少年の健全育成や児童を性的虐待や性的搾取から保護する事に繋がるとは到底思えません。
そして、日本の児童ポルノの定義では「衣服の一部、または全部を着けていない児童の容姿」という項目があり、こんなものを創作物に当てはめる為に頑張っている事は憲法違反の思想統制です。
「児童に見える容姿の者やお色気〜過激な性表現までを全て排除する」
これは韓国が未成年の性犯罪率を激増させた物と全く同じ構造です。
日本の教育には「性欲が充満した時どうすればよいか」がありません。
特に性的好奇心に抑制の効きづらい思春期の児童を軽いものを含む一切の性的情報を遮断した世界に放り込んだら何が起きるでしょう?
その時、「自慰行為で解消すべきであって、他人を使って解消してはいけない」という教育がなければ、どうなるでしょう?
それが韓国であり、カトリック教会の性的虐待事件であり、控えめに計算しても年間十万人の児童が性的目的で人身売買されている米国の実態ではないでしょうか。
そして、日本でも一部の議員の思い込みが、同じ方向へ舵を切ろうとしています。
谷垣禎一・法務大臣定例会見「児童ポルノ法でコミックスについては否定していない」(2013年6月21日)
http://getnews.jp/archives/365137
「子供を商業的性的搾取の対象であるかのような表現は許すわけにはいかないんだ、という気持ちが強くあることもよく存じています。」
と仰っていますが、国内の児童買春等に全く関心を持って来なかったユニセフ議連の会長である前に法務大臣としての自覚を持って発言して頂きたいです。
谷垣法相は過去に「単純所持規制より過激な性表現の漫画が社会秩序の維持を困難にさせる」と仰っています。
フィクションで維持が困難になる社会秩序は中世並です。
それは児童保護や青少年の健全育成をより困難にします。
そして、平成十一年の児童ポルノ禁止法と平成十六年の一部改正は、児童への性犯罪の抑止に全く効果がありませんでした。
今回の改正案の場合、同様の法律を施行した韓国では最悪の結果をもたらしています。
そろそろ、児童保護や青少年の健全育成について、真面目に考える時期が来ているんじゃないでしょうか。
この十五年、規制を推進する事にばかり躍起になっていた人々は、児童保護や青少年の健全育成に貢献していません。
その思惟のなさこそが青少年に有害であると、宮崎事件以降常に感じております。
健全とは、
・身心が正常に働き、健康であること。
・考え方や行動が偏らず調和がとれていること。
・物事が正常に機能して、しっかりした状態にあること。
です。
青少年を健全に育成する為には、
事実で嘘をつく方法 〜大学生・社会人のためのメディアリテラシー講座〜
この社会にはどういう性質の情報があふれていて、それが自分にどう影響を与えようとしているか、それを自覚させる教育が必要です。
未だ日本には現実とフィクションの区別がついていない大人が数多く存在しています。
「創作物の性表現の排除こそが健全化」というのは、唾棄すべき怠慢です。
それは青少年の健全育成への害悪要因です。
児童ポルノ禁止法改正案は時間が足りずに自民党の法務部会に差し戻されました。
それは参院選後にまた戻ってきます。今度は自民党の数の暴力で押し通されるでしょう。
反対声明
日本漫画家協会 http://www.nihonmangakakyokai.or.jp/?tbl=information
日本雑誌協会 http://www.j-magazine.or.jp/opinion_006.html
日本書籍出版協会 http://www.jbpa.or.jp/pdf/documents/seimei130529.pdf
日本アニメータ演出協会 http://www.janica.jp/press/press20130530.pdf
全国同人誌即売会連絡会 http://sokubaikairenrakukai.com/news1305.html
日本マンガ学会 http://www.jsscc.net/info/130531
コミックマーケット準備会 http://www.comiket.co.jp/info-a/C84/C84Notice2.html
出版労連 http://www.syuppan.net/uploads/smartsection/68_130530seimei.pdf
日本動画協会 http://www.aja.gr.jp/data/doc/2013060401.pdf
日本出版者協議会 http://shuppankyo.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-8fbf.html
映演労連 http://www.ei-en.net/appeal/130607_jidou.html
MIAU http://miau.jp/1368184386.phtml
マンガジャパン http://www.manga-japan.net/?p=265
日本弁護士連合会 http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2013/130613.html
日本文藝家協会 http://www.bungeika.or.jp/statements_index.htm
21世紀のコミック作家の会 http://www.comicnetwork.jp/topics/20130618.html
ここに多くの反対声明があります。あくまで自分が把握している範囲の物です。
しかし、この中に、声明が政治に対する圧力になり得る体重を持った団体はありません。
あくまでこれは、反対声明です。
参院選反対派議員
たるい良和議員
民主党参議院比例区候補のたるい良和議員は、この問題で政府に答弁書を出させ、超党派でこの問題と戦っていく事を宣言されている唯一の候補です。
しかし、児童ポルノ禁止法改正案への反対は「児童保護への反対」というレッテルを貼られ中傷される事が多く、全く票になりません。
この問題で反対の意思を持つ人が選挙の争点として意見を票に変えていかない限り、彼が当選する事は無いかもしれません。
非改選組のみんなの党山田太郎議員もこの問題に反対の声をあげていますが、やはり偏見による批判や中傷が届いている様です。
この法案は定義の曖昧さ故に単純所持規制が恣意的に使われる可能性を孕んでおり、取締を担当する警察機構は自白依存で弁護士の立会いを許さず、取調べの録画さえ拒否する傾向があります。
この法案は警察機構による犯罪の製造に大きく加担する可能性があります。
秋葉原でのツールナイフ狩りが違法判決を受けた処ですが、その比ではない取締範囲の広がりを見せるでしょう。
そして日本の警察は国連・拷問禁止委員会で「自白依存で中世的」と評価されており、5/5に孫の水遊び写真を児童ポルノ所持として逮捕された老人の住む英国より、はるかに劣っています。
法案の根拠の不在
「児童虐待はポルノグラフィーではありません」 ICPOによる適切な用語(Appropriate terminology)のウェブ翻訳版
警察庁・科学警察研究所とハワイ大学の共同研究による「性表現は性犯罪足り得ない」とする研究結果
Pornography, Rape and Sex Crimes in Japan
(ハワイ大学公開版の為英語)
・ごく個人的な疑問として、男性は射精時にプロラクチンというホルモンが分泌され、性欲が急激に減退します。
毎日ポルノで自慰行為を繰り返す者が居たとして、その者は性欲の解消の為に性犯罪を犯すでしょうか?
東京都青少年健全育成条例改正案の時にも疑問に感じたのですが、
「過激な性表現の漫画が性犯罪に走らせる」
というのは、どんな科学的根拠に基づいたものでしょう?
仮に過激な性表現の多い漫画やアニメーションを毎日見ていた人が児童への性犯罪を犯したとします。
5/8の国会答弁で安倍総理が仰った「漫画やアニメーションのせいで児童を性的対象と見る風潮を助長する」論の結果だと断定した場合、そうじゃない多くの人びとは性犯罪者予備軍でしょうか?
また、成人しか買えないゾーニング済みの本を何らかの手段で手に入れた高校生等の未成年も、性犯罪予備軍でしょうか?
彼らがそれを手に入れた瞬間、今までの人生で学んできた事は無効となり、性犯罪者になると運命づけられたのでしょうか?
その脆弱な教育と社会制度とは何でしょう?
そもそもそれは、科学的に、否定されている主張です。
児童ポルノ規制による性犯罪の増加http://www42.tok2.com/home/seekseek/53.html
そして、諸外国のヒステリックな表現規制もまた、その説を否定しています。
当方は、「扇動情報を含む悪い情報やフィクションに左右されない人格形成」こそが現代日本で目指すべき青少年の健全育成であって、ゾーニング済みの過激な成人コミックスを政治家に送りつけて規制を煽るのは青少年の健全育成に反する行為だと常日頃から考えております。
それは手間のかかる事ではありますが、韓国の様にただ創作物や情報を規制するだけでは、児童の健全化も児童を性的虐待は性的搾取から守る事も出来ません。
韓国で1700種類くらいのまんがが 有害図書に指定されアニメ業界壊滅
そして、規制を推進する方の論には常に「児童への性犯罪率のトップが親や同居人、自動に接する機会が多い者」である事が抜けていて、児童への性犯罪の抑止を現実的に考えて居ない事が浮き彫りになっています。
規制推進派の弁
「児童ポルノ禁止法改正案」 「漫画切り離して」山田太郎氏、「単純所持規制も」平沢勝栄氏
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/130621/ent13062107540008-n1.htm
平沢勝栄氏の事務所には、「子供が読めるんです」と「過激な成人コミックス」が大量に送られているのでしょう。
PTAや宗教団体、警察官の家族の会を始めとする、「一部の人々の嫌悪感情を解消する為の集団」は十年以上存在しています。
しかし、その希望通りに動く事が青少年の健全育成や児童を性的虐待や性的搾取から保護する事に繋がるとは到底思えません。
そして、日本の児童ポルノの定義では「衣服の一部、または全部を着けていない児童の容姿」という項目があり、こんなものを創作物に当てはめる為に頑張っている事は憲法違反の思想統制です。
「児童に見える容姿の者やお色気〜過激な性表現までを全て排除する」
これは韓国が未成年の性犯罪率を激増させた物と全く同じ構造です。
日本の教育には「性欲が充満した時どうすればよいか」がありません。
特に性的好奇心に抑制の効きづらい思春期の児童を軽いものを含む一切の性的情報を遮断した世界に放り込んだら何が起きるでしょう?
その時、「自慰行為で解消すべきであって、他人を使って解消してはいけない」という教育がなければ、どうなるでしょう?
それが韓国であり、カトリック教会の性的虐待事件であり、控えめに計算しても年間十万人の児童が性的目的で人身売買されている米国の実態ではないでしょうか。
そして、日本でも一部の議員の思い込みが、同じ方向へ舵を切ろうとしています。
谷垣禎一・法務大臣定例会見「児童ポルノ法でコミックスについては否定していない」(2013年6月21日)
http://getnews.jp/archives/365137
「子供を商業的性的搾取の対象であるかのような表現は許すわけにはいかないんだ、という気持ちが強くあることもよく存じています。」
と仰っていますが、国内の児童買春等に全く関心を持って来なかったユニセフ議連の会長である前に法務大臣としての自覚を持って発言して頂きたいです。
谷垣法相は過去に「単純所持規制より過激な性表現の漫画が社会秩序の維持を困難にさせる」と仰っています。
フィクションで維持が困難になる社会秩序は中世並です。
それは児童保護や青少年の健全育成をより困難にします。
そして、平成十一年の児童ポルノ禁止法と平成十六年の一部改正は、児童への性犯罪の抑止に全く効果がありませんでした。
今回の改正案の場合、同様の法律を施行した韓国では最悪の結果をもたらしています。
そろそろ、児童保護や青少年の健全育成について、真面目に考える時期が来ているんじゃないでしょうか。
この十五年、規制を推進する事にばかり躍起になっていた人々は、児童保護や青少年の健全育成に貢献していません。
その思惟のなさこそが青少年に有害であると、宮崎事件以降常に感じております。
健全とは、
・身心が正常に働き、健康であること。
・考え方や行動が偏らず調和がとれていること。
・物事が正常に機能して、しっかりした状態にあること。
です。
青少年を健全に育成する為には、
事実で嘘をつく方法 〜大学生・社会人のためのメディアリテラシー講座〜
この社会にはどういう性質の情報があふれていて、それが自分にどう影響を与えようとしているか、それを自覚させる教育が必要です。
未だ日本には現実とフィクションの区別がついていない大人が数多く存在しています。
「創作物の性表現の排除こそが健全化」というのは、唾棄すべき怠慢です。
それは青少年の健全育成への害悪要因です。
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